バックナンバー

2024年4月17日号掲載記事より

ユニ・チャーム、有力卸店会開催 2030年連結売上高1兆5000億円目指す

ユニ・チャーム、有力卸店会開催 2030年連結売上高1兆5000億円目指す

 ユニ・チャームは4月4日、都内で「2024年度有力卸店会」を開催した。卸店を前に全社方針を説明した高原豪久代表取締役社長執行役員は「共生社会」の実現を目指し、世界一の企業を目指していく考えを強調した上で2024年度から始動した第12次中期経営計画では「Project-L」(Lady Life Love)を通じて、常に女性を基点に発想、独自商品を創造し続け、成長を図る考え等を明らかにした。
 高原社長はまず21年~23年の前中計を振り返り、外部環境・消費者変化の先を読み、先手で取り組んだこと等が奏功し、順調に推移、最終年度の23年は連結売上高9418億円、うち国内3218億円と成長を遂げ、国内の好調は卸店の協力による価値転嫁が大きいと感謝の意を表した。
 さらに高原社長は、「共振の経営」を根幹に今年から新たな企業ブランドエッセンス「Love Your Possibilities!」によって、すべての人の限りない可能性を慈しみ、共生社会の実現を目指す考えを対外的に発信していく考えを伝えた。また、第12次中期経営計画では、26年連結売上高1兆1500億円、うち日本3498億円を目指し、30年には1兆5000億円、うち日本4040億円の目標を明かした。
 さらに、アジアを中心に女性の可処分所得が増加し、女性の消費がメガトレンド化していることに対応し、「Project-L」を通じて女性を基点にした発想で商品を創造し、成長を図る考えを表明。加えて、2020年に策定したESGビジョン「Kyo-sei Life Vision 2030」に基づき、環境・社会・ガバナンスの側面から持続可能な社会の実現について、社会の健康を守る・支える商品・サービスや環境配慮型商品の開発、使用済み紙おむつのリサイクル、女性活躍の推進など、さまざまな活動に取り組んでいることを紹介した。
 引き続き、高久賢二専務執行役員マーケティング・営業管掌が24年度のマーケティング方針を、渡辺勉常務執行役員ジャパン営業統括本部長が24年度の営業方針をそれぞれ詳細に説明。この後、懇親会が行われた。

イオン、24年2月期決算 営業収益、経常利益までの段階利益が過去最高

イオン、24年2月期決算 営業収益、経常利益までの段階利益が過去最高

 イオンは4月10日、都内で「2024年2月期本決算説明会」を開き、同期の連結業績、経営戦略などについて説明した。
 同期の連結業績は、営業収益9兆5535億5700万円(前年同期比4.8%増)、営業利益2508億2200万円(19.6%増)、経常利益2374億7900万円(16.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益446億9200万円(109.0%増)で、営業収益、営業・経常利益は過去最高、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に対し、約2倍となった。
 吉田昭夫社長の説明によると、経済環境の変化(節約志向の高まり等)に対応するため、プライベートブランド「トップバリュ」を強化。一方、店舗DXによる生産性向上、エネルギーコスト削減などに取り組み、さらにKPIによる進捗管理といったマネジメント改革を進めてきたことが奏功した。
 また、現在進行中の中期経営計画について吉田社長は、その後半は持続的成長に向けた事業基盤の確立を推進していると強調。プライベートブランドを中心とした商品・デジタル基盤の強化により、グループのスケールメリットを追求し、エリア戦略の実効性を高める事業再編、物流の効率化や人的資本充実など個社では難易度の高い取り組みをグループで進めており、イオン北海道、イオン東北、イオン九州は3社とも増収増益を達成。フジ、フジリテイリングとマックスバリュ西日本の統合(3月1日)、ディスカウントストア事業のスケール化推進、首都圏でのシェア拡大を進め、環境に対する取り組みも引き続き強化していく方針を説明した。

キリン堂HD、第35回協栄会総会で前期業績報告 2期連続の増収増益に

キリン堂HD、第35回協栄会総会で前期業績報告 2期連続の増収増益に

 キリン堂ホールディングス(以下キリン堂HD)は4月5日、同社取引先の医薬品・日用品・化粧品メーカー、卸売業者との親睦を目的に運営するキリン堂協栄会の「第35回総会」を大阪市内で開き、会員企業270社470名が出席した。
 はじめにキリン堂協栄会の役員改選が行われた後、キリン堂協栄会・杉本雅史会長(ロート製薬)があいさつに立ち、今年のトピックスとして「日銀の金融政策の変更」「訪日客の増加」をあげ、ドラッグストア業界においては、「賃上げ効果による購買意欲の上昇や、旺盛なインバウンド需要を効率的に取り込むことが重要である」とし、食品を中心に値上げが広がる中で、「新しい価値・サービスの提供により、販売コストの上昇を反映した適正価格での販売をいかに徹底できるかが、今後の成長要因になるだろう」と述べた。
 続いて、キリン堂HD・寺西豊彦社長が登壇し、①前期(2024年2月期)について②重点戦略の進捗について③中期経営計画の方向性――の3点について説明。前期連結売上高1391億円(2.1%増)、EBITDAマージン5.0%となり、MBO実施以降2期連続で増収増益となったことなどを報告し、「その街1番のくすり屋、お客様にとってなくてはならないキリン堂となり、そうした意味での『関西No.1ドラッグストア』となることを皆様に約束する」と宣言した。
 続いて、「健康長寿の鍵を握る細胞の働き~オートファジー~」をテーマに大阪大学大学院医学系研究科・保健学専攻総合ヘルスプロモーション科学講座特任教授・吉森保氏が講演を行った後、会場を移して懇親会が行われ、初めにキリン堂・寺西廣行取締役執行役員経営戦略本部長が登壇。台湾での地震へのお見舞いを述べたあと、講演の聴講を踏まえ「細胞と同じように企業体としても、自らを刷新することが企業の長寿につながる」とあいさつした。続いて、キリン堂協栄会・吉田拓也副会長(PALTAC社長)が乾杯を発声、宴半ばキリン堂協栄会・畑中伸介相談役(あらた会長)の中締めで散会した。

サプリコ九州支部、合同研修会をシャボン玉石けんで開催

サプリコ九州支部、合同研修会をシャボン玉石けんで開催

 地域卸全国ネットワーク組織・サプリコの九州支部が4月6日、福岡県北九州市にあるシャボン玉石けんで「第2回営業合同研修会」を開催した。同会には、柳元(鹿児島市)、清水京十郎商店(宮崎県延岡市)、ワコー紙業(長崎市)、ビーレイク(福岡県久留米市)、武本ホームズ(福岡県飯塚市)、まさ屋(福岡市)の九州支部メンバー6社をはじめ、更に九州圏外からも中部地区のサプリコメンバー社や業界紙などオブザーバーも含め、合わせて40人余りが参加した。
 はじめにシャボン玉石けんの製造部担当者から製造部の取り組みや方針について説明が行なわれた後、工場見学に移り、シャボン玉石けんならではの無添加石けんの製造方法を中心に現場に入って説明を受け、石けんと合成洗剤の違いや見分け方、ケン化法と呼ばれる昔ながらの製法、天然原料や無添加など同社のこだわり、ものづくりへの理解を深めた。
 休憩の後は商品勉強会に移り、手肌に優しく感染症対策への効果も検証されている「手洗いせっけん バブルガード」と、これ1つで全身洗え、ふき取りだけの清拭剤としても使える利便性の高い「全身ケアソープ バブルガード」の2品についての商品説明を受けた後、6班に分かれてグループディスカッションを実施。工場見学や商品勉強会を通じて学んだシャボン玉石けんのこだわりや商品特長をどのように活かし、販売強化につなげていくかについて話が行われた。
 研修会についてサプリコ九州支部長の武本訓氏(武本ホームズ社長)は「同じ境遇で、同じ悩みや苦労を持つ仲間が、今日ここに集まり、それぞれの意見や考えを共有できたことは非常に良かった。集まって頂いた皆様の縁をつなぐ、『接着剤』としての役割を果たせたのではないかと思っている」とコメント。
 サプリコの平井誠一社長(まさ屋社長)も「近年は、地域卸がなくなってしまった地域も一部にあるが、良い製品をしっかりと届けていくためにも我々も生き残っていかなければならない。そのためにも、こうした集まりや活動は、本当に大事なことだと思っている」と語った。

「第13回インターペット」が盛況 出展社数・来場者ともに過去最多に

「第13回インターペット」が盛況 出展社数・来場者ともに過去最多に

 メッセフランクフルトジャパン、一般社団法人ペットフード協会、一般社団法人日本ペット用品工業会が主催する日本最大級のペット産業見本市「第13回インターペット~人とペットの豊かな暮らしフェア」が4月4~7日の4日間、東京ビッグサイトで開催され、出展社数・来場者ともに過去最多を更新するなど盛況のうちに終了した。
 今回は前回より多い6ホールの展示エリアに、14の国と地域から739社(国内567社・海外172社)が出展。4日間で6万7022人と3万376頭のペットが来場した。主催者によれば、出展社・来場者数ともに過去最多を更新したとのこと。
 「会場では最新のペット製品やサービスを吟味するペットビジネス従事者とペットオーナーに対して、熱心に説明をする出展者の姿で溢れていた。展示エリア以外でもペット業界の最新トレンドが発信されたビジネスフォーラムやセミナーでも多くの来場者が楽しんでいた」(主催者)
 そうした中、業界関係者の注目を集めたのが、「少子高齢化にペット産業は何をすべきか」と題されたビジネスフォーラム。少子高齢化・人口減少が進み、ペットの飼育頭数も減少する中、業界として早急に取り組むべき案件について意見交換するもので、識者としてペットフード協会・児玉博光会長と日本ペット用品工業会・山本洋介会長が登壇し、業界の発展を担う業界団体の長として、市場環境の現状を踏まえつつ、常に情報発信を行い、ペットと共にいることの素晴らしさを伝えていくことで新たな需要を喚起していく考えを強調した。


2024年4月17日号 記事一覧

会合・発表会

  • 花王「ソフィーナiP」、松本若菜がアンバサダーに就任 就任発表会開く
  • 全薬販売、「アルージェ」メディアセミナー開催 春の敏感肌・乾燥肌対策
  • JILS、「全日本物流改善事例大会2024」参加者募集 5月14・15日開催

経営・施策

  • スギ薬局、東京医科歯科大学と包括連携基本協定を締結
  • 注目の「MA-T」社会実装に向け着実な歩み続く アース製薬・桜井氏に聞く
  • ユニ・チャーム、第32回地球環境大賞「日本経済団体連合会会長賞」受賞

製品・サービス

  • 花王、「ディープクリーン プレミアム 薬用ハミガキ」発売
  • 花王、「サクセス 水のいらないシャンプーシート」発売
  • 丸富製紙、“無漂白原料配合”のナチュラルカラーペーパータオル新登場
  • エステー、「消臭力PA」から「紫陽花」の香りを季節限定発売
  • クラシエ、「いち髪」から夏限定の香り「和ハッカの香り」限定発売
  • P&Gジャパン、「アリエール ジェルボール プロ」新発売
  • ライオン、「hadakara泡ボディソープ」クールアクアミントの香り限定発売
  • ユニリーバ、「ダヴさらさら透明感」発売 透明感あるさらさら肌へ
  • ナリス化粧品、「キッズUVジェル ちいかわ」バンダイから発売
  • P&Gジャパン「ジレット」、プログライド・プロシールドの刃の性能向上
  • I-ne、目薬「ティアラル」販売店舗を拡大
  • UYEKI、簡単・節約・時短のつけ置き衣類洗剤「ドライニング」が好評
  • 花王 “無菌レベルの消臭力”実現「アタックZERO」シリーズ新発売

宣伝販促

  • ファイントゥデイ「シーブリーズ」、新CM「瞬間!爽快シャワー」篇公開
  • ユニリーバ「ラックス」、新ブランドアンバサダーに冨永愛を起用
  • ライオン、“ウイルスの接触感染リスクを可視化するモデル研究”記事公開
  • 大日本除虫菊、「金鳥の渦巻」キャンペーンを実施
  • マンダム、「ギャツギーメタラバーシリーズ」北村匠海起用のWEB-CM公開
  • フマキラー×「ゆるきゃん△」、“アウトドアにはフマキラー”キャンペ

人事・組織

  • エステー、執行役の就任予定者を内定

決算

  • セブン&アイHD、24年2月期業績は営業利益が過去最高更新
  • ウエルシアHD、24年2月期決算はコロナ関連需要反動響き減益に
  • スギHD、24年2月期連結決算は売上高・利益共過去最高を更新

調査・統計

  • マンダム、Z世代の美容意識など調査 「ケア」カテゴリーへの興味高く
  • エステー、“理想のクローゼットとタイパ”意識調査発表
  • マンダム、汗のお悩み調査 約6割が「汗をかくこと」に不安・ストレス
  • 東家同 24年3月度市況概況価格調査 値上げ前の仮需で数量増

イベント・展示会

  • 牛乳石鹸共進社、「バリアフリー2024」に出展 「ツナグケア」を展示
  • 牛乳石鹸共進社、地元で自転車のかごに「ひったくり防止カバー」取り付け

施設・店舗

  • マツキヨココカラ、大阪はびきの中央店が認定栄養ケア・ステーションに

時評・コラム

  • 転新欄万 企業倒産の多さに驚き

特集 【保存・調理関連品】

    経営・施策

    • 保存・調理関連品市場 金額ベースで大幅増も生活防衛意識が市場に影響

    製品・サービス

    • 旭化成HP 「冷凍貯金」更なる普及・拡大に注力 多彩な企画で拡販
    • クレハ 「クルリちゃん」20周年記念して「おかっぱチャレンジキャンペ」
    • エステー 「新鮮番」一目で使い方がわかるパッケージに一新
    • 宇部フィルム 無添加ポリエチレンラップ「ポリラップ」が好調
    • 東洋アルミエコープロダクツ 原料に「グリーンアルミ」の使用を開始
    • ライオン 「リードクッキングペーパー」レンジでも使えることを訴求

    調査・統計

    • プラネット 調理用保存容器に関する意識調査 保存容器「プラ製」圧倒的


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。