2022年1月19日号掲載記事より
21年11月度小売各業態販売統計 SCや百貨店、チェーンストアで回復傾向
11月度の各小売業団体による販売統計調査では、10月以降の緊急事態宣言及び、まん延防止等重点措置の全面解除、その後の感染状況の落ち着きを反映してか、ショッピングセンター(SC)や百貨店、チェーンストアでは回復傾向がみられるようになり、やや明るい兆しにはなりつつあると言える。ただ、12月はオミクロン株の感染が少しずつ拡大するようになったことで、統計数字においては12月も安泰という見方はまだ難しそうだ。
各小売業団体販売統計調査による11月は、SCと百貨店、チェーンストアが前年同月を上回った。スーパーマーケット(スーパー)3団体は前年を割ったが19年比では上回っており、前年の反動とみることができるだろう。ただコンビニエンスストア(コンビニ)は9月は前年を上回ったものの2カ月連続で前年割れとなっており、やや心配な状況は続いている。
図表の通り、11月は、9月からプラスに転じたチェーンストア、2カ月連続でプラスとなった百貨店、キーテナント、テナントともに前年を上回り4カ月ぶりにプラスに転じたSCに対し、スーパー3団体、コンビニが前年同月を下回った。
日本スーパーマーケット協会の江口法正専務理事は昨年末の記者会見で、11月の状況について、「緊急事態宣言解除後、外食環境も緩和に向かい、内食需要の動きは緩やかなものとなっている。惣菜売上げが102%超と9カ月連続プラスであるように、徐々にだが以前の生活者の日常に戻りつつあると感じる。今は様子見といったところ」との見解を示した。
キリン堂協栄会新年会に468名が出席 「未病」への取り組み強調
キリン堂ホールディングスのキリン堂が取引先メーカー・卸売業との親睦を目的に運営するキリン堂協栄会は1月6日、大阪市内のホテルで「2022年度協栄会新年会」を開き、281社468名が出席した。同新年会の開催は2020年1月以来2年ぶり。
初めに、キリン堂協栄会・杉本雅史会長(ロート製薬)が登壇。「壬寅(みずのえとら)は芽吹きや新たな成長の年とされ、昨年経営陣によるMBOが成功し、新体制で成長の種をまかれたキリン堂様にとって成果が現れる年となる確信している」と述べるとともに、近年環境に配慮した事業運営が求められる中で、「環境負荷が大きいとされる返品や商品廃棄にも消費者の厳しい目が向けられている。製配販が協力してこれらの削減に取り組み、真に消費者から信頼されることが、キリン堂様の更なる発展に寄与すると考えている」とあいさつした。
続いて、キリン堂HD・寺西豊彦社長があいさつに立ち、今年度第3四半期時点で公式アプリの会員数が126万人となり、目標(130万人)達成見込みであること、店舗改装、作業効率・間接費の削減等の改革が順調に推移していることを報告。
また、既存店の改装による「食品」(冷凍食品・日配品・酒など)の品揃え拡充が消費者から好評であるとする一方で、「未病」への取り組みの重要性を強調し、調剤ドラッグストア一体型店舗に管理栄養士を配置して栄養相談コーナーでのカウンセリングを行うという取り組みをVTRで紹介。「食品強化、調剤ドラッグ一体型店舗を推進し、現場の店舗でお客様の声を聞き、店舗モデルを見直すというサイクルを形にしていきたい」と語った。
大日本除虫菊、西日本金鳥製品商談会で「お風呂の防カビムエンダー」発表
大日本除虫菊は1月11~13日の3日間、卸業者及び販売業者を招いて「西日本金鳥製品商談会」を開催し、今春の新製品と22年度の営業方針を発表した。
今回発表された新製品は、空間定量噴射式の浴室用カビ防止剤「お風呂の防カビムエンダー」、吊るだけで蚊に効く簡単虫よけ「蚊に効く虫コナーズプレミアムプレートタイプ/同玄関用」(防除用医薬部外品)、カーテン用虫よけスプレー「虫コナーズカーテン用スプレー」、有効成分「イカリジン」を高濃度15%配合した虫よけ「お肌の虫よけプレシャワーDFミストプレミアガード」、生ゴミのニオイをブロックし、除菌もできる消臭・防臭スプレー「クリーンフロー生ゴミ用消臭スプレー」――など計11SKU。
会場の展示スペースでは、今春の新製品・リニューアル品の紹介ブースのほか、「蚊に効く虫コナーズプレミアム」「ダニ対策売場」「お風呂の防カビムエンダー」の3つの特設ブースを設置。新製品の特長や近年の市場動向、生活環境の変化を示すデータを交えながら、今年度の販売戦略のポイントを具体的な店頭展開例と合わせて説明した。
上山社長はあいさつの中で、コロナの影響を受けたカテゴリーについて、屋外で使用する「人体用虫よけ」などの売上げが減少した一方、ダニ用、ゴキブリ用、「サンポール」など屋内で使用する商品が伸長したことを報告。また、今後消費購買層の人口が減り続ける中で、市場を伸ばすためには、「品質を重視した新しい剤型を提案し、これを伸ばしていくことが必要である」と述べた。
なお、今回の商談会は開催方式を3日間11部制とし、会場内は通路スペースを大きく確保したレイアウトに加え、商談ブースには飛沫防止用パネルを設置。また、受付では手指消毒と体温測定が行われ、各部とも来場者の滞在時間は、展示スペース見学45分、商談ブースプレゼンテーション45分の合計90分間入れ替え制とするなどの感染防止対策が採られた中で開催された。
RX Japan、「COSME Week東京2022」開催 多数の来場者で盛況に
RX Japanが主催する化粧品業界の展示会「COSME Week東京2022」が、1月12~14日の3日間、東京ビッグサイトで開催され、総計650社(同時開催展含む)が出展。初日から多数の来場者で賑わい盛況となった。
「COSME Week東京」は、化粧品原料・OEM・容器・サービスなどが集まる「第12回化粧品開発展東京」をはじめ、国内外の最新コスメが一堂に集まる「第10回国際化粧品展東京」や、サロン・クリニック向け化粧品・美容機器専門展「第2回国際エステ・美容医療EXPO」、インナービューティ商材が一堂に出展する「第5回美容・健康食品EXPO」などで構成。また同時開催展では今回初となる「第1回化粧品マーケティングEXPO」が開催され、注目を集めた。
さらに、毎回盛況を博す併催セミナーは全120講演が行われ、基調講演は、「化粧品業界の最新展望と資生堂の取り組み」をテーマに資生堂ジャパン・直川紀夫社長CEOが講演。特別講演ではロート製薬マーケティング&コミュニケーション部長・角田康之氏の「ロート製薬の化粧品分野におけるサステナブルな挑戦」などが行われ、多くの聴講者が詰めかけた。
花王、「プラスチック製アイキャッチシール」添付商品の生産を終了
花王は、昨年12月末をもって、アテンションツール「プラスチック製アイキャッチシール」を添付した商品の生産を終了した。これにより、2020年に公表した21年までのプラスチック製アイキャッチシール全廃を、海外含め花王グループ全体で達成した。なお、廃棄によるごみの発生を防ぐため、物流・店頭の在庫が無くなるまで販売は継続する。
この取り組みは、花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)の重点取り組みテーマのなかでは「ごみゼロ」に貢献するもの。
「プラスチック製アイキャッチシール」は、消費者が商品を購入する際に、商品特徴や正しい使用方法などを的確に伝達できるメリットがある反面、プラスチック使用量が増え、プラスチックごみや廃棄時のCO2が増大するといった課題があった。
今回、花王は従来アイキャッチシールに記載していた情報を、ボトル容器への表記等で引き続き伝えられるような工夫を凝らしながら、アイキャッチシール全廃を達成している。また、誤購入や誤使用を防ぐため添付が必要と判断した場合は、注意表示ラベルの素材をプラスチックからFSC認証紙へと変更している。同取り組みにより、約60㌧のプラスチックを削減している。
2022年1月19日号 記事一覧
会合・発表会
- JADMA、新年賀詞交歓会開催 「通販市場は初の10兆円台に到達」
経営・施策
- 大王製紙、3月22日出荷分から家庭紙製品の価格改定実施
- 良品計画、掃除洗濯用品やケア用品等拡充へ 第1四半期決算説明会で示す
- シャボン玉石けん、「第3回 私のSDGsコンテスト」作品募集を開始
- エステー、近畿支店内に「春の新製品展示スペース」を設置
- ライオン、NTTデータとDX推進に関する業務提携を開始
製品・サービス
- プラネット、「22年春夏新製品カタログ」発行 新製品・改良品等掲載
- ニベア花王、「ニベア 美容オイルクレンズ ディープクリア」新発売
- 資生堂、創業150周年記念限定デザイン化粧水「オイルデミン」発売
- ナリス化粧品、日焼け止めブランド「ソリスト」2品を全面リニューアル
- BCLカンパニー、「ももぷり 潤いバリア化粧水」など春の新商品発売
- クラシエHP、「エピラット オム」から敏感肌用除毛クリーム発売
- 小久保工業所、ラーメンの具や麺が簡単にすくえる「スクーン」新発売
- 白元アース、「ノンスメル清水香」から限定品「さくらの香り」発売
- バイソン、「爆汗湯」リニューアル後好調 「ムーンアロマ」中心に大幅増
人事・組織
- ユニ・チャーム、1月1日付部門長人事を発表
決算
- ウエルシアHD、22年2月期第3四半期決算発表 売上高は6.5%増に
- クスリのアオキHD、22年5月期第2四半期決算発表 売上高1611億円に
研究・開発
- 花王、飛沫を抑制する歯みがき動作を調査 口を閉じてみがくなどが有効
調査・統計
- 東家同 21年12月度市況概況価格調査 安定販売のスタイルが継続
- サンスター、コロナ禍前後の行動変化調査を実施 Webマガジンで公開
- ナリス化粧品が調査、ファンデやめた女性の3割が日焼け止めで代用
- KSP-POS 2021年12月 カテゴリー別ランキング
- KSP-POS 2021年 年間カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- 麻友、「麻友見本市」開催を3月16~17日に延期を決定
- 全卸連、「CSSカップ全国選抜大会」を3月5日に東京で開催
- PALTAC、「PALTACフェア」リアル開催中止 オンラインのみに
時評・コラム
- 泡沫 感染拡大も慌てずに対応を
その他
- プラネットVANVAN第133号
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。