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2023年10月11日号掲載記事より

粧工会、発足後初となる業界紙との懇談会開く グローバル競争力を強化

粧工会、発足後初となる業界紙との懇談会開く グローバル競争力を強化

 日本化粧品工業会(粧工会)は9月29日、東京・虎ノ門の本部で、粧工会発足後初となる化粧品関係業界専門紙との懇談会を開き、粧工会の直近の取り組みなどについて説明した。(写真)
 会ははじめに、魚谷雅彦会長(資生堂)があいさつに立ち、「日本化粧品工業連合会と各地域工業会との統合再編により設立(4月1日)した粧工会は、オールジャパン体制でグローバル競争力強化やイノベーション、サステナビリティ推進に向けて取り組んでいく。その基盤となるのが、先般策定した『粧工会ビジョン2030』とこれに伴う推進戦略であり、この方針のもと今後様々な活動を展開していく。
 粧工会は発足してまだ日が浅いが、直近の大きな成果は、新統一団体として予定通り発足できたことと、2030年に向けた日本の化粧品産業の方向性を示したことである。また新統一団体として従来以上により良い工業会にしていくという一体感が生まれている。会員同士の一体感と相互理解、健全な危機感を持ちながら日本の化粧品産業の発展に貢献していく」と述べた。
 続いて各支部の活動状況が報告された後、斉藤賢一常任理事会議長(資生堂)が、「粧工会ビジョン2030」の概要について説明。それによると、同ビジョンは「化粧品の持つ力を最大限に高め、日本の先端技術と文化に基づいたJapan Beautyを世界に発信するとともに、日本の化粧品産業を人々の幸せ(well-being)とサステナビリティに貢献する産業へとさらに発展させる」(中略)というミッションのもと、「グローバル競争力の強化、サステナビリティの課題解決への貢献」と「生活者の信頼性の向上、業界全体の健全な成長・発展に貢献」――の実現を目指す。

エステー、新体制方針説明会開き、中長期戦略の方向性を発表

エステー、新体制方針説明会開き、中長期戦略の方向性を発表

 エステーは10月4日、報道関係者・機関投資家を集めて「新体制方針説明会」を開催。上月洋社長(写真)が、課題解決に向けた3つの変革テーマ(①お客様理解・社会共生に基づくスピード経営②事業ポートフォリオ戦略×組織活性化③全社一丸×やりきるチカラ)に加え、今後の経営指標、事業戦略、経営基盤改革、中長期で目指す事業の方向性など、新体制の方針について説明した。
 それによると、中長期戦略は6年後の「2030年の世界」を見据え、チャンスとリスクを織り込みながら成長戦略および経営体質強化戦略を策定するとともに、創業家の強いリーダーシップに対する「甘え」や保守的な経営、成長領域へのリソース配分が不十分であったこと、また、財務戦略や環境対応、人材戦略の遅れ、チャレンジ精神のさらなる醸成の必要性――などの課題の解決に向けて12のプロジェクトを立ち上げ、①お客様理解・社会共生に基づくスピード経営(ユニークで新しい価値提供/ESG戦略と事業の共生)②事業ポートフォリオ戦略×組織活性化(メリハリのある事業戦略/権限移譲・人事制度の抜本改革)③全社一丸×やりきるチカラ(経営情報の共有化/PDCAマネジメント/中期経営計画の開示)――の3つの変革テーマを設定した。
 その上で、資本コストや資本の収益性を高めていくことを意識した経営を実践するために、「売上高営業利益率(ROE)」を経営指標に設定し、合わせて、①聖域なき資産のスリム化②キャッシュアロケーション③成長投資(M&Aを含む)④安定配当継続――などを進めていくことを明らかにした。
 また上月社長は事業戦略、経営基盤変革についても詳細に説明。最後に「『明るく、元気に、チャレンジする!』という組織風土にしていきたい」と力強く述べ、当日同席した役員の紹介の後、質疑応答で説明会を終了した。

スギHD、2024年2月期2Q決算は売上高・各利益とも2ケタ増

スギHD、2024年2月期2Q決算は売上高・各利益とも2ケタ増

 スギホールディングスは10月4日、「2024年2月期第2四半期決算説明会」をオンラインで開催。杉浦克典社長が出席し、当期決算概況と調剤・物販各事業の進捗などについて説明した。
 杉浦社長によれば、当第2四半期連結業績は、売上高3665億6400万円(前年同期比10.3%増)、営業利益172億8700万円(11.9%増)、経常利益181億2400万円(15.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益102億6500万円(14.3%増)で、売上高・各利益とも2ケタ増となった。
 この結果について杉浦社長は「主力の調剤事業の強化と、インバウンド需要回復等によるビューティやフードの売上増による物販事業の好調」がその理由だと結論づけた。
 具体的には、「調剤事業では、外出増加やインバウンド回復が見られる中、コロナ下での受診抑制緩和の動きを捉え、処方箋応需増加に対応するために、新規開局を促進させた。また既存店の応需枚数が増加する中、調剤室や待合室を拡張するなどハード面での整備を強化した。同時に薬剤師の対人業務を重要視し、ソフト面での患者満足サービスも強化した」と説明。物販事業でも、「化粧品、UVケアや制汗剤等の季節商材が売上げをけん引し、ビューティ分野は前年比で13.9%増と大きく伸長した。フード分野も、推進する既存店改装の中で、売り場拡充や品揃え強化が奏功、12.2%増と伸長した」と、調剤・物販とも2ケタ増となった要因についてそう解説した。
 また、客単価・買上点数の向上に向け、今上期ではスギ薬局アプリを活用した、顧客ごとの最適な情報やクーポンの配信に積極的に取り組んだことを挙げ、下期では“いつでもどこでも「手のひらにスギ薬局」”のコンセプトを掲げ、引き続きDX戦略の強化を図る考えを示した。

コーセー×勇心酒造、高付加価値な化粧品づくりを合同で説明

コーセー×勇心酒造、高付加価値な化粧品づくりを合同で説明

 コーセーと勇心酒造は9月25日、勇心酒造本社(香川県綾歌郡)で合同説明会を開き、約20年間にわたる共同関係の中で生まれた高付加価値な化粧品づくりについて説明するとともに、6月に発表して話題の有効成分「ライスパワーNo.11プラス」の特長、それを配合した「ワン バイ コーセー セラム シールド」の開発背景や活況のシワ改善市場について説明した。
 はじめに雉尾英子勇心酒造理事・素材事業部部長があいさつに立ち、次に徳山孝仁勇心酒造常務経営企画部部長がライスパワーエキスについて説明した。
 それによると、バイオテクノロジーではない発酵本来の方向性で可能性を追求し、米の発酵技術を肌に良いよう発展させたのがライスパワーエキスであり、科学的に効果が証明されたものに№を振り、現在までに14種類を開発。2001年にライスパワー№11で「皮膚水分保持能改善」の認可を取得し、6月に発表したその進化版「ライスパワー№11プラス」は「肌の保湿保持能の改善」に加え、「シワ改善」の効能認可を取得したという。
 続いて、徳山常務と尾之上聡コーセー皮膚薬剤研究室室長がライスパワーエキスを生かした化粧品づくりについて対談した後、コーセー広報担当の長嶺祐希氏がシワ改善市場について説明。この後、出席者はライスパワーエキスの原液を体験。製造タンクを見学した。
 「ワン バイ コーセー セラム シールド」は、複雑化する顧客ニーズに応え、シワ改善市場の拡大をさらに加速させる商品として誕生。「ライスパワー№11プラス」配合によって、シワ改善に加えて、肌の水分保持の改善、同時にアプローチができる。バームなのにみずみずしい感触、心地よい使用感と肌内の潤いを逃がさない密封力を両立している。8月21日の発売から8月末日までの販売実績は計画比4割増。今後も「肌の水分保持能改善」「シワ改善」の両効能を訴求していくという。

リブドゥコーポ、介護のプロ向けポータルサイト「リフレラボ」開始

リブドゥコーポ、介護のプロ向けポータルサイト「リフレラボ」開始

 リブドゥコーポレーションは10月2日、紙おむつを中心とした同社商品「リフレ」を使用する介護施設・病院に向けて、日々の業務改善や悩み・困りごとの解決につながるポータルサイト「リフレラボ」(https://refre-portal.jp/)のサービスを開始した。
 同社では、日々介護施設・病院から様々な意見・要望が寄せられる中、特にスタッフのスキルアップ・教育の難しさ、業務負担の問題に大きな課題が存在すると認識している。
 また、厚生労働省公表資料にも「介護人材については、慢性的な人手不足に加え、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策や利用者が感染した場合の対応等によって、高齢者介護施設等における業務が増大」(厚労省「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について」より一部抜粋)との指摘がある。
 同社はこのような背景を受け、介護のプロのためのポータルサイト「リフレラボ」のサービスを開始。従来から会員制動画サイトにおいて紙おむつの機能や装着方法などの教育動画を中心に情報を提供してきたが、介護施設・病院の声に寄り添い、業務効率化や職場環境の風土改善にも繋がるコンテンツを追加して充実を図るとともに、今後もサービス・コンテンツを増やしていく方針だ。
 なお、「リフレラボ」は原則大人用紙おむつ「リフレ」の商品を全面採用している施設・病院向けのサービスであり、個人へのアカウント発行は行っていない。


2023年10月11日号 記事一覧

会合・発表会

  • プラネット、インバウンドセミナー開催 新たなインバウンド市場を考察

経営・施策

  • コーセー、持続的な社会の実現に向けた様々なイベントや取り組みを実施

製品・サービス

  • エステー、「脱臭炭シリーズ」リニューアル 環境対応容器を採用
  • ユニ・チャーム、「マナーウェア」“シンプルデザイン”発売
  • クロバーコーポレーション、来年の干支かたどった「迎春石鹸・辰」発売
  • バスクリン、「バスクリン モモの香り ちいかわデザイン」数量限定発売
  • クラシエ、「ナイーブ 薬用植物性 泡ハンドソープ」新デザインで発売
  • UYEKI、ウイルス対策スプレー「インフクリン」 機能・持続性に高い注目

宣伝販促

  • アース製薬、JR神田駅駅名標を「JR神田駅(アース製薬本社前)」に
  • ライオン「LION Scope」 松波晴人さんに学ぶ創造的に生きるための習慣
  • サンスター、「はぴだんぶい」限定コラボグッズ当たるキャンペーン実施
  • ライオン、「キレイキレイ」拡販へ 「PayPay」活用したキャンペーン実施
  • サンスター「ガム・ハグキラボ デンタルペースト」新CM放映開始

人事・組織

  • エステー、11月1日付の組織改定、執行役の異動・管掌変更を発表
  • ユニ・チャーム、人事異動を発表

研究・開発

  • ライオン、衣類の肌への接着性を約20%低減する新技術を開発
  • コーセー、量子コンピュータ用いた処方自動生成システムの適用範囲を拡張

調査・統計

  • プラネット 「値上げ」意識調査 物価「値上がりしていると感じる」9割
  • 経済産業省 23年1~7月度洗浄剤統計 金額横ばいも数量は前年割れに

イベント・展示会

  • ビジネスガイド社、「第68回PIショー」開催 「『販促』の未来」テーマに
  • 貝印、「やさしい切りかた教室」奈良北高等学校で特別授業実施
  • コーセー、キッザニア東京貸切り「コーセーファミリーデー」初開催
  • 貝印「AUGER」、京都で期間限定アート展 注目クリエイターの作品展示
  • 牛乳石鹸共進社、「いい風呂の日」に向け「お風呂川柳」募集
  • ホーユー、愛知県立芸術大学との産学協働事業企画展を開催

施設・店舗

  • ファンケル、銀座スクエア3階「ファンケルショップ」リニューアル

時評・コラム

  • 時評 業界紙のあるべき姿とは

特集 【コスメレポート 秋】

    経営・施策

    • 肌の乾燥が気になる季節に スキンケア化粧品の需要期が到来
    • ウェットシェービング市場 22年市場は微減も行動制限緩和で復調に期待

    製品・サービス

    • 花王「SOFINA iP」 総合皮膚科学スキンケアブランドにリブランディング
    • サントリーウエルネス 大人の男性用スキンケア「VARON」が好調
    • コーセー 薬用スティック状美容液「リンクル ダブル リペア」発売
    • コーセーコスメポート 「BLEND BERRY」からリップバルーン発売
    • ユニリーバ 「ダヴ」展開を強化 新泡ボディウォッシュ発売
    • マンダム 「ルシードエル」#質感再整シャンプー/トリートメント発売
    • 伊勢半 「KISS」ブランドリニューアル “ご自愛”できるブランドに一新
    • ダリヤ 「パルティ カラーリングミルク(黒髪用)」から新色2色登場
    • 太陽油脂 「パックスベビー」保湿クリームが売れ筋に 専門店で取扱い増
    • 明色化粧品 DETクリアから「浸透型ピール美容液」新発売
    • ファイントゥデイ uno「フェイスカラークリエイター」改良発売
    • ファンケル 無添加スキンケア「エンリッチプラス」の販促強化
    • ライオン 「フェルゼアプレミアムHPブーストフォーム」新発売
    • I-ne 「BOTANIST」リニューアル 新農密ボタニカル美容液を新配合
    • クラシエ 「肌美精」の展開強化 「アイバッグ スムースセラム」新発売
    • ナリス化粧品 リンスインシャンプー新製品3種6品を新発売
    • 近江兄弟社 無添加・低刺激処方「ベルディオ」薬用モイストシリーズ発売
    • 小林製薬 「ケアナボンひたし洗い液」新発売 鼻をひたして毛穴汚れ洗浄
    • 貝印 「アクシア」「ベスティー」売れ筋に 高機能・手ごろな価格が好評
    • フェザー安全剃刀 「ヘアカットモンスター」想定の3倍の売上げを記録
    • P&Gジャパン 「Gillette Labs角質除去バー搭載」限定モデルを発売
    • pdc 「ワフードメイド 酒粕パック グロー」など秋の新商品発売
    • ユースキン製薬 外出先でもハンドケア「ユースキン 30gチューブ」発売
    • グリーンベル 樹脂型カーラー「スイートアイラッシュカーラー」新発売
    • バイソン 「ラクイック」から「ふくだけ化粧水シート」改良発売

    調査・統計

    • インテージ 男性化粧品市場の調査結果 22年は17年比で1.5倍規模に


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。