2025年2月19日号掲載記事より
花王、「花王UVケア グローバル戦略説明会」開催 27年売上高350億円に
花王は2月13日、同社本社で「花王UVケア グローバル戦略説明会」を開き、グローバル戦略を加速させる革新的UVプロテクション技術を発表するとともに、グローバル・シャープトップ事業 ビオレUV グローバル戦略を披露。高いUV防御効果と心地よい使用感を両立した製品を世界中に届け、2027年までに展開国数60カ国、売上350億円、売上海外比率6割を目指す戦略を発表した。
説明会では花王スキンケア研究所長の宮木正廣氏がグローバル戦略を加速させる革新的UV技術について説明。またUVケアのグローバル展開の課題は薬事規制・関税などがエリアで異なることであると説明した上で、花王はコア技術をベースに処方と生産極点を最適化し、効率的に展開できることを強調した。
次に花王ヘルスビューティケア事業部門アジア(国際)事業推進部長の神谷光俊氏が「グローバル・シャープトップ事業 ビオレUV グローバル戦略」について説明し、「ビオレUV」は薬事規制や関税障壁をグローバル視点で最適化された処方・生産拠点設計と次の日やけ止めのスタンダードをつくる次世代型商品を革新技術とともに展開、各エリアの生活者に応えるリージョン対応型の展開によって顧客満足度を高め、2027年までに開国数60カ国、売上350億円、売上海外比率6割を目指す目標を発表した。
さらに、新技術を搭載した「ビオレUV アクアリッチ エアリーホールドクリーム」を3月8日、一部ドラッグストア・オンラインで限定発売すること、2025年以降の新たなチャレンジとして同品の日本、アジア同時テスト販売、アメリカ、カナダ、欧州での「ビオレUV」の販路拡大、グローバル戦略に基づく新たな生産拠点として25年以降にドイツ、26年以降にブラジル、インドネシアに新生産拠点を構築することを明らかにした。
ライオン、24年度決算は増収増益 新中計「Vision2030 2nd STAGE」発表
ライオンは2月13日、決算会見をオンラインで開き、竹森征之代表取締役兼社長執行役員、福田健吾取締役兼上席執行役員が出席し、2024年12月期の連結業績並びに新中期経営計画「Vision2030 2nd STAGE」(2025~27年)を発表した。「2nd STAGE」では、「収益力の強靭化」をテーマに掲げ、企業価値の向上を目指し、次の「3rd STAGE」での成長加速に向けた基盤を確立する考えを表明した。
竹森社長の説明によると、24年度の連結業績は、売上高4129億4300万円(前期比2.5%増、為替・事業譲渡の影響を除く実質1.5%増)、事業利益263億3200万円(30.8%増)、営業利益283億8700万円(38.4%増)、親会社所有者帰属当期利益211億9700万円(44.9%増)。売上高は海外事業が牽引、利益は収益構造改革の推進により年初公表の計画を達成、4期振りの増収増益となった。
続いて新中期経営計画「Vision2030 2nd STAGE」について発表した竹森社長は、まず「1st STAGE」を振り返り、海外事業での成長とオーラルケア事業での成長を成果として挙げた一方、課題として「収益性向上のさらなる加速」と「効率性を重視したビジネスへの転換」を挙げ、これについては24年から着手しており、EBITDAの額、マージンとも「1st STAGE」初年度(22年度)を超える水準まで回復したものの、道半ばで継続課題との考えを示し、「2nd STAGE」では、「収益力の強靭化」をテーマとし、企業価値向上に取り組み、収益力を高め、効率性を重視した経営を目指し、「3rd STAGE」の成長加速に向けた基盤を盤石にする考えを示した。
さらに竹森社長は、「収益力の強靭化」に向けた基本方針として「事業ポートフォリオマネジメントの強化」「経営基盤の強化」「ダイナミズムの創出」の3つを挙げ、国内事業の収益構造改革と海外事業の成長加速に重点をおいた施策をスピーディに実行し、利益ある成長を実現し、「Vision2030」達成に向けてアジアを中心に習慣づくりを通じた社会価値・経済価値の創出を図る考えを強調した。
コーセー、24年度決算は日本・タルトの好調で増収 新中長期ビジョン説明
コーセーは2月12日、同社本社に報道関係者を招いて、「2024年12月期」決算記者ミーティングを開催。同期の連結業績について松浪慶太経理部長が、新中長期ビジョン「Vision for Lifelong Beauty Partner-Milestone2030」(以下、Milestone2030)の進捗状況と今後の取り組みについて小林一俊社長が説明した。
それによると、同期の連結業績は売上高3227億5800万円(前期比7.4%増)、営業利益173億6400万円(8.6%増)、経常利益216億4600万円(6.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益75億1000万円(35.6%減)となった。売上高は中国本土・トラベルリテール(TR)の不振が続いたが、日本・「タルト」の好調が寄与し増収(為替影響除くと5%増)。営業利益は原価率上昇による影響を増収および販管費のコントロールによる増益影響が上回り増益となった。当期純利益は3Q以降に実施した中国の構造改革に伴う特別損失の計上が影響した。
また「Milestone2030」については、定量目標として財務面では売上高成長率5%以上、海外売上高比率50%以上とするほか、収益性では営業利益率12%以上、EBITDAマージン18%以上の達成、効率性ではROIC10%以上を設定。非財務面については人的資本に関してグローバルキーポスト人材充足率を2.5倍以上に増加させるとともに社会課題ではアダプタビリティ∞に基づく商品/サービス提供率を100%に、ウェルビーイングを叶える取り組み件数を500件以上にする。環境課題では環境意識の啓発人数1000万人以上などを掲げている。
この進捗状況について小林社長は、「現在、初期段階であるフェーズ1にあり、収益性や効率性の面では財務目標とやや乖離しているが構造改革の完遂と事業基盤の再構築を進めることで、フェーズ2以降の改善を図る計画である。また売上高は2030年までの年平均成長率5%以上を目指す。営業利益率はフェーズ1では日本および中華圏の事業基盤再構築や南アルプス工場(26年稼働予定)の減価償却負担増の影響で一時的な停滞が見込まれるがフェーズ2・3では改善を見据えている」とした。
麻友、「第115回麻友見本市」開催 「季節軸から気温軸」提案を強化
麻友は2月6~7日の2日間、ウェスタ川越(川越市新宿町)で、“狭小商圏への対応2025春・夏”をテーマに「第115回麻友見本市」を開催。78社の取引メーカーが出展(うち新規出展5社)、盛況となった。
毎回注目を集める「提案コーナー」では、春夏の新商品や実績前年比110%以上の売れ筋商品を紹介。さらに、“ラク家事”“時短”を実現する商品を集めた「ラクラク主義宣言」コーナーや、防災備蓄を提案する「防災用品」のコーナーを設け、来場者の関心を集めた。
別会場では麻友販促企画室担当者がプレゼンテーションを行い、狭小商圏店舗におけるビジネスモデルについて説明した。その中で、「市場の活性化には“気温”と“物価”の2つの上昇への対応が重要」との考えを示した。気温に関しては、近年の温暖化により夏日が長期化していることを踏まえ、「季節軸から気温軸」という新たな概念を提案。1年を春(3月)、初夏・盛夏・晩夏(4~10月)、秋(11月)、冬(12~2月)の六季に区分した品揃えと売り場作りの重要性を強調。物価に関しては、二極化する価格帯戦略が鍵になるとし、その具体的な事例を取り上げた。
開催2日目に記者会見に臨んだ清水政弘社長は、今回の見本市について「現在、得意先小売業様は『来店客数』と『買上点数』の減少という2つの課題に直面している。こうした状況を踏まえ、今回の見本市では、その解決策として『季節軸から気温軸』を積極的に提案している。当社では1年を四季ではなく六季に区分し、売り場づくりをサポートしてきた。その結果、多くの小売店で夏物売り場を秋以降も維持する動きが広がり、『売上と利益の確保につながった』という声が挙がった。今年は11月以降も夏物商品の展開を続ける方針である。特に、殺虫剤については品目や品種を増やし、消費者の選択肢を広げることで需要の拡大を図っていく」と述べた。
フマキラー「フマキラー殺虫液」「ベープ」、化学遺産に認定
フマキラーはこのほど、公益社団法人日本化学会が実施する第16回化学遺産認定事業において、世界初の液体殺虫剤「フマキラー殺虫液」及び世界初の電気式蚊取り「ベープ」が、現在の家庭用殺虫剤の先陣を切り、世界に先駆けた画期的製品であることが認められ、「世界に先駆けた家庭用殺虫剤の展開」として化学遺産(認定化学遺産 第071号)に認定されたと発表した。(写真)
「化学遺産認定」は化学と化学技術に関する貴重な歴史資料の中でも特に貴重なものを認定することにより、文化遺産、産業遺産として次世代に伝え、化学に関する学術と教育の向上および化学工業の発展に資することを目的とするもので、今年は同社を含め5件が認定された。
今回、化学遺産に認定された「フマキラー殺虫液」は、乾燥した除虫菊から石油によって殺虫成分を抽出した世界初の殺虫液。同社の創業者・大下大蔵氏が1914年に除虫菊の研究に着手し、世界に先駆けて開発、1920年頃までに製造販売を開始したところ、国内、海外に取引を拡大して大成功。現在殺虫剤製品の主流となっているエアゾールスプレー式につながっていく。
「ベープ」は、世界初の電気式蚊取り。明治中期に日本で発明された蚊取り線香は家庭で広く使われたが、火事の心配、煙への不満もあったため、同社は戦後開発が進んだ合成ピレスロイドを使用し、1963年に完成させた。蚊取りの歴史を変える爆発的なヒットとなり、現在の電池式蚊取り「どこでもベープ」(2000年発売)や、ワンプッシュ式蚊取り「おすだけベープ」(2008年発売)へとつながっていく。
2025年2月19日号 記事一覧
M&A・設立
- 大日本除虫菊、住友化学園芸の全株式を取得、全額出資子会社化へ
会合・発表会
- 25年新年会 日本DIY・HC協会 「第61回DIY HC SHOW」説明会も開催
- アース・ペット、新製品提案会でペット用置き型消臭剤「パックリン」紹介
経営・施策
- メディパルHD、連結子会社間の統合に関する吸収合併契約を締結
- ユニ・チャーム、「再生パレット」を資材輸送に採用 使用済紙パンツ利用
- 王子ネピア、4月21日出荷分から家庭紙製品価格改定
- 丸富製紙、4月1日出荷分から価格改定実施
- ユニ・チャーム、ユニ・チャームグループ「生物多様性対応宣言」を公開
製品・サービス
- コーセー、人と地球の調和目指す新シリーズ発表 「雪肌精BLUE」など
- ファンケル、「スキンコンディショニング洗顔」新発売でプレゼン実施
- ライオン、「ルックプラス トイレのまるごと除菌消臭くん煙剤」新発売
- P&Gジャパン、「アリエール ジェルボール プロ」シリーズ新発売
- P&Gジャパン、「ジレットヴィーナス」ケース付きカミソリなど発売
- 牛乳石鹸共進社、「バウンシアボディソープ」リニューアル発売
- 白十字、「サルバさらさらケアパッド」新発売 新機能を分かりやすく表示
- ファイントゥデイ、「フィーノ」から“さらさら仕上げ”ヘアオイル発売
- ファイントゥデイ、「エージーデオ24」から初のボディソープ発売
- 貝印、「AUGER」×「ALLIAGE」コラボ限定キット発売
- 伊勢半、「キスミー マミー」ノベルティシール付きこども用UV発売
- Dr.SYUWAN、好評のミニサイズの導入美容液を定番商品に
人事・組織
- ライオン、役員人事を内定 代表取締役副社長兼執行役員に福田、鈴木両氏
- エステー、組織改定および執行役の管掌変更を発表
決算
- 花王、24年通期連結業績は増収増益 構造改革、高付加価値品投入等に成果
- マンダム、25年3月期3Q決算は増収減益 インドネシアで返品処理実施
- 小林製薬、24年12月期連結業績は紅麹事案の影響で減収減益に
- エステー、25年3月期第3四半期決算はペットケア事業の拡大等で増収
イベント・展示会
- 「HCJ2025」開催850社・2300ブースが出展 併設展に業界メーカーも
- UYEKI、東京ギフト・ショーに出展 「白檀の生せっけん」を訴求
施設・店舗
- ユニ・チャーム、インド市場での成長を支えるアーメダバード工場を竣工
時評・コラム
- 時評 卸のTOB対応に前向きな展開を期待
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。