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2024年5月29日号掲載記事より

全卸連、第50回総会開催 小野瀬光隆新会長(東京堂)が決意表明

全卸連、第50回総会開催 小野瀬光隆新会長(東京堂)が決意表明

 全国化粧品日用品卸連合会(全卸連)は5月17日、経団連会館・国際会議場で「2024年度第50回通常総会」を開催した。節目の50回目の総会には会員、賛助会員、来賓等202名が参集。4月1日に就任した小野瀬光隆会長(東京堂)は、①国と業界の連携②将来を支える人材の教育③EDIの取り組みの推進④各都道府県卸組合の活性化⑤賛助会員と情報交換並びに親睦――の5つを全卸連の役割として推進して行く考えを示した上で、会員数の減少と連合会活動への関心が薄れていることが課題との認識を示し、業界の発展に少しでも貢献できるように活動していくと決意を表明した。
 総会は石原真一副会長(イシハラ)の司会で進行。国歌斉唱、来賓紹介の後、小野瀬会長があいさつに立ち、会長就任への想い、今後の全卸連活動の考え方などを述べた。
 引き続き、小野瀬会長を議長に23年度の活動事項を報告。出席状況が報告された後、平木正人副会長・選考委員会委員長(エーアンドティー)が会長選任について報告した。
 この後、芳賀愉一郎副会長(東流社)が流通課題の製・配共有化(流通懇談会)について、箱守直人常務理事が製・配・販のシステム標準化(情報システム委員会)について、今村佳央副会長(元三)が県組合の活性化の取り組み(総務・組合活動委員会)について、箱守常務理事が全卸連チャリティ活動とボウリング大会についてそれぞれ報告。23年度決算報告を桑原啓一副会長(花生堂)が行い、井田隆雄監事(井田両国堂)が監査報告、24年度の予算を桑原副会長が報告した後、来賓を代表して日本石鹸洗剤工業会・宮道建臣会長(日油)が祝辞を述べ、総会を終了した。
 休憩後は50周年記念講演に移り、瀬古利彦日本陸上競技連盟ロードラニングコミッションリーダーによる講演「心で走る~マラソンリーダーからの提言」を聴講。この後、会場を移して懇親会が行われ、この席では白石恵一副会長(北九州共和)の司会で進行。経済産業省生物化学産業課生物多様性・生物兵器対策室・堀部敦子室長が祝辞、ライオン・竹森征之社長の発声で乾杯、全卸連の50年を祝って歓談となり、平木副会長の中締め後、終了した。

PALTAC、24年3月期決算・新中計説明会開く 変革基盤構築へ

PALTAC、24年3月期決算・新中計説明会開く 変革基盤構築へ

 PALTACは5月20日、報道関係者に向け2024年3月期決算説明会をオンラインで開催。説明会には吉田拓也代表取締役社長、嶋田政治取締役専務執行役員経営企画本部長、村尾直人常務執行役員財務本部長が出席した。
 初めに吉田社長(写真中央)があいさつし、初めて10年先を想定した長期ビジョンを設定したことについて説明。少子高齢化や労働人口の減少、環境問題、価値観の多様化など社会環境の変化の中で、同社の使命は「中間流通業を通しての人々の豊かで快適な生活の実現」であるとし、流通のイノベーションで社会課題の解決を図ることを強調。「10年先に目指すべき姿を新中計の3年間で見定める必要があり、新年度はイノベーションを起こすための元年である」と述べた。
 続いて同期決算概要並びに新中期経営計画について嶋田本部長から説明があった。
 それによると同期決算は売上高1兆1519億6600万円(前期比4.3%増)、営業利益271億7200万円(11.0%増)、経常利益305億4500万円(11.3%増)、当期純利益206億3800万円(7.2%増)となり、売上高・営業利益ともに過去最高を更新、売上高・営業ほか各段階利益で計画を上回った。売上総利益は863億円(4.8%増)、販管費は591億円(2.2%増)となった。
 新中計「PALTAC VISION 2027」の説明では、前中計の振り返りのあと、まず10年程度先を想定した長期ビジョンについて、売上高2兆円/ROE9~10%/環境・社会との共生・共創を目指し、「つなぐ力で人と社会のミライを創る」をテーマに既存事業領域の強化をベースに新規事業の創出により収益性の向上を図ることを紹介。
 「PALTAC VISION 2027」のテーマは、長期ビジョンの実現に向けた「構造改革による変革基盤の構築」とし、2027年3月期(計画)の売上高を1兆2700億円に設定。この3年を変革による新たな価値創造に向けた基盤づくりと位置付けた。変革基盤の構築には、「つなぐ・つながる力」を掲げ、「原資」「競争力」「実行力」「協力」の4つを得ることをポイントに挙げた。

エステー、中期経営計画「SMILE 2027」発表 ウェルネス・カンパニーへ

エステー、中期経営計画「SMILE 2027」発表 ウェルネス・カンパニーへ

 エステーは5月23日、都内で「エステーグループ中期経営計画(SMILE 2027)説明会」を開き、パーパスの策定に至った経緯、2024年4月~2027年3月までの中期経営計画「SMILE 2027」の位置付けと基本方針および主要事業の戦略について説明した。同社が中期経営計画を対外的に発表するのは今回が初めてとなる。
 上月社長は今回の中期経営計画の策定にあたって、「創業から掲げている当社の社是や経営理念には今我々がやるべきことが凝縮されていることを再認識した」と述べるとともに、そこに社外からの期待や社員の想いを重ねたパーパスとして「こころに響くアイデアで、ふとした瞬間を、ふふっと笑顔に。」を策定したことを明らかにした。
 そうした中で、10年後のありたい姿を「日用品メーカーからウェルネス・カンパニーへ」と定め、「これまでの日用品とチャネルの壁を打ち破る」と明言。拡大するウェルネス市場に向けて、①お客様の声を反映②人と組織の活性化③信頼を生む技術――の3つの変革の軸を遂行し、『人・チャネル・技術』への積極投資を行うことで、力強い再成長を目指す」とし、2024年4月~2033年3月までの期間を、「SMILE 2027」(STEP1:停滞から成長軌道へ)、「SMILE 2030」(STEP2:積極投資で成長加速)、「SMILE 2033」(STEP3:グローバルで飛躍)――の3つのステップに分け、「かおり×ウェルネス×グローバル」」を中長期の成長テーマに掲げ、10年後のありたい姿の実現を目指すことを表明した。また最初の3カ年となる「SMILE 2027」では、「再成長に向けて、特にグローバル市場で戦える基盤を拡充することに注力する」(上月社長)とした。
 なお、2027年3月期の財務目標は、売上高565億円(年平均成長率8%)、営業利益40億円、営業利益率7.1%、EBITDA54億円、ROE8.3%に設定。また、非財務目標として、気候変動/CO2(GHG)排出削減目標を「スコープ3の開示」とし、資源循環/プラスチック削減、社員満足度の向上、女性管理職比率についても、数値目標を設定しその達成を目指す。

チェーンストア協会、尾﨑新会長(フジ)が記者会見 付加価値の創出へ

チェーンストア協会、尾﨑新会長(フジ)が記者会見 付加価値の創出へ

 日本チェーンストア協会は5月17日、ホテルニューオータニ東京で令和6年度通常総会を開催。総会終了後、正式に就任した尾﨑英雄新会長(フジ会長)の記者会見を行った。(写真左が尾﨑新会長、右は三枝前会長)
 尾﨑新会長は、まず今後の協会運営について、「私共流通小売業の発展は平和なくしては実現しない。チェーンストアの先達の志をしっかり受け継ぎ、平和な世界を次世代に確実につなげていく」と目指す方向性を示した上で、現在業界が抱える課題とその解決に向けた取り組みについて言及した。
 尾﨑新会長は現状の課題として、①賃金と物価の好循環(経済の活性化)②恒常的な人手不足③環境問題、の3つを挙げ、協会としてこの対応、解決に向けた早急な対策の重要性を強調した。
 特に経済の活性化への対応については、「お客様の生活防衛意識が高まる中、チェーンストアとしてお客様のニーズを捉え、付加価値の創出や生産性の向上に取り組むことが大前提。コストプッシュインフレではなくデマンドプルインフレ、安定した物価で上昇を続ける環境づくりに期待がかけられている」との見方を示した。
 また政策面についても言及。「今一度生活者の声を聴き、実態を把握した上での施策が求められている」との考えを強調。恒常的な人手不足については、「マーケットの縮小はチェーンストアにとっては死活問題だけに、存亡の危機に瀕しているといってよい。今こそ構造改革をすべきで、マンパワーを軸に様々なテクノロジーを駆使し、時代にあったビジネスモデルの構築を図っていきたい」と語り、今こそその好機として協会挙げて議論し、その実現に注力していく意向を示した。

リブドゥと長瀬産業が共同開発、環境にやさしいSAP×大人用紙おむつ

リブドゥと長瀬産業が共同開発、環境にやさしいSAP×大人用紙おむつ

 リブドゥコーポレーションと長瀬産業、NAGASEグループの中核製造子会社であるナガセケムテックスは、環境に優しいリサイクルできる大人用紙オムツ大人用紙おむつおよび尿ケア専用品の共同開発契約を締結、5月22日、東京・千駄ヶ谷のナガセグローバル人財開発センターで記者会見を開き、共同開発の意義、具体的な取り組み内容、今後の展開などについて説明した。
 この共同開発は、NAGASEグループが開発した高バイオマス度で生分解性があり、かつ高い吸水性能を有するポリマー(SAP)をリブドゥコーポレーションの大人用紙おむつの吸収体に用い、2027年以降の製品化を目指す。高バイオマス度のSAPを使用した環境対応型衛生用品の実用化は先進的な事例であり、介護・医療施設、ドラッグストアなどの市場に向けたサステナブル製品として展開を図る。
 開発品SAPは水分を吸収しゲル化した状態に少量の薬剤を添加することで短時間のうちに水溶化する性質を持っており、この開発品SAPと水溶性の部材とを組み合わせた衛生用品を開発することで使用済み衛生用品の排水処理を可能とし、焼却処分によるCO2排出量抑制や廃棄時の労働負担軽減への貢献を目指す。将来的には使用済み紙おむつの資源回収効率を高めるリサイクルスキームの提案にも取り組む。高バイオマス度であり、かつ短時間のうちに水溶化する性質を有するSAPを使用した大人用紙おむつの共同開発は業界初の試みであり、排水処理やリサイクル推進までを視野に入れた環境にやさしい大人用紙おむつの製品化を目指す。
 会見ではリブドゥコーポレーション第3研究室室長・長谷部勇樹氏、長瀬産業機能化学品事業部長・樋口増生氏、ナガセケムテックス機能化学品事業部課長・六人部壮氏が前述の内容を説明。開発品と石油由来の従来品の比較実験が行われ、開発品の水溶性の高さを示した。


2024年5月29日号 記事一覧

会合・発表会

  • 石洗工、第74回定時総会開催 宮道会長「グローバルな存在感の醸成図る」
  • 日石工組東日本支部、金融商品の基礎知識について研修会開く 29名が参加
  • AJD、「2024 AJDチェーン全国大会」福岡で開催 昨年実績・今期方針発表
  • OTC薬協、杉本会長が24年度活動計画を公表 濫用問題への対応など

経営・施策

  • ユニ・チャーム、取引先小売業22社と環境保全企画を実施
  • スーパーマーケット3団体、「カスハラ」防止でポスター作成
  • エステー、筆頭株主のシャルダンを株式交付で子会社化へ
  • 花王の中元ギフト戦略 「アタックZEROギフト」を核に展開

製品・サービス

  • 花王「ビオレ」、メイク落としと洗顔料を数量限定で発売
  • 花王、「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」限定の香りを発売
  • コーセーコスメポート、「マニフィーク」から肌に直塗りの洗顔料発売
  • グリーンベル、輝く女性のためのケアツール「PSGシリーズ」一新
  • ファンケル、「マイルドクレンジングオイル」増量タイプを数量限定発売
  • 貝印、「ファンデーションが染みこみにくいパフ」ブラックカラー新登場
  • P&Gジャパン、「レノア煮沸レベル消臭抗菌ビーズ」が発泡ビーズに進化
  • 日本ペットフード、「キャット ビューティープロ」から新製品発売
  • ユニ・チャーム、「超快適マスク 極上耳ごこち」マスク内袋を紙製に

宣伝販促

  • サンスター、「クラブサンスターカフェ」コミュニティ開設

人事・組織

  • ウエルシアHD、新社長に桐澤英明氏が就任

決算

  • バローHD、24年3月期連結決算は29期連続増収に 既存店伸長が牽引
  • クオールHD、24年3月期連結決算発表 売上高過去最高に
  • オカモト、24年3月期は31年ぶり売上高1000億円超え 経常利益が過去最高

調査・統計

  • 販促研、全国の老人介護施設における成人用紙おむつ使用量調査を実施

イベント・展示会

  • エステー、北海道で第3回「植樹会」及び「木育教室」実施
  • ライオン、「第81回全国小学生歯みがき大会」健康週間に合わせて開催
  • アース製薬、「虫ケアセミナー2024」大阪で開催し650人が参加

時評・コラム

  • 時評 使命の重さ漲る全卸連総会
  • らいたあ 意外!?当然!?固形ヨーグルトの市場規模に驚く

特集 【歯と口の健康週間】

    経営・施策

    • オーラルケア市場、衛生意識の高まりで堅調 啓発活動と商品展開強化を
    • 歯磨工 歯と口の健康週間に向けて歯と口の健康に関する正しい知識を啓発
    • 2024年「歯と口の健康週間」にあたって 歯磨工会長 濱逸夫

    製品・サービス

    • ライオン 「OCH-TUNE」を積極展開 歯と口の健康週間に向け啓発活動
    • サンスター 「Ora2」顧客へのアプローチ強化「ガム」チコちゃんとコラボ
    • ラピス お米由来の歯ブラシ「エコデント」積極展開
    • 花王 「ピュオーラ36500ハブラシシリーズ」新発売
    • ジェクス 「L8020乳酸菌」配合のオーラルケア製品を2ブランドから提案
    • エビス 「ゼロプレミアムケア」20~30代の認知度拡大へ企画品発売
    • ハニック・ホワイトラボ 「歯膜剤シマック」から歯に塗る黒パック発売
    • サンギ 新商品「アパガードセレナ」が好調 新規層開拓に大きく寄与
    • シャボン玉石けん 「せっけんハミガキ」シリーズが各品とも2ケタ増に
    • UFCサプライ 「こどもハブラシ ブラッシィ」シリーズ積極展開

    宣伝販促

    • デンタルプロ 「磨くを変える。キャンペーン」6月1日から実施

    調査・統計

    • 歯磨工 23年度歯磨出荷統計発表 数量・中味総量・金額ともに増加


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。