2024年2月14日号掲載記事より
ライオン会総会開催 “より良い習慣づくり”で市場活性化・社会貢献へ
ライオンは2月6日、帝国ホテル東京で、同社と卸店とのコミュニケーション組織「ライオン会」の総会を開催した。竹森征之社長は出席した卸店を前に、同社の経営戦略であるより良い習慣づくり「Positive Habits」を卸店との共創により早期に実現し、「経済価値」と「社会価値」の拡大に貢献していく考えを力強く語った。
竹森社長は経営方針説明の中で、「人口が減少する日本社会では、より良い習慣づくりは持続的な市場成長を実現する極めて有効な道筋の1つだと考えている。この考えの下、当社は2021年に中長期経営戦略フレーム『Vision2030』を発表した。これは習慣づくりを通じて人々の心と身体のヘルスケア、そして、地球環境の保全に貢献し、社会の価値を創出することを目指すと同時に、習慣づくりを進化・拡大させることによって、2030年には売上高6000億円、事業利益500億円水準の規模までの成長を目指している。
『Positive Habits』を確実に連続的に生み出していくために、お客様の習慣に対する研究・創造、評価のための組織能力をライオングループとしてさらに高めていく。『Positive Habits』はマーケティング戦略ではなく強みとして磨き上げていく経営戦略であり、全社一丸で達成していく」と宣言。
次に浦尾康弘ヘルス&ホームケア事業本部長がオーラルケア市場の活性化に向け、製品選びに基準がない25%の層に向けた新アクションを起こすことを表明し、そのオーラルケアの取組みと新ブランド「OCH-TUNE(オクチューン)」について大塩繁生オーラルケア事業部長が説明した。
この後、三國正晴ヘルス&ホームケア営業本部長が営業方針を説明、24年度は高付加価値化の加速と汎用品の売り方改善に取り組む考え方等を表明した。
花王、23年1~12月期連結業績発表 減収減益も収益性が大きく改善
花王は2月7日、「2023年12月期」の連結業績を発表した。
同期の連結業績は売上高1兆5325億7900万円(前期比1.2%減、実質3.8%減)、営業利益600億3500万円(45.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益438億7000万円(49.0%減)の減収減益となったが収益性とROICを重視した結果、中核部門の営業利益と利益率が向上し、営業キャッシュフローも大幅に改善した。
構造改革費用を除いたコア営業利益は1147億600万円(4.2%増)、コア営業利益率は7.5%(前期7.1%)と改善した。
長谷部佳宏社長は、同期決算について、事業ポートフォリオ経営を推進し、構造改革をほぼ予定通りに完遂(ベビー用紙おむつ事業の整理断行、「ヘルシア」「ニャンとも清潔トイレ」の譲渡契約締結、人財構造改革等)をしたこと、原材料価格上昇を戦略的値上げで価格転嫁しながら、高付加価値化とシェアの向上の両立を図り、収益性を大きく改善したこと、日本のトイレタリー事業が躍進したこと、中期経営計画「K27」を策定し、グローバルで強くて良い事業を擁立する「グローバル・シャープトップ戦略」に基づき、人財と事業の両面を推進したこと、2024年度は、事業ポートフォリオ経営をさらに進展させ、事業変革領域にある事業の安定収益・成長ドライバー領域への転換をすること――を挙げた。
2024年12月期の業績予想は、売上高1兆5800億円(前期比3.1%増)、コア営業利益1300億円(13.3%増)、営業利益1300億円(116.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益980億円(123.4%増)。
P&Gジャパン、同社初の一般向けビジネススクールを開校
P&Gジャパンは2月7日、都内で記者発表会を開き、同社初となる一般向けビジネススクール「P&Gビジネススクール」を5月9日に開校し、P&Gが人材育成で長年培ってきた“P&G流・戦略的コミュニケーション”の手法を「シン・コミュニケーション力習得プログラム」として無償提供すると発表した。
ヴィリアム・トルスカ社長はあいさつの中で、「P&Gでは、社員こそが最も重要な経営資産であると考えている。また人材育成はP&Gにとって重要なグローバル戦略であり、社員のキャリアを伸ばし、能力を高めることは長期的なビジネス構築の重要な要素だと捉えている。これは日本においても同様でP&Gジャパンは昨年、設立50周年を迎えたが、この間、事業成長を牽引するリーダーの育成に注力してきた。そして、次の50年に向けて新たなスタートを切るのを機に、長年培ってきた人材育成の知見について当スクールを通じて日本の社会に還元し、日本の未来に良い影響をもたらしたい」と述べた。
続いて、市川薫人事統括部門シニアディレクターが「P&Gビジネススクール」の実施概要について説明。それによると、「シン・コミュニケーション」のポイントは①相手の行動を促すための「コミュニケーションの目的」を明確にすること②「どのように伝えるか(HOW)」だけでなく、「伝える相手(WHO)」を深く理解した上で、「伝えるべきこと(WHAT)」を構築すること③「個々の能力を最大限に引き出す」――の3点で、ビジネスシーンだけでなく日常生活でも活用できる。プログラムは「管理職向けコース」と「すべての方向けコース」の2コースを用意。現在、第1期参加者を同社ウェブサイト内応募ページにて募集中。参加費は無料。講師は同社社員が務める。
続いて、特別ゲストとして元P&Gジャパン社長で現・グーグル(Google日本法人)代表の奥山真司氏が登壇してトルスカ社長とのトークショーが行われ、この後、「シン・コミュニケーション力習得プログラム」のダイジェスト版模擬研修が報道陣に公開された。
Genky DS、24年6月期第2四半期業績発表 営業利益・経常利益共2桁増
Genky DrugStoresは2月2日、「2024年6月期第2四半期決算説明会」を都内で開催。藤永賢一社長(写真右)と常見武史執行役員財務・IR部長が出席し、上期概況や事業戦略の進捗などについて説明を行った。
同社上期連結決算業績は、売上高919億6700万円(前年同期比9.6%増)、営業利益43億8700万円(30.4%増)、経常利益44億9500万円(26.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益30億8700万円(36.0%増)と増収増益で着地。常見部長は総括として、「既存店売上げが昨対6.6%と大きく計画を上ぶれ、好調な着地となった。特に日配品と、現在注力展開する生鮮食品が好調で強い集客力となった」と分析。その上で、「食品強化型施策で客数が伸長し、買上点数は減少したものの一点単価はプラスと好調を維持した。粗利面ではプロセスセンターのコストアップが安定化し、PBの伸長やコストコントロールも奏功、前年超え(計画通り)となった」と振り返った。
また目指す1万店舗のチェーンストア化の進捗について藤永社長は、「現在、標準とする300坪のレギュラー店への転換を促進させ、約370店舗まで拡充している。食品の売り場構成比も67%を超え、ドラッグストア(DgS)業界トップとなっている。またDgS業界唯一接客をしておらず、お客様に気軽さを感じてもらうセルフサービス化を進めている」と説明。さらにEDLP化と徹底した標準化を推進することで、7000人商圏でも集客と収益を確保できる店舗の構築を図る考えを強調した。
大木ヘルスケアHD、「2024春夏用カテゴリー提案商談会」開催
大木ヘルスケアホールディングスは2月6・7日の両日、「2024OHKI春夏用カテゴリー提案商談会」を都内で開催。期間中、1622人の取引先関係者が来場するなど盛況となった。
同提案会の特長は、会場に個々のメーカーブースを置かず、最新の市場動向を掲示するコーナーを除くと、医薬品・健康食品・コスメ&バラエティ(C&V)等7つのカテゴリーごとに自社独自の提案を施していること。
今回は同社の69の提案に対して、共同提案出展メーカー79社、商品協力メーカー233社がサポートを行い、他社にはないオリジナル売り場提案が出来上がっている。
さらに今期間中に行われた記者会見での松井秀正社長の説明によれば、「提案する小売企業に弊社営業担当者がフルアテンドし、会場の展示物をベースとしてその企業に最適な提案にカスタマイズして説明していくスタイル」であるため、昨今では、「1社の滞在時間が平均で3時間超と、じっくり見てご検討いただいている」と、来場者の反応に確かな手応えを感じていると話す。
また来場者の動向について松井社長は、「今やドラッグストア関係者だけでなく、調剤薬局チェーン、スーパーやホームセンター、通販事業者など異業種も多く来場していただいている」とし、その理由として、「今や『ヘルスケア』というカテゴリーが全小売業の中で絶対に外せないもの、外してはいけないものとなっている。従って、これから『ヘルスケア』を店頭で取り扱いたい企業にもお声がけをしている」と説明。ヘルスケア卸として、ヘルスケアの認知向上・ヘルスケア流通の進化を図っていくには幅広い業態への声掛けが重要との考えを示した。
2024年2月14日号 記事一覧
会合・発表会
- 日本DIY・HC協会、「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2024」開催説明会開催
- JCSC、全国大会開催 「SCビジネスフェア」でアイスタイルが講演
- ジェクス、「ZONEブースターシリーズ」発表会開く 快感をブースト
経営・施策
- 花王、スポーツ庁から「スポーツエールカンパニー」6年連続で認定
- デジタル避難訓練を実証実験をイオンモールいわき小名浜などで実施へ
- 小林製薬、スポーツ庁から「スポーツエールカンパニー」に認定
製品・サービス
- P&Gジャパン「ジレットヴィーナス」、日本市場参入以来初の大型改良実施
- エステー、製造後7年の長期保存可能な災害備蓄用カイロを発売
- ユニ・チャーム、「ライフリーおしり洗浄液エッセンス」施設等限定発売
- 晴香堂、芳香・消臭剤「AROMUST」「GRITZY」から新製品発売
- デンタルプロ、「デンタルプロ ポイントブラシ」リニューアル発売
- アース製薬、「ゼロノナイトG」積極展開 スーパートコジラミにも効果
- アース・ペット、「ファーストチョイス」からプレミアム「Choice S」発売
- バスクリン、「花ゆらら」から「ミモザの香り」数量限定発売
- シャボン玉石けん、無添加50周年で新ブランド立ち上げ
- 花王、「キュレル潤浸保湿パウダーバーム」新発売
- クラシエ、「いち髪 THE PREMIUM」シャンプー&トリートメント改良
- 明色化粧品、世界初処方のパウダーファンデーションなど春の新製品発表
宣伝販促
- ファイントゥデイ「TSUBAKI」、ドラマティック交通広告を7都市で展開
- コーセーコスメポート、「サンカット」新TVCMをYouTubeで先行公開
- 牛乳石鹸共進社、OSK歌劇団公演に「カウブランド赤箱」企画協賛
人事・組織
- 花王、代表取締役専務に西口徹氏が内定
- ファイントゥデイHD、子会社役員人事を発表
- あらた、役員の人事異動及び組織変更を発表
- ちふれ化粧品、朝妻久恵氏が新社長に就任
決算
- あらた、24年3月期3Q決算は増収増益 売上高、経常利益は過去最高
- ジョイフル本田、24年6月期2Q決算は新業態店舗・吉岡店出店効果で増収に
- ユニ・チャーム、2023年1~12月期連結業績は増収増益に
- マンダム、24年3月期3Q決算は海外その他セグメント好調で増収増益
- エステー、24年3月期第3四半期決算 防虫剤、手袋、カイロ低調で減収
調査・統計
- 東家同 24年1月度市況概況価格調査 安定的に販売するスタイル継続
- 経済産業省 23年1~11月度洗浄剤統計 2カ月連続の前年割れに
- 粧工会 23年1~11月化粧品統計 美容液好調も化粧水は前年割れ
- 日本家族計画協会、【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2024発表
イベント・展示会
- J-NET中央、「第84回MDF」開催 362社・764人が来場
- 新報メディア 第3回業界発展戦略セミナー開催
- BEAMS JAPANと牛乳石鹸共進社、「銭湯のススメ」都営バスとコラボ始動
時評・コラム
- 時評 大手主導の小売り再編に注目
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