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2021年6月16日号掲載記事より

21年4月度小売各業態動向 SC・百貨店は3ケタ増も完全復調遠く

21年4月度小売各業態動向 SC・百貨店は3ケタ増も完全復調遠く

 5月20日~28日にかけて、各小売業団体が4月度販売統計調査を発表。売上高前年対比では、昨年4月7日に緊急事態宣言が実施され、多くの店舗で休業または時短営業を余儀なくされたショッピングセンンター(SC)と百貨店がその反動により3ケタの前年増になるという異様ぶりがみられたが、前々年の19年に比較すれば2業態とも前年を大きく割っており、完全な復調にはほど遠い。スーパーマーケット(スーパー)は、チェーンストアとスーパー3団体で明暗を分けているが、19年と比較すると、どちらも前年を超え、依然として好調を維持しているといえそうだ。
 各業態の売上高前年対比をみると、まずSCの前年同月比は、SC総合で141.2%と大幅な伸びになった。テナントも202.4%と大きく伸び、キーテナントは39.2%増だった。
 次に、百貨店は前年同月比で167.0%増(店舗数調整後)で、SCと同じく3ケタのプラスとなった。ただ、こちらも19年比では27.7%減となっており、3月の19年比19.1%減よりも更に8.6ポイントダウンした。
 これに対してスーパーは、順調な推移をみせたといえる。
 チェーンストアでは、前年同月比6.0%増(店舗調整後)となり、3月に続き前年をクリアした。
 またスーパー3団体(全国スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会)は、前年同月比で6.0%減(既存店)と前年を割ったが、19年同月比では4.4%増(同)と好調を維持している。
 5月21日に都内で会見した全国スーパーマーケット協会の増井德太郎副会長は、「3カ月連続で売上高が前年対月値を割った。前月同様、一斉休校・外出自粛等での家庭内需要増の反動減がその要因」と分析。一方で、19年度対比を取り上げ、「(4月は)大きな落ち込みではない。むしろ堅調な動き」との見解を示した。

JACDS、「医薬品情報提供声かけキャンペーン」を6月から実施

 一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は6月4日、定例の記者会見の中で、登録販売者委員会(浦上晃之委員長/ゴダイ会長)の発案の「医薬品情報提供声かけキャンペーン」を6月からスタートさせたと発表した。
 池野隆光会長(ウエルシアホールディングス会長)は今キャンペーン実施の主旨を、「ドラッグストア(DgS)業界では、一般用医薬品を必要とする人々が安心して使用できるよう店舗に専門家を配置し、直接の情報提供や相談応需に努めてきた。しかし今、このDgSの利点を十分に活かしていない店舗も少なくない。一方、社会のオンライン化進展に伴い、医薬品に関する情報提供などもオンラインで十分だとの意見が出てきた。こうした状況の中、DgSにとって大切なことは、直接の情報提供等の利点をあらためて消費者にアピールしていくことだと考えた」と説明。その上で、「そのためにはそれぞれのDgSが店舗での情報提供をもれなく実施していくことが必要。直接の対面販売がオンライン販売に比べていかに優れているかを消費者に対して目に見える形で示し、理解してもらわなければならない」との見解を示した。
 池野会長はこうした内容を文書にして、会員企業に提出。併せて、登録販売者委員会が作成した啓発ポスターを店頭に貼付するよう、依頼も行った。

ファンケル、関西物流センター新設 出荷能力が1.4倍に拡大

ファンケル、関西物流センター新設 出荷能力が1.4倍に拡大

 ファンケルは6月8日、大阪府門真市に新設した「ファンケル関西物流センター」の稼働を開始。併せて、記念の開所式も行われ、その模様がこのほど公開された。
 同センターは、敷地面積1万0629㎡、延床面積1万7051㎡、建物階数=重量鉄骨造、地上4階。センター新設の背景について同社は、「国内外での持続的な成長を目指している今、積極的な事業展開を支えるインフラ基盤を整備するために新設した」と説明する。
 開所式では島田和幸社長が挨拶。「このセンターは、当社の西日本エリアの通販・店舗の出荷業務と『アテニア』のメインセンターとして、全ての出荷業務を担う。44億円規模の大規模投資で、当社の未来の成長を支える基盤づくりは完了した。屋上全面には太陽光パネルを設置し、環境にも配慮しており、特例子会社の分室新設では、新たに障がい者20名を採用した。多様な人材が活躍するダイバーシティ物流センターでもある」と、独自の機能等について説明した。
 その上で、当センター稼働を機に、「コロナ禍では世の中に新たな『不』がいくつも生まれた。今後、当社はそうした『不』の解消を使命とし、コロナを超え、一歩ずつ前進を果たしていく」と、事業展開における目指す将来像や期待を語って挨拶を締めた。

P&Gジャパン、次世代歯ブラシ「オーラルB クリックフィット」発売

P&Gジャパン、次世代歯ブラシ「オーラルB クリックフィット」発売

 P&Gジャパンのオーラルケアブランド「Oral-B」は、次世代の手磨き歯ブラシ「オーラルB ClicFIT(クリックフィット)」を6月中旬、ECサイト・バラエティストアを中心に発売した。
 同品は、「Oral-B」手磨き歯ブラシにおける最高峰と位置付けられたブランド最高の歯垢除去力を持つ“感動の歯ブラシ”。最大の特長は、ブランド内手磨き歯ブラシ初のヘッド交換式を実現する「CLIC FIT システム」を搭載したことで、耐久性の高いプレミアムメタリックハンドルにブラシヘッドを交換して繰り返し使用する新しいブラッシング体験を提供。利便性はもとより、プラスチックごみを2年で最大60%削減する。サステナビリティを目指した新時代のブラシデザインとなっている。
 なお、同品は既に先行発売されたアメリカで高い評価を受けていることから、日本でテスト販売を実施したところ、想定の3倍以上の売上げを達成し、今回の販路拡大に至った。この秋には、ドラッグストアなども含めた本格的な展開を予定している。

デンタルプロ、初のブランドCM「磨くを変える」篇全国放映

デンタルプロ、初のブランドCM「磨くを変える」篇全国放映

 デンタルプロは、6月1日から14日までの期間、同社初のブランドTVCM「磨くを変える」篇(30秒/15秒)を全国で放映。同社HPやYouTubeでも公開している。
 同社では、歯間ブラシシェアナンバー1企業として、歯間ブラシの使用率の更なる向上を目指して様々な取り組みを実施している。
 歯間ブラシの使用率は着実に上昇しているが、同社調査においても、口腔内にトラブルが現れ始める30~40歳以上の使用率が高く、また近年は、歯周病予備軍とみられる若年層も増加していることが判明しており、今後の市場拡大において、若年層の使用促進が市場拡大における課題となっている。
 こうした状況を受けて同社では、「磨く」を追求する企業として、今回新たにブランドCMを制作。歯間ブラシはもちろん、歯ブラシといった同社製品を使用することで、爽快な磨き心地を体現する企業広告となっている。
 CMは、歯間ブラシのこだわりの毛並みをCGによるインパクトあるユニークな画像として表現する場面から始まり、サイズごとに展開するカラフルなラインアップ、そして歯ブラシのしなやかな毛流れを表現していて、ターゲット層である10~20代が鑑賞した際に、まず映像の面白さに興味を持ってもらい、その映像が歯間ブラシや歯ブラシであることを認識した後に、自身の口腔衛生のケアへの気づきに導く“自分ゴト化”へと繋げていく内容となっている。
 同社では、歯間部の歯垢除去効果が、歯ブラシのみで58%だったものを、歯ブラシと歯間ブラシの併用によって95%にまで向上すること、歯ブラシと歯間ブラシの併用による“パーフェクトケア”をTVCMやSNS、消費者キャンペーンを通じて訴求していく考えだ。


2021年6月16日号 記事一覧

会合・発表会

  • JAHI、「野菜・果物などの店頭POP表示プロジェクト」の進捗を報告
  • ライオン、「感染症とともに暮らす時代のオーラルケア」セミナー開催
  • P&Gジャパンが協力、「みんなの表彰台プロジェクト」表彰台を披露

経営・施策

  • イオンリテール、「グラムビューティーク リサイクルプログラム」開始
  • 森友通商・森友由次期社長インタビュー 「繋ぐグローカルマーケ企業へ」
  • ライオン、「ハブラシ・リサイクルプログラムを広めよう」ポスターを募集
  • 小林製薬青い鳥財団、2021年度助成事業・顕彰事業の公募を開始
  • ユニ・チャーム、「DX注目企業2021」に選定
  • 花王、「バイオIOS」の開発でGSC賞「経済産業大臣賞」を受賞
  • コーセー、「マーメイドジャパン」選手にメイク講習会を開催
  • P&Gジャパン、神戸市と包括連携協定を締結 社会課題の解決に向けて

製品・サービス

  • ナリス化粧品、「アクメディカ」コンセプト変更 大人女性や男性にも
  • ユニ・チャーム、「超快適マスク プリーツタイプ」からやや大きめサイズ
  • ユニ・チャーム、紙パッケージの製品をインドネシアで限定発売
  • 王子ネピア、ダチョウ抗体配合の除菌ウエットティシュを新発売
  • ファイン、環境に配慮した新ブランド「MEGURU竹の歯ブラシ」新発売
  • サンギ、「花嫁美容アワード2020」で「アパガードプレミオ」が1位に

宣伝販促

  • 貝印、「紙カミソリ」で理容店とコラボ 先着100名にプレゼント
  • 大王製紙「アテント」、「もっといいパンツプロジェクト」を発足
  • P&Gジャパン、「ジレット」豪華賞品プレゼントキャンペーン実施中
  • サンスター、離れて暮らす大切な人の健康を願うプレゼントキャンペ実施

人事・組織

  • 資生堂ジャパン、グループ組織一部改正、人事異動などを発表
  • サミット、人事異動を発表

調査・統計

  • 西化工 21年1~3月化粧品統計 モイスチャークリームなど前年クリア
  • 東家同 21年5月度市況概況価格調査 月間通してEDLP販売が主体に
  • KSP-POS 2021年5月 カテゴリー別ランキング
  • スパコロ、「洗濯用洗剤・漂白剤」調査 「慣れたもの使い続ける」が多数

イベント・展示会

  • J-NET中央、「第82回MDフェア」中止を発表

時評・コラム

  • 泡沫 ワクチン接種進むもオリ・パラに残る不安
  • らいたあ 道頓堀の中心にコスモス薬品がひっそりオープン

特集 【H&BC/コスメ夏】

    経営・施策

    • 夏のコスメ商材 いよいよ需要期 市場環境厳しい中、価値訴求に活路
    • コーセー 雪肌精「SAVE the BLUE」展開 2021年夏のキャンペーンを開始
    • BULK HOMME 「川崎フロンターレ」クラブパートナー契約を締結
    • ファンケル 効果実感の高い新商品投入と無添加の価値訴求を強化

    製品・サービス

    • 花王 「プリマヴィスタ」化粧下地を改良新発売
    • 銀座ステファニー化粧品 皮膚科学ノウハウで誕生「フィジオジェル」発売
    • コーセーコスメポート 「グレイス ワン」朝のオールインワン美容液発売
    • マンダム 「ギャツビー ボディペーパー」リニューアル
    • ナリス化粧品 「ネイチャーコンク薬用クリアローション」増量品限定発売
    • 資生堂 「アネッサ ブライトニングUVジェル」限定発売
    • 明色化粧品 モイストラボBBクリームに「シワ改善機能」をプラス
    • ライオン 「Ban」バービーとのコラボ企画 数量限定品を発売
    • ピアセラボ 美容室向け「PALABO」から新発想のカラートリートメント発売
    • 伊勢半 「ヒロインメイク」主力アイメイク商品を改良
    • Right Here 次世代ファンデ「WrinkFade」新発売 大塚寧々を起用
    • BCL “素肌生かし発想”の眉&まつ毛兼用マスカラなど数量限定発売
    • SHIGETA メイクアップシリーズ「パーフェクトグロウ」全国発売
    • クラシエHP 薬用ニキビケア「肌美精CHOI」新発売

    宣伝販促

    • SK-Ⅱ VSシリーズ上映会第2弾を開催 全6篇のアニメ作品

    研究・開発

    • サティス製薬 「コケモモ」から7種類の植物性アルブチンを抽出


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。