バックナンバー

2023年5月24日号掲載記事より

PALTAC、23年3月期決算説明会開く 売上拡大施策が奏功

PALTAC、23年3月期決算説明会開く 売上拡大施策が奏功

 PALTACは5月19日、報道関係者に向け2023年3月期決算説明会をオンラインで開いた。売上拡大施策が奏功し、売上高は過去最高を更新。一過性の先行投資となるセンター新設の影響から減益となった。また持続的成長に向けた取り組みも発表した。
 初めに6月23日付で代表取締役社長に就任予定の吉田副社長(写真中央)があいさつ。
 同社では将来に向け、発想を一気に転換していく必要性から経営陣の若返りを決めたことを前置きし、自身の今後に向けての姿勢として「不易流行」を挙げ、「不易では創業以来の“誠実と信用”“三方良し”といった過去の先輩方が守ってきたものを変えずに取り組み、流行では目まぐるしく変わる日本経済や流通業界、少子高齢化やデジタル・AIなどこれまで通りでは通用しないものに対応する中で新しい中間流通業のあり方を模索していく」と述べた。
 続いて今期決算概要並びに持続的成長に向けた取り組みについて嶋田本部長から説明があり、売上高1兆1041億5200万円(前期比5.6%増)、営業利益244億7200万円(5.6%減)、経常利益274億4000万円(4.2%減)、当期純利益192億5100万円(2.0%減)となり、売上高は計画を上回り過去最高を更新。営業・経常利益は減益もほぼ計画通りに推移したことを明らかにした。
 また中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の業績予想は、計画策定時と異なる市場環境を踏まえ数値目標を修正。一方、中期経営計画の基本方針に変更はなしとしたうえで、「持続的成長に向けた取り組み」である小売店舗の棚割り作成業務自動化への挑戦や栃木物流センター稼働(2023年2月)、2024年問題をはじめとするドライバー不足等への対応などについて詳細な説明を行った。

ウエルシアHD、共栄会総会を3年半ぶりリアル開催 新中計を説明

ウエルシアHD、共栄会総会を3年半ぶりリアル開催 新中計を説明

 ウエルシアホールディングスは5月12日、都内のホテルで「2023ウエルシアHD共栄会総会」を3年半ぶりにリアル開催。当日は会員企業関係者800人超が来場し、畑中伸介共栄会会長(あらた会長)の下、事業・会計・会員数各報告、続けて新期事業計画等議案等決議を執行。その後に松本忠久社長による新中期経営計画(~2026)の骨子説明が行われた。
 登壇した松本社長は、当期(2024年2月期)連結売上高予想を1兆2300億円と明言した上で、当期からスタートする新中期経営計画について、「最終年度(2026年2月期)において売上高1兆5000億円・経常利益率5%を達成すべく取り組んでいく。まずはその地域での未病・予防・治療・介護すべてに対応できる地域の健康ステーションの中心となり、ウェルビーイングを目指したい。さらには2030年度でのありたい姿として売上高3兆円、アセアン№1のドラッグストアを目指す」との展望を示し、数値達成には関係各社の協力が不可欠と来場者にさらなる支援を求めた。
 松本社長は達成のための重点施策として、①既存事業の進化と深化②M&A推進とグループシナジーの追求③デジタル対応④海外事業の拡大⑤組織・経営管理の高度化、の5点を挙げ、特に既存事業の進化と深化では、「今年から既存店への投資ウエートを高めていく」との方針を示し、競争力のある店舗・収益力を高め、収益力のある商品・調剤の規制改定への対応を実現すべく、取り組んでいく考えを語った。
 さらに松本社長は業界のさらなる競争激化に勝ち抜く方策として、4月6日より開始したイオン九州との協働で生まれた食品強化型店舗「ウエルシアプラス」展開開始についても言及。「スタートしたばかりだが、計画比で130%と好調な出だしとなった」と強調。今後九州エリアでは「ウエルシアモデル店舗と食品強化型店舗という2つの業態を駆使して成長戦略を講じていく」との見解を示した。

P&Gとウエルシア、「インクルーシブ・ショッピングハンドブック」開発

P&Gとウエルシア、「インクルーシブ・ショッピングハンドブック」開発

 P&Gジャパンおよびウエルシアホールディングスは、性のあり方に関わらず、LGBTQ+の消費者が安心して買い物ができる環境づくりを目指し、接客時の注意点をまとめた「インクルーシブ・ショッピング ハンドブック」を共同で開発し、多様な人々が自分らしく、安心して日々の買い物ができる環境整備に向けた取り組み「インクルーシブ・ショッピング プロジェクト」を5月15日から開始した。
 ドラッグストア業界でLGBTQ+の消費者に配慮した接客時の注意点をハンドブックとしてまとめたのは、初めての試みとなる。
 両社は昨夏より「インクルーシブ・ショッピング プロジェクト」の本格始動に向けた取り組みを進めてきたが、その一環として、自分らしく働ける職場の創造を手掛けるJobRainbowと協力し、性のあり方に関わらずLGBTQ+の消費者が安心して買い物できるよう、接客時の注意点をまとめた「インクルーシブ・ショッピング ハンドブック」を共同で開発。ハンドブックに基づいた研修をウエルシアの役員に実施し、同時に接客研修をウエルシアの店舗スタッフやP&Gのお客様相談室スタッフにも実施した。
 また5月15日には「インクルーシブ・ショッピング プロジェクト」の発表会および、多様性に配慮した接客を提案する「インクルーシブ・ショッピング ハンドブック」の発表を都内で開催。
 P&Gヴィリアム・トルスカ社長は同プロジェクトについて、「LGBTQ+を含むすべての人にとってインクルーシブな社会を作る大きな一歩となる。多様な1人ひとりにとって、インクルーシブな買い物環境の構築に役立てていただきたい」と話し、ウエルシアHD松本忠久社長は同プロジェクトを通じて「1人ひとりのお客様に価値を提供できる店舗づくりを推進し、幅広い層のお客様に選んでもらえる会社を目指す」と表明した。

花王×ライオン、再生材料を一部に使用したつめかえパックを初めて製品化

花王×ライオン、再生材料を一部に使用したつめかえパックを初めて製品化

 花王とライオンは5月16日、使用済みの容器を再び同じ種類の容器に戻す水平リサイクルにより、再生材料を一部に使用したつめかえパックを初めて製品化したと発表した。
 両社は2020年9月にプラスチック包装容器資源循環型社会の実現に向けた連携を発表。フィルム容器(つめかえパック)のリサイクルに取り組んできた。その協働の成果として、花王は衣料用濃縮液体洗剤「アタックZEROつめかえ用(1620g)」を、ライオンは洗濯用液体高濃度洗剤「トップスーパーNANOXニオイ専用つめかえ用超特大」を5月29日から順次、一部店舗にて数量限定発売する。
 今後両社は、イトーヨーカドー曳舟店、ウエルシア薬局の店頭での回収を続けながら、リサイクルに対する消費者の理解・協力を得るためにさらなる啓発活動を展開し、そのうえで、消費者の協力を得やすい分別回収のプロセスや、行政・流通と連携したより効率的な回収方法を検討していく。
 花王はつめかえパックの一括リサイクル技術の向上を、ライオンはリサイクルしやすいフィルム容器の技術開発を、各社にて進めていき、両社は引き続き、企業間あるいは業界の垣根を越えて広く自由に利用可能な設計ガイドラインを作成し、リサイクルしやすい包装容器の設計を目指すとしている。

True Data、実店舗におけるYouTube広告の売上効果検証サービスを開始

True Data、実店舗におけるYouTube広告の売上効果検証サービスを開始

 True Dataは5月23日より、消費財メーカーに向けて、実店舗におけるYouTube広告の売上効果を検証する新サービス「Poswell(ポスウェル)」の提供を開始した。
 デジタル広告の効果を検証する際には、実店舗でどれくらい売上がアップしたかを把握することがとても重要だが、クリック率などで比較的容易に売上効果が測定できるECと異なり、全国各地の実店舗における売上効果を測定する場合は、データ入手の困難さや費用面の問題から、実施していない企業も多く存在する。
 同社はこれらの課題を解決するソリューションとして「Poswell」を開発。全国のドラッグストアや食品スーパーマーケットにおける年間4.8兆円規模の購買データをもとにビッグデータプラットフォームを運営する同社が、Googleがオープンソース(GitHub)で公開しているCausal Impactという統計モデルを活用して提供。統計化した全国規模の購買データをもとに、YouTube広告の実店舗での売上効果を検証・予測する。
 同社は、この売上効果の検証サービスを、YouTube広告を対象にスタートし、将来的にはテレビCMやその他のウェブ広告など、さまざまな広告配信へと拡大していく予定。


2023年5月24日号 記事一覧

会合・発表会

  • 近石工、第73回通常総会開く 「生活必需品である石鹸・洗剤を安定供給」
  • JAHI、定期記者会見を開催 「第1回ヘルスケア研究採択」5件を発表
  • 日本浴用剤工業会、第35回定期総会開催 事業計画等の議案を審議・承認
  • 排水協、令和5年度第29回通常総会開催 昨年の販売個数は前年比97.1%
  • 大阪医療品卸商組合、創立100周年記念式典を開催し270名が出席

経営・施策

  • ライオン、「ラクトフェリン」シリーズなど日清食品に譲渡
  • 貝印、植樹とアートの融合プロジェクトに協賛 インドに教育支援
  • 花王、「ごみゼロ」「ゴミネガティブ」実現へ ロードマップや進捗発表
  • スギ薬局、自家消費型太陽光発電システムを導入 113店舗で実施
  • BULK HOMME、「コスメバンクプロジェクト」に参画

製品・サービス

  • 貝印、「紙カミソリ」を中国で販売開始 中国でも高い評価受け展開
  • 花王「プリマヴィスタ」、ディズニー100限定デザインを店舗限定発売
  • 貝印、「KOBAKO」フットケアライン数量限定品発売
  • ウテナ、「マジアボタニカ スキンコンディショナー」限定品を発売
  • コーセー「ファシオ」、ウルトラウォータープルーフタイプのマスカラ発売
  • ダリヤ、「モモリ」から「ふわっとさら髪ドライシャンプー」新発売
  • 小林製薬、「ケシミン」新処方と新パッケージでリニューアル発売
  • サンギ、「つきじおから茶」改良発売 豆腐マイスター協会推奨マーク記載
  • P&Gジャパン、「レノア煮沸レベル消臭抗菌ビーズ」リニューアル新発売
  • 小林製薬、ランジェリー用洗剤と吸水ショーツのセット品を限定発売
  • エステー、「玄関・リビング用消臭力」から愛犬・愛猫テーマ限定品発売
  • ユニ・チャーム「デオトイレ」、「消臭・抗菌サンド」などの消臭力を強化

宣伝販促

  • コーセー「ヴィセ」、新TVCM放映中 ツウィ、吉野北人が出演

人事・組織

  • あらた、連結子会社の人事異動を発表

決算

  • アルフレッサHD、23年3月期決算説明会 医療用医薬品卸売事業が好調
  • 東邦HD、23年3月期決算 医薬品卸売事業売上高が1兆3367億円と大幅伸長
  • メディパルHD、23年3月期決算 当期純利益が31.9%と大幅増益
  • バローHD、23年3月期決算 営業収益が過去最高7599億円に
  • マンダム、23年3月期業績 連結売上高2ケタ増 利益すべて黒字転換
  • ハリマ共和物産、23年3月期は増収増益 売上高が初の600億円台に
  • 中山福、23年3月期連結業績は減収減益 プラ日用品製造事業売上増
  • I-ne、23年12月期1Q業績は大幅増収 ヘアケア系カテゴリーが好調
  • レック、23年3月期連結業績を発表 増収減益で推移

調査・統計

  • 東家同 23年4月度市況概況価格調査 原燃料の上昇等で値上げ続く
  • 花王、メイクに対する意識や行動調査 マスク外す機会増える今後に向けて
  • 西化工 23年1月化粧品統計 23年は2ケタ減でスタート 化粧水など不振

イベント・展示会

  • エステー、植樹会と木育教室を実施 ほっかいどう企業の森林づくり協定で

施設・店舗

  • ファンケル、旗艦店「銀座スクエア」がオープン20周年迎える

時評・コラム

  • 泡沫 自由・公平で多様性を守る動きの先頭に

特集 【歯と口の健康週間】

    経営・施策

    • オーラルケア市場は堅調な推移が継続 高付加価値商品への支持高まる
    • 歯磨工、歯と口の健康に関する正しい知識を啓発 ポスター配布など
    • 歯磨工 ビジョン実現に向けた活動指標を策定
    • 2023年「歯と口の健康週間」にあたって 歯磨工会長 濱逸夫

    製品・サービス

    • ライオン 「クリニカPRO」を重点製品として積極展開
    • 銀座ステファニー化粧品 「リーチ」高濃度フッ素1450シリーズ新発売
    • サンスター 人々の歯周病リスクを低減し、健康維持をサポート
    • UFCサプライ 「こどもハブラシ ブラッシィ」シリーズを積極展開
    • エビス 使用体験を重視したサンプリング施策で口コミ・リピート購入促進
    • 花王 「PureOra36500」シリーズ新発売 ハグキと歯の未来リスクケア
    • アース製薬 むし歯予防に特化した「モンダミン フッ素コート」新発売
    • サンギ 新製品「アパガードセレナ」好調な出だし見せる
    • ジェクス 「ラクレッシュEX」導入 薬用成分で歯周病を防ぐ
    • ラピス お米由来のエコ歯ブラシ「エコデント」積極展開
    • シャボン玉石けん 自然派「せっけんハミガキ」が好調 安全安心を訴求
    • ハニック・ホワイトラボ 歯膜剤「シマック」から新製品2品発売
    • 小林製薬 奥歯にも使いやすい「やわらか歯間ブラシL字カーブ」新発売
    • DHL 「ループ植毛型舌クリーナー」発売 舌に優しく、汚れをキャッチ

    宣伝販促

    • デンタルプロ 「磨くを変える。春のキャンペーン」6月1日から実施
    • サンギ 「アパガードロイヤル」25周年記念キャンペーン第1弾を実施

    調査・統計

    • 歯磨工 22年度歯磨出荷実績発表 数量減も金額は増加 単価上昇の傾向


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。