2025年6月11日号掲載記事より
ユニ・チャーム、25年秋の新商品発表会開催 「3つの需要創造」実現へ
ユニ・チャームは5月29日、都内ホテルで「2025年秋の新商品発表会」を開催。全国の販売店、卸店から450人が出席した。
冒頭、あいさつに立った高原豪久代表取締役社長執行役員は、同社が不織布・吸収体事業で世界一を目指していることを示し、2030年に「相対的価値」の目標として売上高1兆5000億円、コア営業利益率17%、日本の売上高4500億円の目標を明示。「絶対的価値」では、社会貢献や社会課題の解決に焦点を当て、循環型経済を実現する商品・サービスを創出、この点でも世界一を目指していく考えを伝え、使用済み紙オムツのリサイクルや、インドや中東での女性支援の取り組み、外部機関との連携による地域貢献活動や被災地支援の取り組みなどの具体例を紹介した。
続いて高原社長は人口が減少の中、65歳以上の高齢者は増加している状況や急激な物価高騰を背景に、消費者の購買行動は高品質・高機能な商品を求める層と低価格で必要最低限の機能を備えた商品を求める層に二極化している状況を示した上で、①既存品活性化②新需要創造③新しい生活習慣――の3つの需要創造で、生活者には“Love Your Possibilities”の実現を、流通には“業界総資産の拡大”“業績貢献の不等式成立を実現”する考えを強調。最後に会社の強化すべき点として、強い現地法人の構築、成長にこだわり続ける企業文化、市場起点の体制強化、共通のパーパスの徹底、ものづくりのエコシステム強化を挙げ、これらを通じて業界総資産の拡大を継続していく決意を表明した。
注目の秋の新製品は、高齢肌に対して自然由来の触れ心地と肌あたりの「ライフリーうす型軽快パンツ・オーガニックコットンタッチ」、お出かけ中も簡単に交換ができ好みのフィット感にも調整が可能な「ソフィおでかけ交換ショーツ」など。
最後に渡辺勉常務執行役員ジャパン営業統括本部長が登壇してジャパン営業本部の方針を説明。専業メーカーとしての強みを活かし、カテゴリー全体の売上向上のための市場細分化提案と購買者の購入実態分析による単価・点数引き上げ提案を組み合わせ、市場成長以上の成長を得意先ごとに提案していくと語った。
日石工組、第66回通常総会 東・中日本両支部統合を正式決定
日本石鹸洗剤工業組合は5月29日、都内で「第66回通常総会」を開き、2024年度事業報告及び25年度事業計画をはじめとする各議案を審議・承認した。今総会では、組織運営の効率化及び合理化を図るべく、東日本支部と中日本支部の統合を正式に承認。両支部を一本化した新生「東日本支部」として新たなスタートを切ることとなり、今後は東日本支部と西日本支部による2支部体制のもと、より効率的かつ実効性のある活動展開を目指していく。
会は奥野隆史専務理事の司会で進められ、はじめに奥中泰征理事長(マスター)があいさつに立ち、「我々が真摯に向き合わなければならないのは『コスト構造の見直し』と『適正な価格転嫁』である。清潔で健康的な生活を支える石鹸・洗剤の安定供給こそが、我々の社会的使命である。組合員各社は、その責任を果たすためにも、切磋琢磨しつつ協力できるところは惜しまず協力し、厳しい局面を乗り越えていきたい」と述べた。
続いて奥中専務理事による出席者報告の後、奥中理事長を議長に選出し、各議案を審議・承認した。
このうち第3号議案の東日本支部・中日本支部の統合承認の件では、様々な手続きを経て、今総会にて両支部の統合が正式に承認され、新生「東日本支部」として一本化。これにより日石工組は東日本支部及び西日本支部の2支部体制へと移行した。現在の正会員数は東日本支部が33社(賛助会員12社)、西日本支部が18社(賛助会員21社)、本部賛助会員22社。
この後、別室で懇親会が催され、奥中理事長のあいさつ、経済産業省・小林正寿商務・サービスグループ生物化学産業課化粧品産業企画調整官の来賓あいさつ、稲岡幸久副理事長(ミマスクリーンケア)の乾杯発声で開宴となった。
関西卸組合、第47回定時総会開催 「今後も地域社会に貢献できるように」
関西化粧品日用品卸組合は5月30日、大阪市内のホテルで「第47回定時総会」を開き、令和6年度決算及び令和7年度予算を審議・承認した。
総会は、藤原和則理事(藤原物産)の司会で進行。組合員17社21名、賛助会員47社61名、来賓・報道関係者4名の計86名の出席報告の後、石原真一理事長(イシハラ)が登壇し、あいさつを述べた。
石原理事長はその中で、難航していた全卸連の新会長について、3月の臨時常任理事会において森友由氏(森友通商)が選出され、4月1日に正式に就任したことを報告するとともに、「55年前の大阪万博のシンボルである太陽の塔には3つの顔がある。背中の黒く描かれた顔が『過去』、正面のお腹の位置にある顔が『現在』、塔の頂上で金色に輝く顔が『未来』を示している。過去は現在に、そして現在は未来へと繋がっている。この業界が今後も益々発展し輝かしい未来に向かうよう取り組んでいくとともに、地域社会に貢献できるように活動していく」と述べた。
続いて、令和6年度決算及び令和7年度予算を田路昌義監事(カドヤ産商)が報告し、全会一致で承認した後、来賓を代表して、ライオンヘルス&ホームケア営業本部・近畿中国四国支店・寺口真也支店長が登壇。「現在の国内日用品・化粧品業界は、『少子高齢化による経済減退』という厳しい経営環境に直面している。この状況を好転させる1つとして『価値の向上』があると思う。この価値には、『社会的価値』と『経済的価値』の2つがあり、それぞれの価値向上を実現し、製配販が平等に一定の利益を享受できる世界にしていくことが、業界全体の発展に繋がると考えている」と祝辞を述べ、祝電披露の後、松永景一副理事長(中央物産)の閉会のあいさつで総会を終了した。
休憩を挟み、記念公演として「激動の国際社会と日本 トランプ政権100日と今後の世界を展望して」のテーマで、元外務事務次官で、大阪大学特任教授の藪中三十二氏による講演が行われた後、会場を移して懇親会が開かれ、組合員・賛助会員が相互に歓談し散会した。
花王、ヘアケア事業変革の進捗状況説明 2027年の計画を上方修正
花王は5月29日、報道関係者を対象に「花王ヘアケア事業変革 進捗説明会」を行った。2024年から始めたヘアケア事業の変革ではハイプレミアムブランド「melt(メルト)」「THE ANSWER(ジアンサー)」の投入が奏功し、花王のヘアケア全体が好調に推移、それを実現した新しいマーケティングへのチャレンジなどについて野原聡ヘアケア事業部ブランドマネージャーが説明した。
説明によると花王ヘアケア事業変革の方針は、ハイプレミアム(シャンプー本品1400円以上)とマス(同1400円未満)の両軸でブランド育成を進め、ハイプレミアムでは3つのブランド(melt、THE ANSWER、25年夏の新製品)の新ブランドを導入。マスでは「エッセンシャル」(24年春刷新)、「セグレタ」(24年秋刷新)、「メリット」(25年春刷新)の既存3ブランドのリブランディングを展開。
この事業変革により、マス中心からハイプレミアムの構成を高め、シェアのV字回復を目指し、27年シェア16%、ハイプレミアムの構成27%を目標に取り組んできた。事業変革から1年以上が経過した現在、当初計画を上回る推移となり、シェア13%、ハイプレミアム構成20%強を達成。この実績と「melt」「THE ANSWER」の配荷店がまだ少ないことを考慮し、27年の計画をシェア18%、ハイプレミアム構成45%に上方修正した。同時に売上計画も当初の25年に121%(23年比)を126%に、27年に137%(同)を156%に修正した。
野原マネージャーは、事業変革による販売状況の後、「VUCA時代(予測不能な時代)の新しいマーケティング」への挑戦について説明。厳しい市場で生活者の心に残るためには「一貫性」(CONSISTENCY)あるブランドのポジショニングと変化に対応しながらアジャイルにPDCAを回していく「変化への対応」(ADAPTATION)が必要であり、それを「スクラム型」の組織づくりによって実現していると紹介した。
アース製薬、「アース製薬は赤穂とともに100周年」記念イベント開催
アース製薬は、ことし設立100周年を迎える。これを記念して「アース製薬は赤穂とともに100周年」をスローガンに掲げ、発祥の地である兵庫県赤穂市において、赤穂市及び西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)の協力のもと、JR播州赤穂駅の駅名標に「忠臣蔵のふるさと アース製薬発祥の地」、また隣接のJR坂越駅の駅名標に「北前船寄港地 アース製薬坂越工場前」の文言をそれぞれ追加した。
そして、虫ケア用品の日である6月4日に、「アース製薬は赤穂とともに100周年」記念イベントを赤穂駅前で実施し、大勢の市民や招待客に向け新駅名標を披露した。
イベントにはアース製薬から川端克宜社長やアドバイザーの安原浩一氏、また赤穂市の牟礼正稔市長、JR西日本近畿統括本部兵庫支社副支社長の秋元勇人氏らが登壇。さらにスペシャルゲストとして小島よしおを迎えるとともに、アース製薬研究開発本部の学術推進課マイスターの有吉立氏らも参加して、イベントを盛り上げた。(写真)
川端社長は挨拶で、今年はアース製薬にとって設立100周年という記念すべき年であること、そしてアース製薬と縁の深いこの赤穂の地で、播州赤穂駅の駅標に「忠臣蔵のふるさと アース製薬発祥の地」、坂越駅の駅標には「北前船寄港地 アース製薬坂越工場前」の文言を追加した新しい駅名標にしていただくことができ、たいへん光栄に思っていると述べた。
また、アース製薬の創業そのものは、大阪であるが、1910年に赤穂の地に工場を建設し、100年前の1925年8月26日に、アース製薬の前身の木村製薬所を設立し、以来、主力製品の「アース」を通じて皆様の快適な暮らしの実現を目指してきた。今日のアース製薬があるのも、この赤穂の豊かな自然、そして皆様の温かいご支援の賜物であると感謝の意を表し、100年という長きに渡り、事業を継続できたことを誇りに思う。アース製薬は次の100年に向けて挑戦を続けていき、これからの100年も赤穂とともに歩んでいくことを誓う、と挨拶を締めくくった。
2025年6月11日号 記事一覧
特別企画
- 桃谷順天館 ~創業140周年迎える~ 桃谷誠一郎社長特別インタビュー
M&A・設立
- アインHD、さくら薬局グループを子会社化 相互の事業ノウハウ融合図る
会合・発表会
- 日本SC協会、新会長に菰田正信氏(三井不動産会長)が就任
- NSファーファ・J、25年下期新商品発表会開催 3期連続増益に
- 全日本ブラシ組合、第56回通常総会開催 「安心して使用できる商品開発」
- 東海卸組合、令和7年度通常総会開催 「各卸の価値高めることが大切」
経営・施策
- ライオン×雪印メグミルク、びんキャップを再生し、日用品容器に活用
- アインHD、熱中症予防啓発活動に協力 全国のグループ薬局で実施
製品・サービス
- 花王、「めぐりズム」からポケモンスリープデザイン数量限定発売
- 牛乳石鹸共進社、「カウブランド赤箱」からお試しサイズ3コパック
- 明色化粧品、「モイストラボ ルースパウダー」限定デザイン発売
- ライオン、「ルック+ おふろの防カビくん煙剤」累計販売個数1億個突破
- サンギ「アパガードセレナ」、LIPSベスコス上半期こだわりアワード受賞
宣伝販促
- 花王「ロリエ」、推し活応援特設サイト公開 生理中も「推しは癒し」
- コーセー、ドジャースとパートナーシップ継続契約を締結
人事・組織
- CBグループマネジメント、新たな経営体制へ移行の方針発表
- 伊勢半グループ、グループ各社役員人事を発表
決算
- 大木ヘルスケアHD、25年3月期決算は連結・単体共売上高は増収に
- オカモト、25年3月期決算は増収減益 コンドームはインバウンド等で増収
- 中山福、25年3月期は増収増益 新規商品販売・取引先開拓が順調に進む
研究・開発
- コーセー×ミルボン、伝統薬草が肌の炎症を抑制 共同研究で発表
- ファンケル、新たな水性クレンジング料の開発に成功 新製品開発へ応用
- サンスターなど、糖尿病患者の歯の本数と歯科メンテテナンスの関連を解明
調査・統計
- True Data、DgS・食品スーパー25年3月の対前年伸び率TOP20カテゴリ発表
- 経済産業省 25年1~3月度洗浄剤統計 合成洗剤が市場拡大を牽引
- 粧工会 25年1~3月化粧品統計 皮膚用化粧品が不振
- ユニ・チャーム、「夏の生理トラブル」調査 8割以上の女性が不快感経験
イベント・展示会
- ライオン、「第82回全国小学生歯みがき大会」に過去最多31万人が参加
時評・コラム
- 転新欄万 久々の卸組合総会参加で募る思い
特集 【SDGs・ESG】
- SDGsは「未来への投資」 持続可能な開発目標のための活動が業界に定着
- 花王 生活者視点に立ったESG経営を推進 「KLP」で社会課題の解決へ
- 旭化成HP 「まいにちを、たいせつに」7つの取り組みを推進
- ライオン “アジアにおけるオーラルヘルスケアのLION”へ
- エステー 北海道で第4回「植樹会」及び「木育教室」を実施
- サラヤ 更家社長インタビュー 万博パビリオンで「海の蘇生」を訴求
- コーセー 「雪肌精BLUE・Prédia BLUE Recycle Project」始動
- コーセー、「デコルテ白樺の森 植樹イベント」開催 北海道美深町と推進
- KAIグループ 「2030年に向けた環境アクション」プラン推進
- シャボン玉石けん 森田社長インタビュー 2月期で売上高100億円達成
- 東邦 新TVCMで企業価値高める取り組み 公園修復活動を支援
- イトーヨーカ堂、「フードドライブ」活動 新たに東京・埼玉25店舗で実施
- コーセーコスメポート 「BIOLISS PEACEFUL GREEN」第4回植樹実施
- ユニ・チャーム 「ライフリー」うす型軽快テープ止めRefFを新発売
- ミマスクリーンケア 「緑の魔女 ソフナー」パッケージ刷新
- バーモントソープJ 「バーモントソープ」差別化商品として活用進む
- 牛乳石鹸共進社 「カウブランド赤箱」リニューアルで省資源化に対応
- ハイネリー 「毛布洗い」が売れ行き好調 洗濯機の機能向上背景に
- サバ オリジナル植物洗剤「エコシャボン」が好調な売れ行き
- ユニ・チャーム、伊予鉄グループと協業しラッピングEVバス運行開始
- イオン 「えらぼう。フェア」開催 花王、P&G、ユニ・チャームが出展
経営・施策
製品・サービス
宣伝販促
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