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2022年8月17日号掲載記事より

ライオン、22年12月期第2四半期決算説明 高付加価値新製品の導入を加速

ライオン、22年12月期第2四半期決算説明 高付加価値新製品の導入を加速

 ライオンは8月9日、記者懇談会をオンラインで開き、掬川正純社長、久米裕康取締役上席執行役員、福田健吾取締役執行役員が出席し、「2022年12月期第2四半期」の連結業績、連結業績予想、「Vision2030 1st STAGE(2020~2024)」の進捗について説明した。
 同期の連結業績は、売上高1851億9500万円(前年同期比6.9%増、実質4.6%増)、事業利益90億9600万円(35.2%減)、営業利益142億6700万円(0.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益110億5500万円(2.2%増)の増収増益となった。恒常的な同社の事業業績を測る利益指標である事業利益は原材料価格の上昇、減価償却費の増加等に対してトータルコストダウンや値上げ対応等を推進したものの減益(対公表計画では増益)となった。また、営業利益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は土地譲渡益を計上したこと等から増益となった。
 掬川社長は、「今期は成長加速へのギアチェンジをテーマとしているが売上成長については厳しい事業環境にありながらまずは順調なスタートが切れた。しかし、利益は原材料価格上昇の影響を強く受け、その対策を一層強化する必要がある」と述べたうえで、本質としては「プレゼンス拡大を実現すべく施策を推進していく」との考えを語った。
 「Vision2030 1st STAGE(2020~2024)」については、2030年に向けた成長に向け、「新規ビジネス(+300億円~)」、「新規国・エリア拡大(+600億円~)」、「国内既存事業(CAGR2%~)」などをポイントとして挙げ、「新規ビジネス」では「LIONオーラルヘルスイニシアチブ」を設定、「新規国・エリア拡大」ではバングラデシュに合弁会社を設立(9月下旬予定)、「国内既存事業」ではファブリックケア市場で付加価値化を実現する新アクションを進めるとしている。

小林製薬、22年12月期第2四半期決算は増収も原材料高騰の影響で減益に

小林製薬、22年12月期第2四半期決算は増収も原材料高騰の影響で減益に

 小林製薬は8月3日、2022年12月期第2四半期決算説明会を開き、連結業績は、売上高712億6400万円(6.3%増)、営業利益98億6800万円(3.6%減)、経常利益109億400万円(1.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益77億円(2.3%減)と増収達成も原材料高騰の影響で減益となったことを明らかにした。
 会見には、小林章浩社長と山根聡専務の両氏が出席。はじめに、山根専務が事業別の概況について、国内事業は、①新型コロナウイルスの影響による増収(3億円増/のどぬ~るスプレーと熱さまシートが好調)②新製品の貢献(25億円増)③厳冬でカイロが好調(7億円増)④既存品の減収(24億円減)となったことを報告。
 国際事業は、米国はカイロ・熱さまシートが好調(6億円増)、中国は「大陸」ではロックダウンの影響を受けるも増収(3億円増)、「香港」では内需が好調(2億円増)、また、東南アジアは、各国で熱さまシートやアンメルツが好調(18億円増)となり、通販事業は、スキンケアの苦戦で減収(2億円減)――となったことを明らかにした。
 続いて、小林社長が中期経営計画の進捗状況と今後の見通しについて、「原材料値上げ」の影響が期初想定よりも13億円増(直近見通しは年間23億円)、「物流費・固定費の増加」が10億円増(直近見通しは年間18億円)と、期初想定よりも23億円増加の見通しであることを報告した上で、「様々なコストダウンを重ねてきたが、自助努力だけで吸収するのは困難な状況にあり、製品の安定供給を図るためにも、10月から『トイレ洗浄中』(11%値上げ)と『コリホグス』(6%値上げ)の2品の値上げを実施する」とし、来年以降は他の品目でも順次値上げを実施予定であることを明らかにした。

サンスター、「ガム・プラス」シリーズ新発売 歯周病菌の増殖原因を殺菌

サンスター、「ガム・プラス」シリーズ新発売 歯周病菌の増殖原因を殺菌

 サンスターグループは8月9日、「G・U・M(ガム)」新製品発表会をオンラインで開催。歯周医学に基づく新・殺菌アプローチとして歯周病菌の増殖原因まで殺菌する「ガム・プラス」シリーズを上市し、「ガム・プラスデンタルペースト」「ガム・プラスデンタルリンス」を9月14日から新発売する。
 歯周病は主に歯周病菌と呼ばれる菌によって引き起こされる感染症で、歯周病予防は従来、その歯周病菌を殺菌することに重点をおいて研究されてきた。しかし、近年の歯周医学の進展により、歯周病は単に歯周病菌だけでなく、複数のお口の細菌との相互作用により発症することが分かってきた。
 中でもF.n.菌は、細菌同士をくっつける作用を有しており、歯周病菌のすみかである歯周プラーク(歯垢)が作られる上で、悪い働きをすることが判明。こうした特徴から同社ではこのF.n.菌を、歯周病菌を増殖させる“黒幕”と位置づけ、歯周病予防のために対策すべき菌として着目した。
 研究を重ねた結果、今回新発売する「ガム・プラス」シリーズでは、この黒幕にまで殺菌剤CPCを届ける処方の開発に成功した。歯周病菌の殺菌に加えて、黒幕まで殺菌して歯周病菌が増殖しにくい口腔環境へ導く“先制殺菌処方”で、歯周病予防の新しいアプローチを提案する。
 発表会では、鈴木裕子執行役員日本エリア消費財マーケティング担当が歯周病予防の重要性について触れ、より効果的に歯周病予防できる製品を提供することが消費者の口腔の健康、そして全身の健康に貢献することに繋がる重要な使命であるとの認識を語り、「人生100年と言われる中、お口と身体、生活空間に至るまで包括的な視点で健康と快適な生活に貢献することを目指していく」とあいさつした。
 続いて、仮屋光広オーラルケアマーケティング部部長兼GUMブランドマネージャーが新製品の特長などを説明。また、犬伏順也研究開発統括部オーラルケアイノベーション研究開発部主任研究員から、歯周病に関する最新の情報が説明され、F.n.菌についての詳細な情報などが紹介された。

日本SC協会、定例記者懇談会開催 22年3月以降は売上げ回復傾向に

日本SC協会、定例記者懇談会開催 22年3月以降は売上げ回復傾向に

 日本ショッピングセンター(SC)協会は8月3日、都内で「2022年夏季定例記者懇親会」を開催。2022年上期の業界動向を椿浩専務理事が解説した上で、現在取り組む人材育成事業や協会活動などを各担当理事がその内容や進捗を説明した。
 冒頭、挨拶に立った清野智会長(東日本旅客鉄道顧問)は、来年(2023年)に協会創立50周年を迎えるに当たり「来年1月開催の『SCビジネスフェア』を皮切りに記念事業がスタートする」ことを明らかにした上で、「特に注力する人材育成事業については、各種セミナーやビジネススクール、経営士会などの活動を強化させ、アフターコロナを見据えたショッピングモールの未来像を構築につながる施策を展開していく」考えを示した。
 2022年上期におけるSC業界動向の概要を説明した椿専務理事によれば、2022年上期(1~6月)は、「行動制限緩和による来館者増から、3月以降は売上げ回復傾向に。2019年比で3月以降プラスに転じ、4月12.6%、5月29.9%、6月10.6%と2ケタ増で推移している」とのこと。また、2021年のSC総数が3169、総テナント数16万3992店であったこと、その結果、年間総売上高(推計)は25兆8392億円であったこと等が報告された。

JILS、「ロジスティクス大賞」受賞4事例を発表

 日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は8月1日、ロジスティクス推進に向けて優れた実績をあげた企業を表彰する「第39回ロジスティクス大賞」選考を実施。ロジスティクス大賞ノミネート委員会・ロジスティクス大賞選考委員会による審査の結果、2022年度の「ロジスティクス大賞」「同準大賞」および「特別賞」全4事例を決定した。
 「ロジスティクス大賞」には、北海道ロジサービス/TSUNAGUTEの「製・配・販・輸送をコネクティッド、日本初の滑らかな物流DXを実現~コープさっぽろ納品関係者全ての連携」が選出された。
 また「ロジスティクス準大賞」には、日立物流の「メディカル物流におけるオートメーションの新たな形~7社協創で挑んだ、日本初完全無人ケース仕分けシステムの開発」が選ばれ、特別賞には、エーディエフ/合通ロジの「組み立てが簡単な物流ボックスで積載率向上~荷役作業とCO2削減で人にも環境にも優しい物流を実現」と、ハコベル/TBMの「CO2の間接排出量(Scope3)のリアルタイム可視化システムの実現~業務負荷をかけずにCO2排出量を可視化するための取り組み」の2事例が選出された。
 なお、表彰式及び各賞の「受賞記念講演」は9月22日開催の「ロジスティクス全国大会2022」で行われる。


2022年8月17日号 記事一覧

経営・施策

  • ライオン、「LIONオーラルヘルスイニシアチブ」を設定
  • 花王・長谷部社長が経営方針説明 国内ヘアケア事業を構造改革
  • 日本製紙クレシア、福岡市の「一人一花運動」メディアパートナーに就任
  • ユニ・チャームの生産子会社が物流環境大賞「先進技術賞」を共同受賞
  • 小林製薬、更年期女性の悪玉コレステロール対策を紹介
  • ユニ・チャーム、消費者の位置情報を利用して「店舗検索システム」開始

製品・サービス

  • 花王、「DEWアフターグロウドロップ」濃密セラム化粧液新発売
  • 花王「KATE」、ボーダーレスビューティー掲げた「ケイトザBB」発売
  • クラシエHP、「ナイーブ」ボディソープと薬用入浴剤「旅の宿」がコラボ
  • ホーユー、「ビゲン グレイスタイル」ツートーンカバースプレー等発売
  • 日本製紙クレシア、「スコッティウェットティシュー」限定デザイン発売
  • ライオン、「hadakara」から泡の薬用ピュアマイルドタイプ新発売
  • ライオン、「LighteeハミガミPREMIUM」美白ハミガキ新発売
  • カネヨ石鹸、「カネヨソープンシリーズ」「カネヨレモン石鹸」など発売
  • 小林製薬、中国のECサイトで「ブルーレット」のテスト販売を開始
  • 花王、「キュレル バスタイム モイストバリアクリーム」発売
  • クラシエHP、「旅の宿」改良発売 「贅沢アソート」を追加
  • 日本生協連、エイジングケア「フリーリア」シリーズリニューアル発売
  • アイム、「ライスフォース」初のプレミアムシリーズ発売
  • バスクリン、「バスクリン」から「すみっコぐらし」デザイン数量限定発売
  • バスクリン、「バスクリン アロマスパークリング」新アソート発売
  • I-ne、新ライン「ボタニスト ルース」発売 地肌エイジングケア
  • ニベア花王、「ロイヤルブルーボディクリームうるおい密封ケア」発売
  • バスクリン、「きき湯ファインヒートシリーズパック」新発売
  • J&J、「ニュートロジーナ」から敏感肌用ボディローション発売

宣伝販促

  • ファイントゥデイ資生堂、「シーブリーズ」120周年記念新ビジュアル発信
  • 日本製紙クレシア、「クリネックスVSスコッティ総選挙キャンペ」実施

決算

  • エステー、23年3月期第1四半期決算発表 ホームケア以外は減収に
  • ユニ・チャーム、22年12月期第2四半期連結決算 売上高4216億円で推移
  • アース製薬、22年12月期第2四半期決算は増収減益で推移
  • ジョイフル本田、22年6月期決算は営業・経常利益が2期連続過去最高益に

調査・統計

  • 東家同 22年7月度市況概況価格調査 値上げが浸透してきた模様
  • シック・ジャパン、「ヒゲの似合う」著名人調査結果を発表

イベント・展示会

  • J-NET中央、「第82回MDフェア」中止を決定
  • 「インターペット」東京&大阪2023年の出展社募集を開始

時評・コラム

  • 泡沫 思わぬ出来事も手探りの一歩を

特集 【洗濯用品】

    経営・施策

    • 洗濯用洗剤市場 21年は数量・金額とも増加 高付加価値品が活性化の鍵

    製品・サービス

    • 花王 「アタックZERO」改良 「アタックZERO部屋干し」新発売
    • マルフクケミファ 「KiRei衣料用液体洗剤+柔軟効果2in1」など販売
    • ミマスクリーンケア 「緑の魔女」ランドリーシリーズ5Lサイズ売れ筋に
    • ライオン 「ソフラン プレミアム消臭」積極展開
    • ハイネリー 「毛布洗い」が着実に浸透 石けんの良さ再認識の契機に
    • サラヤ 「ヤシノミ」ランドリーシリーズが好調に推移
    • 第一石鹸 「FUNS Luxury」から新香調「№89」を追加発売
    • P&Gジャパン 「アリエール部屋干しプラス」5年ぶり大改良
    • シャボン玉石けん 「肌ケア洗濯」を訴求 洗濯石けんが好調
    • 東邦 「ウタマロ石けん」が好評 液体シリーズ3アイテムも認知向上


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。