2025年10月15日号掲載記事より
粧工会、産業政策委員会が輸出拡大に向け活動報告 規制環境整備充実図る
日本化粧品工業会(粧工会)は10月6日、同工業会会議室で化粧品関係業界専門紙との懇談会を開き、産業政策委員会の活動報告を行った。小林一俊会長(コーセー)は、化粧品業界がコロナ禍から回復基調にあるなか、今後は国際競争力を高め輸出拡大を目指すべく、関係行政に対して規制環境整備に向けた政策提言を行っていく方針を表明した。
小林会長はコロナ禍で大きな打撃を受けた化粧品業界は現在回復基調にあると報告する一方、輸出は2022年度以降減少傾向が続いており、韓国や中国などアジア諸国からの輸入品が急増している現状を指摘した。こうした環境変化を踏まえて小林会長は、日本の化粧品産業の持続的成長には「安心・安全」「高品質」といった信頼性に加え、先端技術と日本独自の美意識を融合させた“ジャパンビューティー”の価値を一層高めることが重要であると強調。またウェルビーイングや環境配慮といった新たな領域への拡張を通じて、国際競争力を高める必要性を示した。その一環として粧工会では「粧工会ビジョン2030」に基づき、産業政策委員会を中心に海外展開や輸出拡大の支援に取り組んでいると説明。今後も関係行政との連携を深めながら、規制環境整備に向けた政策提言を進めていく考えを述べた。
ユニ・チャーム、「どこでもソフィ」始動 生理用品ディスペンサー無料提供
ユニ・チャームは、生理用品を必要なときに誰もが安心して利用できる環境づくりを目指し、学校向け「School Sofy(スクールソフィ)」と企業向け「Office Sofy(オフィスソフィ)」の2種類のディスペンサーを無償で提供する「どこでもソフィ」を、10月6日に開始した。
「どこでもソフィ」は、学校向けの「School Sofy」、企業向けの「Office Sofy」の2種類のディスペンサーを無償で提供し、必要な時に、どこでも生理用品が手に入る環境を整備する取り組み。中に補充するナプキンは、設置先の学校・企業に購入してもらう。
今回、販売提供するナプキンには、「完全密閉型個包装ナプキン(『ソフィSPORTS羽つき』)」を採用した。これまで、生理用ナプキンを医薬品医療機器等法(薬機法)が定める範囲の中で1枚ずつ個包装して販売することは、生産性やコストの観点から困難だった。今回、これらの条件を満たす商品を開発することで、誰でも安心して使用できる衛生的なナプキンの提供が可能となった。
同社では、本取り組みにより、「どこでも生理用品が手に入る社会」、そして「“自分らしく、もっと自由に”過ごせる社会」の実現を目指す。
※無償提供は2種類のディスペンサーが対象で、補充するナプキンは有償となる。本サービスは予告なく変更・中止する場合がある。
ミヨシ石鹸、「MIYOSHI PRIMAL SOAP」発売 “せっけんの価値”再評価
ミヨシ石鹸は10月8日、都内で報道関係者を対象に新商品発表会を開き、素材と使い心地を突き詰め、“せっけんそのものの価値”を追求したハイグレードライン「MIYOSHI PRIMAL SOAP」を23日、発売すると発表した。
同品は、「MIYOSHI」製品の処方をさらに進化させ、せっけんそのものの価値を高めるハイグレードラインの新ブランド。素材と向き合い、使い心地を極め、日常に健やかさと上質をもたらす“本物のせっけん”として提案する。商品名の「PRIMAL」とは、“根源的な”“はじまりの”という意味。ミヨシ石鹸はこの名に、せっけん本来の価値を再び見つめ直す思いを込めた。その思いをかたちにするべく、従来の処方を見直し、素材と使い心地を追求。“せっけんの新たな到達点”として完成させた。
同品の展開方針について山﨑剛ブランドディベロップメント部長は、「この商品は大量販売を目的とするものではなく、販路もあえて絞り込み、従来とは異なる業態で展開する。ターゲットは丁寧な暮らしを心がけ、自らのライフスタイルの視点からモノを選ぶ感度の高い生活者である。こうした生活者は情報発信力にも優れており、話題性を高めながら、段階的に販路を広げていきたいと考えている」と話した。
楽天グループのネットスーパー事業、関西からの撤退を発表
楽天グループは10月3日、子会社の楽天マート(旧楽天西友ネットスーパー)が展開するネットスーパー事業について、顧客獲得実績が当初計画を著しく下回る結果となったことを受け、約270億円の減損損失を計上する見込みであるとともに、茨木倉庫(関西エリア)から撤退すると発表した。
理由について同社では、商品調達プロセスの構築に想定以上の時間を要したことに加え、コロナ禍の収束に伴い、消費者の購買行動が実店舗へ回帰する傾向が強まったことで、ネットスーパー事業における顧客獲得実績が当初計画を著しく下回ったためとする。
ただ同社は生鮮食品EC市場の成長性に着目しており、同事業を楽天グループの重要なビジネスの1つとして継続していく方針で、今後は①新ロイヤリティプログラムの導入による楽天エコシステムとの連携強化と顧客基盤の拡大②顧客ニーズに応じた品揃えの拡充とパーソナライゼーションの強化③調達体制の強化と効率化④物流網の再構築と効率化⑤不採算エリアからの撤退による収益性改善――の5施策を推進していくことで早期の収益改善を目指していく。
ウエルシアHD、26年2月期2Q決算は増収増益、最終利益は35.9%増に
ウエルシアホールディングスは、10月8日、都内で「2026年2月期第2四半期決算説明会」を開き、3~8月期の業績、取り組みについて発表した。同期の連結業績は、売上高6787億9300万円(前年同期比7.6%増)、営業利益228億900万円(20.8%増)、経常利益254億1800万円(21.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益159億2300万円(35.9%増)で増収増益となった。
桐澤英明社長の説明によると、同期は全国的な記録的猛暑の影響により、特に7月、8月は客数が減少、さらに食料品を中心とした物価高が続き、生活者の節約志向が強まっている厳しい事業環境となった。
そうした中、売上高については、調剤は堅調に推移したものの、物販は厳しい進捗となり計画比99.1%で未達。だが、販管費では賃上げなどの人材投資や店舗改装、システム投資などの中長期を見据えた投資を進める一方、人時コントロールを中心とした販管費適正化に努め、物販・調剤ともに粗利率の改善が計画以上に進み、営業利益は計画比111.3%と大きく上回った。前期比では、M&Aと既存店売上高の伸長により増収となり、営業利益は120%以上の増益となった。
桐澤社長は、「上期は増収増益で着地したものの、利益率はまだ満足できる水準に達していない」と述べ、「物販の売上げには課題が残る」との見解を示し、今後も「ウエルシア2.0」の方針のもと、収益性の高い企業への転換を進めていく方針を表明。また、ツルハホールディングスとの12月の統合に向けて着実に準備を進めていると報告した。
2025年10月15日号 記事一覧
特別企画
- D-Neeコスメティック、H&B市場の可能性を追求 あらたが仕掛ける挑戦
会合・発表会
- プラネット、トップセミナー開催 業界企業の戦略的パートナーに
- 花王、「KATE」新ベースメイク発表会開催 グローバル戦略を加速
- 近石工、情報交流会を開催 AI、バックオフィスのDXをテーマに
経営・施策
- ファイントゥデイHD、東証スタンダード市場への新規上場承認
- 小林製薬、完全子会社の「梅丹本舗」を吸収合併
- ライオン、「FDI世界歯科大会2025」のDiamond Exhibition Sponsorに
- 小林製薬、紅麹関連製品の特設サイトをリニューアル 補償状況も公表
- ファイントゥデイ「フィーノ」、帽子用部分ウィッグ寄贈を実施
- 花王「KANEBO」、タイでの戦略的プロモーション奏功 海外戦略を加速
- ファンケル、使用済みプラ製容器の循環型プロジェクトに参画
製品・サービス
- イオン、自動洗剤充てん機「エコフィル」イオンスタイル幕張新都心に導入
- 【PR】晴香堂 「アロマスト ワイナリー リキッド」新発売
- 【PR】ライオン 衣料用洗剤ブランド「NANOX one」フルリニューアル
- 花王、「merit」から「Osolo」発売 娘と母のための、おそろいシャンプー
- コーセー、「Prédia BLUE」から泥パテボディクレンジング発売
- 牛乳石鹸共進社、「カウブランド 無添加泡の洗顔料」10%増量品限定発売
- マンダム、iumからEMSヘッドスパ新発売 本格ヘッドスパ専門店が監修
- バスクリン、「日本の名湯 桃太郎電鉄パック」数量限定発売
- バスクリン、「喫茶バスクリン アカイロりんごサイダーの香り」限定発売
- ユニ・チャーム、「SMART COLOR My Palette」から限定マスク発売
- ユニ・チャーム、「マナーウェア 長時間快適 男の子用」新機能を搭載
- 小林製薬、「Sawaday+Woman’s Aroma」新発売 女性の心身のゆらぎに
- クラシエ「プロスタイル」、サンリオキャラとのコラボデザイン限定発売
- クラシエ、「ナイーブ」から「抹茶ラテの香り」ボディソープ限定発売
- P&Gジャパン、「レノアハピネス」から「ハピネスミスト」新発売
- P&Gジャパン、「ジレット」から替刃式交換カミソリ発売
- P&Gジャパン、「パンパース」主力3ラインをリニューアル
宣伝販促
- ファンケル、機能性表示食品「えんきん」新WEB動画配信開始
- P&Gジャパン、「ハピネスミスト」新TVCM放映 綾瀬はるかが出演
- コーセー、バレーボール「SVリーグ」とパートナー契約締結
- ライオン、「ルックプラス バスタブクレンジング」新CM放映中
- 花王、「ビオレ ザ ボディ ととのい肌」新TVCM放映
決算
- ライフコーポ、26年2月期中間期は営業収益が過去最高達成
研究・開発
- 牛乳石鹸共進社、石けん使用後の“キュキュッと感”のメカニズム解明へ
- アース製薬、国立環境研究所と共同研究契約 「入浴による暑熱順化効果」
- コーセー、「教師なし距離学習モデル」開発 リップメイクの自動分類可能に
調査・統計
- プラネット、「アクティブシニアの買物意識と行動2025」を発行
- True Data、食品SM・DgS25年8月対前年伸び率TOP20カテゴリ発表
イベント・展示会
- 東邦、「UTAMARO Global Cup U-11 2025」開催 子供たちの夢を応援
施設・店舗
- ライオン、仙台オフィスを移転
訃報・葬儀
- 訃報 佐野清氏(大平工業、デンタルプロ取締役名誉顧問) 91歳
時評・コラム
- 時評 物価高騰下、日用品メーカーと流通が訴求すべき「真の価値」
- 転新欄万 名月に戦禍無き世界を祈るしかなくても
その他
- 最近のPR誌 プラネットVANVAN第148号
- コーセー「雪肌精BLUE」、「Pentawards」ゴールド賞受賞
特集 【カイロ・温熱ヘルスケア】
- カイロ市場 24年度は立ち上がり低調も後半の伸長で市場は拡大
- エステー 「はる/貼らないオンパックスFit」新発売
- 小林製薬 「スマホ首」「就寝中の腰痛や肩コリ」に向けた新製品を発売
- 花王「めぐりズム」 目・首・足に一緒に使って「贅沢めぐり体験」
- 入浴剤市場 夏場のクールタイプが好調も油断禁物
- 花王 「ビオレ ザ ボディ泡ボディウォッシュ」を刷新
- 牛乳石鹸共進社 「ミルキィボディソープ」から「赤箱の香り」など発売
- 白元アース 「HERS バスラボ ボトル」から新製品 消費者キャンペも
- バスクリン 「きき湯ファインヒート」改良 「バスクリン」95周年で新装
- シャボン玉石けん バブルガードシリーズの更なる強化図る
- 第一石鹸 「ピュアフィール ボディソープ」発売
- クラシエ 「旅の宿 薬用バスソルト 発汗温浴」発売
- ライオン 「hadakara増える泡ボディソープ」シリーズを積極展開
経営・施策
製品・サービス
特集 【入浴剤・ボディソープ】
経営・施策
製品・サービス
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。