2025年7月16日号掲載記事より
ライオン、流通向け提案説明会「LMC 2025」開催 下期は巻き返しへ
ライオンは7月9~10日、都内で流通向けの提案説明会「ライオンマーケティングコミュニケーション2025」(LMC)を開催。同社の目指す姿や秋の新製品、コミュニケーション施策などを小売店、卸店に説明した。来場者は2日間で約850人。
全体プレゼンテーションでは三國正晴上席執行役員ヘルス&ホームケア営業本部長が市場状況、同社の目指す姿、25年下期の取り組みについて説明するとともに、生活者に対する価値の伝達を通じて、より良い習慣づくりや高付加価値化の促進、使用アイテムや頻度の拡大によって、数量減少に歯止めをかけ、単価上昇による市場金額の成長に繋げていく方針を示した。
続いて浦尾康弘上席執行役員ヘルス&ホームケア事業本部長が国内事業の考え方について説明するとともに、25年下期は、①新習慣の創造②習慣の浸透③既存習慣のアップデートに取り組み、「製品を販売する」という発想から「習慣をつくり育てる」という発想への転換を進め、新しい価値を提案していく姿勢を示した。
展示ブースでは、オーラルヘルスケア、リビングケア、ファブリックケア、薬品の各事業から来場者に新製品やコミュニケーション施策などを説明した。
製・配・販連携協議会「総会/フォーラム」開催 活動成果など報告
製・配・販連携協議会は7月4日、都内で「総会/フォーラム」を開催。2024年度の活動成果、25年度の運営方針を発表するとともに、「サプライチェーン イノベーション大賞」表彰授与式を行った。
同大賞には、PALTACと薬王堂の「製・配・販連携による店舗(売場)起点でのサプライチェーン全体最適に向けたロジスティクス改革~薬王堂の非食品+食品融合型フルライン物流改革取組みについて~」が受賞した。
冒頭、あいさつに立ったGS1Japanの豊永厚志会長は、同連携協議会が東日本大震災の2カ月後に発足し、15年間にわたり、受発注や配送の効率化、返品業務などで着実に成果を上げてきたことを強調し、参加者の尽力に敬意を表した。
続いて経産省の平林孝之課長が同省の物流政策について説明したのち、久保田倫生流通経済研究所上席研究員が24年度の全体活動報告について、流通経済研究所の理事長に就任した加藤弘貴氏が25年度の活動方針(案)について説明した。
この後、「サプライチェーン イノベーション大賞」表彰授与式が行われ、大賞のPALTAC/薬王堂、優秀賞の加藤産業/キユーピー/キユーソー流通システム、三菱食品に表彰状が贈られた。
大賞を受賞したPALTAC理事事業開発本部副本部長の佐塚大介氏はあいさつで、この受賞は取引先様、パートナー企業様、そして日々挑戦し続ける社員一人ひとりの努力の賜物であると述べるとともに、今後の展望として、変化する社会環境やお客様の多様化するニーズに対応するため、より高い価値サービスとイノベーションを創出しながら、協働と協調の精神をもって挑戦を続けていく意向を示した。
クスリのアオキHD、25年5月期連結決算は売上、利益とも2ケタ増に
クスリのアオキホールディングスは7月9日、都内で「2025年5月期決算説明会」を開催。青木宏憲社長と八幡亮一取締役管理部門担当、長谷川大介経営企画室室長が出席し、同期決算概況と次期業績予想、第三次中期経営計画(2022~26年)の進捗について説明を行った。
それによると同期の連結決算業績は、売上高5014億7000万円(前期比14.8%増)、営業利益266億100万円(43.3%増)、経常利益275億1300万円(36.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益177億8600万円(44.5%増)。売上、利益ともに2ケタの増加を記録した。
八幡取締役は同期業績について、「既存店への生鮮導入の強化やEDLP施策により客数が増加したことに加え、緩やかな値上げによって客単価も上昇した。また猛暑・残暑やインフルエンザ・花粉といった季節要因も重なり、関連商品が好調に推移した結果、増収増益となった」と総括した。
続いて、青木社長(写真)が第三次中期経営計画の進捗について説明し、「『フード&ドラッグへの転換』や『調剤併設率70%の実現』、『ドミナント化への移行』という3つの重点施策を推進した結果、最終年度目標としていた売上高5000億円を1年前倒しで達成することができた。また、長年の目標であった1000店舗の展開も実現した。これにより当社設立40周年を迎えるこの時期に、売上高・店舗数で2つの大台を同一年度で達成することができ、周年にふさわしい成果となった」と報告。そのうえで、今後の展開については「最終年度である来期の売上高目標は5600億円と設定し、当社として過去最多となる110店舗の新規出店を計画している。また来期は、設立50周年に向けた重要なステップと位置づけており、この1年間をその準備期間と捉え、将来の持続的な成長に向けた新規出店やM&Aを積極的に推進していく」方針を示した。
エビス、大阪・関西万博に「地球と育むハブラシ」出展 廃棄から育成へ
エビスは、「大阪・関西万博」に、将来の環境問題解決に向けた新たな提案として「地球と育むハブラシ」を出展する。同社は、プラスチック廃棄の習慣を変えることを目指し、大阪ヘルスケアパビリオンリボーンチャレンジにて8月19日から25日まで展示を行う。(写真)
出展されるハブラシ「ReBloom ToothBrush(リ・ブルームハブラシ)」の商品コンセプトは、「持続可能な未来へ。使い終わった、その時が始まり。」である。「捨てる日を、植える日に。歯ブラシから、花が咲く未来を一緒に育てませんか。」というメッセージが、その革新性を強く訴えかける。
「リ・ブルームハブラシ」は、その全て(ハンドル部、ブラシ部)に生分解性樹脂を採用している点が最大の特長だ。分解されやすいよう、薄く均一な厚みの板を組み合わせることで樹脂使用量を抑え、空洞部が多い構造にすることで分解を促進する。さらに、ハブラシの内部には種子が内蔵されており、土に埋めることで分解され、芽が出て植物へと成長する仕組みとなっている。
同社はこれまで、極上の磨き心地で歯磨きができるという新たな価値を創出してきた。将来に向けては、ハブラシ使用後の行く末を想像しながら歯磨きをすることで、自然と丁寧なブラッシングができるようになるという発想に至った。使用後は廃棄するものではなく植物を育てるものへと転換することで、利用者が心地よい歯磨きでQOL(生活の質)を向上させるとともに、道具としての寿命を終えた後は植物を育む楽しさを感じられるような環境づくりを提案する。これは、生活者が地球とともに持続可能な社会で暮らせるようなライフスタイルへの転換を促す、新たな試みと言える。
桃谷順天館、新ブランド「シェフ ド ボーテ」体験型POPUPイベント開催
桃谷順天館は7月2~7日、「CHEF de BEAUTĒ 体験型POPUPイベント ―肌に訊く、聴く、効く―」をミルギャラリー神宮前(東京・渋谷)で開催した。(写真)
このイベントは、同社の新ブランド「CHEF de BEAUTĒ(シェフ ド ボーテ)」の誕生を記念し、「“いつまでも続く美しさのつくり方”を日常に重ねていく」というブランドの想いを、「見て、触れて、香って、感じる」五感開放型の体験空間で、6月30日に公式ECサイトで発売された「hadakiki ローション」(全5種)、「同クリーム」(全4種)、「スキンフレグランス」(全4種)など「感覚で選ぶスキンケア」を、実際に触って体感できるスペースとして開設されたもの。
会場では、「五感で巡る、美の体験」として5つのSense①Taste②Smell③Vision④Touch⑤Release――で構成されたコンテンツを介し、来場者1人ひとりの味覚・聴覚・視覚・嗅覚・触覚をもとに、これまでにないスキンケア選びの指針を提供した。
今回のイベントの目的について、同社デジタルマーケティング本部広報エキスパート・田﨑久美子氏は、「昨今、SNSで紹介された成分や商品を購入する『成分推し』や『成分買い』が目立つ一方、その効果を実感できない人もいる。このイベントでは、肌によい成分ばかりに注目せず、スキンケア時間を心地よいものにするために、自分自身の五感を開放し、自分にあった商品を選び取る感覚を体験してもらう機会として企画した」と話し、固定された美の価値観にとらわれず、“自分の感覚”を尊重する新たな選び方の重要性を説いていた。
2025年7月16日号 記事一覧
会合・発表会
- エステー、25年秋の新製品説明会開催 新製品22SKUを披露
経営・施策
- 小林製薬、自社通販サイト・コールセンターでの製品販売を終了
- エステー、「足元クールビズ」プロジェクトに参画 社員にスニーカー推奨
製品・サービス
- エステー、千葉ロッテマリーンズのオリジナルフレグランスを創香
- アイカサ、「傘がいらない街 大阪」を始動 旭化成HPなどと連携
- コーセー、「ファシオ」新アイメイク2品発売 今田美桜新ビジュアル公開
- I-ne、新ヘアケアブランド「collagem」など秋冬の新商品計8アイテム発表
- バスクリン、「変なホテル」とコラボ 「バスクリンルーム」予約受付中
- 日本製紙クレシア、「スコッティカシミヤ40周年記念デザイン」限定発売
- 白元アース、「ノンスメル清水香 金木犀の香り」数量限定発売
- クラシエ、「いち髪THE PREMIUM」モイスチャーメロウヘアパック発売
- サンスター、「オーラツーミー」シリーズのパッケージデザインを一新
- ユニ・チャーム、「ムーニー オヤスミマン」からポケモンデザイン発売
- ウテナ、“しごでき”スキンケア「シンプルバランス」8月上旬改良発売
- NSファーファ・J 「ファーファ ファインフレグランス」改良発売
宣伝販促
- ジェクス 「ZONE」ブランドのプロモーションを始動
- 花王、「Essential Premium」新シリーズの新CM放映開始
- サンギ、8月1日「歯が命の日」記念キャンペーンを実施
人事・組織
- 日本製紙クレシア、役員人事を発表
- 白十字、役員・執行役員人事を発表
- 近江兄弟社、役員人事を決定
決算
- ウエルシアHD、26年2月期1Qは増収増益 ツルハHDとの統合準備進む
研究・開発
- サンスター、研究営業アライアンスへ参画 オープンイノベーションを加速
調査・統計
- 経済産業省 25年1~4月度洗浄剤統計 合成洗剤は堅調に推移
- 粧工会 25年1~4月化粧品統計 シャンプーが2ケタ成長
- 東家同 25年6月度市況は横バイ推移 T.P再生紙価格底上げに期待
- インテージ、今年の「暑さ対策」調査 平均予算は2万8497円(9%増)
- 流通BMS協議会、流通BMS導入企業数2万1627社に
イベント・展示会
- 花王、VRお化け屋敷「花王やしき」展開 メタバースイベントに出展
- 大日本除虫菊、東京・入谷の伝統行事「朝顔まつり」に協賛
- ライオン 休日ハック×東武鉄道、没入型体験ゲームを来年3月まで実施
時評・コラム
- 時評 試される強靭な企業体質と社会貢献への強い意志
- 転新欄万 大手卸による共同配送に見る将来性
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