2021年3月31日号掲載記事より
JACDS、20年度DgS実態調査 全国総売上高8兆円を超える
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は3月23日、毎年実施している「2020年度版(第21回)業界推計 日本のドラッグストア実態調査」の速報版を公表した。それによると、総売上高は前年比4.6%増の8兆363億円となり、市場規模として初の8兆円超えとなった。また、総店舗数も2万1284店舗(388社)で拡大。いずれも調査開始以来21年連続の増加となった。
規模別の推定店舗数(有効回答構成比による)では、「300坪以上」が3644店舗、「150坪以上300坪未満」が9614店舗、「60坪以上150坪未満」が3957店舗、「30坪以上60坪未満」が1877店舗、「30坪未満」が2191店舗であった。
さらに、商品カテゴリー別売上高の調査結果では、全国推定売上高(388社・2万1284店舗)は、「調剤・ヘルスケア」が2兆5338億円(105.7%)、「ビューティケア」が1兆5603億円(99.6%)、「ホームケア」が1兆7454億円(107.9%)、「フーズ・その他」が2兆1963億円(104.4%)であった。
21年1月小売業態売上高動向 SC・百貨店・CVSは前年割れ抜け出せず
2021年1月度の各小売業態売上高前年比が各小売業団体統計調査(2月22日~25日発表)から明らかになった。ショッピングセンター(SC)と百貨店が20%を超える減少となり、コンビニエンスストア(コンビニ)も前年を割った。昨年1月は新型コロナウイルスの感染拡大状況が明らかになり始めた月であり、今回の3業態はもろにコロナ禍中での深刻さが続いていることを露呈させた。一方、GMS・スーパーマーケット(スーパー)は前年を上回り、他の3業態との明暗が分かれた。
SCは年明けに11都府県に再発令された緊急事態宣言が、中心地域・大都市のSCを中心に来店客減に大きく影響した。SC総合で25.2%減、テナント28.0%減、キーテナント13.1%減と厳しい結果になった。
また百貨店は29.7%減と前月より16.0ポイントのダウンとなった。特に緊急事態宣言対象地区における店舗の営業時間短縮や高齢層を中心とした外出自粛により入店客数が約40%減となった。
更にコンビニは、既存店ベースで4.9%減(全店ベースは3.9%減)になった。
一方、チェーンストアは、1.2%増(店舗調整後)となったが前月より1.5ポイントのダウン。住関品は2.1%減で、うち日用雑貨品は0.3%増も医薬・化粧品は9.0%減となり、宣言による在宅勤務、外出自粛の影響を受けたとみられる。
スーパー3団体は、6.0%増(既存店)と相変わらずの好調が続いている。非食品も0.4%増(同)で前年同月をわずかに上回った。
いずれにしても、昨年1月はコロナ禍が次第に明らかになりつつも、まだ月の中頃までは人の移動の変化は少なかったと思われるだけに、今年1月の状況が不安視されたが、SC・百貨店・コンビニがまさにその反動を受けた形となったと言える。
コロナ禍の収束はまだ先が見えないだけに、2月以降の各小売業態動向にも目が離せない状況が続きそうだ。
ライオン、新美白ハミガキ「Lightee」新CM発表 中村アンを起用
ライオンは3月23日、光発想の美白ハミガキ「Lightee(ライティー)」新CM・新製品発表会をオンラインで開催。ライオンヘルス&ホームケア事業本部オーラルケア事業部長の浦尾康弘氏があいさつし、同事業部・石塚愛氏がオーラルケア市場の現状と開発背景を説明、同業部青木智弘氏が「Lightee」のプレゼンテーションを行った。
続いて、新CM「ルーペの女」篇が披露された後、CMキャラクターの中村アン、ゲストのぺこぱが登場。おすすめのブラッシング方法や歯の色調チェック、歯の色が顔に与える印象についてトークセッションを行い、発表会を盛り上げた。
説明によるとオーラルケア・ハミガキ市場では高額美白カテゴリーが長期的に伸長、特に若い女性に歯の色を白くすることへの関心が高まっている。さらにコロナ禍による「おうち時間」増加に伴い、若い女性はメイクアップよりもスキンケア・ヘアケア・歯のケアなどの「根本ケア」へお金をかける傾向にある。また、テレビ会議で自身の顔を見る機会も増えたことで、肌や歯へのケア意識が高まっていることも判明している。
ライオンは、肌や歯など素材磨きをすることで顔の印象を変える新しい美容価値やニーズに着目し、更なる市場拡大のチャンスと捉え、美白ハミガキの新ブランド「Lightee」を日本と中国で同時に発売した。
新CM「ルーペの女」篇では、歯が顔の印象に与える影響を気付きとして表現し、「ライオンが本気で作った美白ハミガキ」をメインのメッセージとして新製品登場への期待感を伝えている。
日本MA-T工業会、設立記念式典開催 MA-Tの可能性を積極発信
世界初の酸化制御反応システムであるMA-T(Matching Transformation system)の価値向上と普及を図る日本MA-T工業会(川端克宜代表理事/アース製薬社長)の設立記念式典が3月18日、東京都港区の赤坂インターシティコンファレンス The AIRで開催された。
同工業会は、革新的な技術である「MA-T」の今後の応用技術開発を後押しするとともに、その産業創造による経済効果や感染症対策など社会問題解決の推進に向け、昨年11月に設立されたもの。
当業界ではアース製薬やマンダムなどが会員企業となっており、更に様々な分野での活用が期待される中、幅広い業界の有力企業が多数会員企業として名を連ねている。
記念式典では、川端代表理事が開会の挨拶に立ち、「日本初のすばらしい技術であるMA-Tを、世の中に広げていくために工業会を立ち上げたが、ここからが本当のスタートだと気の引き締まる思いである。MA-Tは、社会の課題解決に向け、大きな力になるものと考えており、そのための情報発信を工業会を通じて積極的に行っていきたい」と述べた。
続いて、内閣府副大臣の赤澤亮正氏から、「MA-Tは、世界や日本が抱える多くの社会問題、課題へのソリューションとして、また新たな産業創出の起爆剤、日本経済の成長と活性化に寄与するものと期待している」とのビデオメッセージが寄せられた。
その後、大阪大学大学院歯学研究科の阪井丘芳教授による「COVID-19と唾液腺~MA-Tの有効な活方法について~」と、大阪大学先導的学際研究機構の大久保敬教授による「MA-T酸化制御技術~カーボンニュートラル社会の実現に向けて~」の2つの記念講演と、パネルディスカッション「カーボンニュートラルとMA-Tの貢献について」が行われた。
ユニ・チャーム、「認知症予防とケア」オンライン講座実施
ユニ・チャームは、コロナ禍で外出を控えることが多いなか、高齢者の認知症リスクが高まる可能性に対し、今から取り組める「おうちで学ぼう“認知症予防とケア”」オンライン講座を、3月10日に開催した。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、高齢者にとって外出しにくい状況が続いている中、長期間の閉じこもりにより、認知機能が低下する可能性が危惧される。
そこで今回、講師に東京都健康長寿医療センター研究所・藤原佳典先生や、スペシャルゲストとしてライフリーCMキャラクターの菊池桃子を招いて、オンライン講座を開催した。
講座では、藤原先生が、認知症の基礎知識や、自分で出来る「認知症チェック」などを紹介し、閉じこもりすぎによる認知症リスクについて解説。また、コロナ禍で外出不安のある人が閉じこもりすぎず、感染症に十分気を付けながら出かける時のポイントをわかりやすく紹介した。
高齢者が外出しづらくなってしまう意外な原因の1つとして「尿もれ」が取り上げられ、「尿もれケアには、専用のパッドでしっかり対処することで、トイレ不安によって閉じこもりがちになってしまうのを、避けてほしい」とアドバイスもあった。
2021年3月31日号 記事一覧
特別企画
- NEW SHOPレポート 「イオンタウン茨木太田」(大阪府茨木市)
会合・発表会
- 製薬協、会長記者会見開催 新たな製薬産業政策を提言
- ユニリーバ、「ダヴボディウォッシュ」説明会開く 「美肌菌」に着目
- 資生堂ジャパン、「グレイシィ」新ミューズに菅野美穂を起用 発表会開く
- アサヒグループ食品、新社長に川原専務が昇格 就任記者会見開く
経営・施策
- マツキヨHD、「Best Japan Brands2021」で国内№1のDgSブランドに
- 関西スーパーマーケット、コーナン商事のPBブランドの取り扱い開始
- 住友商事×サミット×トモズ、「食と健康」テーマの協働売り場を導入
- ユニ・チャーム、伊丹工場の年間使用電力の約3%をグリーン電力に切替え
- サンスター関西支店、大阪府「職場で健活10大賞」で最上位の大賞受賞
- アース製薬、「MA-Tシステム」が第1回STOP感染症大賞グランプリに
製品・サービス
- 花王が開発した高耐久アスファルト改質剤を静岡県磐田市が採用
- 花王、「ロリエ朝までブロック」改良新発売 “3倍吸乾シート”採用
- 花王、「リリーフ アクティブ吸水ショーツ」新発売
- I-ne、クレイビューティーブランド「ドロアス」からクレイヘアマスク発売
- エステー、「消臭力DEOX」からファインブーケの香り新発売
- ユニ・チャーム、「超快適マスク」から最軽量の「SMART COLOR」発売
- 白十字、「FCステラーゼ不織布タイプ」が好調 マスク中当て用で提案
- サンギ、「アパガードクリスタル歯ブラシ」改良 記念キャンペーンも展開
- P&Gジャパン、「h&s」から新ライン「h&s scalp」発売
- コーセー、「雪肌精 クリアウェルネス ティントクリーム」発売
- P&G「ジレット」、再生プラ利用の男性用ディスポ新発売
- クラシエHP、「ナイーブ」から「冷んやり桃ミント」数量限定発売
- ピアセラボ、初ヴィーガンコスメ「エアンスヴィーガンクリアオイル」発売
- UYEKI、カメムシ忌避剤「カメムシクリン」新発売
宣伝販促
- 花王、「リセッシュ除菌EXプロテクトガード」新CM放送開始
- 牛乳石鹸共進社、「牛乳石鹸のれんを探せキャンペーン」実施中
- ライオン「バファリン」 新メッセージ伝える新CM放映中
- 日本香堂、「夢の夢」新シリーズ発売記念キャンペーン実施
人事・組織
- キリン堂、執行役員を追加選任
- セッツ、機構改革・人事異動を発表
- 中山福、役員異動・組織変更を発表
研究・開発
- 花王、日本化学会第69回「化学技術賞」を受賞
- 油脂工業会館、令和3年度「第53回油脂産業論文」募集要項を発表
調査・統計
- SM3団体、21年2月度販売統計調査 売上高前同比99.6%に
- 経済産業省 21年1月度洗浄剤統計 「合成洗剤」が全用途で好発進
- 西化工 21年1月化粧品統計 前年同期比22.4%減でスタート
- 東家同 21年2月度市況概況価格調査 引き続き商品供給面優先した月に
- 貝印、新生活に関する調査実施 新生活で重要な場所「キッチン」が1位に
- 大阪税関、「化粧品輸出」資料公表 20年の輸出額は5615億円に
- マンダム、「40代ミドル男性白書」21年版公開 身だしなみの意識に変化
施設・店舗
- 神戸物産、本店を兵庫県加古川市に移転
- オカモト、自動車内装表皮材の新生産拠点を中国に設立
時評・コラム
- 泡沫 8兆円の大台に乗せたDgSに拍手を
特集 【殺虫剤・虫対策用品】
- 家庭用殺虫剤関連市場 在宅時間拡大、換気の習慣化で伸長
- フマキラー・菅谷マーケティング部長に聞く 「見えないリスクと戦う」
- 大日本除虫菊 平野営業本部長に聞く 「ゴキブリムエンダー」拡販に注力
- 児玉兄弟商会 アウトドアで人気の虫よけや獣害対策商品などが好調
- ウエ・ルコ 「しっかり効くコバエ捕獲器」新発売
- エステー 「ムシューダ ダニよけ」から大判シートタイプ新発売
- アース製薬 「おすだけアースレッド 無煙プッシュ」など新発売
- 立石春洋堂 殺虫剤関連商品やネズミとり器など展開強化
- 紀陽除虫菊 害虫の駆除剤や犬猫用忌避剤など10品目新発売
- サプリコ 若手情報交換会をオンラインで開催 コロナ禍での取り組み等
- 東海卸組合 日用品・駆虫環境衛生合同部会をリモート開催
- 堅牢な社会インフラとしての役割果たす卸売業
- 全卸連・森友会長インタビュー 来期は活発に事業活動を推進
- PALTAC コロナ禍も流通業の使命全うへ
- あらた・須崎社長インタビュー 快適な暮らしの総合プロデューサー目指す
- 中央物産・原社長インタビュー 「3つのこだわり」で同質化から脱却
- 【特別インタビュー】東流社・芳賀社長 東日本大震災から10年
- ハリマ共和物産 春の見本市は4月に延期もオンラインで一足早く開催
- 友藤商事 創業120周年迎える 記念品を関係者に送付
- プラネット・田上社長インタビュー 「協調」アプローチで業界に貢献
- 森川産業・大塚専務インタビュー コロナ禍の中、積極的な商談を
- シンタクス 「オンライン受注システム」の導入を開始
- あらた 監査等委員会設置会社への移行を発表
- JACDS 電子タグ(RFID)実装へ スマートストア実現に向け
- 楽天、西友、横須賀市 自動配送ロボットによる商品配送サービスを提供
- イースト、「防災備蓄用ウェットタオル」を災害備蓄品として積極販売
- リンコム「店番長」、平和堂グループ全160店舗に導入
- ピップ WEB展示会「ウエルネスフェスタ2021 Spring」開催
- 寄稿 「東日本大震災から10年(故郷を偲ぶ)」 ときわ商会・相澤常務
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