2025年2月26日号掲載記事より
ユニ・チャーム、24年通期連結業績 売上高・コア営業利益は過去最高更新
ユニ・チャームは2月13日、2024年12月期(1~12月)の連結業績を発表した。同期の連結業績は、売上高9889億8100万円(前期比5%増)、コア営業利益1384億6300万円(8.2%増)、税引前当期利益1345億3700万円(1.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益818億4200万円(4.9%減)となり、売上高、コア営業利益は過去最高を更新した。
同社は厳しい環境下、柔軟な戦略展開により堅調な成長を維持。海外市場ではアジアを中心に景況感に差が見られたものの、消費者ニーズの変化に迅速に対応。国内では物流の「2024年問題」などの懸念がある中、高付加価値商品の提供と価格戦略によって安定した売上成長を実現した。価値転嫁と事業ミックスの改善により戦略的なマーケティング投資等を吸収した結果、コア営業利益は105億円の増益、コア営業利益率は0.4P上昇し、14.3%となった。
所在地別では、日本=売上高3399億円(5.6%増)、コア営業利益680億円(4.6%増)▽アジア=売上高4431億円(1.1%増)、コア営業利益429億円(1.3%減)▽その他=売上高2059億円(13.3%増)、コア営業利益274億円(43.3%増)となった。海外売上高比率は65.9%。
海外市場では、特にアジア地域において経済の不確実性が残る中、消費者の節約志向が強まり、手頃な価格の商品への需要が拡大。また、eコマース市場が急速に成長し、新たな販売チャネルとして台頭しているが、同社はこれらの変化を踏まえ、柔軟かつ迅速な戦略を展開し、市場の変動に対応した。
次期業績予想は、売上高1兆250億円(3.6%増)、コア営業利益1460億円(5.4%増)、税引前当期利益1420億円(5.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益864億円(5.6%増)。
全卸連、常任理事会開催 25年度はスローガンから重点活動テーマ3点決定
全国化粧品日用品卸連合(全卸連)は2月5日、都内で「2024年度第3回常任理事会」を開催した。事務局によると小野瀬光隆会長(東京堂)の24年度での退任に伴う会長人事は人選を進めている段階で、今回の常任理事会での決定には至らなかった。2025年度のスローガンについては24年度と骨格を基本的に変えないことを決め、同年度からスローガンに重点活動テーマと推進する委員会を定め、実行力を上げる。
全卸連の25年度のスローガンは、「全卸連!次の50年に向けて!! 全卸連の価値を高めます!!」で、「透明性のある取引制度に取り組みます」「返品削減に取り組みます」「物流課題に取り組みます」「BCPに取り組みます」「環境問題に取り組みます」の5項目の具体的な活動を掲げているが、25年度は、「全卸連の価値を高めます」(総務・組合活動委員会)、「物流課題に取り組みます」(流通懇談会、情報システム委員会)、「BCPに取り組みます」(総務・組合活動委員会)の3つを重点活動テーマに定め、カッコ内の委員会が推進主管部所として活動にあたる。
総務・組合活動委員会は、「全卸連の価値を高めます」(単位組合を含む)について、昨年、単位組合を対象に行ったアンケート調査結果から、組合員、賛助会員が参加して良かったと思われる全卸連、各単位組合の具体的な5つの取り組みテーマ①工場見学②がんばる地域卸店訪問③卸流通アカデミー第6期開催④卸流通アカデミー受講者同窓会⑤システムサポート――について、同委員会に諮ったところ、「工場見学」と「卸流通アカデミー第6期開催」が賛成多数となった。これを受け、「工場見学」については25年度中に実施する予定となったが、「卸流通アカデミー第6期開催」については、準備、調整等に時間を要することから、25年度は準備期間として、26年度の実施を目指す。
流通懇談会と情報システム委員会は、取り組みから3年目となる「物流課題に取り組みます」について、25年度を総仕上げの年と位置付けて進める。また、「BCPに取り組みます」については、南海トラフ地震の発生が予想されている中、地震災害や台風災害の対応を詰めてほしいという意見から25年度はその準備資料をまとめ上げ、26年度、27年度にかけて具体化していく予定。
大木ヘルスケアHD、25春夏用カテゴリー提案商談会開催
大木ヘルスケアホールディングスは2月13日・14日の2日間、「2025OHKI春夏用カテゴリー提案商談会」を東京・平和島のTRC東京流通センターで開催した。
会期中に行われた記者会見で松井秀正社長は、今提案会の特長について「メーカーブースを置かず、最新の市場動向を明示する展示に加え、快適生活や医薬品、化粧品など7つのカテゴリーごとに、当社営業担当者がアテンドしつつ、その取引先企業にとって最適な提案を行うことで、確かな売上げをつくることをその目的としている」と説明。今や自社の事業展開が薬局やドラッグストア(DgS)のみならず、ECやコンビニ等異業種にも拡大していることなどを鑑みた結果との見解を示し、今イベントが展示会ではなく提案会とするこだわりをあらためて強調した。
その上で今回は、67の独自提案に対して、出展メーカー89社・商品協力メーカー257社(延べ)がサポートを行っているとの報告がなされた。
会見で今回の見どころを問われた松井社長は、「特に最新の市場動向についての掲示をみてもらいたい。社会のベースに“人口減少”というキーワードがあること。これがあらゆる提案のスタートとなっている。この人口減少に対してヘルスケア企業としてどう対処していくのかが当社の提案となる」と回答。未来の労働人口動態など統計数値を明示した上で、「潜在需要を喚起するための店頭演出強化策や企業・行政を絡めた店頭外イベントを通じて、お客様に新しい体験価値を創造することが重要」との指摘を行った。
また松井社長は調剤+物販集客型の米国モデルが衰退しつつある現況を教示し、今後は「調剤だけに頼らないヘルスケアビジネスへの変革が求められている」ことを示唆。ドラッグストアは行政や地域を支えるイベントを通じて地域生活者の健康を支える存在となることの必要性を提唱し、そうしたイベントが有償で開催できるよう、トータルな提案を施したという今提案会の役割を強調し、会見を締めた。
なお、期間中に来場した取引先関係者は1728人で、会場は終日盛況であった。
I-ne、新商品発表会開催 「BOTANIST」から初のベビーシリーズなど発表
I-neは2月13日、都内で報道関係者を対象に「I-ne 新商品発表会 2025 Spring&Summer Collection」を開催。今年発売10周年を迎えたボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST」初のベビーシリーズ「ボタニスト ベビー」や、新ブランドとなる再生ファブリックケアブランド「ReWEAR(リウェア)」など春夏の新商品を発表した。会場では商品開発担当者による新商品のプロモーションをはじめ、各ブランドによるブース出展や実際に商品を使ったデモンストレーションなどが行われた。
新商品の内容を見ていくと、「ボタニスト ベビー」(写真)は「子どもから大人まで、顧客のライフステージに寄り添うブランドでありたい」「赤ちゃんにも安心して使える、自然由来のやさしい製品を届けたい」という思いから誕生。自然由来指数90%以上、無添加・低刺激処方、「ボタニカルセラミド」や「グリチルリチン酸2K」など植物由来の保湿成分を配合し、デリケートで乾燥しがちな赤ちゃんの肌を守る。
新ブランドとして展開する「ReWEAR」は、「衣類を長く大切に使う」という視点で開発された柔軟剤。芳香や静電気の軽減など一般的な柔軟剤の機能に加え、洗濯回数を重ねるほどに毛玉や毛羽立ちが除去される効果が特長となる。
さらに同社では、紫外線による髪ダメージに着目したビューティーブランド「SOLAMY」も新ブランドとして展開。さらに売れ筋のナイトケアビューティーブランド「YOLU」は、全3シリーズのシャンプー・トリートメントを改良し、夜間の頭皮の乾燥を防ぐ効果をアップデートした。
アイスタイル、25年6月期2Q決算は国内事業が牽引し増収増益に
アイスタイルは2月13日、「2025年6月期第2四半期決算説明会」をオンライン開催。吉松徹郎会長CEO、遠藤宗社長COO、菅原敬副会長CFOらが出席し、決算概況並びに各事業の進捗等について説明を行った。
それによると上期連結業績は、売上高330億7200万円(前年同期比22.0%増)、営業利益14億9500万円(75.8%増)、経常利益15億8800万円(96.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益11億円(128.5%増)の増収増益であった。
今決算業績について吉松会長(写真)は、「マーケティング支援およびリテールなどの国内事業が増収増益をけん引した」と総括した上で、「マーケティング支援事業では今までの大手だけではなく、中堅・新興ブランドとの取引の拡大が大きくなったことで、前同で11%の増収、50%の増益で着地した。またリテール事業からのライセンス収益の他、高い限界利益率によって増益となった」と振り返り、リテール事業が2桁増収となった要因については、「新規出店と改装(増床)効果が大きかった」との見解を示した。
また遠藤社長は今後の事業方針に言及。「現在、リテール事業が大きく成長しているが、今成長によって事業の中心となるデータベースをより強くすることを目指していく。データベースを充実させて活用し、上のマーケティング支援事業のビジネスを拡大させる。特に“データドリブンによるソリューション拡大”と“SNSマーケティングへの支援拡大”を進め、利益率向上を図っていく」との方向性を解説した。
最後に吉松会長は通期業績見通しを上方修正したことを公表。連結業績予想は、売上高660億円(17.7%増)、営業利益28億円(44.3%増)、経常利益29億円(68.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益19億円(56.5%増)を見込むこととなった。
2025年2月26日号 記事一覧
経営・施策
- 小林製薬、臨時株主総会を開催 オアシスの株主提案はいずれも否決
- ライオン、25-27年目標説明 収益性の高い事業ポートフォリオの実現へ
- ライオン「もっとかもっとチャレンジ」第2弾山口県歯科医師会と共同実施
製品・サービス
- カネボウ化粧品「トワニー」、ブライトニング美容液とシャンプー3種発売
- 花王、「ソフィーナiP 水光ピーリング泡セラム〈ふきとり美容液〉」発売
- 貝印「AUGER」、5351プールオムとコラボ第3弾限定セット発売
- クラシエ、「プロスタイル」×「サンリオ」キャラとコラボ品限定発売
- 伊勢半、「ヒロインメイク」人気ジェルライナーをリニューアル発売
- ユニリーバ、「ダヴ ふわとろクリーミースクラブ」シリーズ改良発売
- ライオン、衣類にもっとやさしい「アクロンやさしさプレミアム」新発売
- 東洋アルミエコー、「ホコリとりフィルター換気扇用」大容量品2品発売
- イオン、トップバリュ初の生理用ナプキン「FiT Me(フィットミー)」発売
- サンギ、「アパガード」×SHIPSコラボ第2弾 春の歯みがきセット発売
- NSファーファ・J 「ファーファ ストーリー」3月上旬、改良発売
宣伝販促
- 牛乳石鹸共進社、レトロかわいい銭湯グッズが集合「おふろ屋ハンズ」協賛
- トリクル「SWAG」、ブランドアンバサダーに白濱亜嵐を起用
人事・組織
- クラシエ、2月21日付人事異動を発表
- 小林製薬、人事異動・組織変更を発表
- フジモトHD・ピップ、新役員人事を発表
決算
- P&G米国本社、24/25事業年度2Q業績発表 純売上高は前年同期比2%増に
- アース製薬、24年12月期連結決算は増収増益 売上高・利益とも計画上回る
- I-ne、24年12月期連結決算発表 上場来5期連続の増収増益を達成
研究・開発
- ライオン、画像認識AIでニキビの原因菌を可視化する新技術を共同開発
調査・統計
- KSP-POS 2025年1月 カテゴリー別ランキング
- 経済産業省 24年1~12月度洗浄剤統計 市場は数量4%減・金額1%減
- 粧工会 24年1~11月化粧品統計 皮膚用は2ケタ増の品目が数多く
- サンスター、歯の着色汚れ調査 2人に1人は歯の着色汚れ気にしていた!?
イベント・展示会
- J-NET中央、第86回MDフェア開催 メーカー116社が出展 344社739人来場
- NSAJ、「スーパーマーケット・トレードショー2025」開催
- コーセー、「CES 2025」に出展 MRメイクシミュレーションを展示・拡販
時評・コラム
- 転新欄万 国際情勢に日本はモノを言えなくなった?
- らいたあ 消費者から選ばれる商品になるために
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