2022年2月23日号掲載記事より
ライオン、中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」を発表
ライオンは2月14日、同社グループのパーパス(存在意義)の実践を通じた事業成長とサステナブルな社会への貢献に向け、2022~2024年までの3カ年の中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」について発表。翌15日、報道関係者を対象に記者懇談会(オンライン開催)でその詳細について掬川正純社長が説明した。
それによると、同社の2030年に向けた中長期経営計画「Vision2030」は、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパスを起点とし、2030年に向けた経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げ、その実現への企業活動を進めている。
ここ10年間、同社は収益力向上を課題として商品高付加価値化と構造改革を推進し、その結果、売上高営業利益率・事業利益率を2%水準から10%水準に向上させたが、この先の10年について掬川社長は、「コロナ禍の現在、当社の社会的役割が拡大していると捉えており、今後は成長投資を継続強化し、事業成長を加速させ、企業価値、社会貢献の拡大を目指していく」と語った。
そして「Vision2030 1st STAGE」では、「成長軌道化と新たな成長起点の創出」「経営基盤の変革」「人材・組織活性化」をテーマに掲げ、成長加速へのギアチェンジの期間として、3つの成長戦略の実行と経営基盤の変革を推進する。
3つの成長戦略は、①4つの価値領域における成長加速②成長に向けた事業基盤への変革③変革を実現するダイナミズムの創出――だ。
「1st STAGE」では、売上成長軌道化(CAGR4%超)・EBITAD過去最高を目指し、2024年の目標として売上高4200億円(21年比14.7%増)、事業利益320億円(3.5%増)、EBITDA520億円(15.1%増)、ROIC7.5%水準、ROE9.0%水準を掲げている。
「PALTACフェア2022」オンライン開催 SDGs、DXなどの取組み紹介
PALTACは2月5日から3月15日までの約1カ月間、今春の新商品や新たな切り口による売り場提案、サプライチェーン全体の課題解決に資する同社の機能などを紹介する「PALTACフェア2022―勝売繁盛―」をオンラインで開催。今回のフェアのサイトは、商品情報量の拡充に加え、商品の視認性・操作性を向上。必要なコンテンツに素早くアクセスできるというオンライン展示会のメリットを最大限に活かしたものへとバージョンアップされた。
トップページでは、展示会のエントランスの様子をイメージした映像が表示され、展示会に訪れているような雰囲気を演出。サイト内は、①社長あいさつ②PALTACの取り組み紹介③売り場・売り方提案④新商品紹介⑤メーカーブース⑥アンケート――の6つのフロアで構成され、画面右上の「フロア案内」をクリックすることで、他のフロアへの移動も容易になったほか、約4分間のフェアのダイジェスト動画も用意された。
フロアの最上階には、糟谷社長のあいさつの動画を設置。その中で糟谷社長は、「今回新型コロナウイルスの感染拡大により、オンラインのみでの開催を決定したが、SDGsやDX化の取り組み、物流、システム、リテールソリューションなどの当社の機能・施策とともに、出展139社による商品をリアル開催にも劣らない内容で紹介する。コンテンツは多岐に渡るが時間の許す限りご覧いただきたい」とあいさつした。
なお、2月16日には報道関係者を集めて会見が開かれ、その中で、今春の新商品の傾向として、中・高単価のヘアケア商品やリラックスできる香りをコンセプトにした洗剤・柔軟剤、また、マスクを外した時の肌に着目した商品など、昨今の社会情勢や消費者の小さな困りごとにスポットを当てた商品の導入が見られていること、また、昨今のSDGsの考えの浸透により、小売業においても返品削減への気運が高まってきている――などの見解が示された。
資生堂、「アネッサ」から革新的技術搭載した新商品発売 小松菜奈を起用
資生堂は、日焼け止めブランド「アネッサ」から、紫外線をカットしながら太陽の光を美容効果のある光に変換する革新的技術を搭載した日中用乳液・化粧下地「アネッサ デイセラム」などの新商品を2月21日、発売。これに先立ち15日には報道関係者を対象にオンラインで「アネッサ 新ミューズ就任・新TVCM発表会」を開き、新ミューズに小松菜奈を起用した新テレビCMを放映すると発表した。
「アネッサ デイセラム」は、農業分野における光の活用研究からインスピレーションを得て、「ヒトの肌に与える光の効果」「太陽の光を変換して利用する植物の光合成プロセス」に着目して開発した世界初の成分アプローチ「サンデュアルケア技術」を搭載。これにより、紫外線をカットするとともに太陽の光を美容効果のある光に変換する。サンケア=スキンプロテクションの概念を超えたこの新技術でサンケアカテゴリーの常識を覆す新たな価値を提案する。
会では、資生堂ジャパン・加藤仁久アネッサブランドマネージャーがあいさつに立ち、「消費者はサンケアに対して、コロナ禍の日常において毎日の使いやすさを求めている。そこで『アネッサ』は、シミの要因となるリスクから肌を守るとともに、毎日使いたくなるサンケアとして『アネッサ デイセラム』を発売する」と述べた。
続いて、「アネッサ デイセラム」の新CMが披露された後、小松菜奈が登場してトークショーが行われ、「紫外線をカットしながら太陽の光を美容効果のある光に変換する技術はとても画期的で、肌に大敵な紫外線に対するイメージが変わりました」などと語った。
アース製薬、2021年12月期業績 売上高は初の2000億円台に
アース製薬の2021年12月期の連結決算は、売上高2037億8500万円(前期比3.9%増)、営業利益106億6700万円(6.6%減)、経常利益113億6200万円(2.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益71億4200万円(101.4%増)となった。
コロナ禍での在宅時間の増加などで引き続き家庭用品事業全般に好調に推移しており、売上高は過去最高を更新し、初の2000億円台となった。
一方、利益面では、シーズン終盤での気温低下による虫ケア用品の返品増加や物流コストのアップ、マーケティング費用、人財への積極投資もあり、営業利益、経常利益では前期を下回ったが、当期純利益では、前期に海外での買収に伴う特別損失を計上した反動もあり、前期から倍増の過去最高益を記録した。
なお、今後の取り組み、見通しについては、新型コロナウイルスの状況や原材料価格の高騰など、先行きが極めて不透明としながらも、「お客様目線による市場創造」を重視し、中期経営計画「Act For SMILE -COMPASS 2023-」のもと、「アジア」、「サステナビリティ」、「シナジー」をキーワードに、企業価値をより高めていく。
そして、新規事業として注目を集める「MA-Tシステム」については、社会的信用の向上や産業創造による経済効果の拡大、社会課題解決の可能性を探ることを自社のミッションと考え、日本MA-T工業会をプラットフォームとして企業・研究機関・各種団体と連携し、幅広い産業でのMA-T活用を図る。
「スーパーマーケットトレードショー」リアル開催 1652社・団体が出展
一般社団法人全国スーパーマーケット協会が主催する「第56回スーパーマーケットトレードショー2022」が、2月16~18日の3日間、千葉・幕張メッセ全館を使用して開催された。
横山清会長(トレードショー実行委員長)によれば、出展社数は1652社・団体(2976小間)。併催の「デリカテッセン・トレードショー2022」と併せると出展社数1690社・団体(3197小間)という大規模での開催となった。
開会式に臨んだ横山会長は、「今回は新しい時代の幕開けとなろう。すでにアフターコロナを取り入れた生活が始まっている中、食の供給イコール命を守る、というエッセンシャルワーカーとしての使命感をもって臨みたい」と述べ、業態の役割と今ベントの意義をあらためて強調した。
また、16日に行われた記者懇談会の席上、横山会長は生活者の行動変容と値上げについて言及。「eコマースの伸長が目立つが、基本的には変わっていない。今後も小さな変化を折り込みつつ品揃え、販売方法を徹底させ、リアル店舗の良さを伝えていく。値上げについては、かつての鮮魚の様に一度上げると客が二度と戻らないケースもあるだけに慎重な対応が必要だ」との見解を示した。
2022年2月23日号 記事一覧
会合・発表会
- 小林製薬、22年春の新製品オンライン発表会で15品目を披露
経営・施策
- 資生堂、プロフェッショナル事業をヘンケル社に譲渡
- 桃谷順天館、大阪市の女性活躍リーディングカンパニーで優秀賞を受賞
- 大木、シンシア社「2ウィークアイウェル」の国内独占販売契約を締結
- 花王×コーセー、サステナビリティ領域での協働取り組み第1弾が始動
- ライオン、熊本県合志市と地域社会発展のための包括的連携協定を締結
- ポーラ・オルビスHD、化粧品プラ容器・包材を100%サステナブル設計に
- アインHD、処方箋医薬品のロッカー受け取り実験開始 「PUDO」活用
宣伝販促
- 牛乳石鹸共進社、手洗い啓発メッセージ広告が「JAA広告賞」入賞
人事・組織
- 旭化成HP、高橋克則専務が4月1日付で社長に昇格
- エステー、組織改定・執行役の管掌変更を発表
- フジモトHD、役員を選任
- クラシエHP、関連会社含めた人事異動を発表
- 資生堂、3月1日付で人事異動を発表
- ライオン、3月30日以降の役員体制を発表
決算
- ライオン、2021年12月期は増収減益に 海外事業、産業用品事業が牽引
- P&G米国本社、21/22事業年度第2四半期業績は純売上高が6%増
- 資生堂、2021年度業績は増収増益に 中国事業売上高が7%増
- コーセー、「タルト」「アルビオン」の業績回復 2021年の連結業績発表
- マツキヨココ、2022年3月期第3四半期連結決算は増収増益に
- ユニ・チャーム、2021年12月期連結決算 売上高が5年連続で過去最高更新
イベント・展示会
- JPM、「JAPANPACK2022」東京で開催 花王澤田会長が講演
時評・コラム
- 時評 挑戦する業界紙であるために
特集 【紙上新製品発表会】
- 変わる新製品発表会の形態 コロナ禍、より重要になる新製品の展開
- 花王 「キュキュット ナチュラルデイズ+除菌」新発売
- 澁谷油脂 「SOC薬用柿渋ボディソープ/ハンドソープ」が好調
- ライオン 「システマハグキプラスプレミアムよくばりな美白」新発売
- グリーンベル 「刃間の広いステンレス製つめきり」を拡販
- コーセーコスメポート 新シリーズ「ジュレームiP」誕生
- フマキラー 「電子式らくらくスプレー」開発 園芸作業の薬剤散布が楽に
- シック・ジャパン 「新しい提案をし続けていく」ことを重視
- ユニ・チャーム 「ソフィはだおもいオーガニックコットン」から新製品
- 小林製薬 春の新製品としてフェムケア・トイレ用消臭剤など15品目発表
- 三宝 「テンスタースタイルストレートキープセラム」発売
- エステー 「快適な生活のサポート」「社会課題への対応」に焦点
- 大日本除虫菊 「ムエンダー」第3弾「お風呂の防カビムエンダー」発表
- PRページ NSファーファ・J 「make a new habit!」3月リニューアル
- 特別アンケート調査 リアル形式での新製品発表会を望む声は7割弱に
- プラネットが意識調査 5%以上の値上げ「許容できる」は4割以下
経営・施策
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調査・統計
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