2024年10月2日号掲載記事より
粧工会、国際的な競争力強化へ積極活動 オールジャパンの体制で取り組み
日本化粧品工業会(粧工会)は9月24日、業界専門紙との懇談会を開き、国際委員会とサステナビリティ推進委員会の活動報告を行った。魚谷雅彦会長(資生堂)は、日本の化粧品産業が厳しい時期を経て回復基調にあり、今後、日本の化粧品産業の国際競争力強化には海外規制への対応やサステナビリティ推進への取り組みが重要であると強調、そのための課題解決に積極的に取り組んでいく考えを示した。
魚谷会長(写真中央)はあいさつの中で、国と国とのボーダレス化が進む中で日本化粧品産業の中核となる価値、ジャパンビューティーを国内外に発信し、国際的な競争力向上を図ることが重要になると強調。加えて新たな化粧品需要を掘り起こし、国内市場を活性化、継続的な成長を図るとともに、サステナビリティの推進を産業全体の課題として進めていく重要性に言及した。その上で粧工会設立に伴って作成した『粧工会ビジョン2030』では、世界で存在感ある化粧品産業を実現すること、サステナビリティの推進、消費者の信頼性向上を目指し、オールジャパンの体制で取り組んでいることを報告。そのため国際委員会では海外の規制への対応、様々な国際会議などに積極的に参加し、海外の規制当局や海外工業会との連携強化を図っていること、サステナビリティ推進委員会では、国際的な環境規制への対応や環境に配慮したプラスチック容器包装設計に関する取り組みなど広範な活動を進めていることを紹介した。
さらに魚谷会長は「粧工会が新たに発足して1年半が経過したが、各団体が培ってきた活動を承継、発展をさせることで団体統合のメリットを会員の企業が実感できるような活動の成果を全国に展開をしていく」と表明した。
続いて国際委員会とサステナビリティ推進委員会の活動報告が行われ、それぞれ桑原裕史国際委員会委員長(カネボウ化粧品)、川田貴史サステナビリティ推進委員会委員長(花王)が詳細に説明した。
東北物流みらい研究会が発足 イオン東北、ヨークベニマル等15社参加
東北エリアで事業を展開する小売業・物流業15社は、物流を取り巻く「2024年問題」や「脱炭素」等の課題を共有し改善を推進することを目的とし、その改善策を企業横断型で検討する「東北物流みらい研究会」を9月20日に発足した。その発表会が同日、仙台市内のホテルで行われた。
発表会には研究会に参加する15社の代表が出席。事務局を担当する1社のイオン東北・辻雅信社長が発足の背景、発足の主旨、今後の施策の方向性、参加企業、今後の進め方、将来の目指す姿などを説明した。
それによると、今後の方向性(具体的施策)は、①荷主としてのトラックドライバーの待遇改善への取り組みについて、情報共有とベンチマーク、検証の場とする②共同物流の実施に向けた協議、実験取り組みを行う③実験後に順次、実験会社数を増やし、本格稼働に繋げていく④物流センターまでの一次物流において、製配販で連携し持続可能な物流体制を構築する⑤物流の課題解決を通して、温室効果ガスの削減等の環境負荷低減を図る――となる。
参加企業(50音順)は、イオン東北、伊徳、おーばん、トライアルホールディングス、フレスコ、紅屋商事、マークスホールディングス、マイヤ、マエダ、ヤマザワ、ヨークベニマル、リオン・ドールコーポレーション(以上、小売企業)、イオングローバルSCM、MLS、ロジスティクス・ネットワーク(以上、物流企業)。オブザーバーとして経済産業省東北経済産業局が参加。事務局はイオン東北、ヨークベニマルが担う。
イオン東北の辻社長は、「15社集まって、話を始めたが各社で物流の方法も用語も違うなど色々な課題が出てきている。地区もバラバラであり、15社全体というより各地区でまずはできるところからスタートすることになる。協業という意味ではお互い勉強し合い、今までの延長上で効率化するだけではなく、全く違った角度からのアプローチが必要だと考えている」と述べた。
ツルハHD、25年2月期1Q決算は増収増益 日用雑貨・化粧品が回復傾向
ツルハホールディングスは9月20、「2025年2月期第1四半期決説明会」をオンラインで開催。当日は、鶴羽順社長、村上誠執行役員管理本部長らが登壇し、当期決算概況ならびに中期経営計画の進捗の説明を行った。(写真)
同社当四半期決算業績は、売上高2734億900万円(前年同期比5.2%増)、営業利益151億900万円(7.1%増)、経常利益150億9700万円(6.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益89億7400万円(8.5%増)であった。
村上本部長は今業績について、「ほぼ計画線上で推移し、堅調な結果となった。人流やインバウンドの回復、物価上昇による売上増加率に一巡感や賃上げなどによるコストアップ要因等の影響もあった」と振り返った上で、「既存品の堅調な売上げ、粗利改善の継続、経費コントロールの徹底が奏功、増収増益を維持できた」と総括。商品群別業績にも触れ、「化粧品は基礎化粧品の販売が好調に推移したこと等から、全体では売上前年比104.5%と伸長した。前期不振の日用雑貨は販売数量・1品単価も順調に伸長し、売上前年比が106.1%と回復した」と結果報告をした。
一方、中計の進捗について語った鶴羽社長は、まず店舗戦略で計画との乖離があると報告。計画2677店舗に対して2640店舗となるとし、「課題の店舗精度を高め、収益改善を優先する方針に変えたため」とし、意図的なものと強調。残りの調剤・PB・DXの各戦略では計画通りに進行している旨説明した。
サンスター、「40代から始めるオーラルフレイル予防のススメ」を紹介
サンスターグループは9月20日、都内で報道関係者を対象に、「サンスターMouth&BodyメディアセミナーVol.3 誰もがなりうるオーラルフレイル 40代から始めるオーラルフレイル予防のススメ」を開催。オーラルフレイルの定義や、40代からのオーラルフレイル予防の重要性と、その対策について説明した。
セミナーは2部構成で行われ、第1部は「40代から始めるオーラルフレイル予防のススメ」をテーマに、東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科・平野浩彦部長が講演した。平野部長はまず、オーラルフレイルの定義を「歯の喪失や食べること、話すことに代表されるさまざまな機能の『軽微な衰え』が重複し、口の機能低下の危険性が増しているが、改善も可能な状態である」と説明し、誰でも簡単にオーラルフレイルの評価ができるチェックリストが公開されていることを紹介。
さらに、オーラルフレイルは全身の状態さらには生存率と関連性があることを指摘するとともに、口腔機能低下症の割合が50代以降から急増していることを踏まえ、40代からのオーラルフレイル予防の重要性を説いた。
第2部では、「サンスターのオーラルフレイル予防への取り組み」をテーマにサンスターグループ研究開発統括部の永谷美幸氏が講演し、オーラルフレイルの認知度が高まっていることや、その症状は40代からはじまっているが、その多くが自分事化できていないといった調査結果を発表。オーラルフレイルの予防には「歯の喪失予防」と「口腔機能の維持」が重要であるとの考えを示し、サンスターグループでは、お口の元気度を数値化しセルフチェックすることができる無料スマートフォンアプリ「おくち元気チェック」に、お口の筋力トレーニング機能や、過去の結果を確認できる履歴確認機能を追加(8月22日)したことを紹介した。
東邦、「ウタマロ石けん」更なる成長目指して SNSの口コミが原動力に
東邦が展開する部分洗い用洗濯石けん「ウタマロ石けん」は、消費者・流通筋から「白い衣類のガンコな汚れが驚くほどよく落ちる石けん」と、高い評価を得て、部分洗い用品の定番アイテムとしてロングセラー商品となっている。同社では、ウタマロシリーズの認知の更なる向上、そして商品理解度を高めてもらうことで、更なる新規ユーザーの獲得に向け全力を挙げている。
また「ウタマロ石けん」が消費者から長く愛されている理由として、ユーザーのクチコミが重要な要素となっている。中でもSNSを通じたヘビーユーザーによる「ウタマロ石けん」の多様な使用方法などの情報発信が商品認知の拡大や新たなユーザー獲得に繋がるなど、大きな役割を果たしているという。
西本武司社長はウタマロ石けんの最近の動向について、「今年から新工場が本格稼働し、生産力を強化したことで、流通や消費者からのニーズに対応できる体制となり、積極的な販促活動を実施。今年4月から6月までの3カ月間、中四国地方でTVCMの放映も実施した。
ウタマロシリーズの拡販において、重要となるのが消費者によるSNSでの口コミだが、多くのウタマロユーザーが我々には思いつかなかったような使い方を発見して、紹介していただくことがウタマロにとって、非常に大きな味方となってくれている。
こうした商品の特長を深く理解していただいているユーザーが増えていくことが、ウタマロシリーズの更なる成長の原動力になっていくと感じている。今後も消費者に選んでもらえる満足度の高い商品として差別化を図り、更なる伸長を目指していきたい」と語っている。
2024年10月2日号 記事一覧
会合・発表会
- パナソニックがドラム式洗濯乾燥機発表 花王と洗濯用洗浄強化剤を開発
- 日本製薬工業協会、「予防接種」テーマにフォーラム開催
- 全薬工業、「日常の危機備え」メディアセミナー開催
- JSA、「SM物流研究会」活動を報告 食品物流維持への対応策を紹介
- セブン-イレブン・ジャパン、24年秋期商品政策説明会を開催
- P&Gジャパン、「オーラルB iO2」発表 9月下旬からDgSやHCでも展開
経営・施策
- あらた、日本パレットレンタルと連携 運送車両削減、CO2削減へ
- ライオン、「エコ・ファーストの約束」を更新 今回で4回目
- PALTACと薬王堂、非食品と食品の一括物流をスタート RDC宮城を増設
- あらた、「統合報告書2024」発刊 テーマは「TAKE ACTION」
- ローソン、“未来のコンビニ”創造で3社共同体制をアピール
- コーセー「コスメデコルテ」、Sustainable Ingredients Projectを開始
製品・サービス
- 花王、「ハミングフレア リラックス」新発売 リラクシータッチ処方採用
- 花王、「めぐりズム蒸気でアイホットマスク」キンモクセイの香り限定発売
- ユニ・チャーム、「ムーニーマン マシュマロ肌ごこちモレ安心」発売
- ユニ・チャーム、「マミーポコ夜用パンツ」ドラえもん“夢みるデザイン”
- クラシエ、「いち髪」から「日本の四季をたのしむシリーズ」限定発売
- エステー、練り香水「ルナマイン アロマスティック」新発売
- P&Gジャパン、「パンテーンミラクルズ」から新シリーズ発売
- P&Gジャパン、「h&s」から男性用リンスのいらない薬用シャンプー発売
- ファンケル、薬用肌荒れ予防マスク「リカバリーマスク」新発売
- 大塚製薬、「サクラエ」からクリアサイクルローション新発売
- SK-Ⅱ、匠の技を追求・結集した最高峰シリーズ「SK-Ⅱ LXP 金継ぎ」発売
宣伝販促
- クラシエ「マー&ミー ラッテ」、「育てるタオル」とコラボキャンペ
- 貝印「AUGER」、「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」企画品を発売
人事・組織
- PALTAC、10月1日付の人事異動を発表
決算
- プラネット、24年7月期業績は増収増益 基幹EDIを横展開・深堀り推進
イベント・展示会
- RX Japan、「第5回COSME Week大阪」開催 最新トレンドなど提案
- 花王とコーセー、デザインコンテストを多摩美大で開催
- 第17回スイーツ甲子園、城南高等専修学校が「貝印賞」受賞
- 牛乳石鹸共進社、11月26日「いい風呂の日」に向け「お風呂川柳」募集中
時評・コラム
- 転新欄万 「経験のない○○」では済まない時代に
特集 【家庭紙】
- 家庭紙メーカー 価格改定の先導的役割果たす
- カルタス 小澤社長インタビュー 量的成長から質的成長への大転換を
- 日本製紙クレシア 「スコッティ フラワーパック3倍長持ち」追加品発売
- 丸富製紙 「Hanataba金木犀12Rダブル」本物に近い金木犀の香りが人気
- 大王製紙 最高品質の「Theエリエール トイレットティシュー」発売
- 王子ネピア 「ネピアwetomo」全4種新発売 コンパクト設計・フタつき
- 固形石鹸 2023年度の一般市場サイズは約195億円
- ハンドソープ 23年市場は2桁成長で推移 手洗い啓発の継続が鍵
- マスター 奥中社長インタビュー 固形石鹸のOEMメーカーとして認知拡大
- 花王 「ビオレu」に任天堂「ピクミン」デザインが登場
- ハイネリー 「ハイネリー泡の手洗いせっけん」今こそ手洗いを見直そう
- アルボース 「アルボナース」シリーズから泡ハンドソープ新発売
- クロバーコーポレーション 「アロマデュウ」香りを楽しめるハンドソープ
- ライオン 「キレイキレイ薬用ハンド」あたたかな木漏れ日の香り発売
- バーモントソープ 「フルーツベジウォッシュ」の提案を強化
- シャボン玉石けん 無添加50周年迎え、改めて無添加の良さを訴求
- スバル産業 無添加洗顔せっけん「天然温泉水石けん neo ねお」販売
- 牛乳石鹸共進社 “赤箱まるわかりWEBマガジン”「赤箱のススメ」創刊
経営・施策
製品・サービス
特集 【石鹸・ハンドソープ】
経営・施策
製品・サービス
宣伝販促
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