2024年3月6日号掲載記事より
イオン、ツルハHDとウエルシアHDの統合を主導 国内外での事業拡大目指す
イオンは2月28日に記者会見を開き、イオンとツルハホールディングス、ウエルシアホールディングス3社において、経営統合に向けた協議を開始することに合意し、資本業務提携契約を締結したと発表した。
「ヘルス&ウエルネス事業戦略構想」と題された記者会見には、イオン・吉田昭夫社長、ツルハHD・鶴羽順社長、ウエルシアHD・松本忠久社長の3人が出席し、それぞれ統合に至った背景や目的、展望などを説明した。(写真)
統合への流れとしては、まずツルハHDはイオンの持分法適用会社になることを予定。そのため、イオンが投資ファンド・オアシスから13.6%のツルハHD株を買い取り、独占禁止法のクリアランス取得を予定。次にツルハHDとウエルシアHDの経営統合を行う。具体的な方法は、株式交換によりウエルシアHDをツルハHDの完全子会社とする。経営統合完了後、ツルハHDはイオンの連結子会社となり、イオングループのヘルス&ウエルネス事業の中核子会社となる。2027年末までに最終的な契約を結ぶことを目指す考え。
イオンの吉田社長は昨今のDgSを取り巻く経営環境が激変していることに触れ、「オーバーストアや価格競争の激化、継続的な薬価の引き下げなど現状モデルにおいては低成長期に入ったと認識している。一方で健康ニーズはより高まり、公的保険外のサービス市場の拡大も予想される中、今日、健康社会の実現にどこまで積極的に関与できるかがDgS業界では重要となる。こうした中で、我々はヘルス&ウエルネスに係わる商品とサービスが全国どこにいても享受できる社会を実現することのできる存在意義ある企業とならなければならない」と統合の狙いをそう語った。
3社は今後、各社の持つ経営資源を最大限に活用し、国内最大のDgS連合体を創造し、国内事業の拡大だけでなく海外展開も強力に進めていく構え。
花王とアース製薬がタイの虫(蚊)ケア領域で協業
花王とアース製薬は2月29日、都内で記者会見を開き、蚊による感染症課題の解決のために協業し、花王が開発した「蚊の羽や体を濡らすことで蚊の飛行行動を妨げる技術」を応用した「ARS Mos Shooter(アースモスシューター)」を共同で商品化し、アース製薬がタイで7月から発売することを発表した。
会見では、はじめにアース製薬の川端克宜社長が世界のベクター(媒介生物)感染の状況などについて説明した後、「タイでアース製薬は№2メーカーだがバンコクを中心とした首都圏では№1となっている。当社は感染症から人々の健康を守るために活動し、国内では圧倒的な支持を得ているがタイでも№1目指して活動、そのエンジンに貢献するのが本日発表する新製品である」と述べた。
次に花王の長谷部佳宏社長が登壇、地球温暖化によるベクター感染症の拡大を防ぐことの重要性、花王の10年来の表面処理技術研究開発の経緯、協業の意義などについて説明、「花王とアース製薬の協業には意義がある。それは花王として、できるだけ早く多くの人たちの命を救いたいという想いから虫ケア領域で最も研究し、信頼のあるブランドを展開しているアース製薬と組まない手はないと考えた。このプロジェクトを開始した昨年7月20日はアポロ11号が月面着陸した日であることにちなみプロジェクト名を『アポロ』とした。両社が夢を乗せ、地球の人の命を守る」と語った。
「ARS Mos Shooter(アースモスシューター)」は花王による「蚊の羽や体を濡らすことで蚊の飛行行動を妨げる技術」と、アース製薬のノウハウを活用し商品化した蚊駆除スプレー。化学合成殺虫成分を含まないため、これまで虫ケア用品を使用するのを控えていたような場面にも使用でき、従来の商品と合わせてよりきめ細かな虫(蚊)ケアを叶える。
麻友、「第113回麻友見本市」開催 売り場に合った最適な商品を提案
麻友は2月27~28日の2日間、川越駅西口のウェスタ川越(川越市新宿町)で、“狭小商圏への対応2024春・夏”をテーマに「第113回麻友見本市」を開催。78社の取引メーカーが出展(うち新規出展10社)、盛況となった。
毎回注目を集める「提案コーナー」では、この春発売された新商品や前年比110%以上の実績を上げている売れ筋商品を紹介。麻友の営業本部、商品本部、管理本部の各スタッフが普段使っている商品の中で一推ししたい商品を一堂に展示する「麻友社員一推し商品」のコーナーも設けられ、注目を集めた。
別会場では麻友販促企画室担当者がプレゼンテーションを行い、狭小商圏店舗のビジネスモデルについて説明したほか、コロナ禍を経て定着した生活者の購買行動の変化や値上げに伴う小売業の業態別の実績、各カテゴリーの市場の推移などを解説した。
開催2日目には記者会見が開かれ、あいさつに立った清水政弘社長は、「今回の見本市では、出展メーカー様と当社営業担当者が一緒になって、得意先様の売り場に合った最適な商品を積極的にご提案しており、『こんな商品があったのか』と驚きと発見が得られる“出会いの場”を作っていきたいと考えている。
また、最近は温暖化やエルニーニョ現象の影響で夏物商品の売れ行きが好調なので、売り場での夏物商品の早期展開、終売時期の延長を今年も継続して行っていく。メーカー様は値上げの影響で販売金額は増えている半面、販売数量は減少し工場の稼働率低下が課題となっているが、前述の夏物商品の早期展開・終売時期延長はそうした課題解決に繋がる提案ともいえ、販売機会ロスを無くすことで数量の前年超えを目指していきたい」と話した。
セブン&アイHD、新コンセプト店舗「SIPストア」を開設
セブン&アイホールディングスは2月29日、新たなグループシナジー創出に向けた取り組みの一環の新コンセプト店舗「SIPストア」をオープンさせた。直営店舗「セブン-イレブン常盤平駅前店」(千葉県松戸市)をリニューアルしたものとなる。
2月27日には事前の「SIPストア説明会」と「同店舗内覧会」を松戸市内で開催。山口啓介・セブン-イレブン・ジャパン執行役員企画本部ラボストア企画部長が出席し、解説を行った説明会では、今取り組みの主旨とコンセプト、売り場の特長などを説明した。
SIPとはセブン-イレブン・イトーヨーカ堂パートナーシップの略で、グループのさらなる連携強化を目的とした組織となる。山口氏は、その中での「SIPストア」の位置づけは、「急速な環境変化の中、大きく変化する顧客の消費行動や生活に対する価値観、幅広いニーズに対応するために、商品・サービスにグループの知見を活かしたテスト店舗となる」とし、現在取り込めていないニーズに対し、グループのあらゆるリソースを活用したらどうなるのかを試す場としたい旨説明した。
店舗は今後の新たな姿を検討していくため、通常店舗よりも売り場面積を広げ、品揃えの拡大を図ったといい、冷食や調味料、デリカを増やしたほか、生鮮3品、アカチャンホンポやロフトとの連携から、大容量紙おむつやミルク、産後ケア用品、トレンドメイクやフェイスケア・ヘアケア用品も取り揃えたとのこと。
この後行われた店舗内覧会では、セブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長とイトーヨーカ堂の加藤聖子執行役員が来店し、「グループシナジーを結集させた店舗だけに、地域ニーズにしっかり対応していきたい」とコメントを残した。(写真)
ライオン、山口県歯科医師会と児童の噛む力育むプログラムで実証実験
ライオンは、「健口スマイル推進事業の展開に関する連携協定」を締結する山口県歯科医師会(小山茂幸会長)と共同で、2023年10月から12月まで山口県内の小学校3校(167名)を対象に、グミやガムを活用して児童の噛む力を育む教育プログラム「もっとかもっとチャレンジ」の実証実験を実施した。
小学校で児童たちに噛む力を育む大切さの授業を実施した後、それぞれ自宅で30日間、弾力のあるグミを食べて噛む力のトレーニングを行った結果、児童たちの噛む力が顕著に向上すること、トレーニングに取り組む日数が多いほど噛む力がより高まることがわかった。また、口腔機能を鍛えることで、「よく噛む」「口を閉じて食べる」ように習慣が変化したことが明らかになった。さらに、実証実験に参加した3校のうち、山口市立小郡小学校では、昨年12月15日に山口県歯科医師会の小山会長が、動物の歯の標本や「噛もっと!ガム」を使いながら、噛むことの大切さを伝える授業を行った。
同実験の検証結果から、噛むことの大切さを楽しく学習できる教育プログラムとして、一定の効果と受容性があることを確認できた。
今回の実証実験に使用したのは同社の「おくち育 噛もっと!」の「グミ」「ガム」(オンライン限定販売)。「おくち育」は、子どもの「やってみたい」気持ちを大切にしながら、将来の「生きる力」の土台となるオーラルケア習慣づくりに役立つ商品・サービスを提供している。
2024年3月6日号 記事一覧
M&A・設立
- スギHD、I&H(阪神調剤グループ)を連結子会社化へ
会合・発表会
- 花王、新ヘアケアブランド「melt(メルト)」新発売 “休息美容”を提案
- ライオン、「キレイキレイのまち坂出プロジェクト」活動を報告
- 貝印、女性向けパーソナルケア「マイネス」発表 本田真凜がアンバサダー
- 近石工、石鹸部会が講演会を開催 新報メディア・由上会長が講演
- 油脂工業会館、油脂優秀論文表彰式を開催 累計表彰件数は437件に
経営・施策
- アース製薬、第6回日本オープンイノベーション大賞内閣総理大臣賞受賞
- トライアルHD、東京証券取引所グロース市場に新規上場へ
- ユニ・チャーム、「消費者志向経営優良事例表彰」で消費者庁長官賞受賞
- ライオン、「スポーツエールカンパニー2024」今年で3年連続の認定
- ユニ・チャーム、環境サステナブル企業に選定 環境省主催のアワードで
- サンスター財団、ハーバード大等への海外留学生募集 糖尿病研究等支援
製品・サービス
- マツキヨココカラ×マンダム、初のメンズスキンケア・ヘアケアPBを開発
- 花王、「アタックZERO パーフェクトスティック 部屋干し」新発売
- カメヤマ、お線香「浄香(きよめこう)」シリーズから第2弾発売
- 牛乳石鹸共進社、「ミルキィボディソープ」泡/液体お試し品限定発売
- ユニ・チャーム、「銀のスプーン 三ツ星グルメ」から新製品発売
- ユニ・チャーム、「ウェーブ フロア用ウェットシート」発売
- P&Gジャパン、「レノア アロマジュエル」リニューアル発売
- 大王製紙、「アテント Rケア 紙パンツ用パッド座位モレも防ぐ」発売
- バスクリン、アロマ舞う香りのシャワー「アロマスパークリング」新製品
- バスクリン、「インセント薬用育毛トニック」改良発売 容器持ちやすく
- バスクリン、「モルティ」薬用育毛地肌セラム新発売 既存品も改良発売
- サンギ「アパガードプレミオ」、花嫁美容アワードオーラルケア部門1位
- ニベア花王、「エンジェルスキン ボディウォッシュ アクネクリア」新発売
- 花 王「ビオレガード モスブロックローション」をシンガポールで発売
- コーセーコスメポート、「ウルミナプラス」からUV乳液発売
- クラシエ、「ナイーブ」ボディソープからドラえもん限定デザイン発売
- ナリス化粧品、全身洗浄料「ZENBUWASH爆上戦隊ブンブンジャー」発売
宣伝販促
- コーセー、「薬用肌美精」新TVCM開始 ブランド誕生40年目に向けて
- クラシエ、「マー&ミー ラッテ」新CM「雪の中のお風呂」篇放映中
人事・組織
- 全卸連、会長に小野瀬光隆氏(東京堂社長)を選任 4月1日就任へ
研究・開発
- 信州大学、サンスターが発表 特定健診時の歯科的介入で習慣化に影響
調査・統計
- 経済産業省 23年1~12月洗浄剤統計 数量、金額ともに前年割れに
- KSP-POS 2024年1月 カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- 「あらたCollection2024」初開催 畑中秀太常務商品本部長に聞く
訃報・葬儀
- 三木晴雄氏(玉の肌石鹸・ミヨシ石鹸相談役)「偲ぶ会」に多数参列
特集 【防虫・消臭・芳香剤】
- 芳香消臭剤市場 2023年は微増にとどまるも市場回復に期待高まる
- 繊維製品防虫剤市場 2023年も回復ならず 3年連続で前年割れに
- エステー 「消臭力コンパクト」「ムシューダNOTE」新製品投入
- 花王 「リセッシュ」充実のラインアップで展開
- 小林製薬 10大悪臭に対応した無香消臭剤「消臭元ZERO」導入
- 大日本除虫菊 「クリーンフロー」シリーズからトイレ用消臭剤発売
- 晴香堂 好評の「GRITZY」「AROMUST」から新製品発売
- アース製薬 衣類用防虫剤「ピレパラアース クローゼット用」発売
- 白元アース 衣類用防虫剤「ミセスロイド 金木犀の香り」新発売
- 日本香料工業会 2022年(1~12月)香料統計 国内生産総計は増加
経営・施策
製品・サービス
調査・統計
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。