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2024年8月7日号掲載記事より

中小企業庁、価格交渉促進月間(24年3月)フォローアップ調査結果公表

 中小企業庁は、原材料費やエネルギー費、労務費等が上昇する中、多くの中小企業が価格交渉・価格転嫁できる環境整備のため、2021年9月から毎年3月と9月を「価格交渉促進月間」に設定。受注企業が発注企業にどの程度価格交渉・価格転嫁できたかを把握するための調査を実施しているが、このほど今年3月時点の調査の結果を公表した。それによると①価格交渉が行われた割合は59.4%で価格交渉できる雰囲気が更に醸成されつつある②価格転嫁率は46.1%でコストの増額分を全額価格転嫁できた企業の割合が増加した。
 価格交渉の状況については、「発注企業から交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた」割合は、昨年9月から更に増加(14.3%→18.4%)。発注企業との価格交渉が行われた割合も微増(58.5%→59.4%)となった。発注企業の方から交渉申し入れも浸透し始め、価格交渉できる雰囲気がさらに醸成されつつある。一方で、「価格交渉を希望したが、交渉が行われなかった」割合も増加(7.8%→10.3%)で引き続き、労務費指針の徹底等による価格交渉の機運の醸成が必要としている。
 価格転嫁の状況については、コスト全体の価格転嫁率は46.1%で昨年9月の45.7%より微増。受注企業のうちコスト増加分を全額転嫁できた割合は約3ポイント増加(16.9%→19.6%)。一部でも価格転嫁できた割合は約4ポイント増加(63%→67.2%)した。一方、1~3割しか価格転嫁できなかった割合は約4ポイント増加(19.6%→23.4%)。全く転嫁できず/減額された企業も約2割あった。価格転嫁の裾野は広がりつつある一方、「転嫁できた企業」と「出来ない企業」で二極化の兆しもあり、価格転嫁の徹底が重要としている。
 労務費についての価格交渉の状況は、交渉が行われた企業のうち、約7割が労務費についても価格交渉が実施されたと回答した。約1割が「価格交渉を必要と考えたが出来なかった」と回答。回答企業からの具体的な声は、「自助努力として解決すべきとして、交渉自体を拒否」されたなどで、引き続き、公正取引委員会等と「労務費の指針」を周知・徹底していくとしている。

東京堂、伊藤忠グループへ事業譲渡 小売業界向けの提案力を拡充

 東京堂は、9月1日に同社事業を伊藤忠グループに譲渡し、伊藤忠商事の連結子会社・伊藤忠リーテイルリンク(以下、IRL)が設立する新会社「TKD分割準備株式会社」が承継会社となると発表した。「TKD分割準備株式会社」は9月1日以降、「株式会社東京堂」となり、これまで通り日用品・化粧品卸売事業を行う。
 現在の東京堂は分割会社として9月1日以降は「株式会社東京堂資産管理」となる。現・東京堂社長の小野瀬光隆氏は「東京堂資産管理」の代表となり、新会社「東京堂」の顧問を兼任する予定。新会社「東京堂」の社長にはIRL社長の中嶋政文氏が就任する。
 小野瀬氏は今年4月1日に全国化粧品日用品卸連合会(全卸連)の会長に就任し、全卸連運営の指揮を執っているが、東京堂顧問は2025年3月末日までの予定で全卸連会長も今年度(25年3月末)まで継続する。

ハリマ共和物産、秋の見本市を開催し112社が出展

ハリマ共和物産、秋の見本市を開催し112社が出展

 ハリマ共和物産は、秋の見本市を7月30、31の両日に神戸国際展示場1号館2Fで開催した。
 今回の第113回見本市は、今春に続き見本市のテーマとして「A whole new way~流通の新しい未来を切り拓く~」を掲げ、新規出展メーカー3社を含む112社が出展。来客数は150社740名。見本市2日間の売上目標は前年同期を上回る18億518万円を見込んでいる。
 会場には、メーカー各社のブースに加えてハリマ共和物産ならではの様々な企画提案コーナーが設けられ、定番の「新製品コーナー」では、各メーカーの秋の新製品を一堂に展示。また、同社グループの物流関連の取り組みを紹介するコーナーでは、卸売事業や受託物流事業における物流面での取り組みを紹介した。
 特に物流の2024年問題については、メーカーから同社への仕入れに関する物流においては大きな問題は生じていないものの、小売業など得意先への納入に関しては、協力会社や路線便において、コストアップはもちろん、輸送時間がこれまで以上にかかったり、輸送量の制限が厳しくなってきたなどの問題が生じてきているという。
 同社の見本市は毎回、趣向を凝らした売り場活性化提案が大きな見どころとなっているが、今回も同社の専売品を紹介した「ハリマ共和開発商品」のコーナーをはじめ、変化するトレンドを表し、売り場の商品構成のヒントを示唆する「変化するトレンド マーケットインフォメーションplus」のコーナーや、市場規模の変化をカテゴリーごとにまとめた「マーケットインフォメーション」のコーナーなどが設けられた。

True Data、ドラッグストア・食品スーパー対前年比伸び率TOP20カテゴリ

True Data、ドラッグストア・食品スーパー対前年比伸び率TOP20カテゴリ

 ビッグデータプラットフォームを運営するTrue Dataはこのほど、同社の統計データをもとに、ドラッグストア、食品スーパーマーケットにおける今年6月の売り上げ伸長カテゴリを発表した。
 それによると、同月は、「米」の売上金額が前年同月と比べ食品スーパーマーケットで36.4%増加、ドラッグストアで同44.2%増加したという。前月5月も「米」の売上金額は伸長(食品スーパーマーケット前年同月比23.2%増、ドラッグストア同29.0%増)しており、6月はさらに上昇幅が拡大した。
 米は、平均価格の上昇に加えて、売上個数も上昇しており、食品スーパーマーケットで同17.0%増加、ドラッグストアで同19.5%増加した。今年の新米の価格は例年より上がると予測されており、今後の動向が注目される。
 また、ドラッグストアの化粧品カテゴリでは「パック」「男性用制汗防臭剤」の売上げが大きく伸長した。「パック」の売上金額は前年同月比39.9%増加、「男性用制汗防臭剤」は同27.0%増加した。化粧品ではこのほか「UVケア・サンタン」も同9.4%増と好調だった。

コーセー、iPS細胞を用いた美容商品提供の実証実験を8月から開始

コーセー、iPS細胞を用いた美容商品提供の実証実験を8月から開始

 コーセー、アイ・ピース、レジュは7月30日、顧客自身のiPS細胞からの抽出成分「iPSF」を配合したパーソナライズ美容商品の提供に向けた実証実験を、医療法人社団優恵会(廣瀬嘉恵総院長)の運営する「銀座よしえクリニック」を通じて8月から年間30人の顧客を対象に開始すると発表した。
 同法人は皮膚科・美容皮膚科を中心とする「銀座よしえクリニック」を首都圏に7院構え、再生医療を応用した美容医療分野に積極的に取り組んでおり、厚生労働省の認可を得た技術力の高い細胞培養加工施設をグループ内に有し、細胞治療やPRP(多血小板血漿療法)といった再生医療メニューの提供で国内トップレベルの実績を誇るなど、美容皮膚科における再生医療領域では日本を代表するクリニックのひとつであることから、実証実験においてiPS細胞抽出成分「iPSF」の安全性の管理、有効性を評価するパートナーとして選定されるに至った。
 美容商品の提供のためには、顧客自身のiPS細胞を作製するため、「銀座よしえクリニック」で顧客の血液を採取。その血液中に含まれる体細胞からアイ・ピースでiPS細胞を作製し、この細胞を用いて、レジュでiPS細胞抽出成分「iPSF」の製造を行う。この一連の血液採取から「iPSF」の製造にはおよそ1年の期間を要する。一方、コーセーからは使い心地などをパーソナライズするための製剤を開発し、クリニックへの提供を行う。その後、クリニックにて「iPSF」と製剤の調合が行われ、自分だけの美容商品が完成するという流れになる。
 顧客は2カ月に1回同クリニックに来院し、医師による肌状態の診察とカウンセリング、肌診断機による測定を実施し、美容商品の調剤を都度見直しながら、個人に真にパーソナライズされ、そのときの肌に最適化された美容商品を享受できる。


2024年8月7日号 記事一覧

会合・発表会

  • 近石工、第112回技術部会を開催 「困難な時代乗り越えるために」
  • ファミリーマート、小児がん啓発施策でメディア発表会 共同開発品販売

経営・施策

  • 中部石鹸洗剤工業協同組合、清算終了 創設以来70年の歴史に幕
  • 花王「リリーフ」「消臭ストロング」、ホームヘルパー研修会に協賛
  • コーセー、チャリティオークション開催 大谷選手など4選手のグッズ出品
  • ライオン、第6回「プラッチナキャリア・アワード」最優秀賞を受賞

製品・サービス

  • True Data、消費財メーカー向けSaaS型データ分析ツールの提供を開始
  • ユニ・チャーム、生理管理アプリ「ソフィ Be」iOS版のサービスを開始
  • エステー、「ムシューダNOTE」に「引き出し・衣装ケース用」を追加
  • クラシエ、「プロスタイル」から「ヒートケア&スタイリング」発売
  • コーセーコスメポート、新シリーズ「ビオリス ピュアレタッチ」誕生
  • 貝印「KOBAKO」、メイクポーチ、限定アイラッシュカーラーを発売
  • 伊勢半、「キスミー マミー」低刺激性カラーリップ限定色発売
  • ユニリーバ、「LUXの金木犀シリーズ」発売 プレゼントキャンペも実施
  • 日本製紙クレシア「スコッティ」、ポケモンのコラボ商品4種発売
  • 桃谷順天館、「シュシュモアホットクレンジングジェル」限定の香り発売

宣伝販促

  • 花王、「ハラカドを避暑地に」 「ヒヤカド」としてコラボ企画を実施中
  • コットン・ラボ、「プチシャワー・セペ」リニューアル前セールをECで実施

人事・組織

  • エステー、完全子会社のシャルダンを吸収合併
  • 花王、人事異動を発表
  • 資生堂、魚谷会長CEOが今年12月31日付で退任へ
  • デンタルプロ、7月20日付で役員就任
  • I-ne、9月2日付で本社を移転 大阪市中央区南久宝寺町へ

決算

  • PALTAC、25年3月期1Q決算は増収増益に 売上拡大施策が奏功

調査・統計

  • クラシエ「マー&ミー ラッテ」、夏休み中のママの生活調査発表
  • 経済産業省 24年1~5月度洗浄剤統計 合成洗剤・洗濯用が前年並みに

イベント・展示会

  • ファンケル、キリンビバレッジと共催でキッズイベント 栄養講座を開催
  • サンギ、「つきじおから茶」で健食展示会に出展 新販売チャネル開拓へ

時評・コラム

  • 転新欄万 国でなく個々が輝く五輪であれ

特集 【洗濯用品】

    経営・施策

    • 洗濯用洗剤 23年市場は数量・金額とも微減 高付加価値型洗剤の導入活発

    製品・サービス

    • 花王 「アタックZERO」“無菌レベルの消臭力”実現
    • ライオン 「Choose one Project」を展開、衣類のロングライフ化を啓発
    • ハイネリー おしゃれ着洗剤「ふわっと」提案 大切な衣類を自分で洗う
    • ミマスクリーンケア 「緑の魔女」ランドリー5L大容量サイズが売れ筋に
    • サラヤ 「ヤシノミ洗剤」ポケモンデザイン4商品を期間限定発売
    • 東邦 「ウタマロ石けん」がロングセラー 新工場本格稼働で生産力強化
    • P&Gジャパン “菌予防洗剤”「アリエール MiRAi」新発売


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。