2023年11月1日号掲載記事より
ファイントゥデイ、初のオリジナル新ブランド「+ t m r」来年2月発売
ファイントゥデイは10月23日、都内で報道関係者を対象に新製品発表会を開き、「髪の本質」に着目した新へアケアブランド「+ t m r(プラストゥモロー)」を来年2月、全国発売すると発表した(@cosme STORE /@cosme SHOPPINGで11月1日先行発売)。「+t m r」はファイントゥデイ初となるオリジナル新ブランド。群雄割拠のプレミアムヘアケア市場に満を持して新ブランドを投入し、「タンパク質にはタンパク質ケア」という新たな価値提案を行う。
会でははじめに赤阪裕実日本事業本部ブランドPRマネージャーが「今回、当社初のオリジナル新ブランドとして発売する『+ t m r』は、延べ1万人の生活者の声に耳を傾けて開発した我々の熱い想いが詰まった製品である」とあいさつした後、堀内明子ブランド統括本部ブランドマネージャー、R&D本部有用性・情報開発グループの永見恵子氏が開発背景並びに製品特長を説明した。
それによると、近年、トレンドを生み出すZ/α世代を中心に、物事の「本質」を求める生活者ニーズが加速傾向にあるといわれているが、「髪」は肌と比べて「髪本来の力を引き出すようなケアをしたい」という本質志向意識が低いという。また、「髪の80%以上がタンパク質」であることを知っている人は6割以上だが、シャンプーやヘアケア選びにおいて最も力を入れているケアの第1位は「うるおい成分を髪に補うケア」(44%)で、「タンパク質成分を髪に補うケア」を選択した人は3.8%とごくわずかとなっている。
そこで同社は、「いい髪はタンパク質から、つくられる。―タンパク質にはタンパク質ケア」という新たな価値を提案するべく、「+t m r」を開発。髪の真髄である「毛幹構造」とダメージにより空洞化する髪のメカニズムに着目し、髪のしなやかさと弾性を司るわずか1.2ナノメートルの毛髪タンパク質の最小単位にまでアプローチするべく、髪の弾性を「取り戻し」、縦横無尽に結合が張り巡らされた髪の「構造を支え」、空洞化した毛髪内部を満たし補修成分を「抱え込む」という“タンパク質全方位アプローチ”の処方を実現した。
アイテムは、スムースシャンプー/トリートメント(各本体470ml、詰め替え400ml)、オーバーナイトヘアセラム(80ml)。いずれもオープン価格。
マンダムと阪大、汗が出るメカニズムの解明と制汗成分を発見 発表会開く
マンダムと大阪大学大学院薬学研究科は10月25日、大阪大学大学院薬学研究科先端化粧品科学(マンダム)共同研究講座での共同研究を通じて、ヒトが汗をかく際の詳細なメカニズムと、その発汗を抑制する効果的な成分を初めて発見したことに伴う共同記者発表会を開いた。
今回の成果は、従来の制汗技術にはない、次世代制汗技術の開発や汗腺の発汗障害にあたる多汗症の解明や治療にも役立つことが期待されている。
なお、今回の共同研究「次世代の制汗技術:ヒトエクリン汗腺の収縮を制御」は、第33回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)バルセロナ大会2023ポスター部門で最優秀賞を受賞。メカニズムの解明だけでなく、成分の制汗効果についてもヒトでしっかりと確認できていることから、マンダムと大阪大学大学院では、社会実装が期待できる点でも評価されたとの考えを示した。
研究成果のポイントは、まずヒトが汗をかく際、どのようなメカニズムで汗腺が収縮しているかを解明したことにある。また汗腺の収縮に必要な筋上皮細胞にギャップジャンクション(隣り合う細胞と細胞をつなぎ、水溶性の小さいイオンや電気的信号を通過させる細胞間結合のこと)を構成するコネキシン(ギャップジャンクションを構成するタンパク質)が多く存在し、発汗時の汗腺の収縮にはそのギャップジャンクションが大きく関与していることを発見。
更にギャップジャンクションの機能を止める阻害剤やその類縁体のグリチルリチン酸モノアンモニウム(GMA、生薬の甘草から抽出される成分)がヒトの温熱性発汗や精神性発汗を抑制することを発見した。
質疑応答では、今回の成果に基づく製品開発について、「すでに来春の製品化に向け、開発準備をしているところ」(マンダムの岡田文裕常務執行役員)との回答もあった。
JACDS、定例記者会見で「OTC医薬品普及啓発イベント」参画を報告
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は10月20日、都内事務所での定例記者会見の中で、10月6・7日に東京・神田明神で開催された「第16回OTC医薬品普及啓発イベント」(日本一般用医薬品連合会主催)への参画報告を行った。
田中浩幸事務総長によれば、4回目の出展という当日はJACDS医薬品登録販売者委員会の面々が出席し、出展ブースでは、医薬品登録販売者に関連するクイズを出題し、回答した人にマスクや健康食品などのサンプル詰め合わせをプレゼントするなど情報提供に努めた。
特に1000個用意したプレゼントが2日目の午後4時前には全てなくなるほど、盛況だったという。
また今回は、出展者が当日の来場者に対して行うプレゼンテーション企画にも初参加。「医薬品登録販売者ってどんな人」と題し、OTC薬販売に係わる医薬品登録販売者資格について10分間解説を行った。
田中事務総長は、「このプレゼンテーションはYouTubeでも生配信され、専用チャットには『勉強になった』『参考になった』などといった高評価もいただいた。また天候にも恵まれ、成果のあるOTC普及活動となった」と振り返った。
なお、来年も同イベントに参画の予定。
花王×コーセー、メイクアップ化粧品が新たにアップサイクルボールペンに
花王とコーセーは、役目を終えたメイクアップ化粧品をアップサイクルした絵具などの色材を製造・販売するモーンガータの活動に賛同し、研究所における品質追求・品質管理の過程で最終的に商品にならなかったメイクアップ化粧品を提供しているが、このほど、両社が提供した化粧品が、モーンガータにより水性ボールペン「SminkArtペン(スミンクアートペン)」(名称は、商品化の際に変更する可能性がある)に生まれ変わったと発表した。9月から試作が開始され、2024年以降両社が実施する各イベントへの提供が予定されている。
花王とコーセーは、2021年10月から、持続可能な社会の実現をめざし化粧品事業のサステナビリティ領域における協働を進めてきた。昨年4月からは、第1弾として、「化粧品プラスチックボトル水平リサイクルの取り組み」とともに、「絵の具などへの化粧品再生利用の取り組み」を推進。研究所における品質追求・品質管理の過程で最終的に商品にならなかったメイクアップ化粧品をモーンガータに提供する活動を続けている。
今回、メイクアップ化粧品のアップサイクル品に汎用性の高いボールペンが加わることで、取り組みの幅がさらに広がることが期待される。
今後、花王はメイクアップ化粧品のアップサイクル品の社内外でのさまざまな活用を通じて、サステナブルかつ化粧品ならではのきれいな色や多様な質感で、ひと味違う彩りを楽しむ機会を提供していく。コーセーはオフィシャルスポンサーとして「キッザニア東京」内に出展している「ビューティスタジオ」パビリオンで使用し、子どもたちが再利用に触れる機会の提供を予定している。
また、両社は共催で、「SminkArtペン」を活用した生活者向けの啓発イベントを実施するなど、生活者に向けたサステナビリティ領域での協働取り組みを進めていく。
UYEKI、カメムシ忌避剤「カメムシクリン」大量発生時期受けて注目集める
UYEKIが発売しているスプレーするだけで“カメムシ”を寄せつけにくくするカメムシ忌避剤「カメムシクリン」が、大量発生の時期を受けて注目を浴びている。
真冬の越冬時期を除いてほぼ「1年中見られるカメムシ」。特に越冬したカメムシが活動・繁殖する“4~7月”と越冬準備をする“9~11月”がカメムシ大量発生シーズンとして悩まされる季節になる。
今年は猛暑が続いたこともあってか、青森県内3カ所(青森・木造・八戸)において斑点コメカメムシ類(アカヒゲホソミドリカメムシ、アカスジカスミカメ)の異常発生が農林水産省より報告されているのをはじめ、東北・南関東・東海・中国・四国などの各地では発生が多いと予想されている。
同品の特長はまず、カメムシの出没場所にスプレーするだけで、カメムシを寄せつけにくくすること。窓枠や網戸にスプレーすると侵入予防にもなる。
また、殺虫成分を一切使用せず、天然由来成分を配合しているため安心して使うことができる。更にスプレーするだけで約1カ月の持続効果もある。窓枠やサッシのすき間、網戸や換気口、換気扇、物干し竿、ドレンホース、洗濯物などにスプレーするだけでカメムシを寄せつけない便利商材として人気を呼びそうだ。
2023年11月1日号 記事一覧
倒産・廃業
- イースト(千葉)が破産手続き開始 負債額約10億円
- 三久商会(広島)が経営破綻
会合・発表会
- 首都圏SM物流研究会、全国とエリア別の2部制に組織変更
- 全家協・協力会、「23製・配・合同フォーラム」開催
経営・施策
- ユニ・チャーム、ペットケア用品の生産子会社ペパーレットが新工場を建設
- uno×SUIT SQUARE、メンズスキンケア・メイク製品を店舗で販売開始
- 小林製薬、人材戦略の可視化を目的に「人的資本レポート」を公表
- 小林製薬、性教育メディアと「おりもの」の正しい教育を普及
- 桃谷順天館、困難を抱える女性を応援する大阪府の施設に化粧品を提供
製品・サービス
- ユニ・チャーム「ソフィ」、“はじめての生理”ギフトセット限定発売
- サンスター、ペット用除菌脱臭機がmipig cafe全9店舗で導入開始
- コーセー「エスプリーク」、ホリデー限定アイテム発売 明治とコラボも
- ライオン、「ソフランアロマリッチ」パッケージリフレッシュ TVCM投下
- P&Gジャパン、「ボールドジェルボール4D」新香調を発売
宣伝販促
- デンタルプロ、「磨くを変える。秋のキャンペーン」を実施
研究・開発
- ユニ・チャーム、おりものに排卵日予測に必要な黄体形成ホルモンを発見
調査・統計
- インテージ、「ハロウィン」意識調査 やること1位は「限定品購入」
イベント・展示会
- 白十字、「介護&看護EXPO」にブース出展 排泄ケア支援システムをPR
- 第127回新報クラブゴルフ大会に業界関係者39名が参加
- 伊勢半、D2Cブランド「MN」のPOP-UPイベントを東京で開催
施設・店舗
- 花王すみだ事業場が操業100周年 「インキュベーションセンター東京」へ
時評・コラム
- 時評 物価高での消費減退が怖い
その他
- 小林製薬青い鳥財団、23年度助成・顕彰先計23件を決定
特集 【卸流通・秋】
- 我が国の流通構造を中核で支える卸売業 サプライチェーンの最適化へ
- PALTAC サプライチェーン全体への価値提供に正面から取り組む
- あらた 須崎社長インタビュー 「長期経営ビジョン2030」達成へ
- 中央物産 提坂社長インタビュー マーケティング&セールス活動を強化
- 東流社 次世代型卸機能の進化へ 広域の流通システム構築
- 森友通商 森友社長インタビュー 伝統を大切にしつつ、時代の変化に対応
- ハリマ共和物産 2023年3月期は初の売上高600億円台を達成
- サプリコ 設立20周年迎え、更に活動が活発化
- こもりコーポレーション 小森社長インタビュー 今期累計売上高5%増
経営・施策
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