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2025年5月21日号掲載記事より

ライオン、1~3月連結業績発表 最重点事業オーラルヘルスケアが好調

ライオン、1~3月連結業績発表 最重点事業オーラルヘルスケアが好調

 ライオンは5月9日、都内で記者懇談会を開き、2025年度第1四半期の連結業績について説明した。一般用消費財はブランド譲渡等があり減少となったが、海外はマレーシア、中国等が増収となり、連結全体での売上高は増収。事業利益は商品の高付加価値化・値上げ、コストダウン、競争費用効率化等の収益向上施策により増益となった。営業利益・親会社の所有者に帰属する四半期利益は事業利益の増益により2桁増。中期経営計画で重視しているEBITDAマージンは10.3%で1.0ポイント上昇。福田健吾代表取締役兼副社長執行役員は「中計最初の3カ月としては予定通りコントロールできた」と総括した。
 同期の連結業績は売上高942億3700万円(前年同期比1.4%増、為替・事業譲渡影響除く0.8%増)、事業利益52億8700万円(32.4%増)、営業利益56億3600万円(15.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益40億2600万円(13.5%増)。事業利益は販管費効率化で20億円の効率化、人件費・R&D費用の増加を差し引いても15億円の増益要因があった一方、粗利要因では高付加価値・値上げで6億円、コストダウンで7億円の増益要因があったが、ブランド譲渡・セグメント構成変化等で11億円、原材料価格の影響等4億円の減益要因があり、2億円のマイナスとなり、差し引き前年同期から13億円の増益となった。最重点のオーラルケアは「クリニカPRO」の新ラインを発売するなど高付加価値化を進め、順調、歯科医院ルートの販売も好調に推移した。
 同社の中期経営計画「Vision2030 2nd STAGE」(25~27年)では、「収益力の強靭化」をテーマとし、「事業ポートフォリオマネジメントの強化」「経営基盤の強化」「ダイナミズムの創出」の3つの基本方針を掲げ、企業価値向上にフォーカスした経営指標、EBITDAマージン13%超、ROIC8~9%、1株当たりの当期利益のCAGR(年平均成長率)11%超を目指している。

花王、1~3月期連結業績 化粧品事業の立て直し Profitable Growthへ

 花王は5月8日、2025年1~3月期の連結業績を発表した。それによると売上高は日本のグローバルコンシューマーケア(GC)事業、ケミカル事業が牽引し、3899億円(前年同期比6.6%増、実質6%増)。営業利益は数量増、販売価格改定や化粧品事業の回復が大きく貢献し、計画を大きく上回る312億円(41.9%増)となった。営業利益率は8.0%。
 GC事業ではDXによるマーケティング手法の高度化、高付加価値品の提案や価格改定等に取り組んだ。その結果、化粧品は25年の営業利益目標70億円に向けて順調なスタートを切り、注力6ブランドの売上高は16%伸長した。UVケアでは日本での新製品投入により№1シェアを盤石化、欧米では注力チェーンの活動を強化した。
 化粧品事業の立て直しについては、早期に建て直すべく、1月発足の新体制で部門横断のスクラム体制による改革を開始、Profitable Growthへ着実な一歩を踏み出した。
 UVケア事業は、スモールスタートでの取り組みをそれぞれの地域で進め25年第1四半期は、売上げが前年同期比9%増。米国ではトップECチェーンに注力し、前年比150%増と大きく伸長、さらに注力チェーンに絞った効果的な展開を実施することで、成果を得た。日本では、スモールスタートの取り組みを強化することが成長の原動力となっているが、この取り組みをアジアにも展開。27年、グローバル売上高480億円の目標に向けて、「アクアリッチエッセンス」をフラッグシップとして拡大していく。
 通期業績予想の営業利益は1600億円で前期1466億円から134億円の増益を見込む。稼ぐ力の向上効果として140億円以上の増益効果を目指す。

あらた、25年3月期業績は売上高・利益が過去最高を更新

あらた、25年3月期業績は売上高・利益が過去最高を更新

 あらたは5月13日、ライブ配信形式で決算説明会を開き、2025年3月期の連結業績、中期経営計画2026の進捗、次期中計を見据えた取り組みなどについて東風谷誠一社長が説明した。東風谷社長は同期の決算は累計で売上・利益が過去最高を更新したが次期中計を見据えて第4四半期に構造改革を実行し、成長戦略や基盤強化策の見直しを行ったため、利益が計画未達となったことから、26年3月期の経常利益計画を200億円から180億円に下方修正したことを報告するとともに2030年の目標であった売上高1兆円の早期達成、27年3月期には1兆500億円を目指す方針を明らかにした。
 説明によると同期の連結業績は、売上高9862億1200万円(前期比4.5%増)、売上総利益962億2100万円(4.1%増)、販売管理費812億3200万円(4.3%増)、営業利益149億8900万円(3.3%増)、経常利益156億1700万円(1.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益103億5800万円(0.4%増)となった。
 同期の業績は計画に対して売上高は101.8%だったものの、営業利益同92.0%、経常利益同94.1%、親会社株主に帰属する当期純利益同94.2%となり、東風谷社長は、「当初は想定していなかった計画との乖離と遅れが発生して、利益獲得に遅れが生じている」と述べ、その要因として、①メーカー機能における成長戦略の見直しによる構造改革の実施②将来に向けた人事戦略として積極的な採用と制度の見直し③各種IT中計施策の実装遅れと想定以上の運賃上昇――を挙げ、これらについては、一時的な要因のものは既に処理し、遅れているものは1年遅れで実施できる予定であることを報告した。
 26年3月期の業績予想については経常利益を200億円から180億円に下方修正したが、中計3カ年での業績は順調に推移していることから、次期中計を見据えて、2030年の目標であった売上高1兆円の早期達成を見込むとともに、27年3月期はさらなる売上拡大で1兆500億円を目指す考えを明らかにし、「下方修正となったが前期も着実に売上、利益ともに成長を続けている。今期および来期以降もご期待いただきたい」(東風谷社長)と語った。

近石工、第75回通常総会開催 「切磋琢磨し、困難極まる局面切り抜ける」

近石工、第75回通常総会開催 「切磋琢磨し、困難極まる局面切り抜ける」

 近畿石鹸洗剤工業協同組合は5月14日、第75回通常総会を大阪市内のホテルで開催した。
 定刻、東野正昭専務理事の司会で進行し、初めに奥中泰征理事長(マスター)があいさつに立ち、「エネルギー価格や原料相場の高止まり、過度な円安の継続、人件費や輸送費が高騰する中においても、清潔で健康な生活を支える石鹸・洗剤を安定供給することは我々の使命である。そうした中で、当組合は組合員が互いに切磋琢磨しながら、協力すべきことは協力し、コストをしっかりと見極め、必要であれば適切な価格転嫁を行い、困難極まる局面を切り抜けたい」と述べた。
 続いて総会に入り、はじめに東野専務理事が組合員数18社中、9社の出席、9社の委任状出席により、出席社数の規定を満たしているとして、総会の成立を宣言し、議長に古谷敏昭理事(テシマ化研)を選出し、各議案を審議の上、全員の拍手で承認した。
 総会終了後は、休憩をはさみ、商工組合中央金庫船場支店・末次隆浩支店長を講師に迎え、「中小企業の足元動向 人手不足対応の道筋」のテーマで講演が行われた。
 続いて、同室で懇親会が行われ、東野専務理事の司会のもと、奥中理事長のあいさつに続いて、来賓の大阪府商工労働部中小企業支援室ものづくり支援課・岡本隆之課長、大阪府中小企業団体中央会・三宅泰太郎総務部長の両氏が祝辞を披露。
 来賓紹介・祝電披露に続き、大阪産業技術研究所・静間基博理事兼森之宮センター長が乾杯を発声。組合員・賛助会員らが相互に懇親を深め、宴半ば西本武司副理事長(東邦)の中締めで終了した。

Amazonがアイスタイルの筆頭株主に 議決権割合は10.73%

 アイスタイルは5月13日、2022年9月6日付で発行した第1回無担保転換社債型新株予約権付社債について、割当先であるAmazon.com,Inc.から当該新株予約権付社債の転換(当該新株予約権付社債に係る新株予約権の行使)に関する通知を受領したと発表した。
 この権利行使によりAmazonの所有株式数がアイスタイル会長兼CEOの吉松徹郎氏の資産管理会社ワイの所有株式数を上回り、筆頭株主となった。Amazonの総株主の議決権の数に対する割合は10.73%。筆頭株主の異動による同社の業績及び経営体制に与える影響は軽微としている。
 なお、吉松氏の株式数とワイの所有株式数を合算した場合、総株主の議決権の数に対する割合は14.12%となる。


2025年5月21日号 記事一覧

経営・施策

  • セブン-イレブン・J、令和7年大船渡山林火災で被災地支援募金活動実施
  • エステー、カイロおよび消臭力の一部製品の出荷価格を改定
  • サンスター、USJ「サンク・ラブ・マンス」に賛同して社内イベント実施

製品・サービス

  • 貝印、子ども向け社会体験アプリ「ごっこランド」に新ゲーム公開
  • アイスタイル、「@cosme」アプリのクチコミ要約機能をアップデート
  • 花王「セグレタ」ベーシックシリーズから“月下美人の香り”数量限定発売
  • サンスター「ソダテコ」子ども向けオーラルケア新発売 しまじろうを採用
  • クラシエ、「いち髪 THE PREMIUM In Summer,the Night」限定発売
  • UYEKI「ドライニング」 “大切な衣類はおウチで洗おう!”積極提案

宣伝販促

  • コーセー、「ヴィセ」"#綿毛アイブロウ"新キービジュアル公開中
  • 貝印、「miness肌キャンペーン」実施中 抽選で111人に豪華賞品当たる
  • 日本製紙クレシア、「Action for Smile キャンペーン」実施中
  • 日本製紙クレシア、「ポイズさらさらシリーズ」全額返金キャンペーン実施

人事・組織

  • エステー、取締役候補者、執行役を内定
  • ユニ・チャーム、7月1日付執行役員人事
  • ハリマ共和物産、新社長に土屋匡輝専務が内定

決算

  • マツキヨココカラ、25年3月期連結決算は化粧品業績が牽引し増収に
  • PALTAC、25年3月期決算は増収増益 売上高・営業利益とも過去最高更新
  • ユニ・チャーム、25年12月期1Q連結決算 減収減益も四半期利益は増加
  • コーセー、25年度第1四半期は増収減益 日本はアルビオンが伸長
  • エステー、25年3月期連結決算は増収増益に ペットケア、エアケアが貢献
  • マンダム、25年3月期は増収減益に 日本は収益改善活動が奏功
  • アース製薬、25年度1Q決算は売上高、利益とも前年上回る
  • 小林製薬、25年12月期1Q業績 ヘルスケア、通販の低調が響き減収に
  • サミット、25年3月期通期業績は増収増益、売上高は過去最高
  • メディパルHD、25年3月期・全事業セグメント増収 メディセオ事業好調
  • ハリマ共和物産、25年3月期連結決算は売上、営業利益が前期上回る

研究・開発

  • クラシエ、3つの保湿成分からなる「保水コンプレックス」を開発
  • 牛乳石鹸共進社と慶應義塾大学、泡遊びで子どもの幸せホルモン増加を発見

調査・統計

  • 経済産業省 25年1~2月度洗浄剤統計 合成洗剤の金額の伸び大きく
  • 粧工会 25年1月化粧品統計 5.0%増で始動 化粧水と美容液が好調
  • 東家同 25年4月度市況概況価格調査 T.Pパルプ物価格修正で売価上昇

イベント・展示会

  • コーセー、「雪肌精BLUE」POP UPイベントを東京・大阪で開催
  • 「インターペット大阪2025」 ビジネス来場者募集中
  • フマキラー「PLAY ACTIVE!」企画、「ももフマ工作&LIVE」開講
  • ピップとイオンファンタジー、「子育て応援プロジェクト」開始

時評・コラム

  • 転新欄万 選ばれし者のみが知る重みを世界の安定に


上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。