2024年9月11日号掲載記事より
「第24回JAPANドラッグストアショー」約10万人が来場し盛況に
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が主催する「第24回JAPANドラッグストアショー」が、8月30~9月1日の3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。「これからの多様性のある社会に向けたドラッグストアの挑戦~自分に合ったセルフメディケーションを探して~」をメインテーマに、385社(1280小間)が出展。台風10号の影響による集客への不安があったが、3日間の来場者数は前回(5万8872人)を大幅に上回る9万7944人で10万人に迫り、社会の公器を目指すドラッグストアへの関心・期待が集まるショーとなった。
開催前に実施されたオープニングセレモニー(写真)であいさつに立った塚本厚志会長(マツキヨココカラ&カンパニー副社長)は「DgSは現在、全国約2万3000店舗、約10兆円の市場規模にまで成長することができた。ここまで順調に成長を遂げてきた背景には、生活者の支持とJACDSをはじめ多くの業界関係者の努力によるものがある。今後の25年を見据え、DgS業界はさらなる成長を目指し、生活者に喜ばれる存在であり続けるために、セルフケアとセルフメディケーションを推進する『健康生活拠点』として、世界中のウェルビーイングに貢献していく」との考えを示した。
また、出展社を代表して登壇したアース製薬・川端克宜社長CEOは「多様性が尊重される時代となった今、DgS業界では多様な顧客ニーズに応える新たな価値創造が必要不可欠になっている。メーカーは商品開発において多様な顧客層に対応する必要があり、販売店では売り場づくりや接客で多様なアプローチが求められている。このショーを通じて、これらの取り組みを積極的に発信し、DgS業界の発展に貢献していく」と述べた。
今回、会場は東3~6ホールを使用。前回東3ホールで実施していたビジネスゾーンを会場内に組み込んだことで、会場のレイアウトに余裕が生まれ、来場者が会場を自由に回遊しやすくなった。特に、一般来場者を引きつけるため、「JACDSテーマブース」や「お祭り広場」、「イベントステージ」、「キッチンカーラウンジ」などの企画コーナーが東3ホールに集められ、多くの来場者が1日中ここを中心に楽しめるような工夫が施された。
また各出展社ブースでは、セルフメディケーションのさらなる理解促進と啓発のための情報発信だけでなく、健康や美容、生活に役立つ製品や情報、サービスを見て、体験できる展示が多く見られた。
クラシエ、ボディケア新ブランド「YOHADA」発表会開く
クラシエは9月3日、都内で報道関係者を対象に、「クラシエ ボディケア新ブランド『YOHADA』発表会」を開催。睡眠中のカサカサが気になる“乾燥性敏感肌”の人に向けて、睡眠中の肌を考えたナイトケアボディソープ「YOHADA(よはだ)ボディウォッシュ」(既報)を9月11日、発売すると発表した。ゲストとしてお笑い芸人・友近も登場し、イベントを盛り上げた。(写真)
はじめに藤原信太郎スキンケアマーケティング部ブランドリーダーがあいさつに立ち、「今回、新たに注目したのは『睡眠市場』である。睡眠市場は年々拡大しているが、当社が35~55歳の女性を対象に実施した調査によると、約7割の人が睡眠不足を感じており、8割以上が良い睡眠をとるための知識が不足していることが分かった。睡眠の質を下げる要因として、日頃のストレスや気持ちの乱れによる『心のカサカサ』、目を酷使することによる『目のカサカサ』、様々な外部環境による『肌のカサカサ』の3点に着目し、これらの状態で睡眠をとることを『カサカサ睡眠』と名づけ、提唱する。また、眠りとお風呂の専門家・小林麻利子氏協力のもと、より良い睡眠をとるための新しいルーティーンを提案する」と述べた。
続いて、眠りとお風呂の専門家・小林麻利子氏が「カサカサ睡眠」のケア方法を紹介した後、村上千秋スキンケアマーケティング部商品開発担当が「YOHADAボディウォッシュ」の開発背景について説明。
この後、商品特長の紹介とブランドムービーが披露された後、ゲストとしてお笑い芸人・友近が登場し、専門家の小林氏も交えて睡眠やボディソープにまつわるトークセッションが行われた。友近は同品について、「これまで使ったどのボディソープよりも香りがとても良く、清潔でやさしく、癒される香りです。また、肌ざわりも滑らかで濃密な泡が気に入りました」と使用感を語った。
花王豊橋工場、自動運転フォークリフトのトラック積み込み作業を実用化
花王は今年7月に、少量多品種を生産する豊橋工場の次世代倉庫内の現場環境で、日本で初めて「自動運転フォークリフトによるトラックへの積み込み作業の実用化」に成功した。これは豊田自動織機との協働により実現したもの。10月には本格導入し、日常的に稼働を始める。生産工場から次世代倉庫内への製品入庫から出庫までに加え、トラックへの積み込み作業までを自動化することにより、今後の業務効率化や労働力不足への対応に貢献する。(写真)
ヘアケア・スキンケアなど少量多品種の製品を生産する豊橋工場では、2023年3月に次世代倉庫が完成し、工場から製品を入庫、仕分け、出庫するまでを自動化することにより、柔軟な物流体制への対応を進めてきた。だが出庫後のトラックへの積み込み作業は、荷物やトラックの都度異なる規格への対応や停止位置の誤差調整、長距離輸送に耐えられる荷崩れ防止の養生も必要なことから、人の経験を活かしたフォークリフト運転技術が必要だった。
そこで花王では、積み込み作業の自動化に向けて、2021年から豊田自動織機と協働を開始し、今年7月に自動運転フォークリフトの実用化に成功。試験環境ではなく、現場での実際のオーダー・輸送を伴う導入は、日本で初めてとなる。実用化に成功した自動運転フォークリフトは、10月に本格導入し、日常的に稼働する予定。これにより製品入庫からトラックへの積み込みまで完全自動化された倉庫が実現する。
また、自動運転フォークリフトは次世代倉庫のみならず、国内外の花王グループの生産・物流拠点への導入も検討していく。業界内でも広く活用されるよう知見を広げていくことにより、社会課題となる、労働力不足や能率的で柔軟な働き方への対応を進めていく。
トゥディック、30回目商談会は初の秋開催に 今期業績は増収増益の見通し
トゥディックは9月4日、金沢市内の「金沢流通会館」(金沢問屋センター)で、「第30回トゥディック商談会」を開催した。同社の商談会は毎年1月(年1回)に開催されていたが、今年は「能登半島地震」の発生により3月に延期して開催された。現在、同社では商談会の開催時期の変更を検討しており、その一環として9月に開催されることとなったもの。当日の会場ではメーカー各社の今秋の新製品や同社の企画提案などが一堂に披露され、地元販売業者(ECおよび施設関連を含む)ら60社180名(見込み)が来場し、開場と同時に多数の来場が訪れ終日盛況となった。
会場は春の商談会と同様に、メーカーブースゾーンと商談スペースゾーンに分かれ、メーカーブースゾーンでは、出展メーカー(75社)のブースをレイアウトし、商談スペースの入口前には、同社の企画提案を紹介する「TODIC提案コーナー」を設置。今回は「リフォーム棚割」「ポジティブ消費」「一推しハンガー企画」の3つのテーマによる提案を披露した。
また当日は、宮越公一郎社長と古市哲一常務執行役員が出席のもと会見が開かれ、その中で今回秋に商談会を開催した背景について、宮越社長は「1月開催の場合、降雪の影響を受けやすいため、開催時期の変更を検討している。今年は3月と9月に開催したが、来年以降については来場者や出展メーカーの方々の意見を聞いた上で決定したい」と述べた。
一方、業績については「今年は年明けの早々の能登半島地震への対応に加え、2024年物流問題、商品の値上げ、異常気象、コスト削減――など多くの課題に対応してきた。物流の問題を含め残っている課題はあるものの、この3年間取り組んできたことの成果や取引先のお蔭で、今期は増収増益になると見込んでいる」と説明した。
吉野家HD、「SPEEDIA(スピーディア)」でスキンケア市場に参入
吉野家ホールディングスは8月28日、オーストリッチ(ダチョウ)に関する新たな事業を始動、特にスキンケア事業を本格展開することを報告・説明するため、都内会場にて「吉野家ホールディングス新規事業発表会」を開催した。
当日は、同社河村泰貴社長が登壇し、事業開始の経緯と概要、今後の展開などを詳細に語った。
河村社長は、事業開始の理由について「食糧の種類の集中化を防ぎ、多様な食糧から健康を維持する必要性」「自社の事業課題であるリスクの回避、畜種分散」という2つの観点があることを明示した上で、「人々の持続可能な豊かな暮らしの多様な選択肢の1つとしてオーストリッチに着目した。2017年から多様な可能性について研究を続け、美容と健康の領域で新機能を発見した」と説明するとともに、今後オーストリッチに関する事業を展開するのが100%子会社のSPEEDIA(スピーディア)であることを併せて報告した。
オーストリッチオイルを配合したスキンケア商品「SPEEDIA」シリーズは、美容成分の浸透効果を高める「グラマラスブースターオイル」、バリア機能をアップさせてハリと艶を保つ「グラマラスエイジングクリーム」、美肌効果を高める「モイスチャーマスク」の3品をラインアップ。いずれの商品もオイル特有のベタつきはなく、さらっとしたテクスチュアで肌馴染みが非常に良いことがその特長という。
これらの商品は公式サイト、公式直販サイトの他、日本調剤オンラインストア、ヨドバシ・ドット・コムで販売。さらに商品だけでなく、オーストリッチオイル原料の卸販売も行っていく。
また今後は「ハンド&ボディケアミルク」の販売も予定している。
2024年9月11日号 記事一覧
会合・発表会
- マツキヨココカラ、「matsukiyo RELAX のど飴」新発売 川端要と共同開発
- pdc、新スキンケアブランド「DERMAAID(ダーマエイド)」発売
- セブン-イレブン・ジャパン、「うれしい値!宣言」商品政策を説明
- ファンケル、機能性表示食品「プレミアムカロリミット」新発売
経営・施策
- コーセーコスメポート、マーケティング戦略と下期の取り組みを説明
- フマキラー、ハリケーンで被災したジャマイカにVAPE忌避剤5000本寄付
- 桃谷順天館、女性の理系人材育成セミナーに参画 同社女性研究員が講演
製品・サービス
- サンスター、「アンドファスティング」で「Biople FES 2024」に初出展
- 花王、「バブ モンスターバブルMEGA級」新発売
- 花王、ビオレから「金木犀の香り」のメイク落とし・洗顔料数量限定発売
- 東洋アルミエコープロダクツ、「石焼きいも 黒ホイル」リニューアル発売
- 小林製薬、秋の新製品17品目発売 「歯周病ケアスミガキ」など
- ライオン、「ルック+ バスタブクレンジング銀イオンプラス」に新香調
- ライオン、「ソフラン アロマリッチ」から新香調「クレア」発売
- ライオン、「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」新製品
- ユニ・チャーム、「グラン・デリ Frecious」素材の質や量を向上
- ユニ・チャーム、「グラン・デリ」から食べきりサイズの総合栄養食を発売
- ユニ・チャーム、「デオトイレ ハーフカバー ライトブラウン」など発売
- コーセーコスメポート、「ジュレーム iP」から新感覚のヘアオイル発売
- クラシエ、「肌美精 アイバッグ ニードルショット」発売
- ファンケル、マイルドクレンジングオイルで「リカちゃん」とコラボ
- P&Gジャパン、「ジョイPRO洗浄 まとめ洗い用/すぐ洗い用」新発売
- P&Gジャパン、プレミアム柔軟剤「レノアリセット セラム」新発売
- ウテナ、美容液「オルメディ オールデイズセラムP」新発売
宣伝販促
- サンスター「VO5」、「USJに行こう!キャンペーン」実施中
- コットン・ラボ、「ふわうさ」シリーズの特別セット販売キャンペを実施
人事・組織
- ユニリーバ・ジャパン・CMK、新社長にエド・ブリオラ氏が就任
- 花王、人事異動、機構改革を発表
決算
- P&G米国本社、2024事業年度通期業績発表 純売上高は前年比2%増
研究・開発
- エステー、PMSに対するトドマツ精油の香りによる緩和効果を確認
調査・統計
- 東家同 24年8月度市況概況価格調査 T.P、南海トラフ報道で数量金額増
- 粧工会 24年1~6月化粧品統計 化粧品合計は9.4%増で推移
イベント・展示会
- 「第24回JAPANドラッグストアショー」ブースデザイン表彰 受賞企業発表
- 「第24回JAPANドラッグストアショー」ビジネスセミナー開催
- 日本DIY・HC協会、「JAPAN DIY HC SHOW」60回目の開催
- 花王「SOFINA iP」、女性向けキャリアスクール内でバナーコンペを実施
- RX Japan、「COSME Week 大阪 2024」9月25~27日に開催
時評・コラム
- 時評 総合を目指した小売業態の岐路
特集 【オーラルケア】
- オーラルケア市場は堅調 衛生、未病管理・予防意識の高まりで
- ライオン 「システマ ハグキプラス プレミアム」リニューアル
- Haleonジャパン 「シュミテクト 歯周病ケア+口臭予防」新発売
- サンスター 「ガム・デンタルリンス 1300mL」新発売 通常品の2.6倍
- UFCサプライ 「こどもハブラシ ブラッシィ」シリーズが好評
- エビス 「プログリップハブラシ」若者層に受け好調な動き
- サンギ 「アパガードセレナ」が第2の柱に成長 トライアル品が後押し
- シャボン玉石けん 「せっけんハミガキシリーズ」をリニューアル
- アース製薬 マウスウォッシュ新ブランド「ダモン」発売
- 松本金型 新感覚の舌ブラシ「したつつみNEO」発売中
- デンタルプロ 「ブラックダイヤプラス」新2アイテムを発売
- 花王 「ピュオーラ36500ハブラシシリーズ」発売
- ラピス お米由来の歯ブラシ「エコデント」積極展開
経営・施策
製品・サービス
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