2024年5月22日号掲載記事より
生理用ナプキンの無償化サービス「トレルナ」開始 花王などが賛同
ネクイノは5月14日、個室トイレに生理用ナプキンを常備し無料で提供する「トレルナ」サービスの開始記者発表会を都内で開催した。
ネクイノの石井健一代表取締役と事業推進本部パイプライン開発チーム・平本千登里氏の説明によると、「トレルナ」はトイレの個室にサイネージとディスペンサーを設置し、アプリを使ってQRコードを読み取ることで、無料(1回1枚)で生理用ナプキンを受け取ることができるサービス。サイネージには動画が表示され、ディスペンサーには人感センサーが付いており、ユーザーの動きに合わせて動画が流れる。その場でアプリをダウンロードすることができ、QRコードを読み取ると、ディスペンサーから生理用ナプキンが排出される。
全国38カ所で実証実験を行った結果、ユーザーの95%から好意的な評価を獲得。また、設置施設からも好評を得て、必要とされるサービスであることを確認した。24年度中に商業施設などを中心に6000台の設置を予定しており、女性の生理に関する課題解決を目指していく。
プロジェクト賛同企業は花王、アサヒグループ食品、ハイアール、ジャパンセールス、オプテージ。花王のロリエ事業部ブランドマネジャー・坂田美穂子氏は「私たちも職場のトイレで生理用ナプキンをトイレットペーパーと同じように備品化していただく『職場のロリエ』という活動を行っています。今回、必要としている誰もが生理用ナプキンを手に入れることができる社会にしたいというネクイノ様の考えに賛同しました。これから一緒に生理を取り巻く環境を少しでもよくしたいと考えています」とコメントした。
この後、お笑い芸人の横澤夏子と助産師・性教育YouTuberのシオリーヌによるトークセッションが行われた。
ウエルシアHD、「2024共栄会」総会に900人超が参集
ウエルシアホールディングスは5月10日、都内ホテルで「2024年ウエルシアHD共栄会総会」を開催。当日は会員企業関係者900人超が参集し、畑中伸介共栄会会長(あらた会長)の下、事業・会計・会員数各報告、新期事業計画等議案、新役員人事等決議を執行、全議案が承認された。
冒頭に登壇した池野隆光会長兼社長(写真左)は、前社長の不祥事を詫びた上で、直近での重要な案件としてツルハHDとの経営統合を挙げ、「現在、各事業における相乗効果や海外展開など幅広い分野での意見交換を行っている。契約までは3年ほどかけるが、私としてはもっと早く進めることが良いと感じている」と、その進捗について自身の見解を示した。
その上で今後の方向性を、「当社は『地域になくてはならない』『地域を支えていく企業でありたい』との思いで事業を行っている。どの地域でも調剤併設型店舗を展開し、その取り組みが地域の力となれる企業を目指していきたい」と明示した。
総会ではまた、今年、新たにグループ入りをする、エクスチェンジ・とをしや薬局・ウェルパークのトップ3人が登壇し、それぞれ今後の抱負を語った。
池野会長兼社長は最後に、これからのグループの舵取り役として、月末の株主総会で承認される予定の新役員、田中純一ウエルシア薬局社長、桐澤英明同副社長、高橋康司同常務に加え、柴﨑孝宗現HD取締役の4人の名を挙げ、今後はこの4人を筆頭に若い力を持って新たな時代に臨む意向を示した。
なお、今共栄会総会では、8年にわたり会長職を務めた畑中氏が退任、名誉会長となり、新会長には荒川隆治氏(アルフレッサホールディングス社長)が選任されている。
東流社、「なとわ会」第25回総会開催 熊谷社長「東流社=登竜」に
東流社(宮城県仙台市)は5月10日、仙台市内のホテルで同社とメーカーとのコミュニケーション組織「東流社なとわ会」の令和6年度(第25回)総会を開催。4月26日に就任した熊谷泰社長が変革に向けた経営方針を発表した。熊谷社長は誠実で信頼される企業であり続け、従業員が活躍し、将来に展望が持てる会社を目指し、変革を進めていく考えを表明した。
芳賀愉一郎会長は14年間の社長在任期間を振り返り、東日本大震災などの困難な出来事があったものの、取引先や従業員の支えで「東流社の灯」を熊谷新社長に繋ぐことができことに感謝の意を表した。
続いて熊谷社長(写真)が経営方針を発表。お客様、取引先・地域社会、社員とその家族に信頼される誠実な企業でありたいとの想いを強調し、「東流社を良い会社にしていきたい」と述べ、若返りの推進、従業員が活躍し、将来に展望が持てる会社を目指し、変革を進めていく考えを示し、「東流社=登竜」にしていく想いを語った。さらに熊谷社長は現在進行中の「第7次中期経営計画」(第28期~第30期)についても説明。今年1月に終了した第29期は売上高666億7300万円(前期比105.2%増)、経常利益1億3800万円(222.9%増)となり、計画には届かなかったものの、物流コスト、人件費等が上昇する中、増収増益となったことを明らかにし、第30期(令和6年2月~令和7年1月)の事業計画については、スローガンを「隆盛の30周年へ!そして次の30年に向かって変革しよう!」に設定し、①計画数字の必達②待遇改善③新体制の整備浸透④人材育成⑤システム・物流投資とコスト改善⑥SDGsへの取組み⑦第8次中期経営計画の策定――の7つを計画。売上高680億8100万円(102.1%)、経常利益3億6400万円(263.4%)を目指すことを明らかにした。
マンダム、24年3月期決算は増収増益に 新中計「MP-14」も発表
マンダムは5月14日、オンラインと電話会議による2024年3月期決算説明会を開催。西村健社長執行役員CEOと澤田正典CFOが出席して同期の決算および第14次中期経営計画「MP-14」について説明した、
はじめに澤田CFOが決算概況を報告。それによると、売上高732億3300万円(9.2%増)、営業利益20億2000万円(43.3%増)、経常利益29億8100万円(35.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益26億100万円(171.4%増)と増収増益を達成した。
販売面では日本において女性化粧品が好調に推移したことに加え、海外その他(インドネシアを除く東南・東アジア各国)の売上げが大きく伸長、為替効果もプラスに働いた。利益面では日本とインドネシアで減益となったが、海外その他が大幅増益を確保し、これをカバーした。
続いて西村社長がグループ初の長期ビジョン「VISION2027」の仕上げとなる4カ年の新中計「MP-14」(25年3月期~28年3月期)について説明。前中計「MP-13」の数値目標の多くが未達となった結果を受け、「MP-14」の位置付けを従前の「成長加速期」から「成長基盤構築期」へと改め、最終年度に売上高、営業利益とも過去最高を目指すとともに、既存ブランド以外の将来の成長ドライバーを探索する方針を明らかにした。
その経営基本方針は①事業:各事業の成長ステージに応じた構造変革②機能:「生活者発・生活者着」を基本とした価値共創による新たなお役立ちの実践③経営基盤:グループ経営実践に向けた経営基盤の継続強化――となる。また、重要テーマとして「経営推進体制変更によるグループ経営加速」「収益性改善」「インドネシアの事業再生」「あらたな領域獲得のための投資実行」の4つを設定。これらの施策により、2028年3月期で売上高1000億円、営業利益90億円、営業利益率9.0%以上、ROIC8.0%以上、配当性向40%以上――の実現を目指すとした。
カメヤマ、「カメヤマローソクタウン」オープン 創業100周年記念事業で
カメヤマは5月15日、三重県亀山市の亀山工場敷地内に、「ローソクを学んで!作って!買って!癒される!」をコンセプトにした総合エンターテインメント施設「カメヤマローソクタウン」をグランドオープンした。同施設は、2027年に創業100周年を迎える同社の記念事業の一環として建設されたもので、地域に根差すランドマーク的な存在の施設として位置付けられている。
当日は、地元関係者や同社取引先を招いてオープニングセレモニーが開かれ、はじめに主催者を代表し、同社キャンドルハウス事業部の創設メンバーであり同部門の責任者を務める金指琢也執行役員(日本キャンドル協会代表理事)があいさつに立ち、「当社は今から約30年前に、キャンドルおよび輸入雑貨の事業を立ち上げた。当時はまだ一般の方々に『キャンドル』は認知されておらず、浸透するまでに苦労したことを覚えている。その後、時代の変化とともに取り扱いが広がり、今日では全国でキャンドルナイトやキャンドルイベントが開催されるなど、その集大成がこの『カメヤマローソクタウン』であると考えている。1人でも多くの方にキャンドルの良さを認知いただくとともに、カメヤマローソクタウンをプラットフォームとして活用することで、地域に貢献していきたい」と語った。
続いて亀山市・櫻井義之市長による来賓祝辞、来賓および祝電が紹介された後、最後に同社の谷川花子会長兼CEOと来賓によるテープカットが行われ、オープニングセレモニーを終了した。
今回オープンしたカメヤマローソクタウンは、復刻版デザインのローソクやTシャツなどの限定オリジナルグッズに加え、国内最大級のキャンドルの品揃えを誇る「ローソクタウンショップ」、同社製品および取り扱い製品の灯りが幻想的に瞬き、キャンドルの美しさが体感できる空間の「灯(あかり)MUSEUM」、様々なキャンドル作り教室などが開催される「キャンドルワークショップ」、同社ローソク製品の製造過程が見学できる「ROSOKU TOWN FACTORY」――で構成されており、地元亀山市民の活用のみならず、三重県の新たな観光スポットとしても大きな注目を集めている。
2024年5月22日号 記事一覧
特別企画
- セブン-イレブン・J、国内1号店「豊洲店」が50年 オーナーが想い語る
会合・発表会
- 油脂工業会館、第84回定期講演会開催 エシカル協会・末吉代表理事が講演
- 近石工、第74回通常総会開催 副理事長に西本武司氏(東邦)を選出
- 排水協、令和6年度第30回通常総会開催 昨年の販売個数は前年比95.9%
経営・施策
- サンスター、「Ora2」「G・U・M」展開説明 チコちゃんとコラボ展開
- 玉の肌石鹸、「玉の肌㈱」に 4月1日付で社名変更
製品・サービス
- サンスター、除菌脱臭機が「レッド・ドット・デザインアワード」受賞
- 花王、柔軟剤「ハミング消臭実感Wパワー」改良新発売
- 牛乳石鹸共進社、「ミルキィボディソープ」青箱の香り限定発売
- 大王製紙、「グーン ぐんぐん吸収パンツ」ディズニープリンセス発売
- UYEKI、カメムシ大量発生時期に「カメムシクリン」(忌避剤)が大注目
- 白元アース、冷却ネックリング「アイスノン ネッククーラー」新発売
宣伝販促
- サンギ、創業50周年記念キャンペーン第1弾開始“あなたと輝く毎日へ”
- 白十字「サルバ」、ダブルプレゼントキャンペーン実施
人事・組織
- PALTAC、監査役及び執行役員の異動(内定)を発表
決算
- PALTAC、24年3月期業績は売上高、営業・経常利益が過去最高に
- メディパルHD、24年3月期決算 メディセオ事業の売上高は4.8%増に
- CBグループマネジメント、24年3月期決算は増収増益 生産性向上奏功
- コーセー、24年度1~3月期は大幅な増収増益 日本とタルトが牽引
- ファンケル、24年3月期は営業・経常利益が2ケタ増 「再興2026」説明
- P&G米国本社、23/24事業年度3Q業績 純売上高前年同期比1%増に
- マツキヨココカラ、24年3月期決算は4年連続の増収増益
- アルフレッサHD、24年3月期決算発表 売上高は6%増の2兆8585億円に
- 東邦HD、24年3月期はがん治療薬・スペシャリティ医薬品好調で増収
- トライアルHD、24年6月期3Q決算 新店効果と既存店堅調で増収増益
- 小林製薬、24年度1Q業績発表 特別損失38億円計上、業績予想も取り下げ
- 中山福、24年3月期連結業績は営業・経常赤字に
- エステー親会社・シャルダン、24年2月期決算発表
研究・開発
- 花王、「バイオIOS」特定条件下で洗浄と表面改質の機能併せ持つこと発見
調査・統計
- 粧工会 24年1~2月化粧品統計 化粧水が132.9%と2ケタ伸長
- 東家同 24年4月度市況概況価格調査 TP再生紙価格修正の動き
イベント・展示会
- サラヤ、人間と地球の「いのち」考える「いのちをつなぐ特別授業」開催
- 貝印、「研ぎ」伝えるイベント開催 オリジナル車両「TOGI CAR」展示
- 貝印、「スイーツ甲子園」に特別協賛 高校生パティシエ日本一を決定
訃報・葬儀
- 訃報 青木桂生氏(クスリのアオキHD元会長) 82歳
時評・コラム
- 転新欄万 投資の危うさを改めて実感
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。