2021年3月24日号掲載記事より
JACDS「第21回JAPANドラッグストアショー@オンライン」開催
3月13日、ヘルスケア業界最大のイベント「第21回JAPANドラッグストアショー@オンライン」(~21日)が開幕。タイトル通り、初のオンライン形式での開催となった。17日には開会式が配信され、主催者である一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の池野隆光会長(ウエルシアホールディングス会長)はその挨拶の中で、社会が大きく変化する現状を鑑み、「未来を拓く大きなメモリアルイベントにしたい」と抱負を語るとともに、コロナ禍でドラッグストア(DgS)が担うべき役割の重要性をあらためて説いた。池野会長の今イベントに賭ける思いは、「このイベントを新しい健康づくりの一歩としてもらいたい」という言葉に表れている。
初のオンライン開催となった今年の「JAPANドラッグストアショー」。そのテーマは、「ドラッグストアから未来の健康社会づくり~ライフスタイルの転換期セルフメディケーション生活実現へ~」で、204社が出展し、それぞれ趣向を凝らした展示ブースを専用WEBサイトにアップし、最新情報を発信した。
今回、実行委員長を務める江黒太郎氏(クスリのマルエ社長)は開会式で、「その中でも、時間や距離の制限からの解放というメリットも見えてきた。特に地域や海外企業等遠距離に居る人たちに業界の最新情報が届くことは大きい」という期待感を示した。
出展社を代表して挨拶を行ったのは、花王・代表取締役社長執行役員の長谷部佳宏氏。長谷部氏は業界として避けて通れない問題としてコロナ禍におけるヘルスケア産業の立ち位置に言及。「世界一の長寿国である我が国はさらにセルフメディケーションを進めていかなければならない。その担い手となるDgSは我々にとっても一番のプラットフォーマーだけに、街というエリアを深く理解したDgSが我々を指導し、業界の強みを生かしつつ、セルフメディケーションの進展をけん引してもらいたい」と期待を込めてエールを送った。
今回、展示内容は、セルフメディケーションのさらなる理解促進と啓発のための最新情報を発信しつつ、健康や美容、生活に役立つ商品等を詳細に紹介したものとなっている。
池野会長は最後に、「今回は新しい形による健康社会のつくり方への第一歩になるだろう。美と健康、食と介護とDgSが活躍できる場が拡がっている今こそ、業界が大きく羽ばたくことに期待したい」と語り、今イベントを成功裏に導くことがDgS業界発展への1つの試金石だとの考えを表明した。
花王、「アタック ZERO」リニューアル 本体に100%再生プラを初採用
花王は4月10日、洗浄力をさらに進化させ、衣類の清潔を実感できる衣料用濃縮液体洗剤「アタック ZERO(ゼロ)」を改良新発売する。
同社では発売に先立ち3月17日、報道機関に向けオンラインで「花王『改良アタック ZERO説明会』」を開催。今回の改良ポイントやサステナビリティの取り組みについて説明した。
新「アタック ZERO」は、センイ改質技術“AC-HEC(エー・シー・ヘック)”が進化。洗濯中のくすみ・黒ずみを防ぎ、衣類の白さがよみがえるのが特長だ。また、環境にも配慮し、花王の衣料用洗剤では初めて、本体容器に100%再生プラスチック(ポリエチレンテレフタレート)を採用した。
説明会では初めに、「これからの暮らしの清潔力」を支える生活・社会・環境アプローチ――のテーマでファブリックケア事業部の原岡理映ブランドマネージャーが新「アタック ZERO」について紹介。
アタックのブランドパーパスは「きれいも、きもちも、あたらしく。」であり、アタックの考える「清潔」は“ベースとしての洗浄機能”と“時代によって変わる生活者の清潔ニーズ”の両面に応えるものであると言及するとともに、「清潔力」を支える3つのアプローチとして①生活=ゼロ洗浄へ②社会=菌・ウイルスなどの見えない不安に、安心の土台を③環境=植物由来の洗浄基剤バイオIOSと100%再生プラスチックのボトル採用――を紹介した。
続いて、花王の目指す「Kirei Lifestyle」を具現化するアタックZEROの環境視点の取り組み――のテーマのもと、ESG部門の大谷純子ESG広報担当部長が花王の製品ライフサイクルを取り上げ、原材料選び/製造/運搬/販売・購入/使用/分別・回収/処理・リサイクルなどの連環について説明。
特に「使う」では、1回のすすぎで節水・節電、「原材料を選ぶ」では、なるべく環境負荷の少ない原材料を使い開発する過程でバイオIOSの開発・活用、再生プラスチックの利用に取り組んでいることを報告した。
ライオン、健康サポート事業「インクルーシブ・オーラルケア」を展開
ライオン、認定NPO法人フローレンス、NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(順不同)は3月8日、報道関係者を対象に「インクルーシブ・オーラルケア」に関する説明会(共同会見)をオンラインで開き、3社協働でオーラルケア機会の格差是正を目的とした「インクルーシブ・オーラルケア」を経済的困窮家庭を対象に展開していくと発表した。
歯みがき行動は、全身の健康と密接に関係しており、人が本来持っている“健やかに生きる力”をひきだし、育む、非常に重要な習慣。だが、その人を取り巻く生活環境、身体、経済、教育、情報などの様々な状況により、オーラルケアの実施には格差が生じ、歯と口のケアが十分にできない人がいる。
ライオンは、この健康格差をサステナビリティの重要課題と捉え、子どもたちの食を支える「こども食堂」や「こども宅食」を通じ、「食」と親和性の高い「歯みがき」や「歯と口の健康」をテーマにした体験プログラムを提供し、子どもたちの自己肯定感の向上に貢献する「インクルーシブ・オーラルケア」を実行していく。3社は、この活動を支える仕組みを構築する協定を結び、持続可能な仕組みにより、オーラルケア機会の提供による子どもたちへの自立支援を推進していく。
協定の目的は、「子どもたちの経済的状況によるオーラルケア機会の格差をなくす」で、活動内容は、①「歯みがき」や「歯と口の健康」をテーマにした体験プログラムの実施②オーラルケア製品の提供③保護者向けオーラルケア基礎講座の実施。活動開始日は4月1日で、全国のこども食堂や家庭、オンラインツールも活用し活動を展開する予定。
薬王堂、ネット注文とドライブスルー受取サービスを開始
薬王堂は3月15日、チェーンストアECの垂直立ち上げプラットフォーム「Stailer(ステイラー)」を展開する10X社と共同で、「ステイラー」を活用し、店頭商品をスマートフォンから注文し、店頭と店舗駐車場で車上受取り(ドライブスルー受取り)できるアプリ「P!ck and(ピックアンド)」を導入。消費者への提供を開始した。
同日、同社営業本部DX推進室マネージャ・西郷泰広氏と10X代表取締役CEO・矢本真丈氏出席のもと、上記施策を含む両社共同で取り組む「ドラッグストアDX推進プロジェクト」の概要を説明するオンライン発表会が実施され、西郷氏は本サービスの開始理由について、「人口減少率がトップの東北エリアでは今後、買い物難民の増加から生活必需品からの孤立が起こり、生活基盤の構築ができない人たちが急増する」と指摘した上で、「その解決策として、人口減少・高齢化エリアにおける生活基盤確保を実現する取り組みとなるこのプロジェクトを立ち上げた」と説明した。
「ネット注文+ドライブスルーor店頭での受取り」は、顧客は「ピックアンド」アプリで商品を注文し、「車上受取り」か「レジ受取り」を選択後、店舗に来店すると用意された商品を直ぐ受け取ることができるもの。受け取りは最短2時間後からで、当日午後4時までの注文で午後9時まで受取りが可能。サービス利用料は1注文につき220円(税込み)。
すでに3月15日から、岩手矢巾店・盛岡向中野店・紫波日詰店・滝沢室小路店の4店舗で開始され、年内に全322店舗での展開を目指す考え。
西郷氏は、「OTCもネット販売許可を取得次第開始する。将来的には売上構成比で3%程度までいくよう事業を育成する」との考えを示した。
シャボン玉石けん、リサイクルフィルム活用でCO2排出量削減を推進
シャボン玉石けんは、人気商品となっている無添加石けん「シャボン玉浴用100g」のパッケージ素材を「メカニカルリサイクルフィルム」に4月以降順次切り替えていく。
「メカニカルリサイクルフィルム」とは、回収ペットボトルをリサイクルした再生樹脂を80%使用(世界最高レベル/2021年時点)したフィルム包材であり、これによりCO2排出量を約4.4%削減することができるという。また、「メカニカルリサイクルフィルム」の採用により、CO2排出量の削減とともに非再生プラスチック資材の削減も図る。
同社では、企業理念にも合致するものとしてSDGsに向けた取り組みにも注力しており、人や環境にやさしいものづくりはもちろんのこと、様々な活動を通して持続可能な社会の実現を目指している。
「シャボン玉浴用」に関しては、2015年から多くの販売店で定番展開されている売れ筋商品の3個入の売上げの1%を人と環境にやさしい活動に寄付する「1% for Nature プロジェクト」も実施(2020年から更に対象商品を拡大)するなど、積極的な取り組みを続けている。
2021年3月24日号 記事一覧
会合・発表会
- 貝印、キッチンウェア新商品発表会開く 「SELECT100」「関孫六」など
- ラックス×コクヨ、「国際女性デー」スペシャルセミナー開催
- コーセーコスメポート、「ジュレーム リラックス」新CM発表会開催
- 貝印、「ニャーミング」などビューティーツール新商品を発表
経営・施策
- アインHD×日本郵便、処方薬の当日配送サービスの実証実験を開始
- マツキヨHD・ココカラ、花王商品売上金額の一部を寄付 医療従事者支援
- シック・ジャパン、ボディヘア通して多様性推進 「#BodyHairPositive」
- 日本ロレアル、女性のエンパワーメント・アドバイザリー・ボードを新設
- ユニ・チャーム「ソフィ」、生理にまつわる悩みをサポートするアプリ配信
- コーセー、企業部門「女性応援ブランド賞」を初受賞
- 大王製紙「ハートサポート2021」、開始2週間で目標3000投稿達成
- エステー、空気や水の環境を考えるプロジェクト開始 アスクルと共同で
- ユニ・チャーム「ソフィ」、「みんなの生理研修」動画を制作
- 花王、「未来へのメッセージ」サイト開設 東日本大震災から10年
- 桃谷順天館、厚労省「えるぼし認定」3段階目最高位を取得
- コーセー、化粧品から絵具をつくるモーンガータ社へ協力
- 桃谷順天館、体験型1dayインターンシップをオンライン開催
製品・サービス
- 花王、「バブ オフロでオフ」新発売 余分な皮脂をお風呂で流す
- 花王、「ロリエ スリムガード」改良 より快適に“つけてる感ゼロへ”
- 牛乳石鹸共進社、「ミルキィボディソープ」からボタニカルサボンの香り
- ユニリーバ、「ドメスト 室内用多目的除菌スプレー」発売
- エステー、「消臭力」に2つの新香調を追加 既存品のパッケージも一新へ
- バスクリン、リニューアル品・新製品発売 「きき湯ファインヒート」等
- ライオン、次世代の柔軟剤「ソフランプレミアム消臭ウルトラゼロ」新発売
- 大王製紙、「Puana キッピス企画品」3種を数量限定発売
- GSK、「シュミテクト エナメルケア+」新発売 歯のエナメル質を強化
- ユニ・チャーム、「ムーニーマン 汗スッキリ」Mサイズ追加、限定発売
- ユニ・チャーム、環境配慮型ウェットティッシュを西日本限定発売
- ユニ・チャーム、「ムーニー 手口ふき/大判厚手おしりふき」発売
- P&G、「パンテーンPRO-Vミセラーシリーズ」発売
- P&G、「ジレット スキンガード」から新カミソリ・シェービング剤発売
- バスクリン、「バスクリン世界紀行イタリア青の洞窟」今年も数量限定発売
- マンダム、「マンダム ウォークシップ マスク快適スプレー」新発売
- ライオン、「NONIO」新TVCM「世界が広がる」篇放映中
- PRページ マックス 新ブランド「The BAR(ザ・バー)」新発売
宣伝販促
- P&Gジャパン、新TVCM「#平等は実現できる」放映中
- 日本製紙クレシア「ポイズ」、産後ケアの日プレゼントキャンペーン実施中
- ダリヤ、「サロン ド プロ 白髪川柳」の2020年年間グランプリ発表
- クラシエHP、薬用ニキビケア「肌美精CHOI」のWEBムービー公開中
- クラシエHP、「ディアボーテHIMAWARI」新CM2篇放映中
- ライオン、「NONIO」新TVCM「世界が広がる」篇放映中
- マンダム「ビフェスタ」、本田翼出演の新TVCMを公開
人事・組織
- 白元アース、取締役会長に川端克宜氏(アース製薬社長)が就任
- アークス、組織変更・人事異動などを発表
- イズミ、人事異動を発表
- カスミ、人事異動・組織変更を発表
- マックスバリュ関東、人事異動・組織変更を発表
- マルエツ、組織改正・人事異動を発表
決算
- ツルハHD、2021年5月期第3四半期業績は増収増益 コロナ特需は一巡
- P&G米国本社、20/21事業年度第2四半期業績発表 純売上高8%増
研究・開発
- バスクリン、アトピー性皮膚炎に対するタンニン酸配合入浴剤の効果を発表
調査・統計
- KSP-POS 2021年2月 カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- BULK HOMME、オンラインセミナーで男性の肌トラブル対処法紹介
- ライオン、「ジャパンSDGsアクションフェスティバル」に出展
- UYEKI、「第2回京都ギフト・ショー」に出展 洗顔石けんを訴求
時評・コラム
- 時評 1月度販売統計に募る懸念
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。