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2022年6月15日号掲載記事より

22年1~4月各小売業態販売統計調査 ほぼ前年上回る売上高前年対比に

22年1~4月各小売業態販売統計調査 ほぼ前年上回る売上高前年対比に

 小売業各団体統計調査における1~4月の状況をみると、36都道府県がまん延防止重点措置の適用下だった2月を除き、一部業態を除けば、ほぼ前年を上回る売上高前年対比となった。楽観視はできないものの、全体的には新型コロナウイルス感染拡大による死亡者や重症患者が少なくなってくる中で、一般消費市場では需要動向が少しずつ安定を取り戻してきているとみることができそうだ。
 1~4月のすべての月で前年を上回ったのはチェーンストアで、その好調ぶりをアピールした格好だ。
 5月24日の定例会見で日本チェーンストア協会の増田業務執行理事は4月度概況について、「コロナ感染者数の下げ止まり傾向が続き、生活者の行動範囲が広がっている。そこでの反動減で食料品の動きは鈍かったものの、反対に衣料品や住関品は堅調となった」ことが、プラス要因と分析した。
 一方でスーパー3団体(全国スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会)の4月は、3カ月ぶりに1.3%減(既存店)と前年を下回った。
 全国スーパーマーケット協会の増井副会長は5月20日の記者会見で、「各商品の値上げ、生鮮品の価格高騰が続く中、消費者の節約志向は高まっている。結果、一品単価の上昇と買上げ点数の減少への警戒感が強まっている」とする一方で、内食から外食へ・在宅からオフィス勤務への戻り具合、価格対応か良質な品揃えかなど、地域の消費者行動の変化に柔軟に対処することの重要性を示唆した。
 5月は2年ぶりに制限のないゴールデンウィークとなり、各小売業態の販売状況については期待が高まるところだ。
 ただ、コロナ禍が一段落の傾向を示しているとは言え、円安・ウクライナ情勢による原材料・輸入品高騰の影響が生まれてくるのは目に見えており、また外国人受け入れもまだ始まったばかりの中では、インバウンド需要はほぼ見込めないだけに、安定感はありつつも、確実な安心感は持てない中での推移が続きそうだ。

フマキラー、22年3月期業績は売上高が順調に拡大

フマキラー、22年3月期業績は売上高が順調に拡大

 フマキラーは6月2日、「2022年3月期決算説明会」をオンラインで開き、同期の連結業績、今後の展開などについて説明した。
 同期の連結業績は売上高527億2900万円、営業利益21億8300万円、経常利益25億4100万円、親会社株主に帰属する当期純利益13億9100万円となった。同期から「収益認識に関する会計基準」を適用しているため、適用前の数値で比較した前期比は売上高109.0%、営業利益64.6%、経常利益67.0%、当期純利益61.3%となり、売上高は特に海外が現地通貨ベースでの増収に加え、円安も寄与し、過去最高を達成。営業利益は収益性の高い家庭用品が大幅減収となったことと原材料価格の高騰が影響し、減益となった。
 大下社長の説明によると2023年3月期の課題は、①原材料価格の高騰への対策②国内外買収企業とのシナジーの創出であるとし、①については、国内では新製品・リニューアル品で吸収し、より一層の生産性の効率化・集中化を実施、海外については更なる商品群への価格転嫁・追加での値上げを検討・実施する。
 ②については、Zapi社の株式を取得したイタリア事業の強化と欧州への販路開拓を強化する。また、FSブルームのフラワー事業を引き続き強化し、園芸用品との相乗効果を創出し、GWでは花、園芸用品、殺虫剤の3カテゴリーの同時推販を実施し、成果を出したが、このような展開を拡大していく。
 さらに、SDGsへの取り組みでは、高効力製品の開発・販売、エコレールマークの取得、感染症について啓発活動、フマキッズこども研究所の活動の継続など様々な活動を積極的に進めていく。

花王「KANEBO」、公式アカウントを「抖音」に開設 中国のZ世代へ

花王「KANEBO」、公式アカウントを「抖音」に開設 中国のZ世代へ

 花王は6月1日、カネボウ化粧品のプレステージブランド「KANEBO」の公式アカウントを、短尺動画プラットフォーム「抖音(Douyin)」に開設、同時にECプラットフォーム「抖音電商全球購(Douyin EC Global)」へも出店し、ライブコマースでの販売を開始した。
 同社はこのほど、中国化粧品市場のさらなる深耕をめざし、若年層の利用者が多い「抖音」「抖音電商全球購」を新たな有力マーケティングチャネルとして活用することを決定。特に消費意欲が高いとされるZ世代へのさらなるブランド浸透を図るとしている。
 「KANEBO」の「抖音」公式アカウントでは、定期的にユニークな商品特長などを紹介する動画コンテンツをアップ。美容部員が自ら商品を紹介するコンテンツも発信していく。抖音電商全球購店舗では、オープン後数カ月は毎日ライブ配信を実施。こちらでも美容部員が出演する回を設け、顧客とのエンゲージメントを醸成しながら、認知から販売までつなげていくエコシステムを確立していく。取り扱い商品は、オープン時にはスキンケアおよびベースメイクの20SKUを販売、順次今年の新商品アイテムを追加していく予定。

アース製薬、「虫ケアセミナー2022」開催 虫媒介感染症対策など啓発

アース製薬、「虫ケアセミナー2022」開催 虫媒介感染症対策など啓発

 アース製薬は5月29日、東京・有楽町朝日ホールにおいて「~コロナ以外にも注意したい感染症~ 第3回アース虫ケアセミナー2022」をリアルとオンラインのハイブリッド形式で開催。会場には551名、オンラインでは1560名が参加した。
 はじめに、主催者を代表して川端克宜社長が開会のあいさつを述べ、この中で「これから夏を迎えるに当たり、虫による感染症に対する情報をお伝えすることができればと思い、本日のセミナーを開催することにした。害虫もしっかりとした知識をもって対策をすれば、決して怖いものではない」と、同セミナー開催の意義を語った。
 続いて第1部の講演に移り、国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室室長 保全生態学者の五箇公一氏による講演「地球環境変動と新興感染症リスクの拡大」と、大阪大学大学院医学系研究科感染制御学教授の忽那賢志氏による講演「身近な虫に要注意? 蚊やマダニによる感染症とその治療」を聴講。
 続く第2部では、「動画で学ぶ『アース害虫講座』」と題して、アース製薬研究開発本部研究部研究業務推進室生物研究課研究員の有吉立氏が、同社の生物研究課での取り組みや虫の飼育などについて紹介するとともに、蚊とマダニの生態や生息場所、そして虫よけ剤の仕組みや正しい使い方などについて動画を交えて説明を行った。
 続いて、これまでの登壇者である五箇氏、忽那氏、有吉氏によるトークセッションが行われ、様々な質問に答えるかたちで話が進められたのち、閉会となった。

「イオンタウン毛呂山」6月30日開業 オンラインで概要説明会を開催

「イオンタウン毛呂山」6月30日開業 オンラインで概要説明会を開催

 イオンタウンとイオンリテールは6月6日、埼玉県入間郡毛呂山町にグランドオープンするショッピングセンター「イオンタウン毛呂山(もろやま)」(6月30日開業)の概要説明会をオンラインで開き、イオンタウンの加藤久誠社長、イオンリテールの永山久美子執行役員北関東カンパニー支社長らが出席して、同SC並びに出店する専門店と核店舗「イオンスタイル毛呂山」の概要などを説明した。
 イオンタウンの加藤社長は「今回の出店はイオンタウンとして埼玉県で5店舗目となる。お客様のニーズに応える商品・サービスを拡充し、地域の皆様にご愛顧いただけるSCを目指していく」とコメント。また、イオンリテールの永山執行役員は「イオンリテールはイオンタウンと協力し、このSCでにぎわいを創出したい。地域の人に親しまれ、毎日の買い物が便利で楽しい店づくりを進めていく」と述べた。
 出店する専門店は「コメリハード&グリーン毛呂山店」、いちご農園直営スイーツ専門店「苺の里Strawberry Garden」など13店舗。
 核店舗の「イオンスタイル毛呂山」は、地域の生産者が出荷する新鮮野菜や果物を中心に、名産品・地酒などを豊富に取り揃えた地場コーナーを展開。また、“時短”“健康”“環境に良い”といった近年需要が高まる商品を取り揃える。
 毎日のくらしに便利な商品・サービスを提供するくらしの品では、庭作業や介護用品なども含め地域のニーズに合わせた「用途別」の売り場を展開し、地域の人たちから最も使いやすいと思われる売り場を目指す。


2022年6月15日号 記事一覧

M&A・設立

  • スギHD子会社のSトレーディングが渡辺貿易を子会社化

会合・発表会

  • WWFジャパン、プラスチック削減イベント開催 ユニ・チャームなど参加
  • 千葉卸組合、第54回通常総会を書面決議で実施
  • 資生堂ジャパン、「クレ・ド・ポー ボーテ」秋冬新製品発表

経営・施策

  • メディパルHD、グループ15社で「ShiftP服薬支援制度」導入
  • KCMK、大阪府守口市と包括連携協定を締結 環境啓発や子育て支援など
  • マンダム、「大阪市女性活躍リーディングカンパニー(三つ星)」に認証
  • ウテナ、環境の日に合わせて「ゆず油」特設サイトで開発秘話マンガを公開
  • 貝印、不要となった自宅の貝印製包丁を無料で回収するサービスを実施
  • アース・ペット・長田社長インタビュー 「ペットと人の暮らしの一助に」
  • サンギ、「アパガード」公式通販サイトをリニューアル
  • 牛乳石鹸共進社、「牛乳石鹸レディースチーム卓球大会」に協賛

製品・サービス

  • サンギ、「アパガードプレミオ」が花嫁美容アワードで4年連続1位に
  • 花王、「ビオレ」から「冷メンテマスク」「冷シャワー」数量限定発売
  • 王子ネピア、「ネピア 鼻セレブマスク紙エールパッケージ」発売
  • 大王製紙、「エリエール 消臭+トイレットティシュー」夏季限定品発売
  • ユニ・チャーム、「ソフィ 超熟睡ショーツ まるごと通気」限定発売

宣伝販促

  • 明色化粧品「DETクリア」、人気YouTuberとコラボプロモ実施
  • カメヤマ、真夏の大応援キャンペーン実施 現金1万円が50名に当たる等
  • ライオン、「ソフラン プレミアム消臭」新CMに相葉雅紀が出演
  • クラシエHP、「ディアボーテ HIMAWARI」新CM放映開始 連動企画も

人事・組織

  • 大木ヘルスケアHD、松井秀夫氏が取締役会長に
  • 資生堂グループ、組織一部改正・人事異動を発表
  • 日本グローブ工業会、新理事長に西山和成氏(ダンロップHP)を決定
  • デンタルプロ、役員人事を発表
  • ユニ・チャーム、機構改革・人事異動を発表

決算

  • 綿半HD、22年3月期売上高は前期並み 店舗改装・新規出店を継続

調査・統計

  • 西化工 22年1~2月化粧品統計 皮膚用、仕上用が堅調な動き
  • KSP-POS 2022年5月 カテゴリー別ランキング
  • 旭化成HP、「冷凍保存」調査 「特売品フリージング」に支持集まる
  • ファイントゥデイ資生堂、「推しのいる生活」調査 2人に1人は「いる」

イベント・展示会

  • イオンペット、「レイクタウン防災フェス」にブース出展 同行避難を啓発
  • ライオン、「ハブラシ・リサイクルプログラム」ポスターデザイン募集
  • J&J、「リステリン オーラルヘルスアライアンス第3回イベント」開催
  • デンタルプロ、「第11回カバのテツオ君と歯みがき教室」に協賛
  • ライオンと日本歯科医師会、キッザニア東京でスペシャルイベント開催

施設・店舗

  • ティックファイン、本社を大阪市西区阿波座に移転
  • イオンリテール、埼玉県久喜市に「イオンスタイル南栗橋」オープン

時評・コラム

  • 泡沫 庶民感覚分かり過ぎても値上げは不可避?

特集 【H&BC/コスメ夏】

    経営・施策

    • 3年ぶり制限ない夏に 制汗デオドラント剤、UV商品に期待かかる

    製品・サービス

    • 花王 「プリマヴィスタ」からSPF50のトーンアップ下地を発売
    • BCLカンパニー 「サボリーノ」など注力ブランドから限定品発売
    • コーセー 「雪肌精 クリアウェルネス」からスマートミルクパクト発売
    • コーセーコスメポート 「サンカット」からUVスプレー限定品発売
    • 明色化粧品 「モイストラボ」からマスクメイクの新アイテム発売
    • 資生堂 「SHISEIDO」創業150周年キャンペーン展開 数量限定品3品発売
    • マンダム 「ギャツビー ボディペーパー」から新香調2アイテム発売
    • 花王「エスト」 「バイオミメシス ヴェール」が進化
    • ファンケル 春の新製品「泥ジェル洗顔」が好調な出足見せる
    • High Link 香りのサブスク「COLORIA香りの定期便」が注目集める
    • FT資生堂 「シーブリーズ デオ&ウォーター」15年ぶりにパッケ改良
    • 伊勢半 「キスミーフェルム」から眉マスカラ好評発売中
    • クラシエHP 「肌美精 CHOI」から乾燥肌あれ+毛穴ケア
    • ライオン 「Ban汗ブロックプラチナロールオンクールタイプ」限定発売
    • ナリス化粧品 「マジェスタ」からマッサージングパックを期間限定発売

    調査・統計

    • ポーラ化成工業 シワを気にしている人は他の肌状態も気にする傾向


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。