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2023年5月17日号掲載記事より

ライオン、23年12月期第1四半期は増収減益、概ね計画線上 売上高4.4%増

ライオン、23年12月期第1四半期は増収減益、概ね計画線上 売上高4.4%増

 ライオンは5月10日、都内で記者懇談会を開き、「2023年12月期第1四半期(1~3月)」の連結業績などについて説明した。
 竹森征之代表取締役兼社長執行役員(写真)の説明によると、同期の連結業績(IFRS)は売上高908億4900万円(前期比4.4%増、実質1.5%増)、事業利益25億200万円(54.7%減)、営業利益23億6100万円(77.5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益15億7800万円(80.0%減)の増収減益となった。
 売上高は海外、産業用品が牽引し、増収となったが事業利益は原材料価格の上昇や本社移転に伴う一時費用、新基幹システム償却費等により減益、営業利益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は事業利益の減益に加え、昨年1月に土地の譲渡益を計上した反動により減益となったが、年初計画に対しては概ねオンラインとなった。
 事業利益の増減要因は、売上増減・構成変化等の影響13億円、トータルコストダウンで6億円の増益要因があったものの、原材料価格の影響20億円、競争費用の増加10億円、その他費用19億円の減益要因があった。
 通期業績予想は、当初の売上高4100億円(5.2%増)、事業利益250億円(6.1%増)、営業利益250億円(13.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益175億円(20.2%減)に変更はないが、事業利益の増減要因を見直した。原材料価格の影響を40億円の増益要因として見ていたが、これを30億円少ない10億円になる見通しを示し、売上増減・構成変化等の影響を50億円から75億円、トータルコストダウンを20億円から25億円に見直し、原材料価格の影響マイナス30億円を打ち返す。

花王、23年12月期1Q業績発表 売上高0.3%増でほぼ計画通り

 花王が5月10日に発表した2023年12月期第1四半期(1~3月)の連結業績(IFRS)は売上高3477億9400万円(前期比0.3%増、実質3.8%減)、営業利益72億8700万円(68.3%減)、親会社株主の所有者に帰属する四半期利益48億1700万円(73.6%減)となった。
 売上高は0.3%増加したが営業利益は大幅に減少。トイレタリーは原材料高の影響55億円を戦略的値上げで約9割打ち返したが数量等は課題カテゴリーの売上減と昨年末からの家庭内在庫の影響もあり減少した。
 コンシューマープロダクツ事業の売上高は2653億円(0.9%増)、同事業の営業利益は原材料価格上昇の影響があり34億円(対前期98億円減)となった。
 第2四半期以降は、トイレタリーは更なる戦略的値上げを実施(7月以降本格化)、花王独自の洗濯の新しい価値を提案する新製品を発売する。高付加価値化新製品・改良品を継続的に発売、売上・利益拡大を図る。
 化粧品事業は、日本では市場を上回るプレステージブランドの成長を図る。「KANEBO」新製品による新規顧客価格、トラベルリテール拡大等。メイク市場拡大に合わせた売上拡大を目指す。「KATE」リップモンスター増産、「プリマヴィスタ」ベースメイク強化等を図る。
 通期業績予想は、売上高1兆5800億円(前期比1.9%増)、営業利益1200億円(9.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益880億円(2.3%増)。

あらた、23年3月期売上高は8期連続の過去最高更新 新中計も発表

 あらたは5月11日、2023年3月期の連結業績並びに同年度が最終年度の「中期経営計画2023」の振り返り、「長期経営ビジョン2030」の第2フェーズとなる「中期経営計画2026」(2024年3月期~2026年3月期)を発表した。
 2023年3月期の連結業績は売上高8916億円(前期比4.0%増)、売上総利益868億500万円(2.8%増)、販売管理費739億9300万円(3.2%増)、営業利益128億1200万円(0.5%増)、経常利益136億8000万円(0.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益82億2300万円(8.7%減)となった。積極的な取引拡大、カテゴリー戦略により売上高は過去最高を達成、8期連続の最高更新となった。
 利益は取引拡大を優先させたことによる一時的なマイナスが影響し、計画未達だが下期は利益面でも回復。当期純利益の減益は中国ゼロコロナ政策によるパートナー企業の業績悪化で減損処理約8億円を実施したことが影響した。
 同期が最終年度の「中期経営計画2023」(前中計)は、売上高で計画を上回ったが営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は計画を下回った。だが、前中計が始まる2020年3月期と比較すると3年間で売上高、利益ともに大きく成長した。
 「中期経営計画2026」(新中計)について須崎裕明社長は、「新中計は長期経営ビジョン2030に向けた第2フェーズとなり、前中計で仕掛けてきた施策を大きく実現する3年間となる。そして新しい仕掛けを行う3年とし、成長を加速させる。具体的には2030年3月期までに達成する計画の売上高1兆円を新中計の最終年度2026年3月期に達成させる」と成長のスピードを加速させる考えだ。
 新中計は「成長の加速」をテーマとし、「成長事業」・「基盤」・「人材」における成長戦略を加速し、「長期ビジョン2030」の売上目標の早期達成、その先を見据えた企業成長で存在感を発揮し、PBR1倍超も視野に、さらなる企業価値向上を目指していく。数値目標は2026年3月期売上高1兆円、経常利益200億円、ROE10%台、配当性向目標前倒し2024年3月期30%実現に設定した。

イトーヨーカ堂、全店に「フード&ドラッグ」を導入

イトーヨーカ堂、全店に「フード&ドラッグ」を導入

 イトーヨーカ堂は4月26日、大幅なリニューアルを敢行した「イトーヨーカドーららぽーと横浜店」(横浜市都筑区)をメディアに公開。同店を含め、今年より、同社ライフスタイル事業部が目指す方向性を「ライフスタイルの新たな形を提案」とし、独自視点を持つ“フード&ドラッグ”業態の構築を推進していくことを明らかにした。
 具体的には、食品と医薬品・化粧品・日用品、すなわち、ヘルス&ビューティケア(H&BC)を融合させた買い廻りの良い売り場を構築する。同社によれば「EDLP化によるコスパに加え、ワンストップ購入でのタイパのニーズに対応させ、当社にしか実現できない品揃えで差別化を図る」との狙いがある。
 同社では今回、H&BC展開を担うライフスタイル事業部の方向性を、「生活雑貨を重点成長領域に置き、ポートフォリオの組み換えから利益目標を達成させる」と定めた上で、従来からの課題となる「イトーヨーカ堂は食品のみを買う場所」という実態からの脱却を目指す方針を打ち出した。
 そこで“医薬品や化粧品、日用品の購入場所であることの認知を最優先に、ドラッグに負けない品揃えの構築”を図り、食品購入者のH&BC売り場(名称:「DrugCosme」)認知の向上、嗜好品の品揃え拡大、購入頻度の高い商品の価格戦略を強化、推進していくという。そのため、基本的に食品売り場に近づけた見つけやすい配置(日用品・化粧品は食品売り場のレジでも精算可)を実践している。
 同社では今後、全店で新“フード&ドラッグ”スタイルを導入する計画。現時点で18店舗に導入済みとしている。

エステー「消臭力PA」、OSAKA WHEELとコラボ 「香りの観覧車」展開

エステー「消臭力PA」、OSAKA WHEELとコラボ 「香りの観覧車」展開

 エステーはこのほど、EXPO観覧車合同会社が運営する日本一の大観覧車「OSAKA WHEEL」(大阪府吹田市)と、同社の消臭芳香剤「消臭力Premium Aroma」(以下消臭力PA)とのコラボレーションを実施し、5月15日~来年3月末まで、OSAKA WHEELのゴンドラで消臭力PAにより、香りを演出することで、プレミアムなゴンドラの搭乗空間を提供する「香りの観覧車」を展開することを発表した。
 OSAKA WHEELは、高さ日本一を誇る全高123mの大観覧車で、ゴンドラ内は冷暖房完備、全ゴンドラが床面シースルー構造となっているなど特別な非日常を感じられ、VIP観覧車やカラオケ観覧車があることでも知られている。
 今回実施される香りの観覧車とは、OSAKA WHEELのゴンドラ(VIP観覧車やカラオケ観覧車など特別仕様のゴンドラは対象外)に「玄関・リビング用消臭力PA」を設置し、香りの演出を行うことによって特別なプレミアムな空間を提供するというもの。
 香りは5月の「モダンエレガンス」を皮切りに、6月は「エターナルギフト」、7月は「ムーンライトシャボン」を予定。8月以降も人気の香りや季節限定の香りなど月替わりで異なった香りを来年3月末まで展開する。
 また、このコラボ企画を記念し、5月20日、21日に香りの観覧車の対象ゴンドラに搭乗し、インスタグラムで「#オオサカホイール」「#消臭力プレミアムアロマ」のハッシュタグをつけて投稿した人を対象に、その画面を係員に見せると、各日先着100名(合計200名)に「玄関・リビング用消臭力PA」(モダンエレガンス)をプレゼントする。


2023年5月17日号 記事一覧

経営・施策

  • エステー、8月からカイロ製品の出荷価格を改定
  • 花王、みずほ銀行など、国内最大級のバーチャルPPAを締結
  • ユニ・チャーム、埼玉工場で再生可能電力を導入
  • ライオン、連結子会社2社を合併 「ライオンエキスパートビジネス㈱」に
  • エステー、九州工場製造の「消臭力トイレ用」エコレールマーク認定商品に
  • イズミとマルヨシセンター、来年2月目標に四国地域の商品仕入など統合

製品・サービス

  • 香椎化学工業、7月1日からブランド名変更 「香椎化粧品」に
  • MILIZE、花王の「仮想人体生成モデル」使いAI健康可視化ツール開発
  • UYEKI「ダニクリン」シリーズ ダニの季節に不可欠な商品として注目
  • ユニ・チャーム、お掃除シート「ウェーブ スタートセット」期間限定発売
  • ウエ・ルコ、6タイプの酵素が効く!エリ・そで洗剤を新発売
  • 小林製薬、「噛むブレスケア」からサンリオコラボ限定品発売
  • バスクリン、「バスクリンメディカルADパウダー」一部EC限定で発売
  • ビー・エム・シー、呼吸快適「BMCライトマスク」の販売に注力
  • コーセー、「メイクキープ」シリーズから化粧下地「プライマー」発売
  • ファンケル「ディープクリア洗顔パウダーCICA&VC」、DgSで販売開始
  • 牛乳石鹸共進社、「カウブランド赤箱」数量限定「お試し3ケパック」発売
  • クロバーコーポレーション、“アロマコロジー”「アロマデュウ」好評
  • 日本製紙クレシア、「クリネックスティシュー」スヌーピー数量限定品発売
  • 明色化粧品、「薬用リンクルホワイトローション」がLDKベストバイ獲得

宣伝販促

  • ライオン、「#ニャかよしメイト募集キャンペ」 保護猫支援団体に寄付
  • バスクリン、熱中症予防のための入浴法提案サイト公開&キャンペ開催
  • 大王製紙、バンダイ「ガシャポン」に「エリエールティシュー」登場

人事・組織

  • トゥディック、新社長に宮越公一郎氏が就任
  • エステー、執行役の就任内定などを発表

決算

  • エステー、23年3月期業績発表 売上高微増も原価率上昇などで営業利益減
  • ユニ・チャーム、23年12月期1Q業績 売上高2208億円で過去最高更新
  • 小林製薬、23年12月期1Q業績 国内低調も国際事業は各エリアとも増収に
  • サミット、23年3月期決算は電気代高騰等コスト増吸収できず減益に

研究・開発

  • 花王、「コルネオスペクトル解析」技術を構築 様々な肌状態の推定可能に

調査・統計

  • 経済産業省 23年1~2月度洗浄剤統計 「石けん」「漂白剤」が好調
  • KSP-POS 2023年4月 カテゴリー別ランキング

イベント・展示会

  • ユニ・チャーム、「ソフィ みんなの生理研修」品川女子学院と共同で実施
  • UYEKI、美容と健康体験型イベントに出展 「美香柑」を実演販売
  • 貝印、「第16回スイーツ甲子園」に特別協賛

施設・店舗

  • ポーラ、化粧品専門店にポーラコーナー第1号をオープン

訃報・葬儀

  • シャボン玉石けん、坂本龍一氏の逝去に哀悼の意を表明

時評・コラム

  • 時評 スーパーはワンストップに向かえ

その他

  • 元日衛連会長・高原豪久氏(ユニ・チャーム社長)が藍綬褒章受章

特集 【H&BC/ヘアケア】

    経営・施策

    • ヘアケア市場はダウントレンドで推移 プレミアムヘアケアは順調
    • ヘアカラーリング 22年度は900億円の規模で推移 白髪用・黒髪用好調

    製品・サービス

    • 花王 「ブローネ泡カラー」改良新発売 「超浸透泡」に改良
    • コーセーコスメポート 「ジュレームiP」リフレッシュクール限定発売
    • ファイントゥデイ 「黒TSUBAKI」発売1カ月で累計出荷数121万個突破
    • マンダム 「ルシードエル」からヘアバーム今春発売
    • ライオン 「ソフトインワン」忙しい現代女性に向け提案
    • ユニリーバ 米国発のブランド「NEXXUS(ネクサス)」日本市場に上陸
    • ホーユー 「ビューティラボ ホイップヘアカラー」から人気の2色新発売
    • クラシエHP 「いち髪 THE PREMIUM」美容オイルマスクが出だし好調
    • ダリヤ 「クレオディーテ クリアリーカラー」春の新色2色が登場
    • P&Gジャパン 「パンテーン ミラクルズ」新シリーズ発売
    • I-ne 新ヘアケアブランド「アクオル」発売 水をまとったような潤い

    宣伝販促

    • ユニリーバ「ダヴ」 「#本気透明肌計画」キャンペーン実施中
    • P&Gジャパン 「WANOMI(わのみ)」新CM「艶の秘密篇」放映
    • クラシエHP ファンコミュニティサイト「mä&më time」開設

    調査・統計

    • インテージ 中・台・韓・タイの訪日予定客に調査 約8割が商品下調べ

    イベント・展示会

    • コーセーコスメポート「クリアターン」、限定POPUPイベント実施

    施設・店舗

    • ホーユー 日本初のヘアカラーミュージアムをグランドオープン


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。