2023年2月8日号掲載記事より
「PALTACフェア」3年ぶりリアル開催 変化に合わせた提案を披露
PALTACは2月2~3の両日、大阪市内のマイドームおおさかにおいて「PALTACフェア2023」を開催した。3年ぶりのリアル形式での開催となった今回は、全国の同社取引先企業から約1500名が来場。「勝売繁盛」をテーマに、今年の春夏に向けて発売される新商品や「美と健康」に関連する新しい切り口による売り場提案に加え、同社の最新物流機能なども合わせて披露した。
今回は、①機能紹介エリア②MD提案コーナー③提案コーナー④新商品コーナー⑤メーカーブース――を会場の1~3階にレイアウト。会場の内外には、アルコール消毒剤が設置されるとともに、ソーシャルディスタンスが確保しやすいよう、従来よりも各コーナーやメーカーブースの間隔を広げるといった様々な感染防止対策が採られていた。
同フェアの人気企画である「MD提案コーナー」では、ウィズコロナの定着や昨今の物価上昇に伴う生活防衛意識や健康意識の高まりに着目し、「消費者の行動や生活様式の変化」をもとに6つの提案テーマを設定し実際の店頭展開例と合わせて披露。
また、3階の会場入り口すぐのスペースに設置された同社の「機能紹介エリア」では、小売業が抱える様々な課題の解決に貢献するとともに、サプライチェーン全体の発展に資する同社の機能を、①サプライチェーンマネジメント②リテールサポート③DX④SDGs⑤グローバル――の5つのテーマに分けてパネルと動画で具体的に説明した。
一方、「新商品コーナー」では、今春発売予定の新商品・リニューアル品を、①ヘルスケア(5カテゴリー)②ホームケア(6カテゴリー)③ビューティケア(8カテゴリー)に分け、個々の商品の発売日、特長、規格、広告計画も合わせて一堂に展示。
さらに、メーカーブースゾーンでは、「ニューノーマル」「SDGs」「新セグメント」「SNSで話題」――など合計12個に分類された提案テーマを各メーカーのブースに表示。来場者が提案内容を把握しやすいよう配慮したプレゼンテーションが行われた。
3年ぶりのリアル開催となった今回は、初日から多数の売り場作りのヒントを収集する来場者が詰めかけ盛況となった。
ライオン、「アクロンスマートケア」発表 “すすぎゼロ洗浄”を実現
ライオンは1月30日、「キレイ」「時短」「節電エコ」を実現する柔軟成分入り洗濯用洗剤(おしゃれ着用)「アクロンスマートケア」新製品説明会をオンラインで開催した。
それによると直近のおしゃれ着用洗剤は縮小(2017年61%→2021年53%)しているが、その理由はおしゃれ着用洗剤の使用者が減少しているためで、理由はファストファッションが台頭し、衣服の単価が下落傾向のため「おしゃれ着用洗剤で洗うような服は持っていない」という人が増加(2021年112%〈2018年比〉)しているため。その一方でダメージケアニーズは増加しており、「お気に入りの服を、キレイに長く着たい」という願いは変わらない。おしゃれ着洗いは時間や手間がかかって面倒だからお気に入りの服もいつもの洗剤でまとめ洗いしてしまうために、ダメージ不満が発生しているという。
ライオンは、これまでのおしゃれ着用洗剤で洗うか、いつもの洗剤で洗うかの2つの選択肢から、その中間として「アクロンスマートケア」で洗う第3の選択肢を提案。衣類ダメージの原因であり洗濯工程の7割を占めるすすぎをカットする「すすぎゼロ洗浄」の実現により①ライオン史上最高レベルのシワヨレなし②今までの半分の時間で洗濯できる③水・電力・CO2も約5割カット――を実現した。
すすぎ工程がなくなるので、洗濯時間は今までの約半分。あきらめていた食事の前、入浴の前などでもすぐに洗える。使用した人からは、仕上がりの良さに加え、「色々な便益(時短・節水・節電・柔軟効果)が得られること」に感動の声が挙がっているという。
「すすぎゼロ洗浄」についてはテレビCMで洗濯機の映像を使用して啓発。また、使用法、すすがないことへの不安解消についてはSNSなどを活用して伝達していく。
AJD、「2023AJD商品フェア(春・夏)」開催 271社1179名が参加
医薬品小売業ボランタリーチェーンのオールジャパンドラッグ(AJD)は1月20日、東京・台場のホテルグランドニッコー東京台場で「2023AJD商品フェア(春・夏)」を開催。当日は、出展者・来場者等フェアに関係する全ての人たちに抗原検査実施を求めるなど、感染症対策に万全を期しての実施であった。
メインテーマは、「Openup the future~未来を我が手に 核心・確信・革新」。今回は、参加企業271社・参加人数1179名、新商品&リニューアル商品70品目が披露された。
また、当日の総売上金額は、164億5669万181円で、加盟社の総買上金額ランキングベスト3は、1位=コスモス薬品、2位=カワチ薬品、3位=クリエイトエス・ディーであった。
会場では、「定番(PB)最新商品&リニューアル商品」や「AJDおすすめ選定品」、「メーカータイアップ体験コーナー」といった恒例となった展示や催しの他、「ID―POSを活用したカテゴリー対策~お客様のニーズに寄り添うお店づくり」と題した特別セミナーも実施された。
次回の「商品フェア(秋・冬)」は、7月13日・ホテルニューオータニ大阪での開催が予定されている。
あらた、「ツルハ関東物流センター」新設・移転 生産性1.6倍に
あらたは1月31日、今春に「ツルハ関東物流センター」(千葉県八千代市大和田新田)を新設・移転すると発表した。
同社はここで2009年5月からツルハホールディングスの専用センターを運営している。今回、敷地内に建設する日本GLPのBTS(ビルド・トゥ・スーツ)型物流施設に移転し、同事業を継続する。
新センターの延床面積は約4万9000平方㍍。主にケース出荷能力の生産性を強化し、必要人員15%減で出荷能力を36%増強、生産性としては1.6倍となる省力化センターを実現する。
同社としてのSDGsへの貢献はもちろん、ツルハHDのサスティナビリティ方針にも沿った物流センターとなっている。
同社は今後もAIなどを駆使した最新鋭マテハンを装備し、労働力不足に対応し、働く従業員にも優しい省人化センターを配置することで、変化する人々の暮らしに寄り添い、いつ・どんなときでも必要な商品を届けていくとしている。
花王、22年12月期業績発表 売上高増も原料高が大きく利益に影響
花王は2月2日、2022年1~12月期の業績を発表した。
売上高1兆5510億5900万円(前期比9.3%増、実質3.7%増)、営業利益1100億7100万円(23.3%減)、税引前利益1158億4800万円(22.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益860億3800万円(21.5%減)の増収減益となった。
原材料価格の高騰に加え、中国、欧米の景気減速、さらに日本の生活防衛意識の高まり等、環境変化のインパクトとスピードに十分な対応ができず、営業利益が計画と大きく乖離した。
日本の化粧品はブランド力向上で5.1%成長したが、中国、欧米の景気減速の影響が大きく、コンシューマープロダクツはほぼ横ばいとなった。
営業利益率は7.1%。コストダウンや業界初の値上げを、日本では衣料用洗剤、ベビー用紙おむつ、海外では衣料用洗剤、スキンケア製品を中心に実施。戦略的値上げは年間でほぼ計画通りの140億円の利益を創出し、原材料価格高騰の影響460億円の約3分の1を吸収したが高騰のインパクトを相殺しきれなかった。ベビー用紙おむつ、ヘアケア等の事業変革の遅れ、生活防衛意識の高まりに伴う低価格品への購買シフトによる収益性の低下、コロナの影響による中国需要の低迷、米州の物流混乱による機会損失、インフレによる欧米の消費減速などにより2桁の減益となった。
次期業績予想は、売上高1兆5800億円(前期比1.9%増)、営業利益1200億円(9.0%増)、税引前利益1210億円(4.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益880億円(2.3%増)。
2023年2月8日号 記事一覧
会合・発表会
- JCSC、日本ショッピングセンター全国大会を開催 147社が出展
- 秋葉吉秋氏(秋葉商店会長)、旭日小綬章受章祝賀会開かれる
- 白元アース、春季新製品提案会開催 話題の除湿剤など一堂に展示
- シャボン玉石けん、3年ぶり「シャボン玉会」開催 好調な業績など報告
経営・施策
- ちふれ化粧品と光未来が3月1日付で合併 存続会社はちふれ化粧品
- 花王、長谷部社長が役員報酬の一部を自主返納
- 牛乳石鹸共進社、「手洗い出前授業」を再開 正しい手洗いを紹介
- PALTAC、サイバーリンクスと協働で「自動棚割機能」を開発
- サンスター、「おくち元気チェック」アプリをリニューアル
- ユニ・チャーム、一般社員の人事評価指標にESG項目を採用
- エステー、2023年販「ニューノーマル花粉対策ガイド」を公開
製品・サービス
- ニベア花王、肌水分流さず洗う泡洗顔料を新発売
- クラシエHP、「ココンシュペール」インバスヘアケアシリーズ改良発売
- ナリス化粧品、「フォーザエフ」から化粧下地 マツココ店舗で発売
- ホーユー、「ビューティラボ ホイップヘアカラー」新色2色新発売
- ファンケル、「2023年春限定メイク」4品目・5種を数量限定発売
- P&Gジャパン、「レノアアロマジュエル」改良 新香調も追加
- ファンケル、プレミアムドッグフード「グーディッシュ」新発売
- 富士薬品、線虫がん検査サービス「エヌノーズ」の取り扱い開始
- バスクリン、「バスクリン世界紀行イタリア青の洞窟」数量限定品発売
- 花王「KATE」、没入体験型ECストア「KATE ZONE」公開
- シック・ジャパン、「仮面ライダー」コラボカミソリ数量限定発売
宣伝販促
- 大王製紙、「贅沢保湿史上最高やさしい彼氏キャンペーン」実施中
- ライオン、「ソフラン アロマリッチ」新垣結衣起用の新ビジュアル公開
- コーセーコスメポート、「ジュレーム リラックス」新TVCM放映中
- 日本製紙クレシア、「ポイズ ママがうれしいプレゼントキャンペ」実施
人事・組織
- クラシエHP・クラシエHP販売、新社長に上嶋一善専務 3月22日付
- 花王、役員人事 根来昌一氏が代表取締役専務執行役員に就任へ
研究・開発
- ライオン、中国上海に研究子会社を設立 製品開発力・開発スピード向上へ
調査・統計
- 経済産業省 22年1~11月洗浄剤統計 石けんにコロナの反動克服の兆し
- フマキラー、「つくっ手たべ手プロジェクト」第2弾 子供の好き嫌い調査
- 貝印、コロナ禍以降の男性の身だしなみ意識調査 5割強が「高くなった」
- 大王製紙「アテント」、尿モレの不安調査 4人に3人が行動を制限
イベント・展示会
- J-NET中央、第82回MDF開催 メーカー・仕入先の商品紹介焦点に
施設・店舗
- マツキヨココ、「羽田エアポートガーデン店」をオープン
時評・コラム
- 泡沫 給与での手当も時代に合わせて
その他
- ユニ・チャーム、「23年ブルームバーグ男女平等指数」に3年連続で選定
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。