2023年11月22日号掲載記事より
プラネット、「トップセミナー」開催 メーカー・卸売業54社69名が参加
プラネットは11月15日、都内で「プラネット トップセミナー2023」を開催。メーカー、卸売業54社69名のトップが参加した。玉生弘昌会長、坂田政一社長が同社の設立の経緯から現況、サービス展開の基本姿勢や今後の活動に至るまでを詳細に説明。基調講演ではアーティストで僧侶の西村宏堂氏による「自分を自由にするために。相手を自由にするために。」のテーマで講演が行われ、講演終了後には懇親会が開かれた。
玉生会長(写真)はあいさつのなかで、1985年のプラネットの設立に至る経緯を詳細に紹介した後、現在ではメーカー851社、卸売業488社、資材サプライヤー166社と接続、商品データベース771社18万8628アイテム(23年10月現在)の業容になっていること、プラネットは業界インフラとして安定した成長を継続、「安全」「中立」「標準」「継続」「安価」の要件を満たし、レベルの高い競争ができるために標準化されたサービスを広く遍く、安価に、継続して提供していることを紹介。「業界の有志が資金を出し合い、知恵を出し合って設立した業界インフラストラクチャーである。今後も業界特化型インフラとして姿勢を正しながら協力していく」と単なる通信業者とは全く違う“業界インフラ”であることを強調した。
次に坂田社長があいさつに立ち、プラネットのサービス展開の基本姿勢と活動内容について説明。個社・業界のレベルアップを目的に、「業務効率化(標準化と業界インフラ提供)」「変化対応(法令・IT等に関わるルール調整)」「協調・共創(人財と情報の交流)」に活動してきたことや、今後も業界インフラとしての役割を果たし、さらに業界の高度化に向けて活動していくと述べた。
この後、休憩を挟み、アーティストで僧侶の西村宏堂氏による「自分を自由にするために。相手を自由にするために。」をテーマにした講演を聴講。
引き続き、懇親会が開かれ、松本俊男副社長があいさつ。ライオン・掬川正純会長の発声で乾杯し、懇談となり、PALTAC・糟谷誠一会長の中締め後、終了した。
JACDS、業界レポート報告会でDgSの方向性を提示
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は11月10日、都内で「2023年後期ドラッグストア業界研究レポート報告会」を開催。当日は、田中浩幸事務総長や中沢一隆専務理事によるドラッグストア(DgS)業界を取り巻く現状分析に加え、インテージヘルスケアによる商品動向トピックスなどが報告された。
冒頭、主催者代表として挨拶した池野隆光会長(ウエルシアHD会長)は自身の直近でのベトナム視察に関して東南アジア圏の著しい成長度合いを引き合いに出し、「平均年齢も若く国自体に活気、スピード感が感じられた。小売業も同様でスピードが大事、中でもDgSは比較的スピード感のある業態と捉えられているが現状は必ずしもそうではない」との見解を示した上で、「そこでJACDSが先頭を切ってスピード感ある運営をすることこそ、お客様に支持される業態構築につながる」と語り、健康に関心が寄せられる中、DgSの在り方、存在価値が問われていることにあらためて言及した。
その提言を受けた形となった、田中事務総長の「ドラッグストア運営と価値向上の方向性」、中沢専務理事の「ドラッグストアを取り巻く制度の動向と課題」の2つの講演は、まさしく業界を取り巻く環境変化にどう対応していくのかを教示した内容となった。
田中事務総長は「高い健康機能を持つDgSが総取りする時代になる」との分析を示した上で、今後目指すべき方向性として、①地域維持支援モデルの確立②デジタル化による店舗機能拡充・スタッフ支援③日本型セルフケアモデルの確立と海外展開を視野に入れること、を提言した。
田中事務総長の提言を補完する形で、薬事行政の動向を解説した中澤専務理事も、リモート販売の是非や零売・濫用薬の規制強化など、医薬品販売制度の見直しが行われている現況を鑑み、今後も検討会や行政の事務方との協議を重ねていく旨報告し、その進展を注視する必要性を説いた。
貝印、「いい刃の日」PRイベント 新コーポレートミッションを制定
貝印は、「いい刃の日」である11月8日、東京・銀座の観世能楽堂に報道関係者を招いて「『いい刃の日』PRイベント」を開催。遠藤浩彰社長兼COOは、今年創業115周年を機に制定した新たなコーポレートミッション「切れ味とやさしさ」や、貝印全社員が参加できる開発コンペで採択された2つのプロジェクト「TOGI CAR PROJECT」「野鍛冶承継プロジェクト」について発表。また、2025年秋発売予定の新高級カトラリーブランド「SPIRAL(スパイラル)」第1弾商品を初披露した。
遠藤社長の説明によると、新たなコーポレートミッション「切れ味とやさしさ」は、創業115年を機に理念体系を刷新し、従業員全員が共通して目指すべき新たな指標として制定された。新ミッションのもと「鋭い視点と先端の技術をもって未来を切り開き こだわりとやさしさをもって人々の営みに誠実によりそう」を使命・存在意義としている。
一方、貝印開発コンペで採択されたプロジェクト「TOGI CAR PROJECT」は、オリジナル車両(EVカー)を活用して包丁研ぎの啓発を行うというもの。また「野鍛冶承継プロジェクト」は、世界三大刃物の街・関で失われつつある野鍛冶の技と心を承継し後世に残していくことを目的とし、今後、伝統的な技法を用いた刃物の提供に繋げていく。
さらに、新ブランドの「SPIRAL」に関しては、2025年秋の発売に向けて現在、開発が進められている高級カトラリーブランドで、第1弾商品はスプーン、フォーク、ナイフ、スパヘラなど計5品を予定。デザイナーには建築家・永山祐子氏を招聘。建築家とのプロダクト開発は貝印初となる。
花王とNANO MRNA、mRNA医薬品創薬に向けた包括共同研究契約締結
花王とNANO MRNA㈱(秋永士朗社長)は、花王が独自開発した免疫制御技術「SNAREVAX(スネアバックス)」を用いた、メッセンジャーRNA(mRNA)医薬品の創薬に向けた包括共同研究契約を締結したと発表した。
「SNAREVAX」は、抗原に対して特定のタンパク質を融合した核酸配列設計を採用することで、その抗原に対する免疫応答を促進することが期待される、花王が商標登録出願中の技術である。
花王は、この新技術を活かすパートナーとしてNANO MRNAに注目。mRNA医薬品で世界の患者へ貢献したいという両社の思いが合致し、2022年から、新規mRNA医薬品開発に向けたSNAREVAXの有効性検証を共同で実施しており、同技術が優れた免疫制御機能を有することを確認してきた。
包括共同研究では、同技術を用い、アレルギー疾患をはじめとした領域において画期的なmRNA医薬品創薬に向けた研究開発を推進する。アレルギー疾患は世界的な社会課題の1つで、罹患すると著しいQOL低下を招くだけでなく、喘息の発作や食物アレルギーによるアナフィラキシーなど重篤な症状を引き起こすこともある。世界アレルギー機構(WAO)によると、世界では、2.4~5.5億人が食物アレルギーに罹患しており、世界の子供の40~50%が1つ以上のアレルゲンを持つと報告されている。また、先進工業国では50年以上にわたりアレルギー疾患の有病率が上昇し続けている。
今後、両社は、既存の医薬モダリティ(治療法)では十分な治療効果を得られない疾患に悩む人々への貢献をめざし、研究開発を推進していくとしている。
関西国際空港貨物区内の医薬品専用共同定温庫「KIX-Medica」を見学
先頃、関西国際空港内にある医薬品専用共同定温庫「KIX-Medica」を見学する機会に恵まれた。この倉庫は関西国際空港の1期空港島南側にある貨物地区に位置し、関西エアポートのグループ会社でグランドハンドリング事業を行う「CKTS」によって運営されている。
関西国際空港では国内外の様々な貨物を取り扱っているが、中でも医薬品の取り扱いは非常に多い。現在、国内の空港における医薬品貨物の取り扱いにおいては、充分なインフラが整備されていないのが現状で、特に①生鮮貨物と同じ場所で保管②十分な保管スペースがない③充電式保冷コンテナのコンセント不足④温度管理が不透明――といった問題を抱えている。そうした背景から空港内で徹底した温度管理ができる医薬品貨物専用倉庫として設置されたのが「KIX-Medica」である。
KIX-Medicaでは、①生鮮品貨物などとの導線・保管を完全分離した医薬品専用の上屋②+5℃庫(100㎡)と+20℃庫(650㎡)の計750㎡の国内最大の医薬品専用上屋③複数の監視カメラによる万全のセキュリティ体制④温度マッピングを含む徹底した温度管理⑤防虫・防鼠対策⑥防塵塗装済の床面⑦充分な充電式保冷コンテナ設備(庫内15カ所/庫外5カ所の計20カ所にコンセントを設置)――などの機能を備えている。
もう1つの大きな特長としては、国際航空運送協会(IATA)が策定した医薬品航空輸送品質認証「CEIV Pharma」の認証を取得している点である。
現在、CEIV Pharmaの認証は、国際的な医薬品輸送に不可欠な認証となりつつあるという。現在この認証を持つ国内の空港は、関西国際空港と成田国際空港の2空港のみとなっており、関西国際空港は引き続き関西、また、西日本の医薬品の輸出入の玄関口としての役割を担っていくものと見られている。
2023年11月22日号 記事一覧
会合・発表会
- 大阪卸組合、「全卸連後援セミナー」を開催 98名が出席
- 日本ヘルスケア協会、「げんきな免疫プロジェクト」参画を発表
- シャボン玉石けん、「香害・化学物質過敏症啓発講演会」を北海道で開催
経営・施策
- イオン、DCMHD実施のケーヨーへのTOBに応募 DCMHDの株式追加取得へ
- 花王「ビオレ」、渋谷区と「セイケツナガリ」取り組み開始 SIW23参加
- ライオン、「ハブラシ・リサイクルプログラム」ポスター25作品選出
- コーセー、支援するスポーツの情報発信に特化した自社サイトを開設
製品・サービス
- リブドゥコーポレーション、「リフレ」ブランドメッセージを刷新
- インテージ、消費財メーカーに向け流通データ統合・分析サービス提供開始
- 花王、「アルブラン ハンド&リップケアセラムセット」数量限定発売
- コーセーコスメポート、「クリアターン」から関西限定品など発売
- 大塚製薬、美容クリーム「インナーシグナルSCリッチクリーム」新発売
- 桃谷順天館、トレンドアイメイク「透け感アイシャドウペンシル」新発売
- センシアコスメティック、「チェルチェル」シートマスクが人気
宣伝販促
- 花王、「SOFINA iP」のブランドパーソンに高橋文哉が就任
- 小林製薬、中国版「液体ブルーレットおくだけ」開発秘話をマンガ化
- クラシエ、「旅の宿」プレゼントキャンペーン実施中
人事・組織
- コーセー、役員人事、人事異動を発表
決算
- コーセー、2023年12月期3Q決算発表 売上高9%増、海外売上比率37%に
- P&G米国本社、23/24事業年度第1四半期純売上高が前年同期比6%増
- 東邦HD、2024年3月期上期決算はコロナ製品好調で増収増益
- サミット、2024年3月期中間決算は増収増益に 売上高は過去最高
- クオールHD、2024年3月期上期連結決算は増収減益に 調剤薬局事業は増収
調査・統計
- サンスター、「健康経営」調査実施 企業内で歯科検診実施は3割に
- SHIBUYA 109 lab.「メンズトレンド大賞」発表 マンダムとの共同調査も
- 東家同 23年10月度市況概況価格調査 安定的に販売するスタイルは継続
イベント・展示会
- JCSA、「チェーンストアお買い物川柳コンテスト」作品募集開始
- コーセー、パープル・ライトアップがスタート ポップアップストアも出店
- クラシエ「プロスタイル」、トレンドヘアセミナー開催
- フェニックス、地元銭湯の1周年記念企画に協賛 「皆様石鹸」入浴剤提供
- 白十字、“高齢者施設での感染対策”テーマにセミナー開催
- 牛乳石鹸共進社が協賛、「かんさい銭湯博2023」11月22~26日開催
施設・店舗
- イオンタウン、「イオンタウン守口」12月8日にグランドオープン
時評・コラム
- 転新欄万 AIの能力の高さに圧倒されて
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