2021年11月24日号掲載記事より
資生堂、R&D戦略発表会開催 独自R&D理念「DYNAMIC HARMONY」制定
資生堂は11月17日、報道関係者を招いて「資生堂R&D戦略発表会」を開催。研究開発(R&D)を強化すべく、このほど独自の研究開発理念「DYNAMIC HARMONY」を制定したと発表した。この理念のもと5つの研究アプローチを柱に据え、R&D部門のさらなる強化とイノベーション創出を加速させ、同社企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」のもと、新たな製品やよりよいサービスを提供していく。
今回、資生堂が制定した独自の研究開発理念「DYNAMIC HARMONY」は、明治期に日本初の民間洋風調剤薬局として創業して以来取り組んできた西洋の科学と東洋の叡智を融合した成り立ちに端を発したもの。一見相反する価値や両立が難しい価値を融合し、唯一無二の新たな価値を生み出すという独自のR&Dの考え方を同社の強みとして再定義し、明文化した。
資生堂ではこの理念のもと、5つの研究アプローチを柱に据えることで、まず社内外に向けて資生堂R&Dの強みと独自性を可視化し、多様なバックグラウンドをもつ世界中の研究員が能力を最大限発揮することが狙いだ。
発表会であいさつに立ったR&Dトップの岡部義昭チーフブランドイノベーションオフィサーは、「『DYNAMIC HARMONY』の制定によるお客さまへのメリットは、研究所内のベクトルを1本化することで、イノベーション創出機会を増やし、変化する世の中の流れや社会環境、そして多様化する顧客ニーズに迅速かつ幅広く対応していけることにある」と言及。売上構成比3%程度の研究開発費を継続投下していくことで、同部門のさらなる強化とイノベーション創出を加速させ、資生堂の企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」のもと、新たな製品やよりよいサービスを提供していく考えを示した。
JACDS、DgS業界研究レポート報告会でSDGsの取り組み解説
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は11月12日、恒例の「2021年後期ドラッグストア(DgS)業界研究レポート報告会」を都内会場及びオンラインの併用で開催した。
冒頭、挨拶に立った池野隆光会長(ウエルシアHD会長)は、まずDgS業界の現況について触れ、「業界はコロナ禍を経てもまだまだ成長が続いている。一方で、もっと便利な業態になれる、新たな領域の商品を取り扱うなどの考え方も必要だ。今、消費者にとって最も良い形というのは、スーパーもホームセンターもコンビニも成り立つこと、それぞれの業態、企業が違ったアプローチをしていくことが成長への大きな鍵となろう」との見解を示した。そして現在、各業界が取り組むSDGs、特に環境問題への対応にも触れ、「投資するだけでなく、ビジネスにどう直結させていくかも、JACDSとして考えていく必要がある」との持論を展開した。
この提言を受けて、SDGs推進委員会2代目委員長としてこの4月より陣頭指揮を執る德廣委員長(写真)は、「課題解決には加盟企業以外の知見も必要だけに、メンバーには卸やメーカーの関係者も名を連ねている」とした上で、「環境問題、特にDgSにおける3R(リデュース・リユース・リサイクル)について取り組んでいる。内容としては、消費者の行動変容を促して、その結果として環境改善につなげられる活動を目指している。併せて返品削減や今後の物流問題も課題として取り組みを検討している」と説明した。
マツキヨココ、2021年度上期はマツキヨ増収増益、ココカラ減収減益
10月1日に経営統合したマツキヨココカラ&カンパニーは11月15日、2022年3月期第2四半期決算業績を、旧マツモトキヨシホールディングスとココカラファイングループ分それぞれ発表した。
旧マツキヨHDの連結業績は、売上高2770億300万円(前年同期比3.5%増)、営業利益157億8500万円(10.9%増)、経常利益167億5200万円(9.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益103億500万円(7.9%増)と増収増益に。一方、ココカラファイングループ分の連結業績は、売上高1817億9000万円(5.3%減)、営業利益54億3900万円(1.0%減)、経常利益64億5900万円(1.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益6億4100万円(42.8%減)と減収減益であった。
旧マツキヨHDでは、マスクや除菌関連商品等の特需が落ち着き、店舗営業が通常営業に戻ったことで、医薬品・化粧品を中心に繁華街・都心店舗の業績が回復基調となったことや、調剤事業でも受診抑制の緩和傾向が見られたことから前期を上回る売上高となった。
ココカラファイングループでは、処方箋応需枚数の減少は一巡したものの、コロナ関連商品特需の反動減が響き、既存店売上高が4.8%減となった。
バローHD、2021年度中間決算はスーパー事業堅調で実質増収に
バローホールディングスは11月16日、「2022年3月期第2四半期決算説明会」をオンライン開催。田代正美会長兼社長と篠花明常務取締役らが出席し、当期決算概況と提唱する製造小売業化で目的来店性向上を図るフォーマット「デスティネーション・カンパニー」への転換の進捗等について説明した。
当期連結決算業績は、営業収益3659億3400万円、営業利益124億5800万円、経常利益140億4400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益61億400万円となった。前会計基準では営業収益は増収、過去最高値となる。
説明した篠花常務は当期業績を、「主力のスーパー事業では目指すデスティネーション化への既存店改装が順調で、生鮮・惣菜の売上げの好調につながった。営業収益も収益認識会計基準前数値では増収だった。一方で改装や人材確保から経費率が増加し、経常利益は減益となった」と総括した。
また、田代会長兼社長(中央)は、「従来よりも商圏を拡大させ、製造小売ならではの商品力強化から郊外型と住宅街型それぞれの店舗で最適な品揃えが実現できている」ことなどを挙げ、事業の進捗がうまく進んでいることを強調。
さらにドラッグストア事業の方向性にも触れ、「ドラッグには生鮮のDNAはない。むしろ業態の本流である調剤増設や健康に関連する商品提案を強化する施策を加速させたい」と説明した。
花王、職場でのウイルス対策意識調査を実施 介護従事者は負担多く
花王は、全国の働く人600人(うち100人は介護従事者)を対象に「職場でのウイルス・菌対策に関する意識調査」を行い、その結果を発表した。
それによると、働く人の約半数がウイルス対策や除菌を「負担に感じている」と回答。中でも介護従事者の約70%が「負担」と回答しており、「マスクの着用」「手指の消毒」の項目は、業種に限らず多くの人が行っているが、「物品の消毒」や「施設の消毒」など、介護施設ならではの業務が多く、介護従事者は他業種よりも負担が多く、心理的負荷が大きい傾向が明らかになった。
また、介護従事者の85%が除菌やウイルス対策の時間が「増えた」と回答。約70%の人が1日に30分以上、多い人だと4時間以上も時間を費やしていることも判明。「ウイルス対策に時間をとられ、もともとの人員不足もありサービス残業が増えている」といった声も挙がった。
さらに、中には、除菌・ウイルス対策に使用するものが施設内で足りなくなり、自前で購入している人がいることが判明。除菌・ウイルス対策の負担は、業務的や精神的だけではなく、金銭的にもかかっていることが分かった。
なお、花王リセッシュでは、今回の調査を受けて、11月11日「介護の日」にニチイ学館の介護拠点全国約1800拠点へ「リセッシュ除菌EXプロテクトガード計3000本を無償提供した。
2021年11月24日号 記事一覧
会合・発表会
- 日本ネイリスト協会「22年新年会」中止
- 西化工、22年新年互例会の中止を決定
- ミニストップ、冬季セール用WEB商品説明会開催 年末年始の企画紹介
- 資生堂ジャパン「プリオール」、「大人チャーミングな、ひと。」PJ発表
- 白十字、失禁関連皮膚障害テーマに「Dセミナー」を開催
経営・施策
- イオンリテール、埼玉・南栗橋街づくりプロジェクトに参画
- ライオン、JR新宿駅に期間限定で「キレイ投票所」を設置
- 花王、和歌山市とSDGs推進 連携期間継続と現在の進捗を発表
- ライオン、「ハブラシ・リサイクルシステム」ポスターデザイン入賞者決定
- 小林製薬、サステナビリティ社内浸透ワークショップの参加者が2000名突破
- 花王、リセッシュ「働き服向上委員会」 ニチイ学館との連携を開始
- 桃谷順天館、岡山工場が化粧品製造の国際規格ISO22716の認証取得
- PRページ ユニ・チャーム「ソフィ」 「7日間は、変えられる。」
製品・サービス
- PRページ 花王 「ビオレ パチパチはたらくメイク落とし」今秋新発売
宣伝販促
- エステー、「消臭力PA」新CM完成 「見たことある」編の放映開始
- 日本製紙クレシア、「ポイズ 肌ケアパッド」新CMを全国放映開始
- コーセープロビジョン、INIを起用し「米肌」WEB版CMを公開中
- 資生堂、「SHISEIDO」キャンペーンムービーの再生数1800万回を突破
- サンギ、創立50周年に向けコーポレートサイト刷新
人事・組織
- 資生堂、執行役員制度を廃止 エグゼクティブオフィサー制度に完全移行
- コーセー、組織変更・人事異動を発表
- コーセー化粧品販売、組織変更・人事異動を発表
- 日本製蝋、今野卓也取締役が来年1月1日付で代表取締役社長に就任へ
- GSKジャパン、野上麻理氏が代表取締役社長に
- 資生堂ジャパン、12月1日付の人事異動を発表
決算
- 東邦HD、22年3月期第2四半期決算は増収増益 取扱卸限定品等が寄与
研究・開発
- 花王と北里大学が発表、VHH抗体を経鼻投与で肺のウイルス増殖を抑制
- 大阪府、医薬品等承認申請に係る試験方法の相談事業を実施中
- 小林製薬、新型コロナ変異株に対するヨウ素の抗ウイルス効果を確認
- サンスター、野菜・果物混合物とその配合素材が腸内環境に及ぼす影響発表
調査・統計
- 西化工 21年1~8月化粧品統計 パック、美容液などが低調に
- 東家同 21年10月度市況概況価格調査 引き続き商品の安定供給を推進
イベント・展示会
- 貝印、「#剃るに自由を」第2弾 SHIBUYA109でサンプリングイベント
施設・店舗
- 椿化工/ツバキスタイル、総務部と東京ショールームを移転
- イオンタウン、秋田県能代市に新SC「イオンタウン能代」オープン
時評・コラム
- 泡沫 景気面での不安要素が重なる歳末に
特集 【世界エイズデー】
- 12月1日は「世界エイズデー」 コンドームの2020年度市場は1割減に
- オカモト 若年層をターゲットにした商品開発強化
- 相模ゴム工業 「サガミオリジナル」認知度向上へ販促活動展開
- ジェクス 「ZONE」から最上位アイテム「プレミアム」を今春導入
- 不二ラテックス 「フジラテ0.02/0.03」販売中
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