2025年1月22日号掲載記事より
ライオン春のプレゼンテーション開催 25年マーケティング戦略など説明
ライオンは1月14~15日の2日間、都内で「ライオン春のプレゼンテーション」を開催。2025年の同社のマーケティング戦略について説明するとともに、春の新製品、主力ブランドの展開について発表した。来場者は販売店、卸店など約800人。
会は同社のマーケティング戦略の説明とブランドプレゼンテーションの2部で構成。第1部のマーケティング戦略でははじめに、三國正晴上席執行役員ヘルス&ホームケア営業本部長が昨年のトイレタリー・OTC市場(24年1~11月)と、注目の25年度の取り組みについて説明した。
それによると24年1月から11月までの市場概況は、トイレタリー市場ではここ数年続いてきた個数減少が下げ止まり、高付加価値化、大容量化等によって市場が拡大。OTC市場はコロナ収束に伴って個数拡大は落ち着きを見せているが付加価値化に伴う単価上昇で伸長しているという。
25年の取り組みについては、「Positive Habits」(ポジティブハビッツ)を推進、「Positiveな新習慣への挑戦」と「良質なPositive習慣への挑戦」により生活者のより良い習慣づくりに貢献し、経済価値、社会価値の創出を目指す。
次に大塩繁生ヘルス&ホームケア事業本部オーラルヘルスケア事業部長が新たなオーラルヘルスケア施策について説明。より良いオーラルヘルスケア習慣の浸透に貢献し、生活者1人ひとりのQOLを支え、その結果として、事業の継続成長の実現を図る方針を示すとともに、日本に予防歯科をさらに広め、より良いオーラルヘルスケア習慣の実現を目指す方針を説明した。
第2部は会場を移し、オーラルヘルスケア、ビューティケア、ファブリックケア、リビングケア、薬品各コーナーでプレゼンテーションが行われ、マーケティング担当者や研究者が新商品の特長やブランド戦略について詳細に説明を行った。(写真)
コーセー、印・フォックステイル社と戦略的提携 グローバルサウス強化
コーセーは1月15日、同社本社でインド事業に関する戦略発表会を開き、インドでD2Cを中心にスキンケアブランド「foxtale」を展開するFoxtale Consumer Pvt. Ltd.(フォックステイル社)へ出資、戦略的提携したことを発表するとともにグローバルサウスにおけるインドでの存在感を高める戦略を説明した。
発表会は、コーセーアジア事業部グローバルサウス事業戦略部長の牧島伸彦氏が同社インド事業について、経営企画部副部長の田中健一氏がフォックステイル社との提携に関する説明を行った後、小林一俊社長があいさつ。同社の中長期ビジョンとして、グローバル市場の攻略について、中華圏での展開を継続するとともに、次なる成長領域としてグローバルサウス市場での成長を図る方針を強調し、今回のフォックステイル社との提携は先般のパンピューリ(タイ)買収に続く、地域最適化施策の第2弾であり、積極的な展開を図る考えを示した。さらに小林社長はフォックステイル社の創業者であるロミータ・マズムダールCEOの志の高さと誠実さに感銘を受けたこと、フォックステイル社はデジタルネイティブな世代に向けたマーケティングを展開、チームメンバーは専門的な知識を持った高い能力とデータを駆使した事業を展開していることを紹介し、この提携がインド市場における10年後に向けた大きな一歩であることを強調した。
引き続き、フォックステイル社のロミータCEOがあいさつし、インド市場におけるコーセーの成長戦略と両社の長期的なパートナーシップの重要性を強調。コーセーとの提携により、インド市場でのコーセーの存在感を高めることができると確信していると述べた。
コーセーは、今回の戦略的提携によりフォックステイル社のマーケティングの知見やノウハウを活用し、インド市場での同社のさらなるプレゼンス向上を目指す。今後、フォックステイル社との合弁会社設立による共同事業も視野に入れている。
RX Japan、「COSME Week東京2025」開催 過去最多800社が出展
RX Japanが主催する化粧品業界の展示会「COSME Week東京2025」が、1月15~17日の3日間、東京ビッグサイトで開催され、過去最多となる総計800社(同時開催展含む)が出展。初日から多くの来場者で賑わい盛況となった。(写真)
「COSME Week東京」は「化粧品開発展」や「国際化粧品展」、「美容・健康食品EXPO」、「化粧品マーケティングEXPO」、「ヘアケアEXPO」、「国際エステ・美容医療EXPO」の全6展示会で構成する日本最大級の化粧品専門展。この中でメインとなる「化粧品開発展」は、前回同様、国内外の最新技術や原料、パッケージなど化粧品開発に関するあらゆる商材が集結し、新製品開発のヒントや有効な販売促進の方法、仕入・調達先を探す最適な場として開催した。
また、化粧品開発展では全70講演が行われ、資生堂ジャパン・北原規稚子新価値創造マーケティング本部長が「ファンデ美容液プロジェクトから学ぶ、新価値創造マーケティング」をテーマに講演したほか、アイスタイル@cosmeリサーチプランナーの原田彩子氏と西原羽衣子氏が最新のビューティトレンドを解説する講演などが行われた。
会場では、昨秋の大阪展で初開催した「顔タイプ診断/骨格診断/パーソナルカラー診断」が今回も実施され、HAPPY SPIRAL Academy認定講師による顔タイプ診断などを無料で体験できるコーナーを展開し、注目を集めた。
さらに、新たな試みとしてこれまで出展経験のない企業を対象とした特別エリア「First Gallery」が化粧品開発展および国際化粧品展に新設された。このエリアでは、原料メーカーや新興ブランドが出展しやすいよう準備の手間や出展コストを大幅に軽減した特別プランを用意。こうした特徴から、13社の初出展企業が一堂に会し、今後の飛躍が期待されるブランドや技術が披露された。
アイリスグループ、24年度は食品事業など牽引し増収増益見込み
アイリスグループは1月9日、仙台市内で報道関係者を対象に2024年度(24年1~12月)決算速報説明会を開催。大山晃弘アイリスオーヤマ社長が出席して、同期業績予想(速報値)と2025年度経営戦略について説明した。
それによると、グループ全体の同期業績(単体売上合算)は売上高7760億円(前期比102.9%)、経常利益380億円(118.8%)の増収増益となる見込み。主な要因は、コロナ禍の巣ごもり需要の反動が継続したことで家電事業やマスク事業の売上げが低迷する中、国内製造回帰を掲げ戦略投資をしてきたパックごはん及び飲料水の生産設備が本格稼働し、食品事業の実績が前期比145%と好調に推移したことによる。またロボティクス事業では法人向けサービスロボットの導入が加速したことも業績向上に寄与した。大山社長は、「これにより経常利益率は前期から0.7ポイント増の4.9%となり、グループにおける19年から5年間のCAGR(年平均成長率)は約9%に達する見通しである」と述べ、グループの継続的な成長に自信を示した。
2025年度経営戦略については、国内での投資を継続し、食品事業の強化を図るとともに、ヘルスケア事業の強化にも取り組み、王子ネピアの赤ちゃん用紙おむつ生産設備の一部を取得し、「Genki!」ブランドをライセンス契約、今年上半期を目途に国内生産・販売を開始。赤ちゃん用紙おむつをはじめとする衛生用品に加え清掃用品においても顧客との接触頻度を高め、製品・サービス提供の機会を創出し、クロスセルによる顧客エンゲージメントの形成に取り組む。さらに、同事業の柱に赤ちゃん用紙おむつを加えて衛生用品のラインアップ拡充を図ることで、2030年には売上高400億円を目指す。
25年度の売上高目標はグループ全体で8650億円(前期比111.5%)、アイリスオーヤマ単体で2600億円(112.3%)を掲げている。
流通科学大学、「阪神・淡路大震災30年シンポジウム」開催
流通科学大学(神戸市西区)は1月11日、震災の経験を振り返り、流通業が果たしてきた社会インフラとしての役割を再評価し、今後の課題と展望を探るシンポジウム「阪神・淡路大震災から30年~届けるってやっぱり流通だね。水・ガス・電気・食品 そして人を想う心も!~」を同校大教室で開催。小売・流通関係者や学生、一般市民など100名超が聴講した。
定刻、流通科学大学・清水信年学長が開会のあいさつを述べた後、30秒間の黙祷が捧げられ、ローソン専務執行役員・郷内正勝氏による基調講演「阪神・淡路大震災から30年~ローソンの災害対応~」が行われた。
同氏は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災当時の店舗の被災状況を説明し、当時の社員アンケートなどを紹介。また、阪神・淡路大震災をきっかけに災害対策が整備され、その後の災害対策に活かされたこと、昨年の能登半島地震の直後は、店舗営業を一時休止し店員の避難指示を行ったことも明らかにしつつ、今後ローソンが目指す姿として「防災コンビニ店舗」構想を紹介しながら、最後に「災害対策で最も重要なことは『自助・共助・公助』である」と述べた。
シンポジウムの後半は、ダイエー社長・西峠泰男氏、ローソン専務執行役員・郷内正勝氏、前神戸市消防局長・鍵本敦氏、学校法人中内学園理事長・中内潤氏の4氏をパネリストに迎え、「社会インフラとしての流通~30年を振り返り、これからを展望する~」をテーマに、パネルディスカッションが行われた。
流通科学大学商学部・白鳥和生教授の司会で進行し、震災当日についてパネリストから、「被災範囲の把握が困難だった」(中内氏)、「応援車が被災地到着後に燃料切れとなるなど、モノがない中で場当たり的な対応しかできなかった」(鍵本氏)――といった様子が語られたほか、阪神・淡路大震災の教訓については、「流通」(中内氏)、「共生とつながり」(西峠氏)、「知災・備災・減災」(鍵本)、「共助社会の実現」(郷内氏)をあげ、最後に参加者からの質疑応答でシンポジウムを閉会した。
2025年1月22日号 記事一覧
会合・発表会
- 25年新年会 ウエルシアHD共栄会 新たなイノベーション創出が重要
- 25年新年会 キリン堂協栄会 関西No.1のDgS目指して全社一丸で前に
- 25年新年会 宮城卸組合、山形卸組合 メーカーと協調、絆深める活動を
- 25年新年会 九州卸組合 仕事に誇りを持ち、経済成長にも貢献していく
- 25年新年会 東京医療用品卸組合など、連携する良い文化を継承、加速へ
- 25年新年会 白十字グループ メーカー業績は前年比で増収増益に
- フマキラー政策共有会開催 25年度の営業方針、春の新製品34SKU発表
- 大日本除虫菊、西日本金鳥製品商談会開催 ムエンダー新製品など発表
- 25年新年会 日家工・家同連 今年も適正価格の実現に向け挑戦
経営・施策
- ライオン、テックドクターへ出資 生体データ活用したヘルスケアへ貢献
製品・サービス
- サンギ、「ハップアールフェイススクラブ」が@cosmeアワードで表彰
- 花王、「トイレマジックリン 泡パック」が日経のトレンド部門賞を受賞
- クラシエ、「マー&ミー」ボディソープが「ねるねるねるね」とコラボ
- 小林製薬、「クルマの無香空間クリップ」など春の新製品10品目発表
- エステー、「消臭力PA」からミモザの香りを数量限定発売
- マンダム、「アルガンリッチオイルシリーズ」からサンリオ限定品を発売
- ピップ、「ピップマグネループ」発売20周年 パッケージ・ロゴを改良
- NSファーファ・J 大型新ブランド作業着専用洗剤「プロのチカラ」新発売
- サンスター、ペットのトイレ臭に着目した除菌脱臭機の販売を台湾で開始
宣伝販促
- 日本製紙クレシア、「ポイズ×ミノン」プレゼントキャンペーン実施中
調査・統計
- 経済産業省 24年1~10月度洗浄剤統計 酸・アルカリ洗浄剤が堅調
- 東家同 24年12月度市況概況価格調査 月間通して安定的に販売
時評・コラム
- 転新欄万 自国中心よりも自利利他の精神を
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