2021年6月2日号掲載記事より
石洗工、定時総会開催 第31代会長に長谷部佳宏氏(花王社長)を選出
日本石鹸洗剤工業会は5月21日、油脂工業会館で令和3年度(第71回)定時総会を開催。事業計画など各議案を審議・承認し、役員改選では第31代会長に長谷部佳宏氏(花王社長)を選出した。長谷部新会長は今後の工業会活動の中で、サステナビリティを強化していくとし、包装容器リサイクル分野でも世界の手本となることを目指していく考えを示した。
総会終了後に行われた記者会見で長谷部新会長は、「コロナ禍の中、会員社は感染対策に細心の注意を払って事業を継続し、需要の高まった洗浄製品などの安定供給に努めながら業界の共通課題を解決する活動をしてきた。
そうした中で私が実感したことは、“洗う”という行為は大切な文化だということだ。それは人の命を守ること、つまり清潔が人を守るということに繋がる。だからこそ、当工業会は石鹸、除菌機能を持つ洗浄剤製品の啓発活動に今後も積極的に取り組んでいく。
また“洗う”という文化は、『繰り返しモノを使う』ということでもある。これについては循環型社会を形成する上で取り組まなければならない課題でもある。SDGsの目標達成は、こうしたことを実現する鍵となるだけに世界的なパートナーシップが欠かせない。当工業会は関連業界団体との連携だけでなく、会員社とも連携し、SDGsの目標達成に向けて果敢に取り組んでいく」と述べた。
また、SDGsの目標達成に向けた課題とその解決の道筋については、「課題は連携プレーの悪さであろう。我が国は島国であるが故に自分たちの取り組みを最大化することに重点が置かれてきたように思う。しかし、それ故磨かれた技術も沢山ある。こうしたことを連携していけばSDGsをより強力に推進できると考えている」と語った。
PALTAC、2021年3月期決算説明会開催 新中期経営計画も発表
PALTACは5月21日、2021年3月期決算説明会をオンラインで開催した。コロナ禍の厳しい事業環境の中、計画を上回る利益を計上、営業利益は過去最高を更新した。また新中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)として、「PALTAC VISION 2024『輝く未来へ』~サプライチェーンとともに歩む~」を発表した。
冒頭、あいさつに立った糟谷誠一社長は、得意先・取引先の支援と社員の奮闘により過去最高の営業利益を得られたことに言及するとともに、新中期経営計画のもと、流通全体の課題解決に取り組む決意を明示した。
同期の業績は、売上高1兆332億円(1.3%減)、売上総利益811億円(0.4%減)、販管費556億円(2.0%減)、営業利益254億円(3.2%増)、経常利益280億円(2.7%増)、当期純利益193億円(24.0%減)。
一方、新中期経営計画では「PALTAC VISION 2024『輝く未来へ』~サプライチェーンとともに歩む~」を掲げ、社内の連携・協働による中間流通機能の強化を図り、流通課題の解決により、取引先と同社の成長実現を目指す。
ビジョン実現に向けては、①リテールソリューション力の強化②ロジスティクスソリューション力の強化③システム機能の強化・デジタル化の推進④人財・組織の強化――を4つの柱に展開。
①では、営業・商品・EC・SCM・店舗支援の各本部における各機能が連携し、より幅広い課題に対応することで信頼獲得を図るとともに、SCM機能による「コストの利益化」にも力を入れる。更に、EC・マーチャンダイジング機能も強化する。
②では、「安心・安全」「高効率」の物流を追求、入荷予約システム(自社開発)の全国展開完了に伴い、今後は更なる効率化と課題解決を進めていく構えだ。
このほか③ではデジタル化を加速、④では課題解決を実現する力(人財)の育成と実現に取り組むとしている。
P&G、LGBTQ+の理解者支援者「アライ育成研修」開発で発表会
P&Gジャパンはこのほど、LGBTQ+の理解者支援者である「アライ」の輪を広げることを目的とした社外向け研修プログラム「アライ育成研修」を開発し、5月末より企業や団体に無償提供を開始した。また同プログラム開発にあたり、日本における現状を知るため、「LGBTQ+とアライに関する全国調査」も実施した。
これを受けて、5月26日にはベルサール東京日本橋及びオンライン配信でプログラムの内容並びに調査結果についてのメディア向け発表会を開いた。
スタニスラブ・ベセラ社長はあいさつで、経営戦略の一環として「平等な機会とインクルーシブな世界の実現(Equality&Inclusion=E&I)」を推進していることに言及。今年からはE&Iを掲げて社内に向けた「多様性」「平等な機会」「インクルージョン」による啓発プロジェクトを推し進めており、その1つとして実施していた「アライ育成研修」を、今回、プライドハウス東京と協働し、社外の人にも受講できるよう改編したとし、「あらゆる人材が最大限の力を発揮できる社会にしていく上で、非常に有意義なことである」と述べた。
続いて、執行役員広報渉外本部の住友聡子シニアディレクターが「アライ育成研修」と今回実施した「LGBTQ+とアライに関する全国調査」について、その背景や概要を説明。その後、住友氏と一般社団法人fair代表理事・松岡宗嗣氏、NPO法人東京レインボープライド共同代表理事/ニューキャンバス代表取締役の杉山文野氏が参加してトークセッションが行われ、職場におけるLGBTQ+であることの困難さや克服への契機などが、自らがLGBTQ+である松岡氏と杉山氏から貴重な体験を交えて語られ、率直な意見交換がなされた。
なお、「アライ育成研修」は、所要時間が約2時間、オンライン開催で、対象は20~30人。ウエルシア薬局、神戸市役所をはじめ、社外への提供を順次行っていく。
JACDS、来年のドラッグストアショーは東京ビッグサイトで8月開催
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は5月18日、都内事務所で会場・リモート併用で「定例合同記者会」を開催。その中で、来年に予定している「第22回JAPANドラッグストアショー」の開催について、2022年8月に東京・有明の「東京ビッグサイト」で開催することを目標に企画を詰めることを明らかにした。
田中浩幸事務総長は、「第21回の全面オンライン開催での反省点を踏まえつつ、また新型コロナウイルスの影響を心配せずに開催できることを前提にして、これまでの出展社の要望を考慮したなどの結果」と説明。リアルでの開催をメイン軸として、地方や海外関係者へはオンライン配信を組み合わせて対応を図っていく考えを示した。
花王、今期のギフト戦略 「アタックZEROギフト」など展開
花王によると、昨年、新型コロナウイルスの感染拡大により、不要不急の需要であるギフト市場は影響を受けたが、直近はコロナ禍でも、昨年の第一波の際とは異なり、生活者が外出をする機会が増え、流通でも一部の店舗を除いて営業をしていることなどから需要は戻ってきているという。
昨年のギフト市場を振り返ると、近年における中元・歳暮ギフト市場の全体的な縮小傾向が続く中、新型コロナの影響もあり、金額で前年比99%、件数で95%と引き続きダウントレンドとなった。
衣料用洗剤ギフト市場では、粉末セグメントが縮小し、濃縮タイプを含む液体セグメントの構成は約88%となっている。また、液体セグメントでの濃縮液体と在来液体の構成比は、在来液体がやや上回る状況となっている。
花王は、今シーズンも昨年同様、購入単価アップが見込まれる「アタックZEROギフト」を中心に、カタログと店頭展開で衣料用洗剤ギフト市場の活性化を図る。また、コロナ禍での衛生意識の高まりに対応し、需要期の中元や歳暮限定で「アタックZERO」と「キュキュット クリア除菌(ポンプタイプ)」、「ビオレu泡ハンドソープ」を詰め合わせた「暮らしの清潔ギフト」を発売する。
コニュニケーション施策では、新型コロナの影響で消費者の衛生意識が高まる中、洗剤ギフトが「“清潔”を贈る」ギフトであることを訴求。店頭では「アタックZEROギフト」を核としたアタックギフト総合展開を、コミュニケーションでは当用品CFのぶら下がりにより認知拡大、購買意向の喚起を促し、Webではブランドサイトでのラインアップ紹介と贈答知識の啓発を図っていく。
2021年6月2日号 記事一覧
倒産・廃業
- 国分グローサーズチェーン、11月末で全事業から撤退
会合・発表会
- 製薬協、第260回総会 新会長に岡田安史氏(エーザイ)選任
- OTC薬協、上原明新会長(大正製薬HD社長)が会見 多方面連携を強化
- 東海卸組合、定時総会の中止を発表
- 資生堂、「クレ・ド・ポー ボーテ」秋冬新製品発表会開催
- 「感染対策を資材と方法で考える超党派議員連盟」設立 総会を開催
- 北海道卸組合、総会並びに親睦ゴルフ大会を中止に
経営・施策
- アース製薬・越智俊享デジタル戦略事業本部長インタビュー
- サンスター、「VO5医療支援1本1円寄付キャンペーン」実施中
- J&J、「リステリン オーラル(口腔)ヘルス アライアンス」を発足
製品・サービス
- ナリス化粧品、「メガビューティ」から初の化粧品 スキンケアセット発売
宣伝販促
- エステー、「ムシューダ ダニよけ」CM第1弾 「やさしい熊雄」篇
- ホーユー、「シエロ デザイニングカラー」新CMを放映
- 花王、「クイックルJoan」新TVCM公開中 村方乃々佳ちゃんが歌う
- ライオン、「抗菌洗濯」を提案 カジサックとのコラボ動画公開中
- エステー、「キッチンのお悩みそろえて安心!キャンペーン」実施
人事・組織
- ユニリーバ・ジャパン、山下健吾氏が代表取締役に就任
- 貝印とカイインダストリーズの新社長に遠藤浩彰氏が就任
- ライフコーポレーション、清水信次氏が取締役名誉会長に
- いなげや、人事異動を発表
- 家同連・東家同、役員選出
決算
- クオールHD、2021年3月期連結決算は減収減益 処方箋応需枚数減が響く
- ココカラファイン、2021年3月期決算は減収減益 インバウンド減等が影響
- 大木ヘルスケアHD、2021年3月期決算は増収増益 感染対策品強化が奏功
- サミット、2021年3月期決算は売上高・利益とも過去最高に
- アイスタイル、2021年6月期第3四半期決算はECの成長等で赤字幅縮小
- エステーの親会社・シャルダン、2021年2月期決算発表
調査・統計
- SM3団体、21年4月度販売統計調査 総売上高昨対は3カ月連続減少
- 経済産業省 21年1~3月度洗浄剤統計 「手洗い用・液体石けん」成長持続
- 西化工 21年1~2月化粧品統計 ヘアトリートメントが2ケタ増
イベント・展示会
- ライオン、「第78回全国小学生歯みがき大会」を6月から開催
施設・店舗
- NEW SHOPレポート イオンモール川口 初の本格的なスマートストア
時評・コラム
- 泡沫 大型商業施設は「もう我慢の限界」に
- らいたあ Web会議の利用増で自分の姿見つめ直す男性が増加!?
その他
- 書籍紹介 「化粧品卸売業の盛衰とその市場変遷」長谷川忠史氏
- 書籍紹介 「『心』が分かるとモノが売れる」鹿毛康司氏
特集 【薫香・ローソク】
- 線香市場 2020年市場はコロナ禍も前年並み299億円と堅調に推移
- ローソク市場 2020年は164億円(99.4%) ローソク文化見直す契機にも
- 全日本ローソク工業会・塩田会長インタビュー 市場啓発委員会を新設
- 日本香堂・土屋社長インタビュー 在宅増加で普段使いの線香ニーズ拡大
- こもりコーポ・小森社長インタビュー 2月期売上高はほぼ前期並みに
- カメヤマ・竹中取締役インタビュー 「文化としての供養産業」を活性化
- 東亜ローソク プチローソク「花いちもんめ」「花わらべ」が好評
- 誠寿堂 「うらわか アソート」「うらわか ひとひらサイズ」新発売
- ニホンローソク 和蝋型LEDキャンドル「灯(ひ)としずく」新発売
- 天昇堂 「和花ごこち」「白檀乃木」リピート購入で定番ブランドに
- マルエス 「煙少香月うさぎ~月見草の香り~」新発売
経営・施策
製品・サービス
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。