2022年12月21日号掲載記事より
2022年の10大ニュース&キーワード 続くコロナ禍、エネルギー問題
2022年も残り半月となった。行動制限こそなくなったが今年もコロナの感染拡大は収まらず、コロナ禍が継続。加えてロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰、企業経営にマイナスのインパクトを与え、食品を始めとする商品価格の値上げラッシュは年を越しても続きそうな情勢だ。あまり明るいニュースが見当たらなかった今年1年だが、トイレタリー・日用品・化粧品業界でどのようなニュースやキーワードが注目されたのかを振り返り、10大ニュース&キーワードを次の通り選んだ。
①コロナ禍が続くも業界活動は活発化
②エネルギー価格高騰、円安が企業経営に大きく影響
③値上げに踏み切るメーカーが相次ぐ
④強まるSDGs・ESGの流れ
⑤不可欠なDXの導入
⑥高付加価値化の流れは強固に
⑦進む物流における改革・共同事業
⑧アイスタイルと米国アマゾンが資本業務提携
⑨花王、30年振りに「有力卸店懇談会」を開催
⑩訪日観光解禁、インバウンド復活に期待
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花王、新デジタルプラットフォーム「My Kao」始動 UX創造企業へ変革
花王は12月15日、生活者と直接つながる双方向のデジタルプラットフォーム「My Kao」を立ち上げ、サービスを開始した。
「My Kao」は顧客1人ひとりのKirei-Lifeを共創することを目的に、花王のDX(デジタルトランスフォーメーション)知見と資産を結集し立ち上げる花王初の双方向デジタルプラットフォーム。「知る」「体験する」「買う」「創る」の4つの機能からなる。また、One-IDで顧客とつながり、顧客を深く理解することで、様々なUX(顧客体験)を提供していく。12月時点では、生活者研究やモノづくりを通して得た知見をもとに、毎日のくらしに役立つ情報を発信することに加えて、「My Kao」内に、ビューティに関する双方向型のビューティコミュニティサイト「Kao Beauty Brands Play Park」、化粧品からスタートするEC機能「My Kao Mall」をオープン。今後、順次拡充を図っていく。
「My Kao」では、くらしのお役立ち情報や、サステナブルなくらし・社会に向けた花王の「もったいないを、ほっとけない。」取り組みの紹介、花王の各ブランドの旬な情報などを集約して発信していく。また、「My Kao」内に、顧客との共創の場となるコミュニティを開設する。
花王は12月15日、新デジタルプラットフォーム「My Kao」説明会を行い、村上由泰常務DX戦略推進センター長化粧品事業部門長が花王のDX戦略と「My Kao」の構想について、化粧品事業推進センターの堀哲之介氏が「Play Park」について説明。村上常務は、花王が「DX」という手段を通して製造業(モノづくり)から「UX(USER EXPERIENCE)創造企業(体験を創る)」へと変革していくと述べた。
P&Gジャパン、ヴィリアム・トルスカ氏が来年3月1日付けで社長就任
P&Gジャパンはこのほど、来年3月1日付けで、現P&Gグループサブサハラ・アフリカ地域担当シニアバイスプレジデントのヴィリアム・トルスカ(VILIAM TRSKA)氏が社長に就任する人事異動を発表した。
なお、現社長のスタニスラブ・ベセラ氏は、来年4月1日付けでP&Gグループ新役職に着任予定。
新社長となるトルスカ氏は、1976年6月2日(46歳)。スロバキア共和国出身。
1996年P&G入社。営業本部(スロバキア共和国)、2001年アカウント・マネージャー/チェコ・スロバキア地区担当(チェコ共和国)、2003年マーケットストラテジー&プランニングマネージャー/ヘルス&ビューティーケア事業部、クロアチア・スロベニア地区担当(ハンガリー)、2004年ショッパーマーケティング&イノベーション事業部長/中央ヨーロッパ地域・南部担当、2007年スロバキア法人代表(スロバキア共和国)、2009年チェコ・スロバキア法人代表(チェコ共和国)、12年マーケットストラテジー&プランニング/ベビーケア、ヨーロッパ・インド・中東・アフリカ地域担当(スイス)、2016年P&Gジャパン執行役員マーケットストラテジー&プランニング兼ホームケア事業代表(日本)、2019年シニアバイスプレジデント/南アフリカ共和国(南アフリカ共和国)、2021年シニアバイスプレジデント/サブサハラアフリカ地域担当(アラブ首長国連邦/ドバイ首長国)を歴任し、来年3月P&Gジャパン社長就任予定。(カッコ内:赴任地)
ウエルシア薬局、「捨てずにお得な大掃除」プロジェクトを始動
ウエルシア薬局は12月14日より、年末の大掃除シーズンに合わせた「メルカリ教室特別版『捨てずにお得な大掃除』」プロジェクトを始動させている。
同社とメルカリ、一般社団法人ハウスキーピング協会との協働企画となるこのプロジェクト。メルカリがサービス活用方法をレクチャーする「メルカリ教室」と、ハウスキーピング協会の大掃除の適切な進め方を教示する啓発活動を併せた内容で、メルカリ、もしくは大掃除に関心を持つ一般生活者の受講者に、「メルカリ教室特別版『捨てずにお得な大掃除』」と銘打ち、首都圏10店舗の店内フリースペース“ウエルカフェ”で順次実施していく。
実施期間は12月14日から来年1月13日までで、合計20回開催する予定。受講料は無料となる。
実施背景としては、物価上昇が各家庭に大きな影響を与えており喫緊の対策が必要なこと。一方で、メルカリの調査では大掃除により、推計約5兆円分の不用品が捨てられている実態があることで、各家庭には不用品の有効活用以前に、片付け・大掃除の適切な進め方への理解が必要、との考え方から今連携に至り、生活者が関心を持つに最適な大掃除を控えるこの年末年始でのトライとなったとする。
なお、初日の14日にはお披露目を兼ねたマスコミ取材会が開かれ、対応した同社営業戦略本部地域包括推進部・星晶博氏はプロジェクトの意義について「通常はメリカリの活用方法の解説がメインだが、今回はハウスキーピング協会の協力を得て、上手に掃除をしながらお得な思いも実感してもらうためには、当社店舗をどう利用すればいいのかというような内容となったことが大きい」と話した。
キリン堂、こだわりの食品や雑貨を販売する売り場を常設
キリン堂は、独自の目線で日本全国からこだわりの食品や雑貨をセレクトし、関東6店舗の直営店とオンラインショップで販売を行う「日本百貨店」のプロデュースによる常設売場「日本百貨店マルシェ」を12月23日から関西・北陸・四国の10店舗で順次スタートする。
日本百貨店マルシェでは、日本百貨店で人気のオリジナル商品のほか、毎月入れ替わる季節商品を揃え、目利きバイヤーが全国各地を駆け回って発掘したこだわりの「ニッポンのスグレモノ」などを販売する。
今回キリン堂が「日本百貨店マルシェ」を展開することで、日本百貨店は初めて関西・北陸・四国エリアに常設売場を持つこととなるほか、こうした「SHOP in SHOP」の形態は、キリン堂としても新しい試みとなる。
今後は、日本百貨店の大好評企画である日本百貨店スタッフが本当に食べたいスイーツを数量限定で販売する「欲望パーラーコーナー」も月に1~2回登場予定であるほか、キリン堂の「未病」と日本百貨店の「商品開発力」というテーマを掛け合わせたオリジナルの商品の開発も計画されているという。
2022年12月21日号 記事一覧
M&A・設立
- 日本香堂グループ、欧州企業2社を買収 グローバルなビジネス展開加速
会合・発表会
- 全卸連、業界紙懇談会開催 森友会長「若手の育成に注力」
- JACDS、来期の事業計画発表 環境課題解決・薬剤師の質向上を推進
経営・施策
- アインHD、省エネ・節電対策を強化 薬局・店舗の照明・空調の節電徹底
- ライオン、「LION Scope」で黒川伊保子氏のインタビュー掲載
- ユースキン製薬、ハンドケアに関する授業実施 教材を提供
- PRページ アース製薬 安全性と効果を両立した注目のMA-T
製品・サービス
- NSファーファ、液体洗剤「レイヤリングウォッシュ」を来年3月に発売
- コーセーマルホファーマ、「カルテHD」初の新シリーズ追加
- クラシエHP、「いち髪」から数量限定品「春めきの香り」発売
宣伝販促
- エステー「消臭力」TVCMが「消費者を動かしたCM展開」10回連続選出
- 牛乳石鹸共進社、梅小路ポテル京都とコラボレーション企画を実施
- 花王×ブイキューブ、「めぐりズム」ラッピング広告掲載を4エリアで実施
- ファンケル、自社サイトで“恋愛ドラマ”を配信 商品特長を視覚的に伝達
決算
- フマキラー、23年3月期第2四半期連結決算発表 売上高過去最高に
イベント・展示会
- アイスタイル、「@cosmeベストコスメアワード2022」発表
- 貝印、「合格祈願 紙カミソリ」を新田神社で数量限定無料配布
その他
- 花王、「がんアライアワード2022」でゴールドを昨年に引き続き受賞
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。