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2023年4月19日号掲載記事より

花王、乳幼児アトピー早期発見診断技術を開発 皮脂RNAモニタリングで

花王、乳幼児アトピー早期発見診断技術を開発 皮脂RNAモニタリングで

 花王と国立成育医療研究センターは4月12日、東京・茅場町の花王本社で記者会見を開き、「皮脂RNAモニタリング技術」(既報)で乳幼児アトピー性皮膚炎(AD)の予兆を捉え、アトピー性皮膚炎の早期発見に繋がる共同研究成果を発表した。
 乳幼児期早期に発症する早期発症型ADは食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー性鼻炎など様々なアレルギー疾患を次々と発症する「アレルギーマーチ」に関連することが知られ、早期発見・診断を可能にする客観的な指標開発が求められていた。
 そうした中、花王ではあぶらとりフィルムを用いて肌を傷つけることなく皮脂を採取し、皮脂中のRNAを解析する技術「皮脂RNAモニタリング」を構築。また乳幼児において顔の湿疹状態により炎症や角化(表皮ターンオーバー)関連の遺伝子発現が変化することや、生後6カ月~5歳のADの子どもではその特徴的な分子変化を捉えられる可能性を見いだしていた。
 そこで今回の共同研究では、皮脂RNA解析ができた乳児(生後1カ月時点でAD発症の乳児11名、生後6カ月まで肌トラブルのない健常児6名)を対象に皮脂RNAモニタリングを実施したところ、生後1カ月時でもADに特徴的なRNA変化があることを確認でき、乳児でもADの状態を客観的に知ることができた。また、AD発症の兆候を検出できる可能性があることも分かった。
 今回の研究成果について花王生物科学研究所皮脂RNAプロジェクト・井上高良プロジェクトリーダーは「新事業の創成を目指す『Another Kao』のコア事業にしていきたいと考えており、医療現場で医師の医療補助としてこの技術を提供できるようパートナー企業を募っていきたい」と今後の展望を語った。

イオン、23年2月期決算説明会 営業収益9兆円台に乗る

イオン、23年2月期決算説明会 営業収益9兆円台に乗る

 イオンは4月12日、都内で「2023年2月期本決算説明会」を開き、連結業績、中期経営計画(21~25年度)2年目の進捗について説明した。
 江川敬明執行役財務・経営管理担当によると、同期の業績は、営業収益9兆1168億2300万円(前期比4.6%増)、営業利益2097億8300万円(20.3%増)、経常利益2036億6500万円(21.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益213億8100万円(228.7%増)となった。
 原材料やエネルギー価格が高騰する厳しい事業環境の中、デジタル化による利便性・生産性の向上を通じ、全社を挙げてコストコントロールに取り組み、営業収益は過去最高を更新し、9兆円台へ乗った。段階利益はいずれも増益、コロナ前水準に回復。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比約3倍となった。セグメント別では、SM、ヘルス&ウエルネス、ディベロッパー、サービス・専門店、国際の5事業が増収。営業利益はGMS、DS、ヘルス&ウエルネス、ディベロッパー、サービス・専門店、国際の6事業が増益・損益改善となった。
 中期経営計画の2年目の進捗については、吉田昭夫社長(写真)が説明。それによると、イオンの事業セグメントは2019年度比の営業利益で見ると小売事業(増益)と非小売事業(減益)に二分することができ、小売事業はコロナ禍を追い風に伸びていたが現在は落ち着きを見せ、一方、コロナ前に稼ぎ頭だった非小売事業はコロナ禍の客数減少に悩まされていたが、ウイズコロナへの以降から回復しており、コロナ前まであと一歩の水準となっている。
 そこで、小売事業は勢いを止めないためにPBの強化によるトップライン、粗利の改善、デジタル活用による生産性向上などを推進。また、省エネ投資をさらに拡大し、プラスに働かせる。これに非小売事業を重ね、グループ全体の底上げを図っていくという。

ウエルシアHD、23年2月期決算は増収増益 医薬品好調、子会社化奏功

ウエルシアHD、23年2月期決算は増収増益 医薬品好調、子会社化奏功

 ウエルシアホールディングスは4月10日、都内で池野隆光会長、松本忠久社長出席のもと「2023年2月期決算説明会」を開催。増収増益となった当該決算概況並びに市場動向、24年度からスタートする新中期経営計画などについて説明を行った。
 同社当期連結決算業績は、売上高1兆1442億7800万円(前年同期比11.5%増)、営業利益456億3500万円(6.1%増)、経常利益521億4900万円(9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益270億3000万円(2.2%増)と増収増益であった。
 松本社長は当期を振り返り、「接客を軸とした販促が奏功し、既存店売上高伸長率が好調に推移した他、コクミン・ふく薬品等の連結子会社化により、売上高・経常利益は計画を上回った」と総括した。
 また松本社長は今年度からスタートした新中期経営計画の内容について披露。「2030年でのありたい姿として“地域№1の健康ステーション”を掲げ、売上目標は3兆円を目指す。そのため、新中計では2026年2月期で売上高1兆5000億円、経常利益率5.0%、ROE15.0%以上を数値目標とする」と説明。重点施策として既存事業の深化とM&Aやデジタル化の推進、海外事業に拡大などに取り組み意向を明らかにした。
 今説明会では池野会長(写真)が直近のドラッグストア市場概況に言及。「今や市場は上位10社で売上げの7割強を占める寡占化状態だが、今後も異業種も絡めて再編は起きるだろうと予測している」と述べ、同社としても戦略を持って対応していく考えを示した。

ライオン、グループ新本社グランドオープン 4つのオフィス集約

ライオン、グループ新本社グランドオープン 4つのオフィス集約

 ライオンは4月3日、日本郵政不動産が東京都台東区蔵前一丁目において開発した「蔵前JPテラス」に本社の移転を完了し、グランドオープンした。
 同社グループは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」をパーパス(存在意義)としている。同社はこのほど、新しい習慣への気づきや共創を促すため、これまで東京エリアにあった4つのオフィスを集結し、環境にも配慮した新たな本社ビルを誕生させた。
 共創に向けた仕掛けづくりとして、新本社設計にあたっては、社員が「リアル(新本社)やテレワークで働くことを自ら選択することが生産性向上につながる」という考えのもと、3つのコンセプト①自ら選ぶ(社員1人ひとりがアクティブに選択し、ベストパフォーマンスが発揮できること)②つながる(社内外のつながりを強化、イノベーション誕生を促進すること)③ワクワクする(働く人の気持ちが高まると同時に、快適であること)――を設定し、「行きたくなるMY BEST OFFICE」を目指した。
 「アクティビティ・ベースド・ワーキング」(目的や業務内容に合わせて、自由に働く場所や時間を選択できる働き方)をもとにフロアを構築し、共創だけでなく、社員の健康も考えた設計となっている。また、同ビルは空間構成、取り組み等が評価され、建築物の総合的環境性能とともにウェルネス性能の認証を行う「CASBEE-スマートウェルネスオフィス」認証の最高ランクである「Sランク」の認定を受けており、環境にも配慮されている。

コアレックス信栄、展示即売・古紙交換会を開催 ステージイベントも盛況

コアレックス信栄、展示即売・古紙交換会を開催 ステージイベントも盛況

 コアレックス信栄は4月8~9日の2日間、「展示即売・古紙交換会」を開催。当日は吉本興業所属のお笑い芸人が参加してのパフォーマンスもあり、地域住民を中心に多くの人出で賑わった。
 同社はトイレットペーパーやティッシュペーパーを古紙100%の原料から製造するメーカーとして、“未来につながる「にっぽんの暮ら紙」”をモットーに地域や消費者に寄り添う紙づくりを実践している。
 今回のイベントは、明るい催しを提供することで笑顔と元気を届けたいとの思いで企画したもの。当日は2日間とも天候に恵まれ、ドライブスルー形式の古紙交換会やトイレットペーパー・ティッシュペーパーの展示即売をはじめ、福祉作業所出店ブース、ウクライナ支援・ちいかわ製品啓発ブース、巻紙体験コーナーなどに多くの人々が訪れた。
 ステージイベントも盛況で、吉本興業所属芸人の11月のリサ、ノーサイン、くまだまさしがワークショップやネタステージを披露。また、生パルちゃんも登場してのエスパルスダンススクール生によるオリジナルロール配布やダンスパフォーマンスも大好評だった。
 なお古紙交換は、「1ℓの紙パック5枚」または「その他の紙5kg」をトイレットペーパー1ロールと交換するというもので、2日間で紙パックや雑がみ、その他紙資源含め総重量81tが参加した地域の人々によって持ち込まれた。


2023年4月19日号 記事一覧

会合・発表会

  • 旭化成HP、「冷凍貯金のがっこう」発表会開催 福原遥が1日体験入学
  • JAHI、定例会見開き“フェムテック”テーマにワークショップ開催

経営・施策

  • 花王、プラ容器の新回収スキームの実証実験を開始 日用品水平リサイクル
  • 花王×マツキヨココ、花王製品売上げの一部を日本財団に寄付
  • シック・ジャパン、“ヒゲの多様性”推進する新しいプロジェクトを開始
  • 牛乳石鹸共進社が協賛 「COWDAY SLOPE 2023」開催
  • バスクリン、「日本の名湯」応援プロジェクト第3回目の寄付実施
  • 花王、生物多様性に関するレポート公開 アクセンチュアと共同で検討

製品・サービス

  • ライオン、介護ゲーム機「TANO-LT」を世界に紹介 展示会に初出展
  • PRページ 花王「PureOra36500」新発売 先手ケアで未来リスクに備える
  • P&G「ブラウン」、グルーミング全製品を3年ぶりに一新
  • 小林製薬、「サラサーティSARA・LI・E」デザインコンペ最優秀賞決定
  • 花王、「アタックZERO」「ハミング消臭実感」自動投入専用を新発売
  • 日本製紙クレシア、「洗って使えるペーパータオル」ポップアップ品発売
  • 大王製紙「エリス」、「M/mika ninagawa」コラボ品限定発売
  • ライオン、「LION電動アシストブラシ」新発売 付替ブラシが選べる
  • 大王製紙、「アテント夜1枚安心パッド 6回吸収/8回吸収」改良発売
  • 大王製紙、「アテント 軟便も安心パッド」新名称でリニューアル発売
  • ユニ・チャーム、「デオトイレ」消臭・抗菌シートから限定の香り発売
  • ユニ・チャーム、「チャームナップ吸水さらフィ」大入数パック発売
  • クラシエHP、「いち髪」から夏限定の香り「和ハッカの香り」発売
  • オカモト、2人にやさしい新潤滑ゼリー「before」新発売
  • コーセー、「ワンバイコーセー ポアクリアオイル」発売
  • ウテナ、「ミーアンドハー あざと毛スティック」新パッケージに改良
  • エリザベス、「リップガーディアン」が好評 先行発売で即時完売に
  • 大塚製薬「ウル・オス」、スカルプシャンプーボリュームアップ発売
  • クラシエHP、「ディアボーテHIMAWARI」ムーミンデザイン限定発売
  • クラシエHP「The Naive」、SPY×FAMILY限定デザイン発売
  • ファンケル、スキンケア製品の卸販売用パッケージをFSC認証紙に切替
  • UYEKI、「カビトルデス」シリーズが人気 カビ被害を簡単に取り除く
  • P&Gジャパン、車用の“金のファブリーズ”新発売 消臭成分最高レベル
  • 日本製紙クレシア、プレミアムな「スコッティカシミヤエレガント」発売

宣伝販促

  • フマキラー、「ゆるキャン△」でキャンペ “アウトドアにはフマキラー”
  • サンギ、ハップアール×佐野勇斗でキャンペーン オリジナル賞品当たる
  • 貝印「AUGER」、5351プールオムとコラボ 2アイテム限定販売
  • 花王、「#ごきげんをつくろう」第1弾「オフィスめぐりズム」本格稼働

人事・組織

  • 大日本除虫菊、新役員人事を発表
  • 王子ネピア、代表取締役社長に森平高行氏が就任
  • クラシエHP、取締役・監査役・執行役員を選任
  • ちふれ化粧品、役員体制を変更

決算

  • セブン&アイHD、23年2月期連結決算は営業収益、各利益とも過去最高に
  • イズミ、23年2月期業績は当初計画上回る 第二次中期経営計画を見直し

調査・統計

  • 東家同 23年3月度市況概況価格調査 安値が上昇傾向に
  • 経済産業省 23年1月度洗浄剤統計 数量・金額ともにプラスでスタート

イベント・展示会

  • アース製薬、新宿御苑の夜桜イベントをMA-Tでサポート

施設・店舗

  • RX Japan、本社を東京都中央区八重洲に移転

時評・コラム

  • 泡沫 AIが文章作成を乗っ取るって?


上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。