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2021年10月13日号掲載記事より

21年7~8月度小売各業態販売統計 7月は善戦も8月は各業態が前年割れに

21年7~8月度小売各業態販売統計 7月は善戦も8月は各業態が前年割れに

 7~8月の各小売業団体による販売統計調査をみると、厳しかった6月に対し7月は、梅雨明けが早く平均気温が高かったこともあり、各業態が善戦し売上高前年対比は前年クリアが目立った。一方、8月は一転して各業態で前年割れに。これは新型コロナウイルス感染拡大が顕著となり、緊急事態宣言発令地域の期間延長、更に対象地域の拡大が響いた形だ。
 各小売業団体販売統計調査では、7月と8月で明暗を分けたが、この主要因は新型コロナウイルス感染拡大にあるのは間違いない。
 7月は、12日から緊急事態宣言が発令された東京と沖縄を除いては感染ペースが比較的落ち着いたスタートに見えたが、デルタ株による感染拡大の猛威は瞬く間に広がり、7月31日には過去最高の全国新規陽性者数を記録。8月2日には緊急事態宣言発令とまん延防止等重点措置適用が15都道府県、8月27日には33都道府県にまで広がった。
 これほど急激な感染拡大を予想し得ることは、当然できなかったとは言え、7月初旬の出足に期待を膨らませていた小売業態・企業は少なくなかっただけに、大きな打撃を被ることになった。
 日本スーパーマーケット協会の江口法生専務理事は2021年8月度販売実績について、「天候不良や五輪開催などもあり、おうち時間が増加したことから食料品販売が好調に推移した一方で、昨年特需だった非食品部門、特に衛生用品・紙用品等日用品が大幅なマイナスとなった」と話す。
 9月も8月と同様に緊急事態宣言等の影響は変わらず、先行きの不透明感は残ったままだ。

イオン、2021年度第2四半期決算説明会、営業収益は過去最高更新

イオン、2021年度第2四半期決算説明会、営業収益は過去最高更新

 イオンは10月6日、決算説明会をオンラインで開き、2021年度第2四半期の業績並びに上期の事業環境、成長戦略について説明した。
 それによると同期の連結業績は営業収益4兆3449億1900万円(前期比1.7%増)、営業利益777億6500万円(129.4%増)、経常利益779億3100万円(178.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益45億8800万円で増収、大幅な増益、前年同期の赤字から黒字転換した。
 継続する内食需要への対応を強化したSM事業、DS事業、調剤併設型ドラッグストアの展開を加速するヘルス&ウエルネス事業は、コロナが拡大する前の2020年2月期第2四半期連結累計期間を上回るセグメント利益を計上。GMS(総合スーパー)事業、総合金融事業、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業、国際事業は外部環境の影響を受けたものの、オンライン販売の強化やコスト構造改革等、成長の基盤作りを推進し、前年同期比で損益改善した。
 上期の事業環境、成長戦略について説明した吉田昭夫社長は、事業環境について触れ、変異株による急激な感染拡大によって期初のシナリオ(感染拡大するも休業規制なし、第2四半期は感染者減少に転じる)と実際(国内外で厳格な営業規制が発令、外出自粛の長期化による消費マインド低下)が相違し、その影響により事業ごとに濃淡が出たこと、少なくとも今年度中はコロナと共存した事業の組み立てが必要であり、防疫とデジタルシフトの一層の加速が必要との見解を示した。

JACDS定例記者会見、医療用抗原検査キットの薬局販売を歓迎

 一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、10月1日に開催された定例記者会見の席上、田中浩幸事務総長が先日の厚生労働省の事務連絡「承認済み医療用抗原検査キットの薬局販売の特例実施」について触れ、「ドラッグストア(DgS)業界としては大歓迎。より積極的に販売していく」という方針を示した。
 田中事務総長は、「厚労省では経済界向けに職域での検査促進に向けた事務連絡を出したが順調には進まなかった。経団連等からも薬局やDgSでの検査キット販売を求める声が多かったことから、薬局での販売の実現につながった」とその経緯を説明。JACDSとして、「歓迎できる判断だ。求められる検査キットを、店頭から薬剤師がしっかり説明をした上で販売することで多くの地域生活者に、このコロナ禍の中で薬局・DgSがお役に立てるということを見せるチャンスにしたい」との考えを示し、継続的な施策となるよう、現場の薬剤師に期待を込めて「頑張ってほしい」とエールを送った。
 なお、JACDSでは会員企業における研究用抗原検査キットの販売に関して、①医療用抗原検査キットと混同しない、診断目的でない研究用とわかるPOPの掲示内容②従業員から購入希望者への説明内容③仕入れ先に対する商品の性能評価内容――の3点を確認事項として挙げ、不十分な点がある場合は直ちに販売を中止するよう求めている。

森川産業、「2021秋新製品内見会」を東京・大阪2会場で開催

森川産業、「2021秋新製品内見会」を東京・大阪2会場で開催

 森川産業は10月上旬~中旬にかけて、特別展示会「2021秋新製品内見会」を開催。今回は東京会場(4~8日、同社本社)と大阪会場(18~22日、大阪支店)での開催となり、名古屋以西の得意先の来場と仕入先メーカーの出展も促し、医療衛生用品業界の活性化を図っていく。
 「新製品内見会」はこの夏、コロナ禍の影響で開催中止を余儀なくされた「第107回東京医療衛生用品フェア」(以下、東京医療品フェア)の代わりとして開催する同社単独の展示会。昨夏の第1回目から今回で第3回目となる。得意先から、「東京医療品フェアに代わるものを開催できないだろうか」といった声や仕入先メーカーからも「フェアのような商談会が無いと新製品をアピールできない」との声に応える形で開催し、毎回好評を得ている。
 今回は、会場を従来の東京会場(同社本社)だけでなく、大阪支店(大阪市中央区)を大阪会場として活用。ニッチで隠れたヒット商品を展開する中小メーカー17社(両会場含む)が出展した。
 初日の午後には関係業界紙を招いて記者会見が開かれ、あいさつに立った岡本正敏社長(東京医療用品卸商協同組合理事長)は、「東京医療品フェアはコロナの影響で3回中止となり、その代わりとしてこの新製品内見会を開催している。医療衛生用品は、その特性上、使い方などについて細かな説明が必要なものが多く、こうした点からも対面商談をやる価値は大いにある。今回、大阪で初めて開催したのは、コロナの影響で名古屋以西の得意先様、メーカー様が東京まで行くのが難しいという声があったからだ。
 来年2月に東京医療衛生用品フェアを開催する予定だが、コロナ第6波到来が懸念されているだけに、その時の状況を鑑みながら開催するか否かの判断を下したい」と述べた。

花王、新規事業等の提案制度「01KAO」を導入

花王、新規事業等の提案制度「01KAO」を導入

 花王は、7月から同社グループの全社員を対象に、社員1人ひとりが持つアイデアを公募し、事業化や社内構造改革等を実現させる制度「01KAO」(ゼロワンカオウ)を導入した。文字通り、「0」のものを「1」にするような新しい視点から生まれる社員の自由な提案を起点に、社員同士の連携と応援が可能で、優れた提案については、会社からの支援を得て具現化できる仕組み。
 花王は、1月から社員の挑戦意欲を促し成長の活性化をめざす制度「OKR(Objectives and Key Results)」もスタート。導入以降、社員はこれまで以上にチャレンジングな目標意識を持つようになった。今後、これら2つの制度、「OKR」と「01KAO」の活用を進めることにより、社員1人ひとりの挑戦を奨励する環境を整え、社員がワクワクするような企業風土の醸成を進めていく。
 「01KAO」では、花王グループの全社員を対象に、これまで実行していないような新しい価値を提供する提案や、既存の組織・流通・生産体制では難しく、実行を躊躇していたような新提案を募集する。提案する社員は、全社員へ提案内容を共有し、自由闊達な意見交換を通して、事業コンセプトをはじめとする提案内容を作成することが可能。社員同士が部門内外を問わず横断的につながることで、より広い視野で提案を構築することができる。エントリー後、部門長や社長の承認を得たテーマについては、会社から支援を受け提案の実現に向けた具体的な活動が開始される。
 今年7月に制度導入後、社内チャット上に設置した専用のラウンジでは、すでにいくつかの提案内容が社員同士で共有され、活発な意見交換や同じ思いを持つ社員が提案者を応援するなど、事業や部門を超えた社員交流が行なわれている。


2021年10月13日号 記事一覧

会合・発表会

  • 日石工組、「第8期自社ブランド育成研修」開催 会期日程を3回に分散
  • マンダム、ギャツビー新ライン「ギャツビー ザ デザイナー」新発売
  • P&G、「Oral-B iO」から電動ハブラシ新モデル発売
  • アース製薬など3社、「スリークロス園芸パートナー会」開催
  • ファンケル、無添加美容液「サインズエフェクター」発表会開催

経営・施策

  • ウエルシア薬局、吉野家「牛丼」の店頭販売を10月から本格化
  • マツキヨココ、新たな中期経営計画を策定
  • 花王、コーポレートスローガンを改定 「きれいを こころに 未来に」
  • P&Gジャパン、日本最大規模の女性アワードでグランプリ受賞
  • 花王、美容部員のブランドユニフォーム刷新 各ブランドの世界観深める
  • ライオン、「キレイキレイ」が教育現場の清潔衛生環境づくりを支援
  • ユニ・チャーム、「認知症予防とケア」オンライン講座第2回目を実施

製品・サービス

  • ユニ・チャーム「ソフィ」、おりものシートに「サボンの香り」追加
  • ユニ・チャーム、「ライフリー」から尿取りパッド4回吸収を発売
  • 日本製紙クレシア、「ポイズさらさら素肌happinessin」新発売
  • 大王製紙、エコサイズ仕様「エリエールi:na petitティシュー」販売
  • 大王製紙、濡れても破れにくい「エリエールi:naシャワートイレ用」発売
  • P&G「Oral-B」、子供用電動歯ブラシ「すみずみクリーンキッズ」改良
  • 日本ペットフード、「腎臓の健康維持」など健康に配慮した秋の新製品上市
  • 貝印、世界初のサードプレイス提供サービスを都内でスタート
  • UYEKI「インフクリン」、20年度は前年比17倍強の売上げに
  • ナリス化粧品 「ネイチャーコンク薬用リンクルケアジェルクリーム」販売
  • 資生堂×ローソン、「インテグレート」共同企画品を発売
  • 桃谷順天館、「Cvita(シービタ)」から洗顔フォーム新発売
  • ナリス化粧品、「コープ 仕上がりキープファンデーション」生協で発売
  • 粧美堂、ふたえコスメ「TWOOL」発売 2アイテムを用意
  • マンダム、「ギャツビー マスク爽快アロマミスト」から新香調を発売

宣伝販促

  • サンスター、「ガム・マウスバリア」新TV・WEBCMを公開開始
  • バスクリン、「きき湯ファインヒート」と「呪術廻戦」コラボキャンペ実施

人事・組織

  • インテージHD、役員を選出
  • エステー、10月1日付の人事異動を発表
  • 花王、10月1日付の人事異動を発表
  • 資生堂、11月1日付の人事異動を発表

決算

  • マックスバリュ東海、22年2月期第2四半期連結決算は減収減益 反動響く
  • U.S.M.H、22年2月期第2四半期業績は減収減益に 決算説明会開く

調査・統計

  • 西化工 21年1~7月化粧品統計 セットローションが2ケタ伸長

イベント・展示会

  • 大阪卸組合、令和3年度セミナーの中止を発表
  • 牛乳石鹸、「銭湯ギャラリー」コラボ開催 10月10日「銭湯の日」合わせて
  • コスメテックジャパン・藤本社長が第2回化粧品開発展(大阪)で講演
  • P&G「ジレット」、世界№1の理由100クイズキャンペPRイベント開く

施設・店舗

  • H2O、阪神梅田本店のⅡ期棟部分を先行オープン 「食の阪神」前面に

時評・コラム

  • 時評 年詞交歓会2年連続中止に思う

特集 【H&BC/コスメ秋】

    経営・施策

    • 秋冬のスキンケア化粧品 在宅美容定着で関心高まり基礎化粧品は回復基調
    • ウェットシェービング市場 1~8月は前年割れに 使用頻度の減少が響く
    • BCLカンパニー・大村和重プレジデントインタビュー
    • ファイントゥディ資生堂・小森社長兼CEOインタビュー
    • 貝印・遠藤浩彰社長インタビュー

    製品・サービス

    • 花王 「ALBLANC」ベーシックケアシリーズを刷新
    • 明色化粧品 モイストラボから2種の「透明ルースパウダー」発売
    • 資生堂 「マキアージュ」からマスクにつきにくい美容リップティント発売
    • コーセー シワ改善美容液「ザ リンクレスS」発売
    • コーセーコスメポート 「グレイス ワン」からシワ改善シートマスク登場
    • 第一石鹸 「MaMa&こどもと使える寝ぐせ直しウォーター」が好評
    • マツキヨ×ナリス化粧品 「ザ・レチノタイム」から新クリーム発売
    • シーボン エイジングケア「シーボンAC」としてリブランディング
    • 近江兄弟社 「メンタームディープナーリップ」コラボキャンペ実施中
    • ライオン 「フェルゼアプレミアム」シリーズ新発売
    • ファンケル 「エンリッチプラス」医薬部外品としてリニューアル
    • ホーユー 「シエロ ワンデー白髪かくし」新発売
    • 太陽油脂 「パックスナチュロンハンドクリーム」コロナ禍で出荷量2割増
    • サティス製薬 新規スキンケアブランドの受託開発を再開
    • ダリヤ 「クレオディーテ クリアリーカラー(白髪用)」新登場
    • ユースキン製薬 感染症対策としてのハンドケア習慣化を啓発
    • 貝印 「紙カミソリ」が「経済産業省産業技術環境局長賞」を受賞
    • フェザー安全剃刀 「ピアニィVIOデリケートゾーン用」が市場活性化
    • P&G 「ジレット」主力システムレザーを改良 替刃機能を強化
    • クラシエHP 「肌美精プレミア 薬用クリーム」発売
    • マンダム 「ビフェスタ ミセラークレンジングシート」リニューアル

    宣伝販促

    • シック・ジャパン 新TVCM「選ぶ基準」篇を放映中

    調査・統計

    • 資生堂「インテグレード」 「推しカラーメイク」調査結果を発表


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。