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2021年7月14日号掲載記事より

21年5月度各小売業態販売統計 SC・百貨店で反動増が続く

21年5月度各小売業態販売統計 SC・百貨店で反動増が続く

 各小売業団体の5月度販売統計調査が6月21~25日にかけて発表された。売上高前年対比では、4月度と同じくショッピングセンター(SC)と百貨店が前年の反動により2ケタの上位で前年増になったが、前々年の19年との比較では2業態とも厳しい数字に変わりはない。スーパーマーケット(スーパー)は、チェーンストアが3カ月連続で前年を上回り、スーパー3団体も前年比減とはなったが19年比では前年を上回っていることから好調をキープしていると言えそうだ。コンビニエンスストアも3カ月連続の前年増となった。
 各業態の売上高前年対比をみると、まずSCの前年同月比は、SC総合で70.1%増となった。キーテナントは12.9%増で前月よりも26.3ポイント下回るも、テナントが100.5%と4月と同じく3ケタ増となったことが伸びにつながった。
 ただ、4月25日に発令の緊急事態宣言が5月12日以降に6道県が追加され10都道府県に拡大したこともあり、19年同月比では33.2%減と19年4月比の24.8%減から8.4ポイント悪化した。
 次に百貨店は、前年同月比で65.2%増(店舗数調整後)で、SCと同じく2ケタのプラスとなり、3カ月連続で前年同月を上回った。しかしこちらも19年比では43.1%減となっており、4月の19年比27.7%減よりも更に15.4ポイントダウンした。
 一方、スーパーは5月も堅調な動きをみせ、コンビニエンスストアも、フランチャイズチェーン協会によれば、4.2%増(既存店)となり3カ月連続でプラスになった。
 5月度は予測通り、延長も含めた10都道府県での緊急事態宣言発令や、まん延防止等重点措置適用の県が複数あったことで、これらの地域では外出自粛の影響を受けたが、全体としては、前年の反動による売上増がみられたことで、前年比の数字としてはほとんどの業態でプラスになったということができる。

JSA、「21年度通常総会 記念講演会」開催 川野会長が業界連携を提言

JSA、「21年度通常総会 記念講演会」開催 川野会長が業界連携を提言

 一般社団法人日本スーパーマーケット協会(JSA)は6月30日、帝国ホテル東京にて「2021年度通常総会 記念講演会」を開催。当日は、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が登壇し、「コロナ禍を克服する方法」と題した講演に加え、川野幸夫会長(ヤオコー会長)が「通常総会」の報告を含め、食品スーパー業界の現状に関して提言を行った。
 佐藤氏は講演の中で、コロナ禍で起きた様々な生活者の行動変容に着目、ニューノーマルがノーマルになり、この変化がスーパーマーケット(SM)業界に大きな構造改革をもたらすと予測。その変化とは、グローバリゼーションから、インターナショナリゼーションへ(地球規模化から国際化へ)の動きだとし、国家間格差の広がりから生産・物流面で様々な変化が起き、安定供給への取り組みがより重要になるとの見解を示した。
 続いて、主催者を代表して登壇した川野会長は、講演に先駆けて行われた「通常総会」について、「時代の変わり目の今こそ若返りが必要と感じ、マルエツ会長・上田真氏の副会長就任をはじめ、理事にも4人の若手経営者を新登用するなど、役員の刷新を図った」と報告。役員人事など決定事項について説明した。
 一方で、アフターコロナ下での課題にも言及。「景気の低迷は続き、格差もより拡大する中、人口減少は進み、私どもが提供する食品のターゲット層はシュリンクしていく。それでも多くの産業、小売業はこの市場目がけて進出してくる。競争激化の中では価格戦略が重要で、利益の確保が可能な商売方法が必須となるが、これこそ製・配・販が協働、連携しないと実現はできない」と提言。その時期はもう来ていると警鐘を鳴らした。

エステー、“赤毛のアン”チケットプレゼントキャンペーン抽選会実施

エステー、“赤毛のアン”チケットプレゼントキャンペーン抽選会実施

 エステーは7月6日、「TOURSミュージカル『赤毛のアン』2021」チケットプレゼントキャンペーンの公開抽選会を開催した。
 今回で18回目となる同社オリジナルミュージカルは、「『空気をかえよう』という当社スローガンのもと、ミュージカルを通じて舞台の楽しさや素晴らしさをお届けする」との考えから、全席無料の招待制、国内主要8都市での開催で、毎年実施しているもの。昨年はコロナ禍の影響でやむなく中止となった。
 今抽選会では、主催者代表として同社取締役常務執行役・椎名正明氏、制作担当のミュージカルプロデューサー・戸田幸比古氏の2名が登壇。椎名氏は「残念ながら昨年は中止となったが、今年はこの間持ち続けた『是非開催したい』という強い気持ちから実施を決めた。開催に向けては万全の体制で臨む。ミュージカルを通じ、お客様に当社の日頃の感謝の気持ちが伝わるよう願っている」と今年の開催にかける強い思いを語った。
 続いて、同社広報部・富田杏奈氏が、今年のプレゼントキャンペーンは4月から6月末まで全国41企業・1万店舗超で展開され、店頭タイアップ及び一般のオープンキャンペーン分合わせて5万6967件の応募があったことを報告するとともに、来場者に安心して観覧してもらうための対策として、①公演内容の変更②招待人数を半減③子どもたちの出演企画の見送り④会場での徹底した感染防止対策の実施など、「台本やオペレーションを見直しながら今年できる精いっぱいの形で行っていく」と説明した。
 当日はこの説明の後、まず椎名氏・戸田氏他同社社員計4名、その後、報道陣による抽選が行われ、一部当選者が決定した。招待者は1000組2000名。日程は、8月16日の東京を皮切りに、8月26日の愛知まで、全国主要8都市11公演が予定されている。

小林製薬、認知機能スクリーニングキット「ニンテスト」発表

小林製薬、認知機能スクリーニングキット「ニンテスト」発表

 小林製薬は、香りを嗅ぐことで認知機能をスクリーニングするキット「ニンテスト」を開発。今秋の販売開始に先立ち、去る6月24~26日に横浜で開催された「第10回日本認知症予防学会学術集会」で参考展示を行った。
 同品は、評価カップにスプレーした数種類の香料液の香りを被験者が嗅ぎ、回答から算出したスコアにより認知機能の状態を判定するというもの。認知機能低下は、その兆候を早期発見し、対策をすることが鍵となるため、同社では「定期的なヘルスチェックの1つとして多くの人に利用いただくことで、いつまでも自分らしく、自信を持って生活できる社会の実現に貢献したい」としている。
 なお、同品の販売については、医療機関へ営業ルートをもつ栄研化学と業務提携を行い、全国の人間ドック施設、健診センター等への導入を目指す。一般向けの直接販売は予定していない。

クスリのアオキHD、2021年5月期決算は高速出店奏功し増収増益に

クスリのアオキHD、2021年5月期決算は高速出店奏功し増収増益に

 クスリのアオキホールディングスは7月7日、都内で「2021年5月期決算説明会」を開催。当日は、青木宏憲社長、八幡亮一取締役管理部門担当兼経理室長の2名が登壇し、当期決算概況、22年度からスタートさせた新(第3次)中期経営計画(~26年度)などの説明を行った。
 当期連結業績は、売上高3058億8000万円(前年同期比1.9%増)、営業利益166億1900万円(1.6%増)、経常利益173億4400万円(3.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益120億6200万円(2.9%減)であった。
 当期業績について八幡取締役は、「売上高はコロナ特需の反動から既存店伸び率が92.2%に留まり、計画値も未達となった。また販促費は減少したが高速出店推進から人件費増となり、販管費コントロールが出来ずに各利益面に影響が出た。当期純利益の減少は前期の特別損失と特別利益の計上の影響が大きい」と総括した。
 一方、青木社長は今年からスタートさせた新中計について言及。「今後ドラッグ市場は人口減少から商圏人口が5000人程度となり、大手をはじめ業界の垣根を越えた再編が始まる」との業界展望を示した上で、「『ビジョン2026』と題した中計を作成した。コーポレートメッセージは、『もっと便利に、ずっと笑顔で』。この実現のために、フード&ドラッグへの業態転換、調剤併設率70%、ドミナント化への移行という3つの重点施策を推進していく」と語った。


2021年7月14日号 記事一覧

会合・発表会

  • 日本卸売学会、研究例会開催 コロナ禍における流通・消費の動向と展望
  • 日本薬科大学と日本化粧品検定協会が包括連携契約を締結
  • アース製薬、「アース・モンダミンセミナー2021」大阪でも開催

経営・施策

  • JACDS、薬局管理者・店舗管理者の選任に関するガイドラインを策定
  • セブン&アイHD、新中期経営計画を策定 「成長と深化の5年間」に
  • JILS、「グリーン物流優良事業者」募集開始
  • 花王グループ、企業理念「花王ウェイ」刷新 「豊かな共生世界の実現」へ
  • フマキラー、福岡県教育庁及び県立小学校107校に消毒剤を寄贈
  • ライオン、小学生高学年向け「衛生習慣」教室の出張授業を開始
  • 花王、化粧品・美容情報発信専用スタジオを開設 強いブランドづくり推進
  • ファンケル、「リサイクルプロジェクト」開始 横浜市と連携して容器回収

製品・サービス

  • 花王、シートマスク「カネボウ スマイル パフォーマー」発売
  • コーセー、「プレディア」から多機能ベースメイクアイテム発売
  • 牛乳石鹸共進社、「自然ごこち 洗顔石けん」泡立ちアップ 新アイテムも
  • 八重洲ライフ、新化粧品ブランド「アムリクシア」首都圏中心に展開
  • クラシエHP、「ナイーブ SPORTS」ボディ&泡ボディソープ限定発売
  • ユニ・チャーム、「超快適マスク 敏感肌ごこち」一部企業限定で発売
  • 王子ネピア、「ネピアテンダーテープタイプ」から小さめLサイズ発売
  • ライオン、目薬「スマイル40EXゴールドクールMAX」新発売
  • コーセーコスメポート、今春発売のUVミルクがコスメランキング1位に
  • サンスター、「健康道場 ライスブラン生活」通販で新発売

宣伝販促

  • サンスター、「オーラルベールプロジェクト」実施中 新郎新婦を応援
  • WADAI 大日本除虫菊、「一方通行の新聞広告」を出稿
  • 日本香堂、夏のキャンペーン「こころ弾む家族時間キャンペーン」実施中
  • エステー、「米唐番」新TVCM「米唐番まつり編」放映開始
  • ユニリーバ、「お笑い営業部」キャンペ実施 和牛、ミキらが営業部員に

人事・組織

  • 大木ヘルスケアHD、役員を選任
  • 近江兄弟社、役員選任を発表
  • 住友化学園芸、役員を選任
  • 東洋アルミニウム、役員選任を発表
  • 日本製紙クレシア、役員選任
  • 中央物産、役員選任を発表
  • 白十字、役員および執行役員を選任

決算

  • 大黒天物産、2021年5月期連結業績は増収増益 自社開発商品を積極展開

研究・開発

  • 小林製薬、ヨウ素の新型コロナに対する抗ウイルス効果の視覚的確認に成功

時評・コラム

  • 泡沫 居住空間の根本問う豪雨災害の怖さ

その他

  • プラネットVANVAN第131号


上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。