今週の注目トピックス

2024年4月24日号掲載記事より

アークス 横山社長が代表権ある会長・CEOに 新社長に猫宮一久氏就任

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 北海道・東北・北関東の地域密着型のスーパーマーケットチェーン・アークスは4月15日、北海道内で記者会見を開き、5月28日付で横山清社長が代表権のある会長に就任し、その後任の代表取締役社長に子会社の食品スーパー・ラルズの猫宮一久社長が就任すると発表した。副社長の古川公一氏は取締役副会長に就任する。新体制では、横山氏はCEO(最高経営責任者)、猫宮氏はCOO(最高執行責任者)、古川氏はCFO(最高財務責任者)にそれぞれ就任、3C体制でグループの成長を目指す。ラルズの後任社長には5月16日付で専務取締役商品統括担当の松尾直人氏が就任する。
 会見で横山社長は、64年に及ぶ自身の長年の経験を振り返った上で、「昨今、業界の垣根を超えて様々な企業がスーパー業界に参入するなど市場環境が激変する中、私も卒寿を迎える今、当社は今の体制をスピードアップさせていかなくてはならないと考えた」と社長交代の理由を説明。さらに「新たにこの3C体制を組むことで、業界の信頼性を高め、全体を1つに形にしていく」と変化に対応し、より強いスーパーマーケットグループを目指す決意を示した。
 また後任に指名された猫宮氏は、「今回の体制刷新を受け、今以上に環境変化に対応できるよう、横山会長の傍に控え、そのグループ経営(八ヶ岳連峰経営)を学びながら強いスーパーマーケットグループを作っていきたい」と抱負を述べた。さらに猫宮氏は、「物価上昇・人手不足等課題は山積みだが、自身のモットーである基本の徹底とPDCAサイクルを速く回すことを念頭に強いグループ基盤を構築していく。店舗の声を吸い上げながら、お客様に愛される会社を目指す」と述べた。

ライオン、「Choose one Project」開始 サステナブルな洗濯社会の実現へ

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 ライオンはサステナブルな社会の実現に向け、生活の中で実践できるお洗濯のエコ活動として、「すすぎ1回」と「衣類のロングライフ化」を啓発する「Choose one Project」を開始すると宣言した。プロジェクトのWEBサイトを立ち上げ、4月22日の「アースデイ(地球の日)」に活動を始動する。スタートに先立ち、4月18日、東京都台東区の同社本社でLION「Choose one Project」発表会・パネルディスカッションを開催した。
 ライオンヘルス&ホームケア事業本部ホームケア事業部トップ・アクロングループ・金子智之ブランドマネジャーの説明によると、同プロジェクトは、サステナブルな社会の実現に向け、「すすぎ1回」と「衣類のロングライフ化」を啓発する活動。「服に、地球に、ちょっといいセンタクを。Choose one(oneを選ぼう)」というコミュニケーションメッセージで洗濯は節水・節電でecoなすすぎ1回を選ぼう×衣類を長持ちできる「NANOX one」を選ぼうという提案を行う。
 具体的な取組みは、プロジェクトサイトで最新情報を発信する他、毎月1日を「oneの日」と設定し、5月1日からXでキャンペーンを実施。以降も賛同企業とタイアップ企画などを予定。
 パネルディスカッションでは、プロジェクトに賛同する企業のツインバードの井上淳也氏、FABRIC TOKYOの土山純史氏、LIFULLの遠山佳子氏、ライオンの金子氏が各社のサステナビリティに関する取り組みを説明するとともに、サステナブル社会実現に向けた連携を深め、相互に刺激を与え合いながら取り組みを発展させる考えを示し、「Choose one Project」へのメッセージを送った。

花王と小杉湯が協働 新商業施設「ハラカド」から清潔・清浄体験を発信

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 花王は、ヘルス&ビューティケア領域において、小杉湯と協働し、東急プラザ原宿「ハラカド」(4月17日開業)内にオープンする銭湯「小杉湯原宿」で新たな取り組みをスタートした。今後、「ハラカド」地下1階フロアの一部「チカイチ」にて、「小杉湯原宿」とともに、清潔・清浄にまつわる様々な体験の場を創造し、積極的に情報を発信する。
 主な取り組み内容は、①花王が創業以来販売を継続している「花王石鹸(現:花王ホワイト)」をテーマに、花王の「素」である清潔・清浄文化や歴史の世界へといざなう体験企画を実施。一部、販売予定(4月17日~5月末)②休みながら美しく“休息美容”をブランドコンセプトに誕生した新ヘアケアブランド「melt(メルト)」の体験企画を実施。銭湯内での商品体験に加え、音・泡・感触・香りで様々な感覚にはたらきかける「melt」の世界観に没入できるオリジナルコンテンツを用意。購入も可能(4月27日~5月6日)③年間を通して、花王の清潔・清浄などに関わる商品を自由に体験できるよう常設。一部、販売。
 今後も花王は、季節に応じたテーマで、さまざまな体験の場を提供していく。さらに、公式X(旧:Twitter)「ハラカドチカイチ花王【公式】」を開設し、積極的な情報発信も行っていく。

JACDS、23年度DgS実態調査結果(速報)公表 全国総売上高は9兆円超

 一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は4月12日、定例記者会見において田中浩幸事務総長が「2023年度版業界推計 日本のドラッグストア実態調査」の結果を公表した。数値はいずれも推定値。
 それによると、全国総売上高(381社・2万3041店舗)は9兆2022億円で、前年伸び率は105.6%であった。
 また全国総店舗数は2万3041店舗。昨年より957店舗増加した。規模別店舗数では、300坪以上が5570店舗(有効回答構成比24.2%)、150~300坪未満が9891店舗(42.9%)、60~150坪未満が4141店舗(18.0%)、30~60坪未満が1541店舗(6.7%)、30坪未満が1898店舗(8.2%)だった。
 カテゴリー別売上高では、「調剤・ヘルスケア」が3兆657億円(構成比33.3%)で前年比107.7%、「ビューティケア」が1兆6363億円(17.8%)で同104.0%、「ホームケア」が1兆9968億円(21.7%)で同105.8%、「フーズ・その他」が2兆5034億円(27.2%)で同104.0%。
 併せてドラッグストア(DgS)調剤の動向も公表され、23年度の調剤額は1兆4015億円〈DgS併設薬局のみ、会員企業であっても単独薬局は計上していない。非協会分を含む業界全体の併設薬局の推計値〉であった。
 池野隆光会長は今調査結果について、「昨今DgS企業の多くが調剤併設を増やしている状況もあり、規模的にもさらに伸長するだろうとは予想していた。現況ではまだまだ併設化できる余地は多く、今後も増加していくのは間違いない」と語った上で、その理由として、「DgSが調剤を扱うことの利便性が生活者にも理解が進んでいることが大きい」との見解を示した。

ライフコーポレーション、24年2月期決算は経常利益が過去2番目の高値

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 ライフコーポレーションは4月10日、都内で「2024年2月期決算説明会」を開催。当日は、岩崎高治社長らによる当期決算概況と総括、事業の進捗などについての説明が行われた。
 それによると、同社当期連結業績は、営業収益8097億900万円(前年同期比5.8%増)、営業利益241億1800万円(26.0%増)、経常利益249億4800万円(24.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益169億3800万円(27.1%増)と増収増益。各利益は前年比20%を超え、営業・経常利益は20年に次ぐ過去2番目に高い数値となった。
 またセグメント別業績では、小売事業が営業収益8094億7200万円(5.8%増)、売上高7800億2800万円(5.6%増)、セグメント利益245億6500万円(24.8%増)。部門別売上高は、生鮮食品3395億7200万円(5.1%増)、一般食品3496億7200万円(6.7%増)、生活関連用品676億3000万円(4.6%増)、衣料品231億5300万円(0.7%増)といずれも増収となった。
 岩崎社長は今業績について、市場環境が良かったことが大前提と断った上で、「その中でも20期連続の増収となったこと。粗利率が0.3ポイント改善した一方で販管費はほぼ横ばいであったこと。経常利益が過去2番目の高数値となったことが大きい」と振り返り、第7次中期経営計画初年度の業績としては成功との見解を示した。
 また直近の消費者動向についても触れ、「首都圏・近畿圏どちらもトレンドとしては変わらない。全店・既存店ベース共、客数も客単価も昨対を超えている。買上点数が下がり、一点単価が上がる傾向も変わらない」と語った。


2024年4月24日号 記事一覧

経営・施策

  • コーセー、サステナビリティ中期目標を追加策定
  • サンスター、新・健康メソッド「FMD」に基づく事業展開を本格始動
  • 花王、トイレタリー製品のプラ容器 約1300世帯対象に715kg回収
  • エステー、保護ネコ応援プロジェクト2年目の活動を始動

製品・サービス

  • 花王、「ピュオーラ36500ハブラシシリーズ」新発売
  • 花王、「リセッシュ除菌EX ワイドジェットストロング」新発売
  • 貝印、ビューティツール「KOBAKO」フットケアライン数量限定品発売
  • ユニ・チャーム、「ライフリーさわやかパッド」100ccお徳用39枚入り発売
  • クラシエ、「ディアボーテHIMAWARI」ムーミンサマースポーツ限定発売
  • P&Gジャパン、「ファブリーズ イージークリップ」大幅改良発売
  • 花王、「ビオレu ザ ボディ」泡ボディウォッシュディープクリア改良発売
  • 花王、“秒で避暑地”「ひんやりめぐりズム」シリーズ4品数量限定発売
  • ファンケル、「マイルドクレンジングオイル」限定品がJPC贈答用品部門賞
  • 日本石鹸、「WINS Premium」から椿油ヘアケアシリーズ3品リニューアル
  • ペリカン石鹸、朝用洗顔石鹸「めざめるん」発売 目覚めをサポート
  • ナリス化粧品、「ディアーゼ」ブランド美白ラインをリニューアル発売
  • 【PR】ライオン 「スマイル40 プレミアム ザ・ワン」シリーズ新発売

宣伝販促

  • コーセー、日やけ止めの重要性を発信するプロモーションを実施
  • バスクリン、育毛情報提案サイト「育毛ナビ」公開中
  • ユニリーバ ダヴ「#本気透明肌計画第3弾」キャンペーン実施中
  • 花王「ビオレZero」、新CM放送中 「湿度・温度ストレス」から解放
  • コーセー、「クリアピール セラム」にバレーボール高橋藍選手を起用
  • エステー、「消臭力コンパクト トイレ用」CM「小さなヒーロー」編放映
  • ユニ・チャーム、「RefF」サイト公開 使用済み紙パンツ水平リサイクル

人事・組織

  • ウエルシアHD、松本社長が辞任 池野会長が社長を兼任
  • 王子ネピア、役員人事を発表
  • 森川産業、役員人事決定 二瓶康裕氏が新社長に

決算

  • アークス、24年2月期決算は増収増益 「売上高1兆円目指す」
  • マックスバリュ東海、24年2月期決算は売上げ・各利益共過去最高値に
  • ローソン、24年2月期連結決算発表 純利益75.5%増と過去最高
  • 薬王堂HD、24年2月期決算は売上高・各利益共過去最高 日用品・食品好調
  • メディカル一光グループ、24年2月期業績は卸事業の統合効果で増収に

施設・店舗

  • 富士薬品、大宮本部を移転 4月30日から営業開始

時評・コラム

  • 時評 様変わりする大規模店舗の行方

特集 【男性用化粧品&カミソリ】

    経営・施策

    • 男性用化粧品 市場は5年で1.5倍に拡大 中高年の美容意識の拡大追い風
    • ウェットシェービング 23年は前年比102.5% 値上げや消費活発化で好調

    製品・サービス

    • 花王 「サクセス24 シャンプー・コンディショナー」改良発売
    • マンダム 「ギャツビーEXプレミアムタイプデオドラントシリーズ」発売
    • フェザー安全剃刀 「薬用ハイシェーブ」に「ライムの香り」新発売
    • ライオン 「PRO TEC」男性のカラダの変化に注目のメンズソリューション
    • シック・ジャパン 男性向けソープ付きボディ用シェーバー発売
    • 貝印 女性向けパーソナルケアの大型新ブランド「マイネス」を新発売
    • P&Gジャパン「ジレット」 「プログライド」「プロシールド」改良
    • 三宝 「テンスターセシル 脱毛ワックス」デザイン刷新して改良発売
    • 貝印「紙カミソリ」 エースホテル京都とコラボ 限定品を配布
    • クラシエ むだ毛処理剤ブランド「エピラット」キャンペーン展開

    宣伝販促

    • ファイントゥデイ 「エージーデオ24メンプレミアム」坂口憲二が初登場

    調査・統計

    • 鈴木ハーブ研究所 「男性の体毛事情」アンケート調査 気になる部位は?


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。