2023年6月28日号掲載記事より
花王、蚊を駆除する新技術を発表 界面活性剤が蚊の行動を制御
花王は6月20日、都内で蚊忌避の新技術及びデング熱被害削減の取り組みに関する記者説明会を開き、界面活性剤によって蚊の行動を制御、殺虫剤を使わずに蚊を駆除する新技術を開発したと発表。また、蚊から未来の命を守るグローバルプロジェクトについて説明した。
新技術は、花王が理化学研究所と共同で、表面張力の低い界面活性剤水溶液を蚊に付着させることで蚊の飛行行動を妨げ、さらにはノックダウン状態にさせられることを見いだし、この知見を応用し、界面活性剤水溶液をミスト状にして蚊に噴霧するだけで、簡単に蚊を駆除できるというもの。界面活性剤水溶液は蚊の羽や体をすばやく覆うため、蚊が正確な飛行行動をとることができなくなり落下する可能性が考えられる。また蚊の体が水をはじくという性質は蚊の生存に必須であるため、蚊の体をぬらすという物理的な殺虫方法は抵抗性を獲得しにくいことが予測されるという。
一方、蚊から命を守るグローバルプロジェクトは、2022年からタイでスタート。「産学官連携」と「新発想の技術&商品」の両軸での活動を継続している。産学官連携の具体的な取り組みは、①コミュニティ活動②次世代への啓発③デング熱予報――など。新発想の技術&商品については、低粘度のシリコーンオイルを塗り蚊が嫌がる肌の表面を作ることで、蚊に刺されることを防ぐ新発想の忌避技術を開発。その技術を応用した「ビオレガード モスブロックセラム」を昨年6月にタイで発売。販売や寄付を通じて使用者からデング熱被害の削減だけではなく、生活の中で役立っていることを実感している声が多数挙がっている。
今後は、「未来のいのちを守る」というパーパスの下、デング熱にフォーカスし、被害が深刻な地域での活動を拡大、ビジネスの拡大に伴って寄付が増えるサステナブルなモデル構築を目指す。
セブン-イレブンJ、ウェルビーイング食品ブランド「サイクルミー」展開
セブン-イレブン・ジャパンは6月15日、東京・渋谷の会場でドットミー、三井物産と共同で、ウェルビーイング食品ブランド「Cycle.me(サイクルミー)」の新商品発表会を開催した。
「サイクルミー」は、三井物産の子会社ドットミーが展開する、体内時計に着目した時間栄養学をコンセプトに、朝・昼・夜各時間帯に合わせて栄養を摂取できるウェルビーイング食品ブランド。すでに昨年2月からセブン-イレブンでの販売を開始し、現在約1000店舗で取り扱っている。
その実績を踏まえ、全国展開が開始されることに伴い、飲料・ゼリー・プロテインバー・飲料・チョコ・スナックの12商品を追加発売する。
会見で登壇したセブン-イレブン・ジャパン執行役員企画本部ラボストア企画部部長の山口圭介氏は、まず自社の現況と照らし合わせ、「近年、女性の利用頻度は高まっているがまだまだ男性比率が高く、若年層のシェアも低下しているのが課題」と述べた上で、「価値観の多様化・複雑化など変化のスピードは過去の比ではない。当社でも“近くて便利”を掲げてきたが、今後は発想の仕方を変えてコト・イミなど物語を伴う多様な価値観の醸成が重要」との見解を示した。
その上で今回の「サイクルミー」展開に言及し、「今回発信したコト・イミは“オンとオフのスイッチ”“セルフマネジメント”“タイムパフォーマンス”などで、時間で選ぶおいしい栄養というストーリーを付加した商品となる」と説明。新たな健康観などを「サイクルミー」を通じて訴求していく考えを明らかにした。
23年1~4月小売業業態統計調査 コロナ禍を抜けた実感湧く状況へ
1~4月の4カ月にわたる各小売業団体統計調査は、ようやくコロナ禍を抜けたことを実感させる結果となった。ごく一部で前年割れはあるものの、総体として前年の売上高を上回る傾向にあり、順調な推移をみせていると言えそうだ。
ショッピングセンター(SC)は、テナントが1~4月すべてで2ケタを上回る好調ぶりをみせた。キーテナントも2ケタまではいかないとしても、4カ月とも前年を上回り、不安要素はみえてこない。
2020年、2021年と苦しんだ百貨店も、1月、2月は2ケタ増で、3月、4月も順調に推移。4月の売上高は8.6%増と14カ月連続のプラスとなった。コロナ前との比較(2019年比)では6.3%減と、前月より0.6ポイント改善し、着実に回復に向かっているという。
一方GMS・スーパーマーケットをみると、チェーンストアは2月こそ前年を割ったものの、あとの月は前年をクリアしており、スーパーマーケットも同じだ。
このような中、全国スーパーマーケット協会の増井副会長はスーパー3団体の統計調査記者発表会で4月度の状況について、「プラスの最大要因は値上げで、一品単価の上昇が続いている。一方で客数は減少傾向にある。現在、消費者が価格に敏感になってきたこともあって、そのエリアでの値ごろ感がつかみにくいとする声が多かった」と言及。また、値上げによって内食需要が再燃している地域もあり、エリアや企業によっては集客に影響が出ているとの見解を示した。
JACDS、「第23回JAPANドラッグストアショー」概要を発表
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は6月16日、ドラッグストア業界一大イベント、「第23回JAPANドラッグストアショー」の概要を公表した。
大会実行委員長は、櫻井寛氏(丸大サクラヰ薬局常務取締役)。メインテーマに、「新しい生活提案と実績、持続可能社会の実現、課題と向き合うドラッグストア~セルフメディケーションとともに歩むこれからの暮らし」を掲げた今回の開催概要は以下の通り。
会期=8月18日(金)~20日(日)※併設の「~for ビジネス」は18~19日、一般公開は19~20日▽会場=東京ビッグサイト東展示棟3~6ホール(東京都江東区有明)▽開催規模=出展数406社・1177小間(6月12日時点)▽入場料=無料
JACDSでは、今回もセルフメディケーションのさらなる理解促進と啓発のための情報発信をするとともに、健康や美容、生活に役立つ製品等を一堂に展示し、見て・体験してもらう展示会を目指すとのこと。
また展示のメインとなるのが特別企画の2つのゾーン。1つが「女性の健康は社会の未来」をテーマとした【フェムケアゾーン】で、体験コーナーや関連商品が当たるガチャコーナー、DgSのフェムケア売り場提案などを実施する。
もう1つは【食と健康ゾーン】で、前回に続き「食と健康アワード2023」を設け、新商品や注目の商品を出展社よりエントリーを募り受賞商品を表彰する。またセルフチェックコーナーも設け、楽しみながら健康への意識を深めるゾーニングとなっている。
展示はこの他、ヘルスケア・ビューティケア・SDGs・ライフケア・ホームケア・ペットケア・エンジョイライフ等の各ゾーンがあり、一般向けイベント用には「お祭り広場」も設置される。
詳細は公式サイト(https://www.drugstoreshow.jp/)まで。
ピップ、「ウエルネスフェスタ23」事前説明会開く リアル体験の場増設
ピップは6月20日、東京本部で7月12・13日の両日にTRC・東京流通センター(大田区)で開催する展示会「ウエルネスフェスタ2023」に関する事前説明会を実施した。
当日は、松浦由治社長、福井淳雄常務取締役卸事業本部長、吉野俊文MD企画推進部長らが出席し、展示内容と共に開催への想い、見どころなどをそれぞれ説明した。
多様化が進む現在を背景に生活者が何を求め、何に不便を感じているのか、その人の理想を追い、創造し、提案していくという自社の思いを込め、メインテーマに「FIT YOUR LIFE~一人ひとりの理想を創造」を掲げた今年、出展メーカーは124社、来場者目標では1400人を見込む。
松浦社長は冒頭の挨拶で、「来場者にはコロナ禍でできなかったフェイストゥフェイスの商売の大切さを感じていただき、最終的には当社提案の数々を通じて、我々やメーカーの想いが伝わる店頭を実現していただくことが生活者への最適な売り場につながると考えている」と、今展示会についての考えを語った。
続いて吉野部長が見どころと提案内容を紹介した後、福井常務が今展示会の成果をどう今後の営業活動に結び付けるかについて説明。「以前から得意先の店頭実現までやり遂げる、実践的な展示会にしたいと考えていた。そこで今回から、具体的な店頭実現に向けたクロージングな商談の機会を設けた。その得意先企業に最適な形に落とし込んだ提案をしていく」と述べ、今回をキックオフと位置づけ、継続的に取り組む考えを示した。
2023年6月28日号 記事一覧
会合・発表会
- JACDS、報告会でインテージHCが2022年度市場分析を公表
- 家洗工・安対協が合同部会開催 「起こりうる事態予測し情報発信行う」
- 機械すき和紙連・日家工、プレス懇談会開催 市況に関する説明行う
経営・施策
- セブン&アイ・HD、イトーヨーカ堂とヨークが9月に合併
- 小林製薬、社員の紹介による中途採用「リファラル採用」導入開始
- ウエルシアHD、「首里城未来基金」支援活動開始 限定商品売上から寄付
- サプリコ、3つの活動委員会を再編 新役員体制を内定
製品・サービス
- 花王「SENSAI」、最高峰スキンケア「UTM」刷新 グローバル化を加速
- ユニ・チャーム「デオトイレ」、バイオマス資源一部使用の限定品発売
- 大王製紙、「グーンまっさらさら通気」ディズニープリンセス限定品発売
- マツキヨココ×花王、「プリマヴィスタ」からディズニー100限定品発売
- 日本合成洗剤、柔軟仕上げ剤「フレグランスSoftener」改良発売
- 小林製薬、「Sawaday香るStick」から数量限定品発売
宣伝販促
- エステー、「消臭力 夏得★納得」キャンペーンを8月31日まで実施
- 第一石鹸、公式オンラインショップオープン記念キャンペーン実施中
- 小林製薬、「オードムーゲ」消費者キャンペーン実施中
人事・組織
- 日本ヘアカラー工業会、新会長に田尾大介氏(アリミノ)
- エステー、執行役の管掌変更などを発表
研究・開発
- コーセー、三次元口唇モデルを開発 より実際の口唇に近い環境で検証可能
調査・統計
- カイロ工業会、令和4年度カイロ数量動態調査 海外販売数量は半減
イベント・展示会
- マンダム、高校で身だしなみセミナー実施 男子高生が自分らしさを表現
- ユースキン製薬、夏休み親子向けイベントを8月開催 ハンドクリーム作り
- コーセー、常総学院で紫外線対策講座 野球部員に日やけ止め塗り方を紹介
- P&Gジャパンなど、女性起業家育成プログラム「P&Gアカデミー」開催
- 大木ヘルスケアHD、「23秋冬用カテゴリー提案商談会」開催
施設・店舗
- ファイントゥデイ、研究開発担う都市型ラボを東京・豊洲に開所
時評・コラム
- 時評 ポストコロナは「対面」重視で
特集 【新生活様式・関連商材】
- 「新しい生活様式」を改めて考える 手洗いなど衛生意識の啓発継続を
- 森友通商 森友社長インタビュー 「提案営業を更にブラッシュアップ」
- PRページ ライオン「リードクッキングペーパー」FSC認証製品として発売
- 花王 「ビオレu泡ハンドソープ」改良 “ながもっち泡”に
- 旭化成HP 「ジップロック」23年春ディズニーシリーズ限定発売
- ライオン 「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」アパレルブランドとコラボ
- 大王製紙 「チャムス」とコラボ 除菌できるシリーズから限定品発売
- フマキラー 「キッチン用アルコール除菌スプレー」販促キャンペ実施中
- ジョンソン 「パイプユニッシュPRO/キッチン用」新発売
- シャボン玉石けん バブルガードシリーズ好調続く 新たなニーズにも対応
- PRページ NSファーファ 「ファーファ ストーリー ドリーミー」新登場
- サンスター 「オーラツー×プロジェクトセカイ」コラボキャペーン実施
経営・施策
製品・サービス
宣伝販促
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