2025年1月29日号掲載記事より
ドラッグストアMD研究会「新春政策セミナー」、平野健二氏が講演
ドラッグストアMD研究会(DMS)・健康食品市場創造研究会主催の「第199回DMS定例会新春政策セミナー」が1月22日、都内で開催され、サンキュードラッグ社長CEOの平野健二氏が、「米国ドラッグストアの最新状況から見た日本のドラッグストアの課題」と題した特別講演を行った。今や生活になくてはならないインフラ業態へと進化したドラッグストア(DgS)。コスト圧縮による価格訴求、食品の品ぞろえ拡大、インバウンドへの大々的な取り組み、H&BCの品揃えと接客の強化、調剤を中心とした医療への踏み込みなど、一芸や二芸に秀でた店舗が顧客の支持を得てきたが、今後は三芸にも四芸にも秀でる必要があろう。今、DgS先進国であった米国の栄枯盛衰を学び、新たな道を切り開いていくことが求められている――という平野氏の提言はまさにこれからの我が国のDgSの方向性を示唆するものとなった。
平野氏は講演の中で、民間保険がベースとなる米国のDgSの歴史を過去50年前から振り返りつつ、利益を得るために米国DgSが調剤、そして予防領域、特に予防接種、簡易医療にその活路を見出し、ヘルスケアステーションという位置付けを確立してきた背景を詳細に説明し、こうした米国の動きから日本のDgSが進むべき方向性として、医療費の増大傾向から処方箋1枚当たりの売上げと粗利が下がるため、この1枚当たりの調剤コストをいかに下げるかが事業継続のテーマとなってくると語り、検討すべき事項として「外部委託」を挙げ、「オンライン診療や電子処方箋、リフィルの3つが揃えば、外部委託の経済的効果は最大化となる」と言及。今こそ患者接点を持つDgSが先んじて取り組むべきと提言し、そのためには「対物業務から離れた本来の対人業務を行う薬剤師の地位の確立を実現しなければならない」と語った。
伊勢半200周年&KISSME 2025年春夏 新商品発表会開催
伊勢半は1月21日、都内で報道関係者を対象に「伊勢半200周年&KISSME 2025年春夏 新商品発表会」を開催。澤田晴子社長は、今年創業200周年を迎えるにあたり、新たに策定したパーパス「The 1st Cosmetics. 伊勢半 いちばんほしいを、いちばんに」のもと、伝統を受け継ぎながらも時代の変化に対応した商品開発により、感動品質の商品づくりに注力する考えを表明。また主力ブランド「キスミー フェルム」「ヒロインメイク」などから春夏の新作コスメを披露した。
会の冒頭、あいさつにたった澤田社長はこれまでの同社の歩みを振り返った上で、200周年を迎えるにあたり、新たに策定したパーパスについて触れ、「このパーパスには日本で最も長い歴史を持つメイクアップ化粧品メーカーとしての使命感が込められている。お客さまが1番欲しいと思った化粧品を1番にお届けすること、品質や機能性を追求した感動品質の商品をつくり続けることで、多くのお客さまに喜びや驚きをもたらしたい」と語った。さらに澤田社長は「このパーパスに込めた思いを胸に、世界中のお客さまを幸せな気持ちにすることで、200年のその先も末永く愛される企業を目指していく」と今後の展望に意欲を示した。
続いて、池戸和子開発本部長が新商品の全体方針について説明した後、各ブランド担当者が新商品の特長を紹介した。
それによると、春夏の新商品は「さらなるChallengeと市場の創出」を全体方針とし、高い品質への探究心を持ちつつ、これまで以上にわくわくするものづくりに挑戦して個性豊かなブランドや商品を打ち出していく。
中でも「キスミー フェルム」については近年、従来のブランドイメージを一新し、年齢を問わないオールターゲットのブランドづくりを推進してきたが、今年はその総仕上げの年と位置づけ、「パーセプションチェンジ!」をテーマに掲げ、幅広い層のニーズに応える商品を投入する。
PALTAC、三菱食品と物流における協働取り組み始動 基本合意を締結
PALTACは1月21日、大手食品流通商社の三菱食品と持続可能な物流の構築及び両社における物流事業の一層の拡大を目的とした連携・協働に向けた基本合意を同日付で締結したと発表した。
これまで流通においては「日用品等」と「食品」とでは異なるサプライチェーン・物流網が構築されており、同一の小売業の物流拠点や店舗に対しても別々に商品を届けることが常識となっていた。一方で日本国内の物流業界は労働人口の減少や物流の2024年問題などにより、トラックドライバーの担い手不足をはじめとする大きな環境変化に見舞われ、従来通りの方法で全国の物流網を維持することは困難な状況になりつつあった。
こうした環境認識のもと、PALTACと三菱食品は業界のリーディングカンパニーとして、業界の垣根を超えて共に連携・協働し、物流効率化を図ることが国内物流業界の持続可能性を高める一助になるとの認識で一致。今後、環境変化に対応できる持続可能な物流の構築・実現のために両社のもつ物流資産やノウハウなどの総合利活用について具体的な協議・検討を行っていく。
なお、協業テーマは①既存物流拠点の活用(両社既存拠点のキャパシティ有効活用)②共同配送の推進(配送車両の空積・空車の共同配送による配送効率化)③共同物流センターの検討(新しいサプライチェーンや最適な倉庫管理システムの検討)④物流DXの共同研究(データ連携基盤構築、将来のマテハン設備・システムの共同研究)――の4つ。
花王とキリンビバレッジ、拠点間輸送の協業開始 CO2排出量約15%削減
花王は1月22日、キリンビバレッジと2月から両社の物流拠点間の往復輸送の協業を開始すると発表した。従来の輸送ルートをつなげ、空車となっていた戻り便のトラックを活用することで輸送効率化とCO2排出量削減に貢献する。
この協業は、花王の川崎物流センター(神奈川県)から更埴物流センター(長野県)とキリンビバレッジの子会社である信州ビバレッジの工場(長野県)から、キリンビバレッジの川崎物流センター(神奈川県)への輸送後の空車区間を組み合わせたルートを利用する。協業開始にあたっては輸送工程などの確認を経て、段階的に配送量を増やしていく。
今回のキリンビバレッジとの協業は、①荷主として輸送実績データを保有し、利活用できること②戻り便で積載できる物量が確保できること③つなげられる輸送区間が存在すること、といった条件が合致し実現に至った。各社の片道輸送をつなげることで、輸送トラック台数(年間延べ300台以上)及び、CO2排出量の削減(該当区間において約15%減)に貢献する。さらに共同輸送区間の拡充も検討していく。今後も、社会課題解決に向けて業界の垣根を越えた物流協業を広く進めるという。
東流社、「2025年 春の商談会」開催 2日間で約500人が来場
東流社(宮城県仙台市)は1月22~23日、仙台市内で「2025年春の商談会」を開催した。出展メーカーは144社(内新規出展12社)。2日間で取引先小売業、関係会社等約500人が来場した。
今回の商談会テーマについて熊谷泰社長は、「弊社は節目となる第30期を迎えておりますが、これもひとえに皆様のご理解と温かいご支援ご協力の賜物です。新体制となって初めての今回の商談会は『躍進~新しい発見に向けて~』をテーマに得意先様、メーカー様の繁栄に貢献できるよう様々な提案を鋭意準備しました」とコメント。
その言葉通り東流社の企画提案コーナーでは、「2025年春の新製品」「化粧品売場提案」「ペット売場提案」「ミニマリスト~こだわり・価値~」「そのにおい気になりませんか?」「人と環境にやさしい暮らしへ」「至福のひととき」「どっちがお好み?」「非常時に需要が増える商品の4ステップ」「エンドサイド吊り下げ商品提案」「能登半島地震支援商品コーナー」「販促ツール・POP」など多彩な提案を行った。
今回、「ペット売場提案」は特に注力し、ペットフード、ペット用品をはじめ、ペットとの快適な暮らしを応援する様々な商品や売り方を紹介した。また、東日本大震災の被災経験を活かした「非常時に需要が増える商品の4ステップ」の提案では、地震発生直後~翌日に必要とされた商品、3~7日後に需要が高まった商品、1カ月以上経過後に必要とされた商品、さらに普段使いでローリングストックしておく家庭内備蓄の売り場提案を紹介し、注目を集めた。
また「新規取扱イチ推し商品」では東流社オリジナル商品のベビー用紙オムツ「Megumi(メグミ)」と「フリーズドライフルーツ」を展示紹介。メーカーコーナーでは各メーカーが新製品・主力品を中心に紹介し、終日、盛況となった。会場では、得意先販売店の幹部、バイヤー、店舗担当者、出展メーカーのトップ、営業責任者、支店・支社長、担当者などが熱心な商談、情報交換を行っていた。
2025年1月29日号 記事一覧
会合・発表会
- 25年新年会 日衛連 安定供給体制強化を宣言 環境対応・標準化が鍵
- AJS・田尻会長、会見で今後の業界動向を予測 “バイヤーの調達力”必須
- エビス、記者懇談会開催 高付加価値のレベル更に上げ若年層にも浸透図る
- フマキラー、政策共有会を大阪でも開催 今年度の基本方針、新製品等発表
- 25年新年会 ボランタリーチェーン協会 「新たな事業モデル創出に挑戦」
- 25年新年会 全日本ブラシ工業協同組合 「まず一歩踏み出すことが大事」
- コーセー ミルボン コスメティクス、「インプレア」新製品発表会を開催
- 小林製薬が記者会見、臨時株主総会開催もオアシスの提案に反対表明
- JILS、25年活動方針公表 「改正物流関連二法への対応はJ-CLOPで検討」
- 大日本除虫菊、東日本金鳥製品商談会開催 「シンカトリ」など紹介
- 丸富製紙、春夏展示商談会に約350名来場 春の新商品、重点商品を訴求
経営・施策
- 日衛連、24年度日衛連表彰者発表 「活動奨励賞」など56名を表彰
- 王子ホールディングス、王子ネピアの大人用紙おむつ生産体制を再構築
製品・サービス
- ライオン「おくちプラスユー」、提供数累計100社、5万人を突破
- 花王、「melt(メルト)」うねり髪向け“スムースシリーズ”発売
- クラシエ、無添加スキンケアブランド「muo」全面リニューアル
- クラシエ、「肌美精 薬用大人のニキビ対策シリーズ」パッケージ改良
- 小林製薬、「消臭元」「Sawaday」から「ミモザの香り」数量限定発売
- 丸富製紙、ガチャピン・ムック春限定デザイントイレットペーパー改良発売
- 貝印、調理用具ブランド「SELECT100」ムーミンとコラボレーション
- 伊勢半、「キス リップアーマーX」から春らしいシアーな限定色が登場
宣伝販促
- 伊勢半グループ、創業200周年記念ビジュアル・コーポレートム-ビー公開
人事・組織
- ユニ・チャーム、3月19日付予定取締役の異動を発表
決算
- コスモス薬品、25年5月期中間期は増収増益 売上高1兆円超えの見通し
調査・統計
- 流通BMS協議会が発表、流通BMS導入企業数2万895社に
- KSP-POS 2024年 年間カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- ファンケル、「発芽米メニューコンテスト」保育園と共同開催
- P&Gジャパン、P&Gビジネススクール関西で初開催 第5期参加者募集
時評・コラム
- 時評 展示会を海外展開の契機にも
その他
- 最近のPR誌 プラネットVANVAN第145号
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