バックナンバー

2024年7月31日号掲載記事より

ドラッグストアMD研究会、政策セミナー開く 人材育成・新カテゴリー創造

ドラッグストアMD研究会、政策セミナー開く 人材育成・新カテゴリー創造

 ドラッグストアMD研究会(DMS)・健康食品市場創造研究会主催(日本チェーンドラッグストア協会特別協力)の「第198回DMS定例会上半期政策セミナー」が7月17日、都内で開催された。
 メインテーマに「次世代のビジネス戦略を解き明かす!~進化を支える人材育成術・新カテゴリー創造のヒントがここに~」を掲げた今大会。内容は、特別講演に元中日ドラゴンズ監督の落合博満氏と、消費経済アナリストの渡辺広明氏の両名が登壇。落合氏は「“オレ流”人の活かし方」、渡辺氏は「ニュースから読み解く令和の消費動向」と題した講演を行った。
 またマーケット創造への寄与を想定したパネルディスカッションも実施され、今回は“フェムケア”をテーマに関連団体長と医師、ドラッグストア経営者が実際の展開方法、今後の展望などについて様々意見が交わされた。
 冒頭、石田岳彦DMS会長(ウエルシア薬局副社長)が挨拶に立ち、24年上半期の業界動向について「安心・安全がキーワードになり、各企業がどうそれに取り組むかが問われるなど大きなテーマとなった」と振り返った上で、「濫用性のあるOTC薬の販売方法についての議論などもあったが、医療費の増大に対して国民のセルフメディケーションへのアクセスが阻害されることがあってはならない。店頭での薬剤師・登録販売者の販売スキルの向上など、安心して購入できる体制づくりに努めなければならない」と、あらためて業界挙げての人材育成の必要性を提言。今セミナーの講師にはその未来永劫、業界が重要テーマとして取り組み続けなければならない人材育成や店頭展開について、重要な示唆を与えてくれる人たちを迎えたことを強調し、育成方法やそのマネジメント、時代の変化に対応した売り場づくりの参考にしてもらいたい旨語って挨拶を締めた。

粧工会、「第2回定時総会」開催 信頼される化粧品産業の実現を目指して

粧工会、「第2回定時総会」開催 信頼される化粧品産業の実現を目指して

 日本化粧品工業会(略称・粧工会)は7月23日、東京プリンスホテルで、「第2回定時総会」を開催した。
 会ははじめに、魚谷雅彦会長(資生堂)があいさつに立ち、「化粧品市場はコロナ禍の収束に伴い現在、回復傾向にあるが、コロナ前の2019年当時の市場規模には達しておらず、引き続き、回復の歩みを確実なものとし、成長軌道に乗せていくことが重要だ。
 そうした中、粧工会は昨年4月の発足以来、新体制のもと化粧品産業の様々な課題に取り組んできた。今年度も『粧工会ビジョン2030』のもと、世界で存在感があり、消費者から信頼される化粧品産業の実現を目指して積極的に活動を推進していく。粧工会の基本理念は、会員企業の様々な意見・要望に真摯に向き合い活動していくことである。工業会の運営について会員各社の忌憚のないご意見をいただきたい」と述べた。
 事業計画は、全体方針として①粧工会ビジョン2030②グローバル競争力の強化とサステナビリティへの貢献のための活動③健全な成長・発展のための活動――を推進。統計情報の整備や広報活動、化粧品の成分表示名称の作成・発行・公開、関係省庁等・他団体・海外諸機関等に対する活動などを行う。また会員勧誘活動では、昨年度に引き続き全国都道府県の薬務主管課に協力を依頼しながら新規会員の勧誘活動を行うとともに、入会率の低いエリアの化粧品又は医薬部外品の製造販売事業者及び製造業者を対象とした講習会を実地に開催する。
 さらに、委員会事業計画の中で、粧工会発足以降新設された「啓発推進委員会」では会員サービスの充実と入会促進のための活動などを、「地域交流委員会」では講演会(6月)や施設見学会(10月)、薬事関係等講習会(12月)の企画、運営などをそれぞれ行う。

Amazon、「Amazonファーマシー」提供開始 ウエルシアHDなど参加

 Amazonは、薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送まで利用できるサービス「Amazonファーマシー」を、7月23日から国内で開始した。「Amazonファーマシー」を通じて利用者はAmazonショッピングアプリ上の自身のアカウントから、「Amazonファーマシー」に登録されている薬局で薬剤師によるオンライン服薬指導を受けたのちに、処方薬を自宅など指定の住所に配送、または薬局の店舗で受け取ることができる。
 「Amazonファーマシー」ではアインホールディングス、ウエルシアホールディングス、クオールホールディングス、新生堂薬局、中部薬品、トモズ、ファーマみらい、薬樹、ユニスマイル(50音順)の薬局各社の対象店舗約2500店で服薬指導を受けることが可能(7月23日時点)。
 利用者は、同サービスを電子処方せんに対応している医療機関で診療を受けることで利用できる。また、同サービスは、メドレーが提供する患者向け総合医療アプリ「CLINICS(クリニクス)」とも連携しており、クラウド診療システム「CLINICS」を導入している医療機関でオンライン診療を受けることで利用することも選択できる。
 「Amazonファーマシー」は、慢性疾患などで定期的に処方薬を必要としている患者や、移動や待ち時間の手間を減らしたい子どものいる親などが、自身のAmazonアカウントを利用して、希望の日時にプライバシーを気にすることなく薬剤師による薬の説明をオンラインで受けられる。そして、いつもの薬をAmazonを通じて決済し、希望の場所で受け取れる利便性の高いサービスとなっている。

コスモス薬品、24年5月期業績は増収増益 長野・福島への出店調査を開始

 コスモス薬品は7月18日、「2024年5月期決算説明会」をオンラインで開催。横山英昭社長、柴田太取締役経営企画部長が出席し、横山社長が同期の業績、出店戦略、次期業績見通しなどを説明した。
 それによると、同期の連結業績は売上高9649億8900万円(前期比16.6%増)、営業利益315億100万円(4.6%増)、経常利益342億9900万円(3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益244億5400万円(2.8%増)で増収増益となった
 新規出店は関東50店、中部27店、関西15店、中国10店、四国8店、九州29店、合計139店を開設。閉店は7店舗で期末店舗数は1490店となった。
 既存店は23年1月からディスカウント戦略を一層強化したことにより好調に推移した。その高い伸びが第4半期に入って一巡したことでハードルが上がり、鈍化しているが前年比ではプラスで売上高は好調に推移している。
 また同社が新商勢圏と位置付けている関東・中部・関西地区は積極的な出店と新しい店舗のディスカウントを打ち出したことで大きく伸長した。高いシェアを持つ中国、四国、九州地区も更に売上げを伸ばした。
 次期は関東・中部・関西地区に70店、中国・四国・九州地区に50店を出店予定。更に未出店地域の長野県と福島県への出店調査を開始する。同社には県境の区分はなく、インクが染みだすように地続きで徐々にエリアを拡大する方針。既に出店している地域の店舗密度をより濃くしていくドミナント出店を継続する。調剤は24年5月期末で50店となり、次期も4、5店の併設店出店を予定しているが本格的な展開は先になる見通し。

花王「KATE」、渋谷サクラステージに初のグローバル旗艦店をオープン

花王「KATE」、渋谷サクラステージに初のグローバル旗艦店をオープン

 花王は7月25日、グローバルメイクブランド「KATE(ケイト)」の展開で、ブランド初となるグローバル旗艦店「KATE TOKYO 渋谷サクラステージ店」を、渋谷の新たなランドマーク「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」3階にオープンさせた。(写真)
 同社ではオープンに先立つ18日に店舗内覧会を開き、独自のコンセプトを持つ店内、リアルとデジタルを融合させたサービス機能などを披露した。
 同社は今旗艦店オープンの狙いについて、「現在『KATE』は、当社の化粧品事業における戦略投資ブランドの1つとして、グローバル化の加速に向けた積極的なマーケティングを進めている」と、ブランド戦略を紹介した上で、「その取り組みの一環として、多様な個性と情報にあふれ、国内外へとトレンドを発信する渋谷という街で、ブランド初となるグローバル旗艦店を展開するに至った」と説明する。
 同店のコンセプトは、「KATE」ブランドスローガン「NO MORE RULES.」の世界観を体現する空間=“CORE”。店舗エントランス部分を「既成概念からの解放」「新たな自分に出会う」、さらに、店舗内を「新しい自分を探す体験」のテーマで構成している。
 店内では、「KATE」の“CORE”を象徴するシンボリックなタワーによる映像演出を店内中央に据え、リップモンスタータワーや108色から選べるアイカラー什器、AI技術と「KATE」独自ロジックの顔印象分析によりパーソナライズされた4色のアイシャドウが自動販売機のように出てくるデジタルコンテンツ「KATE iCON BOX」など同店限定のサービスをはじめ、リアルとデジタルを融合した感性を刺激する体験の場を提供することに主眼を置いている。
 当然、店内では英語、中国語など多言語に対応できるスタッフを配置。海外観光客の人たちにも利用してもらうことで、「KATE」独自の顧客体験をグローバルに発信していく構え。


2024年7月31日号 記事一覧

会合・発表会

  • イオンとCJPT、新物流センターで物流課題とカーボンニュートラル両立へ
  • マンダム、「ビフェスタ」改良で発表会 2027年までに売上高100億円へ
  • 丸富製紙、秋冬展示商談会開き約450名が来場 重点商品など提案

経営・施策

  • 大塚製薬×九州エリア流通8社が熱中症対策「クーリングシェルター」展開
  • イオン、「イオン COOL de ACTION」全国約2400店舗で実施
  • 花王、マジックリン・クイックルが「夏の爽快!家そうじ」を提案

製品・サービス

  • ディセンシア、敏感肌向けスキンケア「つつむ」のパッケージを一新
  • 貝印、「リトルシェフクラブ」が日本子育て支援大賞2024を受賞
  • カメヤマ、「お香のようなお線香」「浄香フランキンセンス」が好評
  • ライオン、「クリニカアドバンテージ ハブラシ」から4列レギュラー追加
  • アース製薬、「ゼロノナイト ゴキブリ・トコジラミ用」スプレー発売
  • 日本香堂、線香ブランド「かたりべ」シリーズをこの秋改良発売
  • エステー、ムシューダPAから「金木犀の香り」新発売
  • クラシエ、「ディアボーテ HIMAWARI」アウトバストリトーメント一新
  • コーセー、「雪肌精」から薬用美白クリームを発売
  • コーセーコスメポート、「グレイスワン」高機能オールインワンジェル改良
  • ファンケル、「2024年秋限定メイク」5品目を数量限定発売

宣伝販促

  • サンギ「ハップアール」、イメージキャラクターにモトーラ世理奈を起用
  • ユニリーバ・ジャパン、日本展開60周年記念キャンペーンを実施中
  • 日本香堂、「夏祭り」キャンペーン実施中 総計2000名に現金などが当たる
  • 日本香堂、「お盆っていいなフォトコンテスト」X、Instagramで実施中

人事・組織

  • サプリコ、役員人事を発表
  • 小林製薬、小林会長・小林社長が辞任、山根専務が新社長に就任へ
  • フェザー安全剃刀、新役員人事発表

イベント・展示会

  • AJD、「2024年商品フェア(秋・冬)」開催 約220社が出展
  • コーセー、「なつやすみメゾンラボ」内覧会実施 自由研究の題材を提供
  • 花王、ブランドエバンジェリストが活動の成果を披露するフォーラム開催

施設・店舗

  • あらた、札幌市に新物流センター建設用地を取得

その他

  • 書籍紹介 「グミがわかればヒットの法則がわかる」白鳥和生著

特集 【夏季特別号②】

    特別企画

    • 大阪ミナミ・道頓堀エリア出店調査 訪日客急増でDgSの出店が再加速

    会合・発表会

    • 製・配・販連携協議会「総会/フォーラム」開催 2030年度に向けて活動
    • 「サプライチェーン・イノベーション大賞」発表 表彰授与式を開催
    • 中央物産 「感謝の集い」開催 創業105周年を前に感謝の気持ち伝える

    経営・施策

    • 2024年上半期流通業界動向 各小売業態で脱コロナが明確に
    • PALTAC 構造改革による変革基盤の構築へ 初の長期ビジョンを設定
    • あらた 滝口北海道支社長インタビュー 購買意欲高める売り場づくり展開
    • サプリコ 平井社長インタビュー 地域卸の課題を発見し解決する組織へ
    • ときわ商会 相澤専務インタビュー 直近実績は夏物・コスメ好調で2桁増
    • 道卸連 中島理事長インタビュー 来年の第100回総会に向けて活動推進

    調査・統計

    • インテージ 夏休みの過ごし方調査 夏休み予算は平均5万8561円に

    イベント・展示会

    • 麻友 「第114回麻友見本市」開催 「季節軸から気温軸へ」提案強化


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。