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2025年5月14日号掲載記事より

商品情報の連携に向けた検討が本格化 経産省「検討会」で議論

 経済産業省は、流通サプライチェーンに関わる業界全体での生産性向上に向けた「商品情報連携標準に関する検討会」で次世代の商品情報授受の実現に向けてメーカー、卸、小売業者、関連企業、団体等で意見交換を行い、商品情報の共有に向けて協議を進めている。
 流通業は、人口減少・少子高齢化に伴う人手不足に加え、賃上げ・働き方改革などの労働環境の変化を踏まえた社会的な人手不足にも直面している。こうした中で、消費財サプライチェーンに携わるメーカー・卸・小売の事業者は、現状、取り扱う商品の情報について、登録・管理に当たり各社専用フォームに個別入力する等、「手作業によるバケツリレー」に依存しているのが現状。加えて、商品を特定するJANコード(GTIN)も、新商品や期間限定の商品開発等が非常に活発である等の商慣習を背景にルールが徹底されていない等、個別最適による非効率・不正確な商品情報授受の在り方が業界全体の課題となっている。
 これらの課題等を踏まえ、業界全体の生産性向上につなげるため、政府・メーカー・卸・小売・商品情報データベース(業界データベース)提供事業者等の関係者からなる「商品情報連携標準に関する検討会」が設置され、これまでに3回(24年11月28日、25年2月14日、3月14日)の会合が行われた。
 同検討会では、生活に密接な消費財に係るサプライチェーンにおいて、商品マスタ関連の業務に係る実態、特に人手不足や経営環境への影響を改めて可能な限り可視化し、我が国流通業の目指すべき次世代の商品情報授受の在り方や、そのために必要となるルールやロードマップを示すことを目的としている。
 直近第3回の検討会では、商品情報プラットフォームの実現に向けた方針を取りまとめるとともに、2025年度に新たな会議体「商品情報連携会議」を設置し、サプライチェーンを構成する企業間で議論を進めることで合意。会議では2つのワーキンググループにおける議論を経て、12月にガイドラインの素案を取りまとめ、2月に最終決定する予定となっている。

富士薬品、「富士共進会」第20回総会に837名が参集 中長期計画策定

富士薬品、「富士共進会」第20回総会に837名が参集 中長期計画策定

 4月23日、富士薬品グループの取引先関係企業で構成する富士共進会の「第20回総会」がホテルニューオータニ東京で開催され、会場には434社・837人が参集するなど盛況となった。
 当日は、総会と高柳昌幸社長による富士薬品グループの基本方針・24年度連結業績の発表、このほど新たに就任した髙塚仁執行役員ドラッグストア(DgS)事業本部長による同事業の方針発表などが行われた。
 冒頭、高柳社長は2024年度のグループ連結業績〈決算確定前〉に言及。売上高3804億円(前年比1.5%減)、経常利益57億円(26.7%減)との見通しを報告した上で、各事業の進捗と、この4月からスタートさせた、創業100周年となる2030年を最終年度とする中期経営計画「Fuji2030」の概略について説明を行った。
 その中で、高柳社長は「DgS事業は特に厳しい環境下にあるが、企業理念を“お客様の元気な暮らしを支えること”とし、配置は御用聞きをDgSは地域に根差したプライマリケアの実現を目指していく」と述べ、今後は配置とDgS両事業をいかに融合させ、新たな価値を提供していけるかが重要との展望を語って説明を締めた。
 続けて、髙塚仁新DgS事業本部長が登壇し24年度のDgS事業の方針と、ここまでの事業改革の集大成と位置付ける「Fuji2030」の目指す姿等について解説。2030年度の数値目標として売上高5139億円を掲げ、具体的な施策として調剤薬局の開局・既存店改装の加速、24時間営業店舗の増加、そして配置とDgSの連携による新たな処方箋獲得ルートの構築を挙げた。特に調剤薬局の開局では2030年度に906店舗(25年度606)・調剤取扱店舗率70%(同47%)まで拡充させる意向を示した。

セブン-イレブン・J、「インバウンド消費政策説明会」開催

セブン-イレブン・J、「インバウンド消費政策説明会」開催

 セブン-イレブン・ジャパンは4月30日、都内本社で今後の成長戦略の1つに掲げるインバウンドへの対応について、その商品戦略や店頭展開などを解説する「インバウンド消費政策説明会」を開催した。
 当日は、商品本部地区MD統括部・鷲野博昭総括マネジャーと、オペレーション本部オペレーションサポート部オペレーション情報・吉村浩司副総括マネジャーが登壇し、本部と現場それぞれの立場からインバウンド対応の詳細が語られた。
 鷲野氏は、昨年に過去最多の訪日インバウンド客を迎え、かつ行動や買われ方に大きな変化がみられることを指摘するとともに、現在の店頭施策として“顕在化しているニーズに対応し、販売チャンスを取り込む商品対応”と“インバウンドだけでなく、日々の来店客にも拡販できる商品対応”の2通りで臨んでいると説明し、前者が「たまごサンド」「フルーツ」、後者が「わさび」「抹茶」だと紹介した。
 一方の吉村氏は現在のコンビニの顧客層・販売傾向について「昨今のニーズ変化から、若年層の利用が減少し、中高年者層、外国人の利用頻度が増加している。また、若年層に売れる商品は全世代平均とは全く違う。従って、平均値を参考に品揃えをすると、中高年層向けの品揃えに偏り、結果的に売れ筋商品の高齢化につながる」とした上で、「若年層を起点にその商品が話題になると客層が拡大して販売が伸長する。また訪日客が購入する商品は客層が次第に拡大し販売が伸長する」との傾向があると報告。「インバウンド需要に対応することで、結果的にその地域の日本人の需要拡大にもつながる」と説明し、今後も継続的に訪日客が買いやすい売り場、求める商品の品揃えの強化を図っていく考えを示した。

花王、ファンケル等9社、ケミカルリサイクル実施 非食品用途PETに拡大

花王、ファンケル等9社、ケミカルリサイクル実施 非食品用途PETに拡大

 花王、ファンケルなど企業9社(ファンケル、キリンHD、JEPLAN、TDK、村田製作所、花王、キリンビバレッジ、ペットリファインテクノロジー、アサヒ飲料)は4月21日、業界を超えて連携し、飲料用ペットボトルと非常食品用途PETを原料とするケミカルリサイクル(以下CR)により、各種ペットボトルへリサイクルする取り組みを開始すると発表した。非食品用途PETを原料に、飲料用ペットボトルとして再生する取り組みは国内初となる。
 今取り組みは、飲料用ペットボトルのCR原料の一部を非食品用途PETへ拡大することで、これまでリサイクルでは充分なプラスチックの資源循環には至らないという課題に対応することを目的としており、使用済みの飲料用ペットボトルに加え、非食品用途として使用された工業用フィルムおよび化粧品ボトル、自動販売機用商品サンプルをCRの原料として使用する。
 再生されたPET樹脂はCR樹脂使用各社に供給され、各社はその品質評価を実施したうえで、飲料用ペットボトルや化粧品ボトルへの採用を検討していく。キリンビバレッジは4月から飲料用ペットボトルの一部にて、花王は5月から化粧品ボトルの一部に当原料を一部採用し、製造を開始する。また、アサヒ飲料は10月以降の採用を予定しており、ファンケルも採用に向け検討を進めている。

コーセー、「雪肌精 BLUE 有楽町マルイ店」オープン 内覧会開く

コーセー、「雪肌精 BLUE 有楽町マルイ店」オープン 内覧会開く

 コーセーは4月24日、肌・からだ・心へのホリスティックなアプローチを提案する「雪肌精 BLUE」と、海の恵みを凝縮した素材で、肌も心も澄みわたる美しさを叶える「Prédia BLUE」の日本1号店となる直営店「雪肌精 BLUE 有楽町マルイ店」を有楽町マルイ(東京都千代田区)にオープンした。
 「雪肌精 BLUE 有楽町マルイ店」は、コンセプトが異なる「雪肌精 BLUE」と「Prédia BLUE」を同じ空間で体感できるシリーズを象徴する直営店で、5月16日に全国展開する両品を先行販売している。
 オープン初日には、現地に報道関係者を招いて内覧会を開き、担当者らがシリーズの環境への取り組みや、サステナブルな店舗設計について紹介した。
 中でも店舗設計については「自然の恵み」「自らの美の発見」「洗練された日本的要素」をコンセプトとしており、これについて同社宣伝部店舗開発課・丸山直也氏は「単なる接客で終わらせず、肌だけでなく顧客の心身の悩みに対してしっかりと寄り添いながら商品を提案できる環境づくりを実行した」と明かし、ブランド理念である“自分自身を調え、慈しむことが美しい肌、こころ、そして美しい地球へと繋がる”を具現化した店舗の魅力を伝えた。
 なお、同店ではこれまで「雪肌精」が行ってきた「SAVE the BLUE」活動の一環として、使用済み化粧品容器を「資源」と捉え回収する「容器回収プロジェクト」を実施することも併せて発表され、戦略ブランド事業部クリーンブランド事業室販売企画課・柳原沙織氏は、「世界規模で発生しているプラスチックごみ問題に対し、シリーズの使命として今プロジェクトを実施する。回収容器は店頭の什器や顧客に還元できるようリサイクルを行い、美しい循環を目指す」とプロジェクトの意義を述べた。


2025年5月14日号 記事一覧

経営・施策

  • ライオン、自己株式を消却 株主価値の向上を図る
  • イトーヨーカ堂、関連施設512店舗で実施した「盲導犬募金」を贈呈
  • ユニ・チャーム、小売業23社と協働で売上げの一部を環境保護団体に寄付
  • スギHD、「国際グローバル・コンパクト」に加入 持続可能な社会実現へ

製品・サービス

  • 花王、「強力カビハイター ツンとしないタイプ」発売
  • ユニ・チャーム、「ムーニーマン マシュマロ肌ごこちモレ安心」限定品
  • 牛乳石鹸共進社、「バウンシアボディソープ」詰替用10%増量品限定発売
  • コーセー、「コスメデコルテ」美容液がフランクミュラーとコラボ
  • 丸富製紙、「ガチャピン・ムック 夏祭り 12ロールダブル」期間限定発売
  • サンギ、「アパガードプレミオトライアル」発売 約2週間分のミニサイズ
  • 常盤薬品工業、「素肌記念日」から夏向けスキンケアパウダー限定発売

宣伝販促

  • デンタルプロ、デンタル用品新商品発売記念キャンペーン実施中
  • キリン堂、創業70周年記念キャンペーンを5月から1年間実施
  • ライオン、「OCH-TUNE(オクチューン)」新CM「極上の体験」篇放映
  • ウテナ、昭和生まれの「ウテナ モイスチャー」昭和感たっぷり広告を公開

決算

  • ライオン、1~3月期連結業績は大幅な増益
  • 花王、1~3月期、営業利益が大幅増加 GC事業、ケミカル事業が牽引

研究・開発

  • エステー、揮発性抗菌性物質の共同研究成果が農芸化学会「論文賞」受賞

調査・統計

  • 界面工、2024年界面活性剤動向発表 生産・出荷数量減、販売金額増に
  • 粧工会 24年1~12月化粧品統計 6.5%増に 各分野がプラス成長確保

イベント・展示会

  • 日本SC協会、第10回日本SC大賞・金賞、第8回地域貢献大賞を決定
  • 牛乳石鹸共進社、「みんなのAWA-YA meets 下北沢」5月23~25日開催
  • UYEKI、「美フェス」に出展 「美香柑」シリーズを実演販売
  • 貝印、「スイーツ甲子園」に特別協賛 テーマは「ウェディングケーキ」
  • 貝印、今年で4回目迎える帽子デザインコンテストのエントリー受付中

施設・店舗

  • イオンペット、旗艦店「ペテモ幕張新都心店」リニューアル アパレル拡張

時評・コラム

  • 転新欄万 美を求める参加者の熱さを体験
  • らいたあ お米の高騰が続く中で食生活が変化

特集 【ヘアケア】

    経営・施策

    • ヘアケア市場 ニーズの多様化でプレミアムヘアケアが拡大
    • ヘアカラーリング市場白髪用はカラートリートメントと一時着色料が好調

    製品・サービス

    • 花王 「THE ANSWER(ジアンサー)」が好調 POP UPイベント開催
    • コーセーコスメポート 「ジュレームリラックス」ANNA SUIコラボ実施
    • スギ薬局 初ヘアスタイリングPB「プロモニー」新発売
    • クラシエ 「いち髪」から「香る髪のお直しミスト」今春発売
    • ファイントゥデイ 「+ t m r」からヒートケアマスク発売
    • マンダム 新ヘアケアブランド「T/ME U(タイムユー)」発売
    • ダリヤ 「サロン ド プロ ドレッシーカラートリートメント」が好調
    • 日本石鹸 「ウインズプレミアム」椿油ヘアケアシリーズが好評
    • ライオン 新ヘアケアブランド「MEGAMIS(メガミス)」誕生
    • I-ne 「ボタニスト」「キュラップ」から夏限定品を発売


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。