2025年3月19日号掲載記事より
ユニ・チャーム、2025年度有力卸店会開催 業界総資産の拡大へ
ユニ・チャームは3月11日、都内ホテルで「2025年度 有力卸店会」を開催。全社方針を説明した高原豪久代表取締役社長執行役員は、2030年までに不織布・吸収体事業で「世界一」を目指す考えを改めて強調するとともに、今年の一文字に掲げた「U」について、「Unique」(独自性)、「Universal」(世界の全ての人々に)、「United」(絆・協働)を進めていく具体的な考え方を示し、卸店とともに業界総資産の拡大に取り組んでいく考えを表明した。
高原社長は、まず2024年度の連結売上高が9890億円(前年比5.0%増)、日本は3399億円(5.3%増)となり、同期は海外よりも日本の成長率が高かったことを報告。また日本で過去33年にわたる売場提案の歴史を振り返り、生理用品における「Lady Made提案」(1991)、ベビーおむつにおける「成長段階別ゾーニング」(2007)等、消費者・購買者の変化に対応する数々の売場提案と商品導入を進めてきたことを確認、共有した。
さらに高原社長は、2030年、世界一の目標である「相対的価値」(売上高1兆5000億円、コア営業利益率17%、ROE17%、世界シェア№1)と「絶対的価値」(企業ブランドエッセンス「Love Your Possibilities」、同社にしか生み出せない商品・サービスを通じたサーキュラーエコノミーの創出等)を伝えた上で、「相対的価値」の2030年売上高目標1兆5000億円の内、日本では当初目標の4040億円から4500億円に目標修正したことを明らかにし、その理由として日本での事業の好調と連結売上高の30%は日本で達成すべきとの考えに至ったと説明した。
また、高原社長は、今年の一文字として掲げた「U」の意味であり、ユニ・チャームの社名の由来でもある「Unique」(独自性)、「Universal」(世界の全ての人々に)、「United」(絆・協働)について、具体例を挙げながら1つずつ詳述。最後に企業ブランドエッセンス「Love Your Possibilities」について、どんなときでも自らの可能性を慈しみ、利他の心で支え合うことのできる「共生社会」を実現するとその想いを語った上で、卸店・流通とともに成長を目指していく考えを表明した。
キリン堂HD、協栄会総会開催 連結業績見込みは売上高1400億円に迫る
キリン堂ホールディングス(以下キリン堂HD)は3月7日、同社取引先の医薬品・日用品・化粧品メーカー、卸売業者との親睦を目的に運営するキリン堂協栄会の「第36回総会」を大阪市内のホテルで開き、会員企業260社450名が出席した。
はじめにキリン堂協栄会・中尾良雄会長(花王グループカスタマーマーケティング社長)があいさつに立ち、今年期待できることとして、①初任給上昇等に伴う若者のお金の使い方の変化②インバウンドの活況③大阪・関西万博の開催――にふれたあと、「今年はキリン堂様70周年を迎える年であり、我々もともに大いに飛躍できる契機にしたい」と述べた。
続いて、キリン堂HD・寺西豊彦社長が登壇し、69期のスタートにあたり、互いの任務に責任を全うできる一体型組織と、ダイナミックな若返りを図った新体制を構築したことに言及。ちょっと“ズラし”て新価値を生み出す概念である「リフレーミング」を取り上げ、視点を少しずらすことで様々な解決策を得ることができる事例を挙げながら、マーケティング・リフレーミングについて説明。「70周年に向かう年に創業者が生み出した理念を礎に、店舗・エリア・顧客ニーズを改めて見直し、個店の魅力を捉え直していく」とし、「その街1番のくすり屋」を掲げ、「90年、100年に向かって歴史を紡いでいきたい」と述べた。
続いて寺西廣行専務執行役員事業統括本部長兼営業本部長が事業報告を行った後、「今後の経済見通しと企業経営~労働環境はどのように変化するか~」をテーマに神戸学院大学現代社会学部教授の中野雅至氏が講演。
その後、会場を移して懇親会が行われ、初めに長年にわたり協栄会の会長・副会長を務めた松井秀夫氏(大木HD会長)に寺西会長が花束を贈呈し、松井氏が感謝の言葉を述べた。
このあとキリン堂協栄会・吉田拓也副会長(PALTAC社長)が乾杯を発声、宴半ばキリン堂協栄会・畑中伸介相談役(あらた会長)の中締めで散会した。
日本ヘルスケア協会、「協会推奨制度」第1弾4製品発表 サラヤなど3社
日本ヘルスケア協会(JAHI)は3月4日、同協会事務所で記者会見を行い、「公益財団法人日本ヘルスケア協会推奨制度」に初めて推奨認定された4製品を発表した。
認定された製品はキリンホールディングスの「プラズマ乳酸菌」、サラヤの「ラカントS」「ラカント アルロースブレンド」、アイリスオーヤマの「大人用紙オムツ製品」。
会見では今西信幸会長があいさつに立ち、「当協会の会員企業の製品に対する信頼性と品質の向上を図るため、本年1月から当協会の『推奨制度』をスタートした。この制度により会員企業の国民の健康寿命の延伸に寄与する製品を推奨し、あわせてヘルスケア業界全体の発展に寄与していく。推奨商品は医学博士、薬学博士、農学博士の審査を実施した。ヘルスケアの概念の土台である医・薬・食の3つの領域の専門家が推奨するモノが本当に信頼できるヘルスケアだと考えている。国民の皆様に健康寿命の延伸・安心感・信頼感もってもらえるシンボルとして推奨マークを付与する」と述べた。
会長あいさつの後、認証企業に認定証が授与され、認定を受けた企業から認定商品について説明があり、サラヤの山田哲コンシューマー事業本部本部長は、「健康寿命延伸につながる商品として認定いただいたことに感謝します。『ラカントS』は、古くから健康に役立つ原料として親しまれてきたウリ科の植物『羅漢果(ラカンカ)』の高純度エキスと、トウモロコシ由来の甘味成分エリスリトールという、2つの甘味成分から作られた植物由来甘味料です。砂糖と同じ甘味度なので余計な重量換算の手間がいらず、毎日のお料理で砂糖と置き換えてお使いいただくことで、簡単にカロリーと糖質を抑えることができます。今後、ラカントを甘いものを制限されている方へ提供し、QOL向上に貢献していきます」と説明した。
王子ネピア、初のスキンケアライン「ネピア鼻セレブ SKINLISM」立ち上げ
王子ネピアはこのほど、自社で初となるスキンケアライン「ネピア鼻セレブ SKINLISM(スキンリズム)」を立ち上げ、洗顔ソープ「ネピア鼻セレブSKINLISM モイストクリアバー」と「同 モイストクレンジングバー」の2アイテムを3月14日に新発売し、話題を呼んでいる。
同社では発売に先立ち、都内でプレス発表会を実施しており、森平高行社長が新製品にかける思い、齋藤理佐子執行役員マーケティング本部長はスキンケア市場参入の背景について、同本部商品企画部の井上加菜氏からは新製品の概要など詳細な説明が行われた。
森平社長は「グループの祖業である製紙業界は現在、様々な環境変化から厳しい状況下にある。こうした中、事業ポートフォリオの転換が求められており、当社でもさらなる企業価値の向上を目指すべく、新たな分野への挑戦を模索していた」と、自社の現状について説明。さらに、「当社は長年、家庭紙や紙おむつといった直接人の肌に触れる商品を取り扱ってきた。その意味でスキンケア分野は既存事業との親和性が高い。そこに10年の歳月をかけて国産カンゾウの大規模栽培に成功した王子薬用植物研究所の成果を掛け合わせて、当社ならではのスキンケアラインとして育成していけるものと考えた」と述べ、最後に新製品について「まさに『鼻セレブ』ブランドと王子グループのシナジーから誕生した製品」と形容、新展開にかける思いを強調した。
新製品「ネピア鼻セレブSKINLISM」には、透明感のあるしっとり肌へ導く「モイストクリアバー」と、毛穴ケアや皮脂や古い角質、メイクも落とすトーンアップした肌へ導く「モイストクレンジングバー」の洗顔ソープ2アイテムが揃う。“高気泡石鹸素地”を採用し、“とろみ泡”を実現したことが最大の特長で、「一般素地と比べて約4倍の豊かな泡立ち、きめ細かい均一な泡など、理想の泡立ちと使用感を実現する」(井上氏)とのこと。現在、「ネピア公式オンライン」から販売されている。
トゥディック、開催時期を3月に変更して「春の商談会」開催
トゥディックは3月5日、金沢市内の「金沢流通会館」(金沢問屋センター)で、「第31回トゥディック春の商談会」を開催した。同商談会は従来1月に開催されていたが、昨年1月は能登半島地震の発生により、急遽3月に延期(後に9月にも開催)となったことに加え、毎年1月は北陸地区において降雪の影響が懸念されることを受けて、同社では開催時期の変更を検討。その結果今年から3月開催に変更となったもの。今回も春の新製品や同社の企画提案などが一堂に披露され、地元販売業者ら55社174名(見込み)が来場。開場と同時に多数の来場があり、午前中までに予定の半数が来場するなど盛況となった。
会場は、出展メーカー75社(計80ブース)による「メーカーブースゾーン」と23の商談ブースを設置した「商談スペースゾーン」に分かれ、商談スペースの入口前には、同社の企画提案を紹介する「TODIC提案コーナー」を設置。今回は「日用品と食品とのコラボ」「災害対策-災害時の商品動向・活用術-」による提案が披露された。
当日は、宮越公一郎社長と古市哲一常務執行役員が出席のもと会見が開かれ、宮越社長は、「当社の商談会は、リアルに商品を見て、その場でメーカーの方と話ができるという点が最大の特長である。今や北陸エリアで定期的に開催される日用品の商談会は珍しいため、トップやバイヤーのみならず、現場の店舗スタッフの方まで来場いただく販売店が増えてきている」と述べた。
また、同社の今後注力すべき課題について、宮越社長は「物流」をあげ、「昨年は『2024年物流問題』への対応が喫緊の課題とされたが、現時点ではその対応を進めているところである。今後更に物流経費は増加する予測されており、それをどのように吸収していくかが課題となる。
この間、売上げ拡大とともに取り扱いアイテム数も1割増えており、センターのロケーションや物流機材の更新を含めて、更に効率的な運用が不可欠となる。今期は物流面での投資を行うことで、利益体質の強化を図っていきたい」と語った。
2025年3月19日号 記事一覧
M&A・設立
- トライアルHD、西友を完全子会社化へ 地域の「生活必需店」基盤づくり
会合・発表会
- 近石工、第5回石鹸部会で講演会開催 新報メディア・由上会長が講演
経営・施策
- イオン、イオンモールとイオンディライトを完全子会社化へ
- セブン&アイHD、新社長にデイカス氏が就任へ グローバル展開を加速
- コアレックス信栄、大阪・関西万博で難再生古紙回収再資源化を実施
- あらた、子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得
- True DataのAIサービス「Sales Sensor」をウエルシア薬局が導入
製品・サービス
- 花王、「めぐりズム」「ピュオーラ」から新炭酸商品を発表
- 花王、「ビオレ ザ ボディ ととのい肌」新製品説明会開く
- P&Gジャパン、「ジレット」から初のボディ用カミソリ発売
- クラシエ、「ナイーブ」ボディソープからクロミ・マイメロ限定品発売
- クラシエ「ココンシュペール」、アウトバストリートメント新発売&改良
- ときわ商会、韓国発メイクブランド「tfit」クッション型日焼け止め発売
- ハイローズ、“国内最狂”クールシャンプー「クレイジーバブル」限定発売
- イオンリテール、スキンケア「コペルニカ」から薬用クリアゲル発売
- ファイントゥデイ、男性用フェースケア「ウーノ オールインワン」改良
- ライオン、「NANOX one 部屋干し」数量限定発売 戻り生乾き臭を防ぐ
- ユニ・チャーム、「マミーポコパンツ」パッケージデザインとロゴ刷新
- ユニ・チャーム、「デオシート 消臭ラボ」から専用メッシュガード発売
- 小林製薬、「消臭元」「Sawaday」から「ネモフィラブルー」限定発売
- エステー、「ニャンとも清潔トイレ」に「消臭プロフェッショナル」新発売
- バイソン、発汗入浴料「爆汗湯」からCOOLタイプリニューアル限定発売
宣伝販促
- クラシエ、「いち髪」×「ディアボーテHIMAWARI」初コラボ 新CM放映
- ファイントゥデイ、「ファイントゥデイオンラインショップ」を開設
- ユニ・チャーム、X公式アカウントを開設
- ファイントゥデイ「+t m r」、パナソニック「ナノケア」と異業種コラボ
人事・組織
- 歯磨工、新会長に吉岡貴司氏(サンスターグループ執行役員)就任
- PALTAC、組織変更並びに取締役、執行役員人事
- P&Gジャパン、木葉慎介氏が4月1日付で社長就任へ
- キリン堂HD・キリン堂、組織変更・人事異動を発表
- クラシエ、3月21日付で人事異動を発表
- エステー、4月1日付組織改定および人事異動を発表
研究・開発
- ファンケル、「老化細胞除去」新製品説明会開く キンミズヒキ用いた検証
調査・統計
- スーパー3団体 25年1月度 全店・既存店両売上高は前年同期超え
- KSP-POS 2025年2月 カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- DIY・HC協会、「DIY HC SHOW 2025」開催説明会を大阪で開催
- コーセー、「コスメデコルテ」女性職人による伝統工芸作品展を開催
- ウテナ、マトメージュオム発売に先駆け、美容好き男子の就活相談会開催
- 「第5回WEHealth2025」開催 ミレニアル世代女性のエンパワーメント
- 世界最大規模のおむつコレクション「O-MU-TSU WORLD EXPO」を開催
- 王子ネピア、ブランドテーマパーク「愛でたい鼻展」東京・原宿で再開催
施設・店舗
- アイスタイル、「@cosme TOKYO」リニューアルで内覧会開催
訃報・葬儀
- グリーンベル・石田潔元相談役の「お別れの会」に約200名が参列
時評・コラム
- 時評 コロナ期からの完全復活示す小売市場
- らいたあ 薬局店頭「外国人対応マニュアル」新たに5言語拡充
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