2023年3月1日号掲載記事より
全卸連、森友徳兵衛会長が再選 全卸連スローガンは前年度から継続
全国化粧品日用品卸連合会(略称・全卸連)は2月10日、都内で「第2回正副会長会」「第3回常任理事会」「第2回流通懇談会」を開催した。常任理事会では役員改選が行われ、森友徳兵衛会長、副会長8名は重任となった。全卸連は、常任理事会が最高意思決定機関であることから、5月の総会を前に森友会長の再選が決定した。
山田悦朗専務理事によると、第3回常任理事会は、出席27名(委任状含む)で成立。「役員改選」、「2022年度各委員会活動報告」、「ボウリング大会『第4回CSSカップ』、『第4回全卸連プレゼンツ JPBA☆SSSカップ2022』の報告」、「2023年度スローガン」「2023年度スケジュール」の各議題を審議・承認した。
スローガンについては、前年度の全卸連スローガンの「全卸連!令和からの挑戦!!全卸連の価値を高めます!!!」①透明性のある取引制度に取り組みます②返品削減に取り組みます③物流課題に取り組みます④BCPに取り組みます⑤環境問題に取り組みます――を継続することとなった。
ボウリングについては、昨年11月19日~20日に開催した「第4回全卸連プレゼンツ JPBA☆SSSカップ2022」の収支報告並びに第5回の同大会を本年11月18、19日に開催することを決定した。
【全卸連役員】(順不同、敬称略)
会長=森友徳兵衛(森友通商)、副会長=中島審也(旭川石鹸販売)、芳賀愉一郎(東流社)、平木正人(エーアンドティー)、今村佳央(元三)、石原真一(イシハラ)、白石恵一(北九州共和)、東風谷誠一(あらた)、吉田拓也(PALTAC)
22年1~12月各小売業態動向 各業態で前年上回る 購買傾向に変化
コロナ禍が3年目を超え、未だ収束の兆しは見えないにしても、生活者による消費行動変化は確実にウィズコロナの方向に進みつつある。1月下旬に出揃った各小売業団体の統計調査は、まさに消費動向の変化の一端を映し出すものだ。2021年度に比較して明らかに違う動きがそこからはみえてくる。
各小売業団体から発表の2022年1~12月の統計数字をみれば、一部に前年比減がみられるものの、全般的には各業態が前年比を上回ったことが分かる。特に10月以降はすべての業態において前年をクリアしており、2019年比には届かない数字ではあったが、少しずつではあるが、コロナ禍前の状況に戻ろうとしているのがみてとれるようになった。
全体を通して、各業態の1~12月売上高前年対比をみる限りでは、明らかに2020年、2021年にあった外出自粛や在宅生活の増大から、かなりの集客減に苦しめられたSCと百貨店は、厳しい環境から抜け出しつつある。これは意外にインバウンド減少が売上高に響いたコンビニも同じとみることができるだろう。
またチェーンストアとスーパーマーケットは、巣籠もり需要の恩恵を受けた2020年の反動で苦しんだ2021年の状況はほぼ受けることなく、ウィズコロナの購買動向に乗れてきていると言える。ただ、昨年の後半に更に値上げラッシュとなった食品を中心にした買い控えが、今年の前半の売上げに与える影響は小さくないと言え、今後の動向を見守る必要はありそうだ。
I-ne、上場後初の中期経営計画発表 2025年売上高550億円目指す
I-neは2月16日、上場後初となる中期経営計画(2023年1月1日~2025年12月31日)を発表。
注力領域であるヘアケア系・美容家電の継続成長(着実な成長と安定した収益の確保を実現)を基盤に、スキンケア他の拡大(新規ブランド開発による売上の拡大)とグローバル展開の更なる成長加速(中国事業の拡大とその他エリアの開拓)を目指し、2025年12月期の業績目標を、売上高550億円、営業利益71億5000万円、営業利益率13%に設定したことを明らかにした。
また、2月10日には2022年12月期の連結業績を発表。売上高352億6900万円(24.2%増)、営業利益32億3500万円(38.5%増)、経常利益34億6900万円(48.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益19億2700万円(54.8%増)の増収増益となったことを発表。
大西洋平社長は、中期経営計画の発表に先立ち、同社の強みについて説明。「当社は、SNSやWeb上で美容の最新情報を探して新商品を積極的に試してトレンドを産む『美容開拓層』、美容開拓層の産んだトレンドをキャッチして情報を拡げる『美容フォロワー層』、トレンドに乗る『美容マス層』――の各ユーザー層に対して、美容開拓層を起点に美容マス層までリーチすることができる」とし、ヒットを量産できる3つの強みとして、①ブランド創出力(半歩先のコンセプトメイキングとハイパフォーマンスな商品開発)②OMO(デジタルマーケティングとオフラインの配荷力を駆使したリーチ拡大)③IPTOS(ヒットを再現できるブランドマネジメントシステム)――にあると述べた。
桃谷順天館×近畿大、共同でイベント出展 プロテイン商品をPR
桃谷順天館と近畿大学経営学部は2月18日、大阪・梅田の「うめきた外庭SQUARE」で開催されたイベント「未来社会スポーツウエルネスイノベーションショーケースEx-CROSS」に、「美と健康」をテーマにしたブースを共同で出展。同大学の学生30名らが桃谷順天館の腸内細菌バランスを整える独自成分を配合したプロテイン商品「エフドットISRプロテイン」のPRを行った。
当日会場ではエフドットISRプロテインのブースを設置するとともに、併設したキッチンカーでは、同品を使用した限定メニュー(プロテインドリンク)を提供。また、ステージイベントとして「美×健康のウルトラクイズ」を行うなど、桃谷順天館の「美容と健康」の研究力をPRした。
今回イベントの出展にあたり、同大学の学生たちは10~20代を対象に「プロテイン」に関するイメージ調査を実施。そこで明らかとなった「プロテインは筋トレをしている人や男性向けの飲み物」というイメージを払拭するため、女性に嬉しい美容成分等を豊富に配合している「エフドットISRプロテイン」の良さを伝える方法を検討。
イベントの来場者がSNSを通して商品の良さを伝えられるよう、プロテインをドリンクにアレンジして提供するとともに、カップを自由にデコレーションできる複数のシールや撮影スペースを設置するなど、学生たちはイベントの企画を通して、消費者の視点でイベントを作り上げる過程を学んだ。
アイスタイル、23年6月期2Q売上高過去最高に 営業利益は黒字化
アイスタイルは2月14日、都内で「2023年6月期第2四半期決算説明会」(オンライン併催)を開催。吉松徹郎会長兼CEO、遠藤宗社長兼COOら経営陣が出席し、決算概要や振り返り、今後の方針等を説明した。
上期連結業績は、売上高203億5800万円(前年同期比19.0%増)、営業利益2億5400万円、経常利益1800万円、親会社株主に帰属する四半期純損失3600万円であった。
遠藤社長は当決算について、「ビューティサービス事業で店舗・EC共売上げをけん引、売上高は半期としては過去最高となり、昨対で19%増を達成した。また営業利益も、昨対で9億円の損益改善により2億5000万円の黒字で着地した」と総括した。
また上期全体を振り返った吉松会長は、「何よりも大きなことは1Q・2Qと黒字化し、通期での黒字化が見えてきたこと。これに加え、昨夏発表したamazon・三井物産との業務資本提携で、業績の他企業の基盤もしっかり固めることができた」と総評、事業展開が次の成長ステージに入ったことを示唆した。その上で、特に人流回復が顕著なビューティサービス事業業績が伸長してきたこと、その相乗効果でECもトップラインが伸びたことに大きな手応えを感じているとの見解を示すとともに、今後の事業方針について「既存領域である、オンプラットフォーム事業での販促サービスを含むブランドキャンペーンの促進と、店舗・EC共に小売販売力の強化、グローバル事業での安定した営業利益の創出を図りつつ、amazonと三井物産との資本業務提携という新領域を加えることでさらなる成長を図っていく」との考えを披露して説明を締めた。
2023年3月1日号 記事一覧
会合・発表会
- サンスター財団、「金田博夫研究助成基金」22年度贈呈式を開催
- BCLカンパニー、時短コスメ「サボリーノ」から新シートマスク発売
- 油脂工業会館、油脂優秀論文表彰式を開催 累計表彰件数は430件に
経営・施策
- ファンケル、使用済み化粧品容器の回収プログラムを全国174店舗に拡大
製品・サービス
- 花王、皮脂RNAモニタリング技術を応用し、検査事業を開始
- ファンケル、クレンジングオイル、泡洗顔料発売 桐蔭学園高校と共創企画
- 花王、「エッセンシャル」新シリーズ 髪の美しさを1日守る新価値提案
- 花王、「リサージ ヴォーニュ」改良 新たなパーソナルヘアケアを提案
- ダリヤ「パルティ」、カラーリングミルク新2色とミルクブリーチ新発売
- ナリス化粧品、「ルクエ」から「ふきとり保湿マスク」追加新発売
- P&Gジャパン、「パンテーン」ベーシックラインから新トリートメント
- P&Gジャパン、「ファブリーズW消臭トイレ用消臭剤」改良新発売
- リブドゥコーポ、商品特長がひと目でわかる紙パンツを自社ECで発売
- フマキラー、「虫よけバリア アミ戸窓ガラスワンプッシュ」新発売
- ユニ・チャーム、「銀のスプーン 三ツ星グルメ」しみ旨お魚仕立て発売
- ユニ・チャーム「AllWell」、健康免疫サポートなどにチキン味を追加
- クラシエHP、「薬用シミエースAX MENクリーム」発売
- バスクリン、「奄美・琉球コレクション」「シトラスアソート」など新発売
- バイソン、「爆汗湯COOL」3アイテム限定発売 ハンガーセットも用意
- カメヤマ、「浄香(きよめこう)ホワイトセージ」新発売
人事・組織
- ウエルシアHD、ウエルシア薬局とシミズ薬品の代表者異動を発表
- マツキヨココ、松本貴志専務に代表権 南海雄会長は代表権外れる
- スギHD、杉浦伸哉氏が取締役副社長に
- キリン堂HD・キリン堂、組織変更・人事異動を発表
- ライオン、役員人事を発表
調査・統計
- SM3団体 23年1月度統計調査発表 ・売上高は4カ月連続で昨対クリア
イベント・展示会
- 貝印、岐阜県関市小学校でツメキリ授業を開催 正しい爪の切り方体験
- 牛乳石鹸共進社、「赤箱AWA-YA」3月10日から21日まで京都で開催
- ベネッセ、「第14回たまひよ赤ちゃんグッズ大賞2023」を発表
時評・コラム
- 泡沫 長い夜を抜けたと思わせる小売業態調査
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