2023年8月16日号掲載記事より
ライオン、23年1~6月期業績 増収減益も公表値は上回る 海外事業が好調
ライオンは8月8日、都内で「LPC合同決算説明会」を開き、久米裕康取締役上席執行役員、福田健吾取締役上席執行役員が「2023年12月期第2四半期」の連結業績、下期の重点取り組み、通期連結業績予想について説明した。
それによると、同期の連結業績は、売上高1928億8700万円(前期同期比4.2%増、実質2.2%増)、事業利益63億6300万円(30.0%減)、営業利益62億4400万円(56.2%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益42億9800万円(61.1%減)の増収減益だが年初公表予想値は売上高、各利益ともに達成した。
事業利益の増減要因は、増益要因として売上増減・構成変化等影響39億円、トータルコストダウン15億円、減益要因として原材料価格の影響25億円、競争費用の増加18億円、その他費用の増加38億円だった。原材料価格の影響については前年度の第4四半期をピークにコストは下がっており、下期には増益要因に転じる見通し。引き続き、①高付加価値品の導入・育成②コストダウン施策の推進③販売促進の効率化④出荷価格の引き上げ――などを推進する。
下期の取り組みは、①高付加価値新製品の導入②中国事業の成長加速③新規進出国での事業展開に向けた仕込み――の3つ。
高付加価値新製品の導入では、9月20日に「NANOX one」を発売。
中国事業の成長加速については、オンラインではOne to Oneマーケティングを強化、オフラインではエリア拡大、現地生産品の拡充を進める。
新規進出国での事業展開に向けた仕込みについては、バングラデシュで社会課題である「清潔・衛生」の実現に向け、新たな習慣づくりを通じ、各分野の需要立ち上がり期を捉えて量的成長を実現。ベトナムでは同社の製品、技術力、マーケティング力と出資先企業のビジネスモデル、ブランド力のシナジーを創出、予防習慣づくりで存在感を発揮する。
麻友、第112回見本市開催 テーマは「狭小商圏への対応2023秋・冬」
麻友は8月3~4日の2日間、ウェスタ川越(川越市新宿町)で、“狭小商圏への対応2023秋・冬”をテーマに「第112回麻友見本市」を開催。75社の取引メーカーが出展(うち新規出展8社)、盛況となった。
毎回注目を集める「提案コーナー」では、この春発売された新商品や前年比110%以上の実績を上げている売れ筋商品を紹介。また新企画として設けられた、「麻友社員一推し商品」のコーナーでは麻友の営業本部、商品本部、管理本部、販促企画室のスタッフ自身が普段使っている商品の中で一推ししたい商品を一堂に展示。商品を使ってみた感想や推奨したいポイントに関するPOPを作成し、売り場作りのヒントを提案した。
開催2日目には記者会見が開かれ、清水政弘社長は「当社の第70期(22年7月~23年6月)売上高は前年比6.2%増となった。要因は得意先スーパー、ドラッグストアの来店客が増えたことで日用品・化粧品のついで買いが増えたことが主な要因である。ただ、あらゆるモノの値段が上がる中、生活者は節約するものとそうでないものを明確に分けた“メリハリ消費”の傾向が強まっており、今後の動向に注視していかなければならない。
また、物流改革の一環として当社ではこのほど、仕入れ商品の『引き取り物流』を開始し、物流コストの削減と2024年問題をはじめとした昨今の物流課題の解決、CO2削減を図っていく。さらに新たな出荷システムを導入し、物流倉庫内のピッキング作業の生産性を約2割高める予定だ」と述べた。
花王、自社EC「My Kao Mall」で滞留在庫をアウトレット販売
花王は8月7日から、自社工場や物流拠点で出荷されることなく、やむを得ず廃棄していた日用品・一部の化粧品の滞留在庫を、双方向のデジタルプラットフォーム「My Kao」内の自社ECサイト「My Kao Mall」でアウトレット販売を始めた。これにより、自社の製品廃棄物削減をさらに推進し、資源循環型社会の実現に貢献していくとしている。
花王では限られた資源をもっとも効果的に使用し、モノづくりを行い、1人ひとりにもっとも合う商品を、必要な量だけ生産し届けるしくみの構築を進めており、その一環として需要予測の導入や商品切替方法の見直しなどにより、製品廃棄を削減する取り組みを推進している。しかし、改良やパッケージ変更のために発生した旧品や、安定供給のための製品在庫が工場や物流拠点に滞留在庫として残ってしまうという実態があり、それに対し、従来から社員販売などで製品廃棄物削減に向けた取り組みを進めていたが、それでもやむを得ず、製品の廃棄が必要な状況だった。
そこで同社は、同取り組みを理解してくれる人に向けて、8月7日から、このような滞留在庫を「My Kao Mall OUTLET」で、アウトレット価格で販売することとした。
今回の取り組みは、花王グループが推進しているESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」の重点取り組みテーマの1つ「ごみゼロ」に貢献するもの。同社は2030年までに、製品廃棄物・販促物廃棄物(未使用)の削減率を2020年比で95%削減することを目指している。
国内外の美容・コスメブランドが集結して「合同タッチアップ会」を開催
美容・コスメブランドが集結し、ブランド担当者とSNSインフルエンサー、メディア関係者が商品・サービスを体験しながら交流できる「合同タッチアップ会~COSMEブランド~」(主催・PR TIMES PRパートナー事業部)が7月24日、都内で開かれ、約150名が参加した。
「合同タッチアップ会」は、「企業とメディアが直接出会い、商品・サービスをブランド担当者と一緒に体験できる」リアルイベント。
会場では、「ファンケル」や「プリマヴィスタ」など国内コスメブランドをはじめ、注目の韓国・中国コスメなども含め20ブランド以上が出展。
参会者は、その場で商品やサービスを体験しながら、ブランド担当者から商品のポイントや使い方、開発背景などについて説明を受け、熱心に質問する姿があちこちで見られた。
企業にとっては、単体で発表会を開けるような新規情報がなくてもSNSインフルエンサーやメディアに直接商品・サービスを体験してもらうことができるため、日ごろのPR活動とは違うコミュニケーションが取れる機会となった。
Genky DrugStores、23年6月期決算は増収増益 今後は非食品販売を強化
Genky DrugStoresは7月28日、「2023年6月期決算説明会」を都内で開催。藤永賢一社長と常見武史執行役員財務・IR部長が出席し、当期概況や今後の事業戦略について説明した。
当期連結決算業績は、売上高1690億5900万円(前同比9.3%増)、営業利益67億900万円(18.2%増)、経常利益70億7900万円(16.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益47億6400万円(7.8%増)で増収増益であった。
常見氏は今業績について、「特に既存店売上げで、第4四半期で5.0%増、通期でも2.5%増と計画を大きく上振れたことが大きい。客数・客単価も前期を上回り、デフレ環境の中では評価できる」と総括。一方出店については、計画39店舗のところ30店舗と未達に終わったと説明した(期末の店舗数は409店舗)。
また、藤永社長(写真)は経営状態について、「荒利を削ってのEDLPに挑戦中だが、現在荒利益率を業界最低レベルまで下げて競争力を高め、経費率も業界最低レベルに達した。現時点で目標とする荒利と経費のコントロールがほぼ完了した」との見解を示すとともに、今後の事業戦略については、食品構成比が67%まで拡大したことを受け、「生活消耗品満載ストア」を目指す以上、次期より非食品販売の強化に取り組む意向を示し、食品との良い相乗効果で客数増につなげたい考えを示した。
2023年8月16日号 記事一覧
会合・発表会
- 日本SC協会、夏季定例記者懇談会開催 23年上期は売上げ前年超えに
経営・施策
- 花王グループ中期経営計画「K27」 資本効率の改善とグローバル展開強化
- JACDS「サーキュラーエコノミーPJ」 再生プラ配合買い物カゴを製作
- ユニ・チャーム「ソフィ」、16年連続で「ピンクリボン活動」を支援
製品・サービス
- 東洋アルミエコーP、「IHマットSOFT」デザインをリニューアル
- ユニ・チャーム、「妊活タイミングをチェックできるおりものシート」発売
- クラシエHP 「肌美精 薬用ナイトスキンケアマスク」発売
- クラシエHP、「プロスタイル」全面改良 「シェイクムース」に刷新
- エステー、「はるオンパックスAiry」パッケージリニューアル発売
- ファンケル、「マイルドクレンジングオイル」つめかえ用発売
- ウテナ、新ヘアケアブランド「ヘアリディル」発売 髪の3大悩みに着目
- ファイントゥデイ「TSUBAKI」、フラワーアーティストとコラボした限定品
宣伝販促
- サンギ、笑顔のエクササイズ「歯が命体操」を公表 動画見ながら歯みがき
人事・組織
- 森川産業、役員を選任
決算
- 小林製薬、23年12月期第2四半期は増収増益達成 DXの積極推進を表明
- ユニ・チャーム、23年12月期2Q業績発表 2Q売上高は過去最高を更新
- ジョイフル本田、23年6月期決算 売上高は横ばい、各利益は減益に
- エステー、24年3月期第1四半期決算は主要カテゴリーが低調で減収に
- アース製薬、23年12月期2Qは増収減益に 下期で積極的な取り組み実施
- I-ne、23年12月期第2四半期は過去最高売上高更新、通期業績は上方修正
調査・統計
- 東家同 23年7月度市況概況価格調査 値上げ後価格は安定
- KSP-POS 2023年7月 カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- 花王「アンリクス」、コミュニティイベントを初開催
- 大日本除虫菊、大阪府下の小学校で感染症予防啓発の学習会を開く
時評・コラム
- 泡沫 あくまで戦争をしない世界を目指し
- らいたあ キンモクセイの香りが大ブームに
その他
- ローソン、経済広報センター主催の企業広報賞で「企業広報経営者賞」受賞
特集 【洗濯用品】
- 洗濯用洗剤市場 大手メーカーが相次いで大型新製品発表
- PRページ 花王 「アタック ZERO パーフェクトスティック」新発売
- 花王 柔軟剤「ハミング消臭実感Wパワー」改良発売
- ミマスクリーンケア バイオ洗剤「緑の魔女」大容量タイプ売れ筋に
- ハイネリー 「ふわっと」でドライマーク衣類を洗おう!
- ライオン 高濃度コンプリートジェル「NANOX one」新発売
- ミツエイ 独自色の強い高付加価値商品を強化 香りやデザインにこだわり
- P&Gジャパン 「アリエールジェルボール4D」シリーズ3種改良発売
- 東邦 「ウタマロ石けん」新用途を積極提案 BtoB向け施策を強化
- サラヤ 「ヤシノミ」ランドリーシリーズをリニューアル 洗浄力アップ
- 第一石鹸 「第一石鹸 おしゃれ着用洗剤 詰替用800ml」発売
- シャボン玉石けん 洗濯石けんなど好調 “香害”の啓発活動にも注力
経営・施策
製品・サービス
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