2021年10月6日号掲載記事より
神戸市と小売・日用品メーカーがつめかえパックの水平リサイクルで協働
神戸市と小売・日用品メーカー・リサイクラー(再資源化事業者)16社は、循環型社会の実現に向けて協働し、市内75店舗に回収ボックスを設置、洗剤やシャンプーなど使用済みの日用品のつめかえパックを分別回収して再びつめかえパックに戻す「水平リサイクル」を目指す「神戸プラスチックネクスト~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~」を、10月1日からスタートした。近年、環境保護や持続可能な社会活動を推進する自治体、小売、メーカーの協働によるリサイクル事業が活発に展開される中、全国に先駆けた「水平リサイクル」となる今取り組みが注目される。
本プロジェクトのポイントは、①小売4社が、市内75店舗で回収(全国最大規模)目標は初年度5㌧/年(将来目標10㌧/年)。店舗への配送戻り便等を活用して集約し、収集の効率化、環境負荷を低減②日用品メーカー10社が、リサイクル試験を通じて課題や技術を共有し、「水平リサイクル」を目指す。また、よりリサイクルしやすい、つめかえパックの素材や形状等を議論③水平リサイクルしたつめかえパックを製品として、市内店舗での実証販売を目指す④アイデアを出し合い、市民の皆様に還元する様々なリサイクル製品も検討する――というもの。
回収対象は、洗剤・シャンプーなど日用品のつめかえパックで、メーカーを問わない。使用済つめかえパックを洗って乾かし、各店舗に設置する回収ボックスに持ち込む。回収に協力すると、つめかえパック1枚につき神戸市公式アプリ「イイことぐるぐる」ポイントが50ポイント(5円相当)付与される。
プロジェクトチーム参画メンバーは、【小売】ウエルシア薬局、生活協同組合コープこうべ、光洋、ダイエー、【メーカー】アース製薬、花王、牛乳石鹸共進社、コーセー、小林製薬、サラヤ、P&Gジャパン、ミルボン、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング、ライオン、【リサイクラー】アミタ、大栄環境。(9月29日現在、五十音順)
9月29日には神戸市役所で記者発表会が行われ、久元喜造神戸市長が「プラスチックゴミ削減を目指すうえで、海洋プラスチックゴミ増加が問題となっている中、国際港湾都市である神戸市においては重要な課題だ。新たなリサイクルの取り組みのモデル構築を神戸からスタートする」とあいさつ。また、日用品メーカー幹事社を代表して、花王デイブ・マンツ執行役員ESG部門統括がオンラインであいさつし、「サステナビリティを考えるうえで、プラスチックの在り方を考えることが重要となる。今回の取り組みについても、協働で成し遂げることが大事で、課題に取り組むために今始めることが正しい選択であると考えている」と語った。
RX JAPAN、「COSME Week大阪2021」開催 多数の来場者で盛況
RX JAPAN(旧リード エグジビション ジャパン)は9月29日~10月1日の3日間、インテックス大阪で、2回目の大阪での開催となる化粧品総合展「COSME Week大阪2021」を開催。コロナ禍収束が長引き、業界の最新動向を掴むことが喫緊の課題となる中、情報収集や新たなビジネスチャンスを求めて初日から多数の来場者で賑わい盛況となった。
「COSME Week大阪」は、化粧品原料・OEM・容器・サービスなどが集まる「第2回化粧品開発展大阪(COSME Tech 2021 OSAKA)」と、国内外の化粧品の最終製品が集まる「第2回国際化粧品展大阪(COSME OSAKA 2021)」の2つの専門展で構成された化粧品の総合展。2展の出展社数は合計200社、併催展(第2回ライフスタイルWeek関西、第2回JapanマーケティングWeek関西)を含めると総計590社と初開催時の約1.5倍の規模で開催。この規模は西日本の化粧品業界の展示会としては最大級だ。
コロナ禍であることから海外から出展社は少ないものの、海外製品を取り扱う国内代理店と協業して、製造販売元である海外メーカーの出展も促しており、中国、韓国、台湾、タイ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ベルギー、イタリアといった国々からの出展も実現した。
「COSME Week」は、最新トレンドを把握できるということが特長で、新製品・新技術が多数出品され、世界初となる新成分由来の原料・処方や同展初公開となるパッケージも披露され、SDGs関連のサステナブル製品の出品も充実しており、高機能かつ環境配慮型パッケージやオーガニック認証取得原料などもお披露目された。
スギHD、2022年2月期第2四半期連結決算は増収減益に
スギホールディングスは9月29日、「2022年2月期第2四半期決算説明会」の模様を動画配信。杉浦克典代表取締役社長が出席し、当上期決算概況と事業の進捗等について報告した。
それによると当上期連結決算業績は、売上高3149億5500万円(前年同期比4.0%増)、営業利益161億3100万円(13.6%減)、経常利益166億7800万円(13.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益98億3600万円(21.7%減)と増収減益であった。
増収減益の要因について杉浦社長は、「売上高は新規出店が50店舗と好調に進んだことと、調剤併設店舗の増加から処方箋応需枚数の増加等によって調剤事業の売上高が2ケタ増と堅調な伸びがあったものの、物販での衛生用品の反動減、化粧品需要の減少から4%増に留まった。一方、利益面では、デジタル会員獲得や販促による費用対効果の改善、店舗間の人員配置の見直し等を実施したものの、季節商品販売の低調と調剤事業の成長を見据えた採用強化に伴う人件費増加などが利益を押し下げた」と分析。経営環境はますます厳しさを増すものの、増収基調は維持しているとの見方を示した。
さらに杉浦社長は当期中に取り組む3つの案件(①店舗改装②製配販の連携③ESG)の進捗にも触れ、下期も同様に継続した取り組みを実践していくとの方針を示した。
西友、PBに関する戦略発表会開催 低価格・高付加価値商品の開発加速
西友は9月29日、オンラインによる「プライベートブランドに関する戦略発表会」を開催。木下数基商品本部本部長や商品開発者ら出席の下、主力のPBブランド「みなさまのお墨付き」について、withコロナを見据えた新たな方針での商品開発及び調達戦略などを説明した。
木下本部長はまず、今年6月に公表した新中期経営計画における2025年に向け、「食品スーパーで№1」「ネットスーパーで№1」になることを目指す方針を提示した上で、「その重点施策となる『低価格と価格以外のニーズへの対応』と『商品開発力と販売力強化』を推進するため、今回、主力PB『みなさまのお墨付き』の戦略を進化させ、目標の2023年にグロサリー分野の売上構成比を25%の伸長、2桁以上の成長を図る」との事業計画を明らかにした。
木下本部長は、今後のPB商品開発での新たなテーマとして、①時間をかけず美味しく便利②心も体も心地よい生活③産地・原材料へのこだわり、の3つを挙げ、これらを強化するとともに、開発スピードも加速させると明言。併せて販促戦略としては、マーケティングの強化も並行して実践するとし、「べネフィット等を分かりやすく表示した店内POPの拡充や入り口近くでの専用売り場の設置、Instagram等SNSの活用の強化など、ブランド認知の促進につなげていく」と説明した。
また、同社は昨今の原材料高騰における商品価格への反映等影響についても触れ、「我々の戦略の元は、お客様の不満を解消すること。従って、年内いっぱいは値上げはしない。以降は経営的・商品的な視点の両面からコスト吸収を図っていく必要がある」との見解を示した。
資生堂、“第2の皮ふ”が目袋を瞬時にカバーする目もと美容液を発売
資生堂は9月29日、オンラインで新商品発売記念イベント「#セカンドスキンチャレンジ」を開き、世界88の国と地域で展開するブランド「SHISEIDO」のイノベーティブなイメージを牽引する「ビオパフォーマンスシリーズ」から、“第2の皮ふ”が目袋(目の下のふくらみ)を瞬時にカバーする目もと美容液「SHISEIDO ビオパフォーマンスセカンドスキン」を10月1日、発売すると発表した。
同品は、独自の「3Dフィックステクノロジー」を搭載。目の下のふくらみをシンプルステップでぴたっとカバーし、たるんだ目もとを目立たなくして、目もとから顔全体が若々しい印象へ変化させる。いつものアイケアでは効果を感じにくい目もとに、“第2の皮ふ”が新体験を提供する。
発表会でははじめに、資生堂・堀井清美執行役員チーフビューティーストラテジーオフィサーが「同品は3年の月日をかけて開発した画期的な美容液である。これまで化粧品では不可能とされていたスキンビューティー領域に挑み、お客さまにご満足頂けるこれまでにない価値を提供する。年齢に縛られることなく、自分らしい若々しさを楽しみながら肌を慈しんでもらいたい」とあいさつ。
続いて担当者が商品特長を説明した後、スペシャルゲストの女優・前田美波里とタレント・YOUが登場し、トークショーが行われた。
2021年10月6日号 記事一覧
会合・発表会
- H2O、「阪神梅田本店」10月先行オープン 「食の阪神」深堀り施策拡充
- JAHI、WEB報告21年活動発表会 「感染症に強い社会の構築」提唱
- 日本卸売学会、今年度第2回研究例会をオンライン開催
経営・施策
- イオンリテール、「キャッシュレスセルフレジ」を横浜瀬谷店に初導入
- ジョイフル本田、「オフィス」リフォーム事業に参入
- 花王グループ、ピンクリボンキャンペーン2021を実施中
製品・サービス
- セブン-イレブン・Jがプリペイドカード型抗原検査・PCR検査サービス
- P&Gジャパン、夜用おむつ「パンパース おやすみパンツ」発売
- 大王製紙、ウエットティシュー「除菌できるシリーズ」に新商品を追加
- エステー、消臭力から業務用シリーズ「消臭力業務用」新発売
- ユニ・チャーム、「ドラえもん」デザインのマミーポコパンツ新改良
- 花王、「ヘルシアWいいとこ巡り」新発売 高めの血圧・内臓脂肪にW効果
- 牛乳石鹸、「バウンシア」からプレミアムモイスト詰替用数量限定発売
- シック・ジャパン、天然コルク使用のカミソリをウエルシアG店舗で発売
- ナリス化粧品、「ピュアーチェ 薬用ハンドクリアスプレー」新発売
- アース製薬、「MA-T」活用した新ブランド「N・act」誕生
- ユニ・チャーム、猫用ドライおやつ「お魚味クッキーサンド」に追加品
- 大王製紙「キレキラ!」、住空間をキレイにする“ふき掃除”ブランドに
- ライオン「スマイルホワイティエ」、防腐剤無添加組成に改良して新発売
- 小林製薬、軽い尿もれを改善する漢方薬「モレナクト」新発売
- ユニリーバ、「ダヴ」から新毛穴ケアシリーズを発売
- 花王サロンジャパン、次世代型新染料採用の「@ピュアピグメント」新発売
- サンギ、「アパガード」などのパッケージ・能書にFSC認証紙を採用
- 大正製薬、今ある黒髪をケアする新ヘアケア「ブラックウルフ」発売
- 白元アース、一般用マスクでJIS規格適合番号を取得
宣伝販促
- サンギ、「アパガードソフト」新発売で無料体験モニターキャンペ実施
- ファンケル、「エンリッチプラス」新CM放映 シワ改善できる特徴を訴求
- ニベア花王、「ニベアプレミアムボディミルクモイスチャー」WEBCM公開
- I-ne、サスティナブルに関する取り組みやキャンペーンを展開
人事・組織
- 日本ロレアル、J・P・シャリトン氏が11月1日付で新社長に就任
決算
- プラネット、2021年7月期決算は増収減益も利益は予想を上振れ
調査・統計
- 東家同 21年8月度市況概況価格調査 安定販売を継続、商品供給面を優先
- ONE COMPATH、最寄り品の商品探しについて意識調査
- ライオン、“座りションネイティブ化”進む Z世代男性の小用スタイル
施設・店舗
- ウエルシアが核店舗の「イオンタウン幕張西」開業 22年には病院併設も
- 薬王堂HD、本社事務所を11月1日付けで移転
訃報・葬儀
- フェザー安全剃刀、藤田直人会長のお別れの会を11月2日大阪市内で開催
時評・コラム
- 泡沫 「3白」の汚名は遥か彼方に消え去りぬ
その他
- プラネットVANVAN第132号
- 新刊紹介 「40代からの見直しメイク」(齋藤由紀子著)
特集 【家庭紙】
- 家庭紙、コロナ禍で衛生意識向上 長尺ロール、タオルペーパーの浸透に光
- コアレックス 独自の難再生古紙再生システムを導入
- 王子ネピア 「ネピア ネピeco トイレットロール 2倍巻4Rダブル」発売
- 日本製紙クレシア スコッティファイン洗って使えるペーパータオル改良
- 大王製紙 「エリエールティシュー」柔らかさを更にアップ
- 丸富製紙 「ペンギン芯なし超ロング」4倍巻き新登場
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