2022年6月22日号掲載記事より
ユニ・チャーム、「2022年秋 成長戦略共有会」オンライン開催
ユニ・チャームは6月15日から30日まで、「2022年秋 ユニ・チャーム成長戦略共有会」をオンライン形式で開催。高原豪久社長執行役員(写真)は全社方針説明の中で、コロナ禍の2年間を「消費者が自らの価値観に目覚めた2年間であった」と総括するとともに、今後も外部環境、消費者ともに変化の予測が難しい時代が続くとの見解のもと、「だからこそ、こちらから理想の未来を流通と共に創り出していく」との決意を表明した。
高原社長はまず、自社のパーパスが「SDGs」の実現であり、全社一丸となってサステナブルな会社の維持・発展に努めていくことを宣言。
そして、不確実性がますます強まる時代にあって、「価値」あるブランドが支持される環境になることは間違いなく、その「価値」をこれから作っていくZ世代は「私個人だけでなく、仲間や社会、世の中に対する価値と私個人の価値観を合わせて考える」世代であることから、よりパブリックな価値に対する意識が高まるとの見解を披露した。
また、こうした背景のもと、今回の新製品では、コロナ禍で現象面でも構造面でも関心が高まる「免疫力」とその基本となる「良質な睡眠」に着目し、夜間というオケージョンにおける付加価値を強化した新製品を多数用意したことを紹介した。
一方、渡辺勉上席執行役員ジャパン営業統括本部長による営業本部方針説明では、資材高騰や為替動向といった予想もしなかった変化の中でも、価格安定をベースとした健全な業界総資産の拡大に向けて「顧客」軸での定番売場活性化を提案していくことを強調した。
JACDS、総会後会見で池野会長が緊急提言 共同物流体制の構築を
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は6月14日、都内ホテルで「第3回通常総会」を開催。2022(令和4年)度の事業計画及び組織人事が満場一致で承認され、終了後記者会見を開き、その概要と役員人事等を公表した。
会見では引き続き代表理事を務める池野隆光会長(ウエルシアホールディングス会長)が所信表明の中で、昨今の不安定な海外情勢の影響による商品調達の諸問題について触れ、「多くの海外商品を取り扱うドラッグストア業界は当然、仕入れ高等の影響を受けている。一方で売価を上げにくい市場環境だが、このままでいいのかと自問自答している」と、現状における業界の苦しい胸の内を明かした。
その上で価格の問題は避けて通れないとし、「外国からの仕入れ高を価格に転嫁するしないの問題は大きい。小売業が安さだけを追求し続ければ、メーカー・卸といった取引先に多大な影響を与えてしまうことは目に見えている」との認識を示し、特に自社では取引先への過度な要求は控えるよう指導していると語った。
それに関連して全体的に物流の停滞が起こりつつある状況についても言及。「早急に未来を見据えたやり方に変える必要がある。今や小売業のみならず生活者にも影響が出始めている。従来の方法から早く脱却し、全てにおいて共同物流という考え方を取らないと、今後予想される人手・トラック不足等の課題にも対処できず、生き残れない」と、業界の現状に警鐘を鳴らし、多くの流通課題に対し、積極的に取り組む意向を示した。
JACDS、日用品メーカー4社がサーキュラーエコノミー実現目指す
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は6月14日、SDGs推進活動、サーキュラーエコノミーの実現に向け、販売した商品の空容器の店頭回収に向けた共通のプラットフォーム構築を進めると発表した。
このプロジェクトでは、日用品分野でのリサイクルを進めるため、2021年10月からJACDS会員企業と主要日用品メーカーによる推進協議会を組織し、検討を進め、今年6月末から半年間、横浜市内の31店舗で日用品の空き容器の店頭回収の実証実験を開始することになった。
推進協議会メンバーは、JACDSのSDGs推進委員会メンバーであるウエルシアホールディングス、トモズ、マツキヨココカラ&カンパニー(五十音順)と日用品メーカーの花王、P&Gジャパン、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング、ライオン(五十音順)で、テラサイクルジャパンがコーディネーターを務めている。
主な検討テーマは、①スキーム全体の継続的なコスト低減シナリオ②スキームの回収量設定③生活者へのポイント還元の在り方④回収オペレーション(店舗スタッフの役割)⑤その他プラットフォーム構築への課題――の5つ。
実証実験の目的は、取り組みをアピールすることによる、生活者に対するSDGs推進活動、サーキュラーエコノミーの普及啓発と回収プラットフォーム構築に向けた、回収オペレーション、回収後の再生品作成までの技術的な問題点等の課題の洗い出しとなる。
なお、再生品は実験参加者に成果が見えるように買い物カゴの作成を予定している。
花王、新発想の蚊よけをタイで発売 「ビオレガードモスブロックセラム」
花王は、蚊が肌に降り立つ挙動に着目し、界面での濡れ現象を利用することで、蚊の吸血から身を守る技術(既報)を応用した蚊よけ商品「ビオレガード モスブロックセラム」のタイでの発売を6月から開始した。また、蚊から未来のいのちを守るグローバルプロジェクト「#GUARD OUR FUTURE」を正式に発足、その第1弾として、蚊による感染症・デング熱被害削減の取り組みを本格的に進めていくとしている。
「ビオレガード モスブロックセラム」は、“Mos Protection Skin Shield”で、蚊が止まりにくい肌の状態に整えて蚊から守る虫(蚊)よけセラム。べたつきのない、ボディローションのような軽い使い心地で、場所やタイミングを問わずに使えるのが特長。シトロネラオイル配合。Floral Blossomの香りとLavender Valleyの香りの2種類。各50g。日本での発売予定はない。
「#GUARD OUR FUTURE」プロジェクトは、同社が2021年からスタートしている花王グループ中期経営計画「K25」においてビジョンに掲げた「未来のいのちを守る」具体的な取り組みの第1弾となる。同プロジェクトではタイ、ひいては東南アジアを中心とした地域において、デング熱に関する啓発活動や実証実験、研究活動などを包括的に推進していき、肌を守ることで未来のいのちを守る。
ドン・キホーテ、新スキンケア「ジェネコス」発表 オール1980円
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)とドン・キホーテは6月8日、都内でオリジナル新スキンケアシリーズ「GENECOS(ジェネコス)」の発表会を開催。“贅沢をもっと身近に”という方針のもと開発された新シリーズのお披露目を、タレント・横澤夏子をゲストに迎えてスキンケアに関するトークセッション等と共に行った。
PPIH・PB企画開発部コスメ開発責任者の庄司大輔氏は、昨今のスキンケアを取り巻く市場環境について、「消費マインドはプチプラ・コスメ志向と高級志向の二極化が顕著」と分析するも、高品質な商品は高いという常識に対する課題が見えてきたと説明。そこで自社が企業原理として掲げる“顧客最優先主義”に則り、「高品質の商品は高いという常識を打ち破り、高品質の商品を安くお届けするという使命感をもって開発したのが『ジェネコス』となる」と語り、高品質な有効成分を配合しながらも、開発・宣伝コストを抑えることで、“贅沢なスキンケアを全てのお客様に届ける”というコンセプトを含めて、製品概要等を紹介した。
この後、主婦として日々のスキンケアを実践するゲストの横澤と、PPIH・MD開発本部コスメ担当マーチャンダイザーの池戸美緒氏が美容トークで盛り上がる中、注目の販売価格(税抜き)がいずれも1980円ということが公表され、会場等では驚きの声が挙がった。
2022年6月22日号 記事一覧
会合・発表会
- AJS、「第60期定期総会」開催 新中期事業計画策定、競争時代に対応
- 北海道卸組合、第97回総会開催 中島理事長「第100回総会を目指して」
- 東海卸組合、第66回通常総会を書面決議 決議通知資料を組合員らに送付
- 近石工、石鹸部会が講演会開催 本紙・由上主幹が講演
- NSファーファ、22年下期新商品発表会 1本の木をより太く・強くする
経営・施策
- PALTAC、TCFD提言に基づき気候変動に関する情報開示
- 白十字、出荷製品価格の改定を7月1日から順次実施へ
- 大王製紙とリブドゥコーポ、使用済み紙おむつのリサイクル事業で共同研究
- 花王、「花王社会起業塾」22年度塾生募集開始 若手社会起業家育成を支援
- 小林製薬青い鳥財団、2022年度助成事業・顕彰事業の公募を開始
- シャボン玉石けん、無添加を推奨する啓発活動を推進 啓発講演会も初開催
製品・サービス
- PRページ ライオン 「hadakaraボディソープ泡ででてくるタイプ」好調
- ライオン、「クリニカPRO」新発売 歯垢除去する有効成分「酵素」配合
- 大王製紙、「エリエールi:naティシュー」ディズニーデザイン限定発売
- 大王製紙、「キレキラ!」ウェットシートのディズニーデザイン限定発売
- クラシエHP、「ディアボーテ HIMAWARI」ムーミン刺繍限定品発売
- サンギ、「アパガードMプラス」増量品発売 シリーズ累計1.5億本突破で
- 花王、「AUBE(オーブ)」から初夏のカラーメイク提案
- 花王、「KANEBO」から“素肌に化ける”ファンデーション発売
- ファンケル、「マイルドクレンジングオイル」上半期ベストコスメで3冠
- 東亜産業、ハンディタイプの使い切り電子たばこ「アイラブシーシャ」発売
宣伝販促
- エステー、「脱臭炭」新CM「きれてるよ」編の放映開始
- デンタルプロ、様々なメディア通じてブランド訴求 キャンペーンも実施
- 牛乳石鹸、産経新聞社のコミュニティ内に「#銭湯へゆこう」オープン
- コーセー「雪肌精」、年代・性別問わないブランドとして新ビジュアル公開
研究・開発
- 花王、“肌のような自然な美しさ”叶えるぷるぷるのゲルを開発
イベント・展示会
- NSAJ、「スーパーマーケット・トレードショー2023」出展社募集開始
- アイスタイル、ベストコスメアワード上半期新作ベストコスメを発表
- ライオン、「感染症とともに暮らす時代のオーラルケア」セミナー開催
- アース製薬、モンダミンセミナー開催 「プロから伝えるオーラルケア」
時評・コラム
- 時評 円安進行への対処に募る苦渋
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。