2025年5月28日号掲載記事より
石洗工、定時総会開催 竹森征之氏(ライオン社長)を新会長に選出
日本石鹸洗剤工業会は5月16日、都内で令和7年度(第75回)定時総会を開き、宮道建臣会長(日油会長)に代わり、竹森征之氏(ライオン代表取締役兼社長執行役員)を新会長に選出した。竹森会長は総会終了後の記者会見で、①サステナビリティへの取り組みの継続・強化②広報・啓発活動の強化・充実③行政機関、国内外関連団体との協力関係の強化④公正な自由競争を基本とした活力と創造性に富んだ業界活動によるイノベーションの創出支援――の活動基本方針を示し、当業界、日本経済の発展に貢献していく考えを表明した。
会見の冒頭、竹森会長は「当工業会は業界の健全な発展に寄与するために主要活動のキーワードを3C(Clean 清潔、Comfortable 快適、Convenient 便利)、3S(Safe 安全、Saving 節約、Sustainable 持続可能性)と定め、共通課題の解決を図る活動を続けている。環境・気候変動対策において国際的な協調が求められる一方、地政学的緊張や欧米の保護主義への傾倒がグローバル経済に与える不透明感は増している。このためグローバルの法規制やマーケット情報をタイムリーに共有するといった機会が得られるよう工業会として役割をしっかり果たしていきたい」と述べ、令和7年度の活動基本方針を発表。具体的な活動として今年度は5年に1回の「洗濯実態調査」を行うこと、また、第15回アジアオセアニア石鹸洗剤工業会会議(AOSDAC)をホスト国として東京で開催することを報告した。
最後に竹森会長は、「当工業会の重点活動を通じて生活者に喜ばれる製品・サービスを提供していきたい。当業界の発展と社会への貢献を目指していく。日本は人口の減少によって構造としてはネガティブに捉えざるを得ないので、個社の活動には限界がある。従って個社だけではできないことを当工業会が扇の要となり、サポートしていきたい。その結果、当業界、日本経済の発展に貢献できるよう活動していきたい」と宣言した。
全卸連、第51回通常総会開催 次の50年に向けて新たな取り組みに挑戦
全国化粧品日用品卸連合会(全卸連)は5月16日、都内で「2025年度第51回通常総会」を開催した。4月1日に就任した森友由会長(東京都化粧品日用品卸連合会〈都卸連〉会長、森友通商社長)は、会長として初のあいさつに臨み、先人たちが築いてきた歩みに敬意と謝意を表すとともに、その志を次代へとつなぐ決意を表明。また全卸連では組織改編を実施し、従来の委員会活動を中心とした縦割りの体制に加え、層別による横断的な取り組みも可能とする体制を整えたことを報告。良き伝統を継承しつつ、次の50年に向けて、新たな歩みを力強く踏み出した。
総会は石原真一副会長(イシハラ)の司会で進行。国歌斉唱、来賓紹介の後、森友会長があいさつに立ち、「このたび、全卸連会長を拝命した。私のような若輩者が諸先輩方を差し置き、このような大任を仰せつかることは、誠に恐縮の至りである。正直なところ、私自身『なぜ自分が』と戸惑いを覚えたが、役員の皆様のご推薦をいただき、選任いただいたことを真摯に受け止め、そのご期待に応えるべく、責任を全うしていく覚悟である。
昨年、全卸連は設立50周年という節目を迎えた。今、新たな50年に向けて歩みを進めている最中であり、バトンを繋いでこられた先人たちの想いを受け継ぎ、それを次の世代に良い状態で託せるよう努めていきたいと考えている。私が会長に選出された背景には、おそらく『変化』や『新しい風』への期待があったのではないかと感じている。全卸連のこれまでの良き伝統をしっかりと継承しつつ、次の50年に向けて新たな取り組みにも果敢に挑んでいく考えである」と述べた。
引き続き、出席状況(出席19社〈委任状含む〉、来賓・卸店・メーカー合計198名)が報告された後、森友会長を議長に2024年度の活動事項を報告。平木正人副会長・選考委員会委員長(エーアンドティー)が役員選任について報告したほか、流通課題の製・配共有化(流通懇談会)、製・配・販のシステム標準化(情報システム委員会)、県組合の活性化の取り組み(総務・組合活動委員会)――などの報告が行われた。
PALTAC、25年3月期決算説明会 中計「PALTAC VISION 2027」着実な進捗
PALTACは5月19日、オンラインで「2025年3月期決算説明会」を開き、吉田拓也代表取締役社長、嶋田政治取締役専務執行役員経営企画本部長、村尾直人常務執行役員財務本部長が出席し、同期の業績、次期業績予想、中期経営計画「PALTAC VISION 2027」の進捗について説明した。
会見の冒頭、あいさつした吉田社長は「当期の業績は、売上高、営業利益、経常利益のいずれにおいても過去最高を更新することができた」と述べ、前期は、2024年問題や物価高騰、特に食料品価格の上昇による生活必需品への節約志向の高まりといった厳しい事業環境に直面したが、営業部門・物流部門の効率化や新商材の提案など、全社一丸となった努力により、なんとか過去最高の業績を達成したと総括。さらに、“つなぐ力で人と社会のミライを創る”という長期ビジョンに基づき、構造改革による変革基盤の構築に取り組み、韓国からインナービューティー商材の導入や、薬王堂(岩手県)との間で非食品と食品の一括物流を開始したこと、佐川急便や三菱食品など、業界の垣根を越えた配送効率化を目指した連携について報告した。次世代型物流センターについても、さらに吉田社長は「そのあるべき姿が見えてきた」と言及。次期については、構造改革による計画においても変革基盤の構築に注力し、サプライチェーン効率化のためのシームレスな連携や、グローバルな視点でのネットワーク構築などを着実に進めながら、あるべき姿の実現に向けて強化を図る1年とする考えを示した。
嶋田専務の説明によると、同期の連結業績は、売上高1兆1880億円(前期比3.1%増)、売上総利益889億円(3.0%増)、販管費609億円(3.0%増)、営業利益280億円(3.1%増)、経常利益316億円(3.7%増)、当期純利益228億円(10.8%増)。
中期経営計画「PALTAC VISION 2027」の進捗については、27年までの3カ年を長期ビジョン実現に向けた「構造改革による変革基盤の構築」の期間と位置づけ、①既存事業の収益性改善②新たな価値創造に向けた挑戦③サステナビリティの向上④資本効率を意識した経営の実践――に取り組んでいるが、現在まで財務面、非財務面ともに計画に対して着実に進捗しているという。
花王とアイスタイル、皮脂RNA発現情報に基づく肌タイプを顔画像で推定
花王は5月21日、スマートフォンで素顔の写真を撮影するだけで、皮脂中に含まれるRNA(皮脂RNA)発現情報に基づく肌タイプを即時に推定できる「肌遺伝子モード判定」技術を開発し、アイスタイルが運営する@cosmeアプリに初めて搭載したと発表した。
@cosmeの新機能「お肌のケアどき診断」は、生活者がスマートフォンで素顔の写真を撮影すると、肌遺伝子モード「C1」「C2」のどちらかになるかを判定し、ケアをした際の伸びしろが大きいと推測されるケアポイントとアドバイスを提供する。
これは、2024年3月に両社が共同設立した、「皮脂RNAモニタリング」技術を核としたビジネス共創をめざす「RNA共創コンソーシアム」の成果の第1弾で、生活者が客観的な肌の指標を手軽に利用できることをめざす取り組みの第一歩。
これまでの検討により、@cosmeの商品クチコミ評価が、生活者の肌遺伝子モードによって異なる場合があることが明らかになっている。花王とアイスタイルは、このようなデータを蓄積することで、客観的な肌の指標である肌遺伝子モードを、商品選択時の共通のモノサシにしていくことができると考えている。
牛乳石鹸共進社、石けんに含まれる水分量が結晶構造の変化に重要な影響
牛乳石鹸共進社総合研究所は、固形石けんの更なる品質向上に向けた研究を進めているが、このほど、石けんの製造過程で起こる結晶構造(配列)の変化について、機械処理以外に石けんに含まれる水分量が重要な影響を及ぼすことを明らかにした。
市販の固形石けんには、主に2つのタイプの結晶構造(ω相とβ相)がある。この違いは石けんの作り方が大きく影響していて、例えば、型に流してゆっくり冷やして固める「枠練り石けん」では、ω相の石けんができる。一方、石けんペレットを機械で練り混ぜてから棒状に成型する「機械練り石けん」では、練る力(剪断)などによって、ω相からβ相へと結晶構造が変化する(結晶転移)。この結晶転移は、石けんの「泡立ち」や「ふやけやすさ」などの使い心地に大きく関わることが明らかとなっており、石けんを作るうえでとても大切な現象であると考えられる。
ところが、機械練り石けんを作るときの条件によっては、この転移がうまく進まず、ωとβが混ざった中途半端な状態で止まってしまうことがある。そこで本研究では、結晶転移に影響を与える要因の1つとして「石けんの含水率」に注目し、含水率を変えて剪断処理を行うことで、結晶転移への影響を調べた。
実験の結果、含水率の低い石けんでは、結晶構造の転移(ω相からβ相への変化)はほとんど見られなかった。一方、含水率が高い石けんでは、そのまま乾燥させた場合にはω相となり、剪断処理を加えることでβ相へと転移することが確認された。つまり、高含水率の石けんでは、剪断処理の有無によって最終的な結晶構造が変わるということが判明した。
このことから、高含水率の石けんでは、結晶構造の転移に必要なエネルギーが低くなる、あるいは剪断処理の影響が伝わりやすくなることで、β相への変化が起こりやすくなる可能性が考えられるという。
2025年5月28日号 記事一覧
会合・発表会
- JACDS、第3回記者会開催 執行部が福岡厚労大臣に調剤報酬に関して陳情
- 浴用工、第37回定時総会開催 宇津木会長「市場の活性化を目指していく」
- 排水協、令和7年度第31回通常総会開催 「排水協30周年のあゆみ」作成
製品・サービス
- 小林製薬、フェムケア提案サービス「ミテミル」公開 女性の健康サポート
- サンスター、ベネッセ「しまじろうの歯みがきプロジェクト」に参画
- 花王、「Essential Premium」シリーズから「アリエル」限定デザイン発売
- コーセー、「雪肌精」美白多機能ジェル発売 1品で7役
- ファンケル、14秒に1本売れる「黒のマイクレ」 累計販売500万本突破
- サンギ、「アパデント」ブランド初の洗口液 「オーラルリンス」発売
- マツキヨココカラ、コラーゲン配合美容おやつ「BEAU DOLCE」新製品
- 東洋アルミエコー「サンホイル」 よりサステナブルなアルミホイルへ
宣伝販促
- 牛乳石鹸共進社、「カウブランド無添加」擬人化プロモ第2弾始動
- 「公式たちの猛暑対策2025@大阪」開催 マンダム、ロート製薬など6社
人事・組織
- エステー、組織改定、執行役の管掌を変更
- アインHD、組織変更及び人事異動を発表
決算
- アルフレッサHD、25年3月期連結決算・売上高は増収、中計目標を達成
- クオールHD、25年3月期決算 売上高、営業・経常利益が過去最高に
- エステー、25年3月期連結決算の一部を訂正
- アイスタイル、25年6月期3Q決算は増収増益 EC・店舗が共に成長
調査・統計
- スーパー3団体・25年4月度販売統計調査 売上高26カ月連続前年超え
- 粧工会 25年1~2月化粧品統計 化粧水が急ブレーキ、ファンデも不調
- KSP-POS 2025年4月 カテゴリー別ランキング
訃報・葬儀
- 訃報 永井正一氏(クロバーコーポレーション前社長) 90歳
時評・コラム
- 時評 東南アジアへのシフトが更に進むか
その他
- ユニ・チャーム、「ただのサステナじゃねーよ」ポッドキャスト公開
特集 【歯と口の健康週間】
- 歯磨工 歯と口の健康週間(6月4日~10日)に向けた説明会開催
- オーラルケア市場は堅調傾向続く 全身健康の維持・向上に必要の認識
- 2025年「歯と口の健康週間」にあたって 歯磨工会長 吉岡貴司
- ライオン オーラルヘルスケアの成長加速へ、積極展開
- 花王 「ピュオーラ」コミュニケーション施策を展開
- UFCサプライ 「こどもハブラシ ブラッシィ」シリーズを積極展開
- サンスター 「歯周病予防ならG・U・M」新コミュニケーション展開
- エビス オーラルケア市場の活性化に向け活発な施策を展開
- シャボン玉石けん 「せっけんハミガキ」シリーズが好調 改良で更に拡販
- ジェクス 「L8020乳酸菌」配合のオーラルケア製品を展開
- 小林製薬 「糸ようじ」からヘッドが小さなF字型柄付きフロス新発売
- サンギ 「アパガードプレミオ」トライアルタイプ発売で新規開拓強化へ
- ラピス 「デンタルチェック」新発売 “60年先の歯の健康のために”
- デンタルプロ 「磨くを変える。キャンペーン」6月1日から実施
- 歯磨工 24年度歯磨出荷統計 数量・金額とも増加
会合・発表会
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製品・サービス
宣伝販促
調査・統計
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