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2022年2月16日号掲載記事より

花王、未来の命を守る「ライフケアカンパニー」へ 長谷部社長が方針説明

花王、未来の命を守る「ライフケアカンパニー」へ 長谷部社長が方針説明

 花王の長谷部佳宏社長(写真)は、2月3日に開催した決算説明会で今後の経営方針について説明し、中期経営計画「K25」の達成に向け、高収益体質への変革を進めるとともに新領域の事業を始動する考えを表明、未来の命を守る「ライフケアカンパニー」へ向け、不退転の決意で変革に取り組む考えを示した。また、今期(22年2月期)は市況に依存しない強い事業体質に変えるため、高付加価値・高収益商品の比率アップと戦略的値上げ・TCR活動(コストダウン活動)に取り組むことも明らかにした。(決算概要は既報)
 長谷部社長の説明によると、インバウンド需要の消滅やコロナ禍による消費減退の影響を受け、EVA(経済的付加価値)はピークの2018年935億円から2021年は451億円に減少、この数値を底として「K25」を達成し再び成長軌道に乗せ、高収益体質への変革、コア事業の「Reborn Kao」と新領域の「Another Kao」を大きく飛躍させる。その中でM&Aも実施し、コア事業、新領域との相乗効果で売上1000~2000億円、利益率20%以上となるような仕掛けをするという。
 また、22年は「市況に依存しない強い事業体質に変える」方針から、原材料価格変動に対するコスト影響の最小化を“戦略的値上げ”とTCR活動、高付加価値・高収益商品の比率アップによって進める。
 “戦略的値上げ”については、多様な方法で3月から実施、特に原材料価格の影響の大きいファブリックケアとベビー用紙おむつで取り組む。単に商品単価を上げるのではなく、商品の付加価値化をした上でのダウンサイジング、通常価格と販促価格があるカテゴリーについてはそのコントロール、一部商品単価の値上げを組み合わせて実施する。
 長谷部社長は、「昨今、食料品や自動車のタイヤなどの値上げがなされているが、なぜ日本のトイレタリーだけが値上げをしないのかが私にとって不思議なポイントであり、日本では世界でも最も安い取引をしているのが現状。どこかが勇気をもって乗り出さなければ日本の市場は安いまま、利益体質の強い海外に負けるということが続いてしまう。ここを打ち崩すために花王が勇気を持って取り組む決心をした」と戦略的値上げに対する決意を語った。

マツキヨココ、マツキヨの新ロゴを披露 動的・先進的イメージを訴求

マツキヨココ、マツキヨの新ロゴを披露 動的・先進的イメージを訴求

 マツキヨココカラ&カンパニーの塚本厚志副社長は1月27日、ドラッグストアMD研究会主催の「新春政策セミナー」で、「マツキヨココカラ&カンパニーの今後のビジョン」と題した基調講演を行った。
 講演では、「美しさと健やかさを、もっと楽しく、身近に。」というグループビジョンやスローガンなど、その目指す方向性を提示した上で、純粋持株株会社となった同社、及びシナジー創出会社として設立したMCCマネジメントの役割、中間持株会社のマツモトキヨシグループ、ココカラファイングループにおける国内外での事業戦略を詳細に説明した。
 塚本副社長はさらに、今年1月以降に出店するマツモトキヨシグループの新店舗から、カタカナの「マ」を基調とした新たなデザインのロゴマーク(画像)を導入したことをサプライズ的に公表し、当日(1月27日)にオープンした「マツモトキヨシ芦花公園駅前店」外観を公開した上で、新ロゴの狙いやデザインに込めた思いなどについて紹介した。
 塚本副社長は、「新ロゴは店舗でのストアマネジメント施策の一環。ブランドの目指す姿を体現するには、店舗体系の整理が必要だ。特にデザインはお客様とのタッチポイントの中で最も重要な要素となる」と強調。「そこで『マ』を象徴的に用いることで『マ』の造形から感じる動的・先進的印象を強調させた。イエローと『マ』をクローズアップさせることで、見ただけで瞬時に『マツモトキヨシ』と認識できる。『マ』の斜め上に鋭く伸びた形状は、未来志向で先に進んでいくことを表している」と語り、カタカナの読めない海外でも通用するとの考えを示した。

小林製薬、2021年度業績は増収増益に 国際事業の増収が貢献

小林製薬、2021年度業績は増収増益に 国際事業の増収が貢献

 小林製薬は2月4日、2021年12月期決算説明会をオンラインで開催。連結業績は、売上高1552億5200万円(前期比3.1%増)、営業利益260億6500万円(0.5%増)、経常利益280億1500万円(1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益197億1500万円(2.7%増)の増収増益、24期連続増益を達成したことを発表した。
 会見には、小林章浩社長、山根聡専務の両氏が出席。はじめに、山根専務が連結業績の概況について、「国際事業の大きな伸長が国内事業と通販事業の減収を補う形となり、増収増益を確保した」と説明。また、営業利益は「増収効果(32億円)とコストダウン(16億円)などの増加要因があったが、人件費(10億円)やAlva社償却費(13億円)などの減少要因もあり、前期比0.5%増となった」と述べた。
 続いて、小林社長が中期経営計画の進捗と今後の見通しについて説明。「100億円あったインバウンド売上高は新型コロナで消失したが、新生活に対応したニッチ商品で売上げをカバーするとともに、2021年度は国際事業が伸長したことで、グループ連結の増収と24期連続増益の達成に貢献した。今後はネガティブインパクトがなくなったことで、積極的な投資を行い新製品の発売・育成に注力し実力成長を遂げたい」と述べるとともに、今後の成長に向けては、①国際投資(広告費・販促費・人件費・研究開発費の拡大)②広告投資③研究投資④大型設備投資(2022年度から新棟・研究所建設など4つの投資がスタート)⑤DX投資――の各分野で積極的な投資を進めていくことを強調した。

NID、第107回下期展示商品約定会を開催 参加総数は前回上回る実績に

NID、第107回下期展示商品約定会を開催 参加総数は前回上回る実績に

 日本ドラッグチェーン会(NID)は2月8~9日の2日間、パシフィコ横浜で「第107回下期展示商品約定会」を開催。出展加盟社44社366人、出展メーカー432社(新規出展22社)1657人、参加卸15社101人、参加総数491社2124人と、いずれも前回を上回る実績となり盛況となった。
 会場では医薬品・健康食品、化粧品、日用品・雑貨・衛生・衣料、食品、新商品コーナーなどを展開。出展メーカーは主力品や新商品、NID専売品等を展示して、商品特長を積極的にアピールした。またコロナ感染予防対策として入場前の検温やアルコールによる手指消毒が徹底された中での開催となった。
 開催2日目には関伸治会長(セキ薬品)と森信ニッド社長(ドラッグストアモリ)が出席して記者会見が開かれ、関会長が今後のNIDの展開について、「組織運営で最も苦労していることは、メンバー社各社の置かれている事業環境がそれぞれ異なるだけに、『皆で商品を開発して販売する』というベクトルが定まりづらいことである。時間の経過とともに、競争環境が激化していることは間違いない。だからこそ、『差別化できる商品を開発してしっかり売って利益をつくっていく』ことが必要で、この意識を共有化するには、中核メンバーが先頭を切って、その成功例を実証していくことが重要である」と言及した。
 また、今後の商品開発の方向性について森ニッド社長は、「国民所得が低迷し、物価が上がらない中、いつまでもローコストオペレーションによる低価格販売ではダメだ。人件費を上げる仕組み、つまりヒトにしかできない顧客に寄り添った価値ある接客サービスを行うとともに、価格が高くてもお客様が納得して頂ける差別化商品を展開していくべき」との考えを示した。

大木ヘルスケアHD、「22春夏用カテゴリー提案商談会」をリアル開催

大木ヘルスケアHD、「22春夏用カテゴリー提案商談会」をリアル開催

 大木ヘルスケアホールディングスの「2022 OHKI 春夏用カテゴリー提案商談会」が2月8~9日、東京・平和島のTRC東京流通センターで開催された。リアルでの開催は2年ぶりとなる。
 9日の記者会見に臨んだ松井秀正社長は、「随分悩んだが、参加者全員に感染予防等十分な対策を講じて実施することとした。生活基幹業態となることを掲げる当社としては、コロナ禍の中、店頭で頑張っておられる方々に最適な提案や情報をお届けする使命がある」と述べ、強い決意のもと開催に踏み切ったことを明らかにするとともに、来場者からの反響については、「思ったよりも好評だった。『リモートでは見逃していた商品に気付いた』『フェイストゥフェイスだと思いが伝わりやすい』などの声も多く、リアル開催のメリットを感じていただけたと感じている」との見解を示した。
 なお、会場では「ながらヘルスケア」「フェムテック・フェムケア」「トータルマウスケア」など女性特有の健康課題を踏まえた新提案が数多く展示、紹介された。中でも松井社長自身が推奨する「フェムケア」については、「女性特有の悩みに対応できる商品が多く存在するが、卸としてそれを伝えきれていないという反省があった」とした上で、コロナ禍で激変した社会環境を踏まえ、これから取り組むべきカテゴリーだと提言。会場では「医薬品」「コスメ&バラエティ」の各ゾーンで解説ボードを付けての大々的な提案を実践した。


2022年2月16日号 記事一覧

会合・発表会

  • アサヒグループ食品、2022年事業方針説明会をオンライン開催

経営・施策

  • ライオン、「スポーツエールカンパニー2022」に認定
  • スギ薬局、地元・藤田学園と地域医療連携基本協定を締結
  • エステー、花粉対策ガイドを公開 「知っておきたい花粉と睡眠のはなし」

製品・サービス

  • 小林製薬、OTC医薬品「安美露」(アンメルイー)を中国で本格販売開始
  • 花王、「ALLIE」全面刷新 「クロノビューティ」シリーズ発売
  • ライオン、「システマハグキプラスプレミアム」から美白ハミガキ発売
  • ホーユー、「ビューティラボホイップヘアカラー」から新色2色を発売
  • クラシエHP、いち髪スタイリングシリーズから「いち髪 ING」発売
  • ファンケル、「ビューティブーケスピーディヘアマスカラ」新発売
  • ナリス化粧品、新ブランド「ソララ」立ち上げ UV乳液発売
  • ロート製薬、「スキンアクア」から美容液パック日焼け止めシリーズ新発売
  • クロバーコーポレーション、「敏感なお肌のためのシリーズ」が堅調な動き

宣伝販促

  • カメヤマ、「花げしき30周年大感謝キャンペーン」実施
  • コーセー「ヴィセ」、NiziU出演の新ビジュアル公開

人事・組織

  • PALTAC、組織変更・人事異動を発表
  • 小林製薬、3月30日付役員異動を発表

決算

  • 資生堂、21年12月期通期の業績予想の修正を発表
  • ジョイフル本田、2022年6月期上期決算は最高益を3期連続で更新

研究・開発

  • 大王製紙と東北大学院、生理用ナプキンとのこすれの影響を数値化

調査・統計

  • 東家同 22年1月度市況概況価格調査 TP再生紙は安定期に販売
  • KSP-POS 2022年1月 カテゴリー別ランキング

イベント・展示会

  • ハリマ共和物産、春の見本市は4月に延期もWEB見本市は予定通り開催
  • 石鹸新報社主催「第1回業界発展戦略セミナー」オンライン形式で開催

施設・店舗

  • 梅栄堂、期間限定ショップを高島屋大阪店にオープン

時評・コラム

  • 泡沫 五輪・パラは政治・経済色抜きで


上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。