2021年4月21日号掲載記事より
21年2月小売業態売上高推移 5業態すべてが前年を割る厳しい結果に
3月22~23日に発表された各小売業団体統計調査による2月度売上高前年対比では、5業態すべてが前年を割るという厳しい結果になった。これは昨年1月末から本格化した新型コロナウイルス感染拡大の特需が2月で一巡し、この間前年対比増を続けていたGMS・スーパーマーケット(スーパー)においても前年のクリアが難しかったことが要因とみられる。百貨店・ショッピングセンター(SC)、コンビニエンスストア(コンビニ)は未だ減少傾向にあり、楽観視できない状況が続いていると言えそうだ。
まず久しぶりに前年を割ったGMS・スーパーマーケットをみてみると、チェーンストアは2.1%減(店舗調整後)と前月の1.2%増から3.3ポイント減少に転じた。昨年2月は4.1%増となっており、コロナ禍で増えた在宅勤務や外出自粛による家庭内生活時間増による需要拡大を維持できなかったことになる。
また、スーパー3団体(全国スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会)は1.1%減(既存店)となり、昨年2月から12カ月間続いた前年同月の増加がストップした。
一方、SCと百貨店は相変わらず2ケタ減と厳しい状況を抜け出せていない。さらに、コンビニは5.3%減(既存店)と前月よりも減少幅が0.4ポイント増加した。
コロナにおける特需が一巡する中で、各業態とも厳しい数字は予測されたが、結果は全業態で前年比マイナスという結果となった。3月は緊急事態宣言が解除されたことで、消費者の流れに変化がみられる可能性はあるものの、国内全体を覆う景況感の悪さは継続していたとみられ、まだまだ各業態ともに低水準での着地は続きそうな気配だ。
ウエルシアHD、2021年2月期連結決算は6期連続の増収増益
ウエルシアホールディングスは4月12日、電話会議による「2021年2月期決算説明会」を開催。出席した松本忠久社長は、「経営統合による売上増や、感染症予防対策商品や食品等物販の好調から、既存店の伸長率が4.1%と、全店伸長率の9.4%を下支えしたことが大きい」と増収増益となった当期決算業績を総括した。
当期連結業績は、売上高9496億5200万円(前年同期比9.4%増)、営業利益429億7400万円(13.7%増)、経常利益458億円(13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益279億9900万円(22.8%増)と6期連続で増収増益となった。
松本社長は当期での取り組みについて、「4支社制によるエリア運営の強化や調剤併設のための薬剤師の積極採用、PB開発、SNS等のデジタル販促など、専門性の追求や営業力強化を目的とした施策が奏功した。また、医療機関の誘致で地域医療との連携を図ることを目的に新設した『医療開発部』が早くも17件の成約を取るなど、順調な進展を見せている」と評価。併せて、店舗や採用等での業務効率化を図るための施策が進展し、収益力改善につながっていることなどを説明した。
その上で、次期取り組みについても言及。引き続きの4支社制によるエリア運営の深耕や調剤併設の促進、6月に予定する新PBブランドへの変換、デジタルチラシやアプリ開発等DX戦略の推進を実践することで、「調剤併設型店舗をベースとした顧客の納得性の高い商品とサービスを提供する『専門総合店舗』の構築を目指す」考えを語った。
P&G、「レノア超消臭1WEEK」新発売 新製品&新CM発表会開催
P&Gジャパンは、近年のライフスタイルの変化により高まった「長時間消臭」という消費者ニーズを満たすため、消臭効果が1週間長続きする柔軟剤「レノア超消臭1WEEK(ウィーク)」を4月下旬より新発売する。新発売に先立ち、4月15日には新製品&新CM発表会をオンラインで開催した。
初めにP&Gジャパン執行役員ブランドマネジメント本部長の小林洋貴氏が登壇し、共働き家庭の増加などにより1週間の洗濯回数が年々減少しており、次の洗濯までの間隔が長くなったことで、洗濯物が放置されている時間や、衣類やタオルを洗濯せずに着用/使用され続ける時間が伸びた(同社調査)と指摘。
更にコロナ禍でおうち時間やテレワークが増え、衛生意識が向上したことで、時間の経過とともにどんどん臭くなる「放置臭」を感じる場面が多くなっていることが顕在化したことを捉え、今回、従来品の「レノア本格消臭」が誇る優れた「消臭力」に加えて、「消臭時間」という概念を追加。特許取得の消臭カプセルを配合した革新的な消臭技術を採用することにより、イヤなニオイに対して効率よく徐々に消臭成分を展開するため、消臭効果がずーっと1週間長続きするとともに、コロナ禍でより顕在化した「時間の経過とともに発せられる放置臭」さえも防ぐことができる「レノア超消臭1WEEK」の新発売に至ったと述べた。
続いて4月17日から放映されるTVCMが上映された後、CMで消臭大臣役の天海祐希と秘書役の竜星涼が登場してトークセッションが行われ、撮影秘話や新製品クイズが行われたあと、再び小林本部長から「消臭と時間の関係」についてのプレゼンテーションなどがあり、最後に「柔軟剤は消臭時間で選ぶ時代」という宣言書に天海がサインし、天海と竜星が笑顔で宣言文を読み上げて会を終了した。
イオンリテール、ガーデニング&アウトドア販促を強化
イオンリテールは4月9日から、本州・四国(一部地域除く)の「イオン」「イオンスタイル」等各店舗で、「春のガーデニングフェア」の開始及び自社ホームファッションブランド「ホームコーディ」でのアウトドア関連商品の本格展開を開始した。
同日、千葉県習志野市の「イオン津田沼店」でガーデニング・アウトドア両カテゴリーの本格展開に関する説明会が行われ、ガーデニング・グリナリー商品部長・佐藤香氏とホームファッション商品部マネージャーの厚地省吾氏の両責任者が出席。取り組みの狙いと品揃えや売り場展開の特長について説明した。
佐藤氏は、4月9日から5月30日までの約2カ月間に渡り実施する「春のガーデニングフェア」について、「外出自粛等の影響から昨年春以降、ガーデニング商材の売上げが6月末の期間、前年比約120%。また今年3月度単月でも前年比160%と好調な動きを見せている。特に初心者の急増が顕著であった」と取り組み強化の背景を説明。その上で、「春の陽気となり、初心者がチャレンジしやすいこの季節に品揃えを拡充して大きくアピールしたい」と、需要開拓への期待を語った。
また厚地氏は、昨今の自宅の庭で楽しむ「おうちキャンプ」、ベランダで行う「ベランピング」、1人の「ソロキャンプ」等の新たな需要増に対応できるアウトドア関連商品約200品目を提案するアウトドア商品提案について説明。「密を避けて自宅で楽しむという新たなニーズ増を受け、カテゴリー業績自体が、直近3月度で昨対160%と好調なことから、GW需要をにらみつつ、提案を『ホームコーディ』売り場で本格化させる」と話した。
花王、「N=1起点のサービス開発」開始 楽天市場新設ページで限定品
花王は4月12日、楽天グループが運営するインターネット・ショッピングモール「楽天市場」に新設された「新商品コレクション」ページを通じ、顧客と一緒に商品を創っていく「クリエイターズ商品」として、へそごま除去パック「SPOT JELLY(スポットジェリー)へそごまパック」と、足用石けん「ARGINISTA(アルギニスタ)足ラボ石けん」を数量限定で発売した。
この2品は、花王発のオープンイノベーション・プラットフォーム組織「ファンテックLab&Biz(ラボ&ビズ)」が企画・開発したもの。これまであまり目が向けられてこなかった、個の深い悩みに焦点をあてて満足度を高める「N=1(エヌワン)起点のサービス開発」であり、一般的に少数派の悩みには目が向けられにくいとされていて、悩みの幅に個人差もあるため、対応する商品やサービスの最適化が難しい――と考えられることから、「楽天市場」に新設された「新商品コレクション」を通じて、2品の数量限定販売を実施。限定販売中に寄せられた使用者の声を商品づくりに反映させ、さらなる満足度の向上を図り、本発売を目指す。
また、オフラインの接点として、4月12日~5月9日まで、サンフランシスコ発の体験型ストア「b8ta Tokyo-Yurakucho」に2品を出品し、来店客の反応なども、本発売のための貴重な情報として活用していくとしている。
2021年4月21日号 記事一覧
M&A・設立
- クスリのアオキHDの子会社ナルックスがスーパーマルモのSM事業を承継
会合・発表会
- 日本浴用剤工業会、第33回定期総会開催を見送り
- 宮城卸組合、「第61回通常総会」開催中止を決定
- JAHI、定期記者会見を開催 特別講演「ペット産業とヘルスケア」も
- 現代人の角膜ケア研究室、WEBセミナー開催 “角膜の傷”のリスク説明
- 近石工、石鹸部会が講演会を開催 本紙・由上主幹が講演
- 千葉卸組合、「第53回通常総会」開催見送りを決定
経営・施策
- キリン堂、調剤薬局でオンライン服薬指導が可能に 「kakari」を導入
- 花王、中国海南島の「海旅免税城」に化粧品コーナーをオープン
- 花王、購買電力の再生可能エネルギー比率100%目標年を早期化
製品・サービス
- PRページ ライオン 美白ハミガキ「Lightee(ライティー)」誕生
- WADAI 小久保工業所、読売テレビ「ten.」で商品開発秘話など紹介
- 花王、「ディープクリーンシュッシュデント」からミニサイズ新発売
- 白元アース、「アイスノン」から暑さ対策をサポートする新商品発売
- ユニ・チャーム、「ソフィはだおもいライナー」から悩み別に選べる新製品
- 小林製薬、機能性表示食品「健脳ヘルプEX」通信販売で発売
- 桃谷順天館、ハラール認証取得化粧品シリーズ「ハピネスボーテ」販売開始
- ジェクス、コンドーム最上位アイテム「ZONE Premium」新発売
- UYEKI、「カビトルデス」シリーズが高い支持集める
宣伝販促
- 花王、「置きリセッシュサポーター」募集キャンペーン開始
- ニベア花王、「8×4MEN 濃厚ロールオン」新WEBムービー公開中
- ニベア花王、「ニベアクレンジングオイル ビューティスキン」CM放映中
- コーセー、「メイクキープミストEX」NiziU出演新CM放映中
- エステー、「ムシューダ」新TVCM「感動の再会編」放映開始
- ライオン、「ソフランプレミアム消臭 ウルトラゼロ」新CM放映中
人事・組織
- 資生堂、人事異動を発表
決算
- イオン、2020年度決算は修正予想値を上振れ 2025年度営業収益目標11兆円
- ライフコーポレーション、2021年2月期連結決算は大幅な増収増益
- U.S.M.H、2021年2月期決算は増収増益 商品・デジタル・インフラを改革
- メディカル一光グループ、2021年2月期決算はコロナ禍響き減収に
- イオンモール、2020年度決算は通期計画に対して超過を達成
- ローソン、2021年2月期は既存店不振から減収減益に 日常使い商品拡充へ
- ミニストップ、2021年2月期は営業赤字、客数減少が響く
調査・統計
- KSP-POS 2021年3月 カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- 牛乳石鹸共進社、ビームスとコラボイベント「銭湯のススメ。2021」開催
- 貝印が特別協賛、「第14回スイーツ甲子園」参加チーム募集中
時評・コラム
- 時評 明暗分けるコロナ禍での決算
特集 【H&BC/男性用化粧品&カミソリ】
- 男性化粧品市場 コロナ禍も順調に拡大 “リモート映え”など新ニーズも
- ウェットシェービング市場 コロナ禍の影響で2020年市場は2ケタ減に
- 花王 「ケープ」から男性向け「ケープ FOR ACTIVE MEN」新発売
- BULK HOMME シリーズ累計出荷総数500万本以上を記録
- マンダム 「ギャツビー フェイシャルペーパー」をリニューアル
- ライオン 「Ban汗ブロックロールオンプレミアムラベル(男性用)」展開
- 資生堂 男性用BBクリーム「ウーノフェイスカラークリエイター」が好調
- P&G「ブラウン」、家庭用光美容器を改良発売
- クラシエHP 「エピラットオム薬用除毛クリーム」で男性ニーズに応える
- P&G 「ジレット スキンガード」から新カミソリ・シェービング剤
- シック・ジャパン シック史上最高峰「シック 極 KIWAMI」新発売
- フェザー安全剃刀 男性用ムダ毛ケア「2WAYボディヘアトリマー」発売
- 貝印 世界初「紙カミソリ」公式ストアで先行発売 プラ使用量98%削減
- サティス製薬 「紅たで」使った化粧品原料開発 エシカル消費推進に貢献
- プラネット「男性のスキンケア」調査 20・30代男性は4割超が毎日実施
経営・施策
製品・サービス
研究・開発
調査・統計
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