2023年5月3日号掲載記事より
イオン、いなげやを11月目途に連結子会社化 緊急会見開く
イオンは4月25日、いなげや、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)と共同で、吉田昭夫社長、いなげや・本杉吉員社長、U.S.M.H・藤田元宏社長が出席のもと緊急記者会見を開催。吉田昭夫社長は席上、「すでに提携関係にあるいなげやとの経営統合について、本日、U.S.M.Hを含めた3社間で基本合意書の締結に至った」と発表した。
具体的には、今年11月を目途にいなげやの議決権51%相当の株式を取得すると同時にいなげやをイオンの連結子会社とする。さらにいなげやを、2024年11月を目途にU.S.M.Hと経営統合するにあたり、3社間で協議を開始する。
吉田社長は今締結の狙いを、スーパーマーケット(SM)事業を取り巻く昨今の厳しい環境下での課題や懸念などを解説した上で、「今後さらなる競争激化が見込まれる首都圏地域において、スピード感を持ってお客様のニーズに応え続け、地域社会と共生し、共に成長、地域の持続可能な未来を築いていくためには、関東に基盤を置く3社の関係をより一層深化させていくことが最上の道と考えた」と説明。目指す姿として「関東における売上高1兆円のSM連合」の構築を図っていく考えを示した。
一方、いなげやの本杉社長は今締結に至った理由について、「首都圏のSM市場は今後も成長が見込めると予測しているが、少子高齢化・人口減少が首都圏でも起こる我が国では単独の企業努力のみでは持続的成長を遂げることは難しいと判断した。早期にU.S.M.Hのデジタル施策との融合や物流基盤の共通化などに取り組む」と意気込みを語った。
2月末時点でのイオングループのSM店舗数は529店舗。いなげやは133店舗。
富士薬品、第18回富士共進会に770人が参集 DgS売上高は3417億円に
富士薬品グループの取引先関係企業で構成される富士共進会の「第18回総会」が4月19日、都内ホテルで開催された。会場には参加企業428社・参加者770名が参集、盛況となった。
当日は、長福恭弘共進会会長(メディセオ会長)の下、各議案が決議された総会に続き、高柳昌幸社長が2022年度のグループ連結業績(決算確定前)について売上高3733億円(前年比0.5%増)、経常利益57億円(72.0%増)との見込みを示した上で、2023年度で取り組む施策について「社内組織や評価基準の見直し、既存店改装の加速化を進める。その中には調剤併設の拡大も含まれる。また、物流の改善も課題として残っている」と語り、これら諸課題にスピード感を持って取り組んでいく意向を示した。
最後に高柳社長は、2030年度に創業100周年を迎えることを改めて紹介した上で、「節目の年を見据え、あらためて当社のブランド価値とは何かを定義する必要性を感じた。それこそ『お客様の元気な暮らしを支えるために存在する企業』であろうと考えた」と述べ、それを表した“とどけ、元気。つづけ、元気。”という新スローガンを披露して報告を締めた。
次に、羽田洋行取締役執行役員ドラッグストア事業本部長がドラッグ事業の現況を報告。同事業の2022年度(決算確定前、単体+グループ8社)売上高は3417億5400万円(0.3%増)、経常利益57億600万円(16.6%減)となる見通しを明らかにした。
インテージ、店頭販売価格の値上げ調査発表 年明以降紙製品に高騰の動き
インテージは、全国約6000店舗から収集している小売店販売データ、SRI+(全国小売店パネル調査)をもとに、食品・日用雑貨など主な消費財を対象として店頭販売価格の値上げについて調査を実施。このほど2023年3月までの調査データの分析結果を発表した。
それによると、食品では一時期ほどの大きな上がり幅はなくなってきたものの、相変わらず多くの商品で本格的な値上げが始まる前の1割、2割高という高止まり状態が続いている。その中で値上げの代表格ともいえるキャノーラ油は2020年平均と比べて188%、サラダ油は3月に入って148%と1.5倍超えも見えてきた。
一方、少し落ち着きを見せているのが小麦粉関連で、昨年後半頃から価格上昇が止まり始め、今年に入っても食パンや小麦粉、スパゲッティなどはほぼ横ばいが続いている。ただ本格値上げ前に比べると1~2割程度高くなっているため、その影響が食卓にも出ている。
さて、これまで食品に比べて大きな値上げの動きが見えにくかった日用雑貨であるが、2023年に入り紙製品に大きな動きが出てきた。昨年末まで2020年に比べてもやや安かったティッシュペーパーが113%、トイレットペーパーも急伸して113%となった。生理用品も今年の3カ月で9ポイント増の115%と数字を伸ばしている。
昨年中頃から大きな動きを見せてきたアルミホイルは3月には146%にまで到達し、ラッピングフィルムも昨年10月から高くなり2割高あたりを推移している。他にも洗濯用洗剤が3月に6ポイント増えて116%となるなど、見逃せない動きも出ている。
ユニリーバ・ジャパン、「東京レインボープライド」にブース出展
ユニリーバ・ジャパンは4月22~23日の2日間、東京・代々木公園で開催されたアジア最大級のLGBTQ関連イベント「東京レインボープライド2023」に協賛し、ブース出展した。
同社のブースでは、「Be Yourself. Colourful is Poweful」をテーマに掲げ、自身もLGBTQ+当事者であるジョイ・ホー社長のメッセージを含め、さまざまな社員や来場者(約600名)から「自分が誇らしく思うこと」に関するメッセージを“メッセージウォール”に掲示。「自分らしさ」を表現することが世界をよりカラフルに、豊かにしていくことを視覚的に訴求した。
またユニリーバ・ジャパンの制度に関する展示やレインボーロゴステッカー、製品サンプルの配布なども行い、来場者の注目を集めた。
ユニリーバは、「Be Yourself」(自分らしくあること)が、1人ひとりが最大限能力を発揮し、事業を成長させながら「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」というパーパス(目的・存在意義)を実現していく基盤であるとの考えから、エクイティ、ダイバーシティ&インクルージョンを推進してきた。日本でもパーパスを持つブランドや自分らしいキャリアや働き方を応援する制度などを通じて、LGBTQ+当事者も含めて誰もが自分らしく、誇らしく、幸せに生きることが“あたりまえ”になる社会を目指している。
全家協、協力会第47回通常総会開く 「製配の連携を密にして積極活動」
全国家庭用品卸商業協同組合(全家協)は4月20日、都内のホテルで全家協・協力会の第47回通常総会を開催した。
はじめに、岡部弘幸全家協理事長・協力会会長(岡部、写真)があいさつに立ち、「厳しい市況の中、令和4年度の全家協取扱高は270億円、前年度比107%となり、地道な値上げ交渉が実を結んだ結果だと捉えている。この数字は過去3番目の実績となり、過去最高値は平成3年の290億円であった。平成3年はバブル経済絶頂期で百貨店業界の売上高が過去最高の9.7兆円を記録した年でもある。それから失われた30年が経過した現在、こうして全家協が積極的に活動できているのもメーカー様のご協力のおかげであり、改めて御礼申し上げる。物価高や賃上げ、2024年問題といった様々な課題が我々の目の前に横たわっているが、1つひとつ確実に解決していくためにも引き続き、製配の連携を密にして全家協の活動も積極的に推進していく」と述べた。
続いて各議案の審議・承認があり、手塚圭一郎全家協副理事長(手塚商事)が展示会「リビングワンダーランド(Living Wonderland)2023」について9月6~7日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催することを発表。
小休憩を挟み、経営コンサルタントの岩崎剛幸氏による記念講演「『2023年からの経営』~タイパが変える流通・消費トレンド~」を聴講。この後、会場を移して懇親会が行われ、製配の懇親を深めた。
2023年5月3日号 記事一覧
会合・発表会
- 流通BMS協議会、記念講演会開催しカスミ・山本社長が講演
- サミット、新中計「頂(イタダキ) 2025」を発表
経営・施策
- イオンリテール、需要予測・発注システム「AIオーダー」を開発
- ライオン、温室効果ガス削減目標がSBTイニシアチブの認定を取得
- 花王、脱炭素に貢献する活動を加速 2022年の進捗を発表
- ファンケル、「山下公園再生プロジェクト」に参画 健康メニューを提供
製品・サービス
- ユニ・チャーム、「ソフィ超熟睡」シリーズから“涼肌”期間限定発売
- 花王、「アタックZERO」改良 菌の隠れ家除去する成分を最高レベル配合
- 牛乳石鹸共進社、「バウンシアボディソープ」ポンプ付お試し品限定発売
- アース製薬、効きめにこだわった虫ケア用品「ギドラクス」EC限定発売
- バスクリン、「今度は速い?!謎色アヒル隊長セット」数量限定発売
- 小林製薬、「熱中対策」シリーズから不快な暑さを和らげる新製品発売
- イオンリテール、「コペルニカ」から「酵素洗顔パウダー」新発売
- エリザベス、新ブランド「&Fam」展開 “家族で使える”がコンセプト
- ファンケル、「セブンプレミアムライフスタイルボタニカルフォース」改良
- クラシエHP、「いち髪 THE PREMIUM」限定調香品を発売
- 大王製紙、「エリエール吸収キッチンタオル」4ロール2.4倍巻発売
- ユニ・チャーム、「フィジカライフ」のパッケージデザインを刷新
- ユニ・チャーム、「シルコット フェイシャルタオル素肌おもい」発売
- クラレ、環境対応型のメタクリル樹脂版〈コモグラス〉REを開発
宣伝販促
- フマキラー、「ゴキブリ超凍止ジェット除菌プラス」新TVCM放映開始
- デンタルプロ、「磨くを変える。春のキャンペーン」6月1日から実施
- ライオン、「LION Scope」第4弾 佐々木圭一氏インタビューを公開
- クラシエHP、「いち髪 THE PREMIUM」永野芽郁出演の新CM放映中
- 貝印「AUGER」プレゼントキャンペーン実施 大迫・中井選手とコラボ
人事・組織
- PALTAC、三木田國夫氏が6月23日付で退任、名誉顧問に就任
決算
- サンエー、23年2月期決算は営業利益34.4%と大幅増益に
研究・開発
- ライオン、1日2枚、硬性グミの摂取で噛む力を高められる可能性を確認
調査・統計
- SM3団体 23年3月度統計調査発表、売上高は酒類・惣菜牽引し伸長
イベント・展示会
- 花王「バブ モンスターバブル」、五感で楽しむ新感覚オフロイベント開催
- 貝印、帽子デザインコンテストのエントリー受付中
訃報・葬儀
- 森友徳兵衛氏お別れの会に多数の参列者
時評・コラム
- 泡沫 生き残りへの道を模索する地域スーパー
- らいたあ 訪日外国人に道案内 語学力のなさを痛感
その他
- ユニ・チャーム、未来の働き方取り組む企業への賞で部門賞受賞
- ダリヤ、「サロン ド プロ」などが女性誌「LDK」で高評価
- コーセー、「コスメデコルテ」ふき取り美容液が国際的デザイン賞受賞
特集 【衛生材料】
- 衛生用品主要3カテゴリー 機能強化で快適性への訴求が強まる
- 花王 「メリーズずっと肌さらエアスルー」発売 7品をラインアップ
- 日本製紙クレシア 「ポイズ肌ケアパッド 超スリム&コンパクト」新発売
- リブドゥコーポレーション 「リフレ超うす安心パッド」店頭消化が加速
- 大王製紙 「アテント ふだんの下着に使えるパッド」新発売
- ユニ・チャーム 「ライフリーさわやか男性用快適シート」新発売
- 小林製薬 「サラサーティ」デザインコンペとリブランディングを実施
- 王子ネピア 「ネピアGenki!おむつ無料交換便」開始
- フェザー安全剃刀 「ピアニィVIOデリケートゾーン用」数量限定品発売
経営・施策
製品・サービス
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