2023年3月22日号掲載記事より
ユニ・チャーム、「2023年度 有力卸店会」開催 39社41名が出席
ユニ・チャームは3月9日、4年ぶりとなる「2023年度 有力卸店会」を開き、39社41名が出席した。高原豪久代表取締役社長執行役員は「先手必勝!後手でも必勝!」を掲げ、共生社会の実現に向けてあらゆる努力を惜しまない姿勢を打ち出し、同社と卸業者との一体となった取り組みを更に推し進めていく姿勢を鮮明にした。
高原社長はまず、コロナ禍の3年あまりで感じた危機感・停滞感にふれつつも、衛生用品を取り扱うメーカーとしての使命を全社員が体感し、マスクや生理用品、ウェットティッシュなどでより高付加価値の商材を提供し、ライフラインを守ることに貢献できたことを成果として挙げた。
また年頭の決意として「先」に込めた想いを取り上げ、先を観て価値の創造と浸透に向け、全てに先手で取り組み、必ず2030年までに世界一となる決意を表明。先手の先見力、後手でも勝利する対応力を合体させた先見対応力の重要性を示唆した。
続いてユニ・チャームのパーパスは「SDGsの達成に貢献する」ことであり、ミッションとしての「共生社会」の実現、ビジョンである「NOLA&DOLA」の実践、価値としての「共振の経営」の実践に全力を挙げることを表明。世界中の人々が誰ひとり取り残されることなく平等で、お互いにその人らしさを支え合い、共存できる共生社会=ソーシャルインクルージョンに向け、①国や地域の特性に合わせた差別化商品②女性が輝く社会づくりのための活動――などを通して世界中での「LIFE TIME VALUE」最大化を目指すとした。
最後に高原社長は、2022年度執行役員29名の平均年齢が56.42歳であると明示、「今の50代は200年前からみると30代である」とし、「人生100年時代において、社員1人ひとりの自覚を高め、入社時の熱い志を忘れず、共生社会を実現する当事者として、代理店の皆様とともに歩みを進めていく」と結んだ。
花王、KCMK社長交代会見開く 事業と販売が一枚岩で活動
花王は3月13日、販売部門の花王グループカスタマーマーケティング(KCMK)の社長交代会見を開き、3月24日付で代表取締役社長執行役員に就任予定の中尾良雄副社長執行役員、同日付で退任予定の竹内俊昭代表取締役社長執行役員が出席した。中尾次期社長は「当社を、変化を捉え、先を読み、先手で仕掛け、競争に勝って、しっかりお客様に商品を届けられるマーケティング会社にしていきたい」との想いを力強く語った。
はじめに竹内社長があいさつに立ち、今後はメーカー、卸、小売といった業種の垣根すらなくなるような時代が来てもおかしくないとの見方を示した上で、「変化にスピーディーに対応することが我々の最大の課題であり、今後、花王の販売部門は中尾新社長を中心に新しい体制で舵を切り、その変化に対応していく。皆様にこの新体制を支えていただきたい」と述べた。
次に中尾次期社長が登壇し、「私は販売部門で13年間、事業部門で19年間、花王のよきモノづくりに携わってきた。この経験を活かし、厳しい市場環境の中、事業と販売が一枚岩になり、『国内の事業の盤石化』を図ることが私に課せられた重要なミッションと認識している」と述べた上で、環境の変化をどれだけチャンスに変えられるかがポイントで、それに伴う生活者の意識・行動変化をタイムリーに捉えて、諸施策を販売店と一緒に行えるかが鍵になるとの考えを示した。
また、中尾次期社長は、今後はデジタルを活用して効率的にターゲットにアプローチする手法が鍵になるとして、200万人強の会員がいる花王グループLINE公式アカウント「花王トクトクNEWS」を店頭での購入の一押しにつなげていくと語った。
ライオン、東京都台東区と包括連携協定を締結 持続可能な社会の実現へ
ライオンは今年、都内4カ所に分散していた同社及び一部関係会社を集約し、台東区蔵前に本社を移転。これを機に、台東区民の健康増進と地域共生及び持続可能な社会の実現に向けた地域づくりに貢献するため、3月10日、東京都台東区と相互に連携・協力する包括連携協定を締結した。
連携事項は①健康づくり・歯科保健対策に関すること②環境対策・製品再資源化に関すること③男女共同参画社会の推進に関すること④子供・若者の健全な育成に関すること⑤防災対策の推進に関すること⑥観光の振興に関すること⑦スポーツの振興に関すること――で、期間は同日から2026年3月31日まで。
具体的には「健康づくり・歯科保健対策に関すること」では保育園等の職員を対象に乳幼児期の歯科保健指導の実施や、区主催イベントの健康ブースへの出展、区や健康推進委員が主催する健康学習会への講師派遣などを行う。区民の健康づくりへの関心を高め、波及効果を持たせる活動を行う。
締結式であいさつしたライオンの小林健二郎取締役兼上席執行役員は、「本社を台東区に移転するにあたり、地域社会への貢献とその活動を通して当社グループ社員の経験とやりがいの向上を目的に様々な連携プログラムを台東区に提案させていただいたが、環境、健康、人権、防災、観光、スポーツに至るまで幅広い連携プログラムすべて前向きに取り組んでいただけることとなり、感謝するとともに身が引き締まる思いである。台東区民の皆様を巻き込みながら当社のパーパスである『より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)』を実践し、区民の皆様を少しでも豊かにしていくお手伝いをしていきたい」と述べた。
コーセー、「マスク緩和と5類移行で変わるメイクトレンド」説明会を開催
コーセーは3月10日、報道関係者を対象に「マスク緩和と5類移行で変わるメイクトレンド」についての説明会を行い、同社が予測する化粧品のトレンドの変化と同社が提案するテクニックや新商品を紹介した。
はじめに経営企画部コーポレートコミュニケーション室広報課の佐藤仁美氏がマスク緩和、コロナ5類移行に関する同社の考え方を説明。次に美容開発部ビューティクリエーションユニットヘア&メイクアップアーティストの土橋脩氏が同社提案の最旬メイクのデモンストレーションを実施。引き続き、新製品「ヴィセ ネンマクフェイク ルージュ」についてコンシューマーブランド事業部の藤田麻友香氏、研究所メイク製品研究室の森洋輔氏が説明。質疑応答で終了した。
同社の独自調査によると「3月13日以降あなたはマスクの着脱をどのように考えていますか」の設問に対し、常時着用すると回答した人が51%、TPOに応じて、または条件に応じて外していくと回答した人が49%(全国N=500〈女性400人・男性100人/18~59歳〉)だった。調査ではマスクを外すと相手の表情がわかるメリットがある一方、自分の顔を見せることに抵抗感があることがわかり、今後は「付けたり、外したり」する臨機応変型の人が増えていくと予測。こうした中、同社は「Adaptability(誰一人取り残さない)」という考え方の下、マスクに関してどのような価値観を持っていてもメイクを楽しんでもらえるような提案を行う。
具体的にはリップメイクの持つ前向きなパワーを発信するために「唇を、裸にしない。」キャンペーンを3月10日から12月31日まで展開する。対象ブランドは「エスプリーク」「ヴィセ」「ファシオ」。
イオンリテール、「フェムテック」売り場を今年300店舗に拡大
イオンリテールはこの春より、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる製品やサービスである“Femtech(フェムテック)”商材を集めた専門の常設コーナーを、本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」等300店舗に拡大、広く展開していく方針を発表した。
開始に先立ち、東京・品川シーサイド店でそのお披露目を兼ねた「店頭取材会」を開催し、企画テーマや内容、施策の展望などを同社H&BC本部ファーマシー商品部・矢野友紀氏が説明した。
今回、同店の売り場で掲げるキャッチコピーは「女性にやさしいケアをもっと。」。また訴求カテゴリーも、昨年までの「生理ケア」「体の内側ケア」「デリケートゾーンケア」に加え、新たに「妊活サポート」「吸水ケア」を追加し、全5テーマ50品目で提案する。
同社では2021年より本格的に取り組みを開始したフェムテック商材。矢野氏によれば、「当初は女性が足を止めやすい化粧品や医薬品の売り場で展開していた。アイテム的にはサプリメントが全体をけん引し、2022年の売上げは2021年比で120%だった」と振り返る。
一方で、「企業として継続的な取り組みができているのかが課題だった」とし、そこで今年は訴求カテゴリーの拡充に加え、常設売り場を持つ店舗を、昨年までの167店舗から、最終的には300店舗までに順次拡充させていくという。
2023年3月22日号 記事一覧
M&A・設立
- 日本香堂HD、仏事関連サービス業のイオを子会社化
会合・発表会
- 7&iHD、グループ戦略説明会で“食”事業の深化を明言
- 花王、「ビオレ ザ クレンズ オイルメイク落とし」発表 説明会開く
- 花王、「PureOra36500」シリーズ発表 “未来リスクケア”を提案
- 花王、「PureOra36500」新CM発表会 出演の田中みな実が登場
- 日石工組東日本支部、第4回研修会開催 テーマは「老舗企業から学ぶⅧ」
- P&Gジャパン、「ジレット」新製品 簡単シェービングと角質除去を実現
経営・施策
- ライオン、JICA通じてバングラデシュの子どもたちの衛生教育を支援
- メディパルHD、富士通AIで倉庫内ピッキング作業を効率化
- シャボン玉石けん、4月から平均6%の賃上げを実施 生活応援手当も
- エステー、「保護ネコ応援プロジェクト」開始 保護猫団体の支援など
- サンギ「アパガード」、容量・価格・パッケージ改定 キャンペーンも実施
製品・サービス
- ライオン、「CHARMY Magica速乾+ カラッと除菌」改良新発売
- ライオン「hadakara」、ひんやりクールアクアミントの香り限定発売
- アース製薬、「らくハピ くるくるバブルーン お風呂まるごと」新発売
- カメヤマ、人気の「コラボ線香」からひとまわり小さいミニサイズ新登場
- 白元アース、「ノンスメル清水香 衣類のしわとりプラス」新発売
- ユニ・チャーム、ペットケア春の新製品発売 「グラン・デリ」など
- ライオンペット、「ペットキレイごきげんケア イヌハピブラシ犬用」発売
- ライオンペット、「PETKISS歯みがきジェル アップルの香り」新発売
- ライオンペット、「ニオイをとる砂 カラーチェンジタイプ」新発売
- クラシエHP、「ディアボーテHIMAWRI」ムーミンデザイン限定発売
- FSブルーム、新しいペチュニア「カダン ファンハウス」日本初登場
- ユニ・チャーム、「ムーニーマン 汗スッキリ」限定発売
- ユニ・チャーム、「超快適マスク」大容量タイプと大きめタイプ新発売
- マツキヨココ×花王、「リーゼ泡カラー」から限定色3色発売
- ファンケル、「マイルドクレンジングオイル〈ブラック&スムース〉」発売
- ジェクス「チュチュ」、赤ちゃんの薬用口元用クリームなど新発売
- PRページ マックス 今春、高機能でトレンド性豊かな商材を新発売
宣伝販促
- クラシエHP、「いち髪」新CM「春の髪」篇放映中 永野芽郁が出演
- コーセー「雪肌精」、大谷翔平選手出演新CM「大谷VS太陽」篇放映中
- ユニリーバ「AXE」、朝倉未来があなたの夢を叶えるキャンペーン開始
人事・組織
- 花王、人事異動を発表
- 森川産業、役員を選任
調査・統計
- 東家同、23年2月度市況概況価格調査 TP再生紙など安値も上昇傾向に
- 西化工 22年1~12月化粧品統計 皮膚用・仕上用が伸長 口紅V字回復
- 経済産業省 22年1~12月洗浄剤統計 数量・金額ともプラスで着地
- KSP-POS 2023年2月 カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- 貝印、グルーミングツールブランド「AUGER」渋谷でアート展開催
- 貝印、対戦型格闘ゲームのオンラインeスポーツ大会を3月25日開催
- 牛乳石鹸共進社、「赤箱AWA-YA in KYOTO」開催 赤箱の世界観を体感
- 牛乳石鹸共進社、地元の催しに参加し「石けんふれあいイベント」開催
施設・店舗
- UYEKI、4月3日から本社を移転
訃報・葬儀
- 訃報 伊藤雅俊氏(イトーヨーカ堂創業者、7&iHD名誉会長)98歳
時評・コラム
- 泡沫 人間の魂への眼差し貫いた作家の死を悼む
その他
- エステー、「消臭力ミニチュアチャーム」を「ガシャポン」で発売へ
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。