2023年12月20日号掲載記事より
本紙が選ぶ2023年10大ニュース
2023年も年末に入り、間もなく、新しい年を迎える。今年は3年以上に及んだコロナ禍から抜け、通常の生活が戻り、先送りされていた消費の回復もあった。だが、地球環境温暖化による異常気象、物価高、切迫してきた物流2024年問題、人手不足など企業活動に影響を与える懸念材料は山積しており、不透明感は依然として続いている。そうした中、日用品業界では多くのメーカーが高騰する原材料価格を吸収するため値上げを実施し、原材料価格が落ちついたこともあり、総体的には収益の改善が進んだと言えよう。商品単価が上昇し、流通業には売上・利益にプラスの効果もあった。また、メーカーのトップ交代が相次ぎ、VUCAと呼ばれる混沌とした時代に成長の次の一手に注目が集まっている。このような1年の出来事や話題から本紙が10大ニュースを次の通り選定した。
①コロナ5類へ移行、日常生活が戻り、外出需要活発化
②記録的な猛暑と残暑が市場に影響
③原材料価格が高止まり、商品価格の値上げ継続
④相次ぐ製・配のトップ交代、若返りが進展
⑤小売業、卸売業の好決算が目立つ
⑥衣料用洗剤に高付加価値商品が相次ぎ登場
⑦物流2024年問題への対応急務
⑧全卸連、森友徳兵衛会長が逝去
⑨広がるジェンダー平等、ダイバーシティ
⑩地域卸の全国ネットワーク組織・サプリコが設立20周年
シャボン玉石けん、24年に本社機能の一部を小倉の商業施設内に移転
シャボン玉石けんは、2024年に無添加石けんの製造・販売に切り替えて50周年を迎える。これを機に同社は福岡県北九州市若松区にある工場を拡張し、さらなる生活者のニーズに応える生産能力拡大計画に着手する。また、工場拡張に伴い、本社機能の一部を2024年6月に福岡県北九州市小倉北区の複合商業施設「リバーウォーク北九州5階」へ移転する。
新オフィスは、快適なワークスペースとくつろぎ空間を設け、効率的な業務ができる環境を整えるとともに、対話しやすい空間デザインにより、従業員同士のコミュニケーションを円滑にし、信頼関係構築や多様な情報交換の活性化、そしてウェルビーイングを高めることをコンセプトとしている。
また、成長戦略の1つである「事業基盤の進化・強化」に向けて2022年から取り組んでいるスマートファクトリー化と合わせ、2024年から事務所跡地への工場拡張ラインの設備増強を行い、2026年完成を目途に生産能力の拡大を目指す。
西日本医療品総合展示会、来年1月23~24日に大阪で開催
大阪医療品卸商組合主催の「2024年西日本医療品総合展示会」が、来年1月23~24の両日、大阪・天満橋のOMM 2階展示大ホールで開催される。同展示会は、大阪医療品卸商組合(20社)に、中四国医療品卸商組合(7社)の共催を得て行われるもので、2024年春の新商品情報が一堂に披露される展示会として毎回注目を集めている。
今回のテーマは「大阪から日本を元気に! 笑顔溢れる暮らし提案!」。コロナ禍を脱却していく中で、大阪を拠点とする企業の集まりである同組合が、少しでも日本全体を元気にする風を送り込むことはできないか――との想いをもとに、コロナ禍を経て変貌する新たな生活様式を捉え、それに応じた製品や技術の数々を披露する。
展示会の開催に先駆け、12月6日に行われた記者会見では、松浦由治組合長が「次回の展示会は新型コロナウイルスの第5類移行後初の開催となり、2019年とほぼ同じ環境となる。この展示会が活発な商談・情報交換の場となることを期待しており、多数のご来場を願っている」と述べた。
また、2024年の市場展望については「高齢化の進行とともに、シニアケア商品への注目が更に高まると考えており、品揃えを拡充し消費者により強くアピールできる売り場作りを進めていくこと、また、昨今はインバウンド需要の回復も見られており、そうした商品の安定供給も重要となる」と語った。
ナリス化粧品、新ブランド「by365」立ち上げ 日焼け止めクリーム発売
ナリス化粧品は、ドラッグストア・量販店流通で展開するナリスアップブランドから、新ブランド「by365(バイサンロクゴ)」を立ち上げ、新しい日焼け止めの「by365 パウダリーUVクリーム」を2024年2月9日から全国のドラッグストア・量販店(一部を除く)とナリスアップ公式オンラインショップで新発売する。
「by365 パウダリーUVクリーム」の一番の特徴はテクスチャー。肌の上にのせたときは、「ぽてっ」とした水感のあるクリームが、伸ばすとスルスルと広がり、パウダーのようにさらさらな肌に。「クリームタイプの日焼け止めはべたつくことが当然」といった概念を覆す「ぽて」「さら」の後は、塗ったことを忘れてしまうほどの軽いつけ心地の日焼け止めクリーム。クリームタイプなので、しっかりと肌を覆って密着し塗り直しも快適にできる。
同品の「ぽてさら」感は、水分を抱えた「ぽてさらポリマー/アクリレーツクロスポリマー-2-Na(増粘剤)」を肌にのせたときに、状態が崩れることで染み出す水分を感じる時に生まれる「ぽてっ」と、肌表面に残る潤いの「さらっ」とした質感が合わさることで生まれる。今まで両立することができなかった潤いとさらりとした心地よさの両方を実現した新処方により、心地よく肌の上を覆いながら伸ばすことができる。
また、パウダーのように軽いタッチのクリームは、肌に伸ばすとさらさらになるだけでなく、毛穴の凸凹も埋めるため、ソフトフォーカス効果でふわっとなめらかな肌を演出する。
JACDS、敷地内薬局の基本料一律引き下げに反対 意見書を厚労省に提出
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は12月8日、都内で定例合同記者会見を開催。11月29日開催の中央社会保険医療協議会で、厚生労働省から「敷地内薬局がひとつでもあれば開設者(グループ)に属する薬局全ての調剤基本料を一律に引き下げる」とのイメージ案が示されたことに対して、「協会として強く反対」との表明を行った。
具体的には、池野隆光会長名で「特別調剤基本料の薬局を有する開設者の体制評価(イメージ)に対する意見」なる文書を厚労省に対して早急に提出する考えを示した。
文書は、「薬局評価の本来の在り方」「合理性のない懲罰的な措置」「行政の継続性・信頼性の毀損」「不適切・不透明な政策決定プロセス」「医療経済実態調査に統計的なバイアス」の5項目からなり、例えば「薬局評価の本来の在り方」では、「薬局は本来、個別にその果たしている機能に基づき評価されるべきであり、開設者の属性により評価に差を設けるべきではない。しかし、前回の診療報酬改定では300薬局以上を有するグループの薬局全てに対して薬局機能とは無関係に一律の減額措置と地域支援体制加算要件の厳格化が導入された。とりわけ地域支援体制加算は、『一定の機能を有する薬局の体制の評価』と定義されているにもかかわらず、その算定要件に調剤基本料が紐づけられ、機能や実績に応じた評価がなされていない状況で、今般の中医協ではこれを解消するための議論が全くなされていない」との指摘を行うなど、全項目でそれぞれ問題点を挙げ、具体的な反論を行っている。
2023年12月20日号 記事一覧
会合・発表会
- コーセー、「薬用雪肌精ブライトニングエッセンスローション」発表
- BCLカンパニー、化粧品ブランド「サボリーノ」改良 新商品発表会開く
経営・施策
- 日本チェーンストア協会、広報担当が選ぶ10大ニュースを発表
- エステー、花王の猫用システムトイレ「ニャンとも清潔トイレ」事業取得へ
- ツルハHD、中核会社・ツルハがB&Dを24年5月に吸収合併へ
- ライオン、生成AIと検索システム用いた「知識伝承のAI化」ツール開発へ
- 花王、和歌山工場が「緑の認定」制度SEGESから「緑の殿堂」に認定
製品・サービス
- マンダム、新ブランド「ホリーディア」自社ECサイト発売
- 花王、「8×4MENミドル」シリーズ新発売 ニオイカバー効果で加齢臭ケア
- ユニリーバ「ラックス」、マカロンボディソープ/ボディミルク発売
- 全薬販売、「オーラパールプラス」にグレープフルーツミント風味追加
- ライオン、「ソフランアロマリッチさくらの香り」今年も数量限定発売
- I-ne、インサイトケアブランド「ennthy(エンスィ)」発表
- 健美薬湯、生薬薬湯入浴剤「JIKKO」に注力
- サンギ、「アパガードセレナ」が@COSMEベストオーラルケア第1位に
宣伝販促
- 花王 「1時間1本勝負!大そうじ」キャンペーン実施で需要盛り上げる
- コーセー、「米肌 肌潤 ポアソリューション」人気声優とコラボキャンペ
- クラシエ、「いち髪」CM・「日本の四季」篇が広告賞受賞
人事・組織
- エステー、組織改定・人事異動を発表
決算
- フマキラー、24年3月期2Q決算は国内殺虫剤伸長、海外事業好調で増収
研究・開発
- ライオン、予防歯科習慣普及へ共同調査 う蝕・歯周病罹患者の予防法提案
- ライオン、消臭・防臭柔軟剤等の特許が関東地方発明表彰発明奨励賞を受賞
- 小林製薬、角栓内アクネ菌についての独自の殺菌評価方法を確立
- エステー、月経前の不調(PMS)への香りによる緩和効果を確認
調査・統計
- プラネット、「家の掃除」意識調査 大掃除は定番の“年末”が主流
- ライオン、「知らなきゃ良かった トイレの秘密シリーズ」第9弾発表
- 東家同 23年11月度市況概況価格調査 安定的に販売するスタイルは継続
- 粧工会 23年1~9月化粧品統計 化粧品合計は3カ月連続のプラス成長に
- KSP-POS 2023年11月 カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- 大塚製薬、「吉川晃司とUL・OS展」アートイベント開催
- 花王、「第14回花王こども環境絵画コンテスト」審査結果発表
施設・店舗
- 【DgS新店レポート】マツキヨココ「SHIBUYA DOGENZAKA FLAG」
- 小林製薬、デジタル部門などのオフィスを一新
訃報・葬儀
- 訃報 三木晴雄氏(玉の肌石鹸・ミヨシ石鹸相談役) 84歳
時評・コラム
- 転新欄万 円安に引きずられ続けた1年に
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