2021年2月24日号掲載記事より
福島県、宮城県で震度6強の地震発生 流通業にも建物の損壊等の被害
2月13日、午後11時8分に発生した福島県沖を震源とする地震は、福島県と宮城県で震度6強を観測。負傷者を出した他、一時は95万戸以上が停電、工業用水道では配水管からの漏水が確認され、一部給水停止するなど被害が発生。流通にも建物の損傷や商品落下などの被害があった。地震の規模は大きかったものの、津波は発生せず、10年前の東日本大震災のような甚大な被害には至らなかった。
ドラッグストアのツルハホールディングスは、福島県、宮城県内のツルハ店舗で商品が散乱するなどの軽微な被害があったが、ツルハドラッグ仙台愛子店、ツルハドラッグ南方店を除き14日から営業を再開。前述の2店舗も15日には営業を再開した模様。
薬王堂ホールディングスは、福島県、宮城県の一部の店舗で建物等の被害が発生したが14日中に復旧し、全店が営業を再開した。
マツモトキヨシホールディングスは、15日現在、マツモトキヨシエスパル郡山店、マツモトキヨシエイトタウン相馬店、マツモトキヨシMOP仙台港店で営業を見合わせているほか、一部の店舗では営業時間を変更しているなどの対処している。
卸売業では宮城県仙台市が本社の東流社では人的被害はなく、事務所の書類が棚から落ちるなどの軽微な影響はあったが、翌日の15日から通常通りの営業活動を行っている。
PALTACは、人的被害はなかったが、物流センターでは、宮城県白石市の大型物流センター(RDC宮城)で建屋・機器の損壊などの被害が発生し、15日現在、出荷が難しい状況にあったが、他の物流センターからの代替出荷体制に切り替えて対応している。
あらたは、人的、物的被害はなく通常通りの営業を行っている。
なお、経済産業省は、今回の福島県沖を震源とする地震による災害に関して、福島県の8市9町に災害救助法が適用されたことを踏まえ、被災中小企業・小規模事業者対策を行うと発表した。
ライオン、中長期経営戦略フレーム「Vision2030」発表 3つの成長戦略
ライオンは2月15日、オンラインで記者懇談会を開き、掬川正純社長、榊原健郎取締役上席執行役員、久米裕康取締役上席執行役員が出席し、2020年12月期の連結業績、「中長期経営戦略フレーム(Vision2030)」を発表した。
中長期経営戦略フレーム「Vision2030」について、掬川社長は「『パーパスドリブン経営』の徹底により、社会価値と経済価値の創出」「より多くの毎日の生活への貢献による事業成長」「社会変化に対して、自己変容し続ける企業への変革」をテーマとし、2030年に向けた経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」の実現に向け、パーパスを起点とし、「サステナビリティ重要課題への取り組み」と「3つの成長戦略」を相乗的に推進し、サステナブルな社会への貢献と事業の成長を目指すことを表明。
2030年の目指す業績イメージについては、連結売上高6000億円水準(海外事業の構成比50%程度)、事業利益500億円水準、ROIC8~12%、ROE10~14%、EBITDAマージン10~14%、アジアトップ10入り――を示し、経営ビジョン実現に向け、「4つの提供価値領域における成長加速」「成長に向けた事業基盤への変革」「変革を実現するダイナミズムの創出」の3つの成長戦略を推進する考えを示した。
また、2020年12月期の連結業績については、売上高3553億5200万円(前期比2.3%増)、事業利益359億3700万円(19.6%増)、営業利益440億7400万円(47.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益298億7000万円(45.3%増)の増収増益となったことを報告。掬川社長は「連結売上高は昨年の10~12月は消費低迷の影響を受けた東南アジアで苦戦したものの、戦略的に競争費を投下した国内主力分野(オーラル、柔軟剤等)の増販により公表値を達成した」と総括した。
NID、展示商品約定会が好評 2050年には年商目標1兆5000億円
日本ドラッグチェーン会(NID)は2月9~10日、パシフィコ横浜で「第105回下期展示商品約定会」を開催した。出席加盟社45社260人、出展メーカー435社(955人、新規出展22社)、参加総数480社1251人の規模で、バーチャル展示も並行して行われた。
会場では入場前の検温、アルコール消毒剤の設置、密を避けるために出展メーカーは1社2名程度に制限するなどの感染対策を講じ、医薬品、健康食品、化粧品、日用品、衛生、雑貨、食品、衣料、バラエティー、新商品コーナーなどを展開。出展メーカーは、主力品や新商品、NID専売品等を展示し、熱心な商談が行われ、出展メーカーからは「昨年からリアルの展示会がなくなっているので小売業様に商品を説明できるこの展示会は意義がある」といった声が聞かれた。
10日に関伸治会長(セキ薬品)、森信ニッド社長(ドラッグストアモリ)、浦上晃之商品開発委員長(ゴダイ)が出席して記者会見が開かれ、関会長は「ドラッグストアはリアルの仕事が99%でオンラインは1%あるかないか。NIDの一番の武器は推奨販売で、商品の良さを伝えることで我々は生き残っている。そのためにはクオリティの高い商品を仕入れなければならない。オンラインで質の高い仕入れができるかどうかということを考え、リアルで展示商品約定会を開催することを決断した」と述べ、「2025年には年商1兆5000億円、調剤にも力を入れ、その内調剤売上高1500億円を目指す」と新たな目標を明らかにした。
アース製薬、2020年度は売上高・利益ともに過去最高の実績達成
アース製薬の2020年12月期は、売上高1960億4500万円(前期比3.4%増)、営業利益114億1600万円(191.5%増)、経常利益116億6100万円(169.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益35億4700万円で、売上、利益ともに過去最高の実績を達成した。
昨年は、コロナ禍での新しい生活様式や巣ごもり需要などがグループ全体にプラスに働き、全カテゴリーで増収を達成。特に主力の虫ケア用品においては、天候にも恵まれ、増収増益に大きく貢献。20年は第1期中期経営計画(2016~2020年)の最終年度であり、過去最高の業績で締めくくるかたちとなった。
これは、コロナ禍による影響や安定した気候もプラス要因となったことに加えて、これまでのお客様目線による商品開発や返品削減の取り組み、また海外展開の強化やグループシナジーの強化、更に様々な業務改革の積み重ねによるところが大きい。
同社は、2月12日にオンラインでの決算説明会を実施し、20年の業績並びに第1期中期経営計画の成果について報告するとともに、21年からの新中期経営計画についても説明。モノサシ・インフラの刷新を掲げ、これまでの取り組みを進化させ、更なる構造改革を進めることで、売上高2130億円、営業利益140~160億円、当期純利益100億円、ROE7.4%、DOE5.1%を目指す。
また、今期については、売上高2000億円、営業利益110億円、経常利益115億円などを目標値とし、コロナ禍の中で定着してきた「ニューノーマル」への対応をはじめ、複数の利益源を構築しながら、環境変化にも柔軟に対応できるグループ経営を目指していくとしている。
アイスタイル、2021年6月期第2四半期業績発表 コスト削減進み赤字幅縮小
アイスタイルは2月12日、オンラインで2021年6月期第2四半期決算説明会を開き、吉松徹郎社長が同期の業績、化粧品業界の展望とアイスタイルの今後の方向性などについて説明した。
それによると同期の連結業績は、売上高156億1500万円(2.0%減)、営業損失5億4400万円、経常損失6億200万円、親会社株主に帰属する四半期純損失7億7700万円となった。
同社グループは、前期における新型コロナウイルスの影響やグローバル事業の不振による業績悪化から再度成長軌道に乗せるため、当期は不採算事業の整理・撤退並びに収益部門の強化に注力。売上高は、ビューティーサービス事業で外出機会の減少によるECの需要が増加したことや「アットコスメビューティーデー」を開催したことに伴いECが大幅成長したこと、1月にオープンした大型旗艦店「@cosme TOKYO」が寄与した一方、オンプラットフォーム事業やグローバル事業の不振により減収となった。営業利益は新型コロナウイルスの影響や、大型旗艦店が黒字化していない一方で、大型旗艦店オープンに伴う先行費用がなくなった事や、グローバル事業をはじめとする各事業でコスト削減を実施したことにより、グループ全体で赤字幅は縮小した。
化粧品業界の展望とアイスタイルの今後の方向性について吉松社長は、「コロナ禍が収束してもEC市場が成長した結果、店舗売上げは以前の水準までおそらく戻らず、実店舗を抱える事業には新しいビジネスモデルが必要となる。減収しても黒字化するために構造改革(小売のDX化)が必要だが、店舗の利益だけでは困難だ。ECの成長とネットとリアルを融合した新しい店舗モデルの確立、それらを通じて獲得したデータの活用が鍵となる」と説明した。
2021年2月24日号 記事一覧
会合・発表会
- 日本ヘルスケア協会、定期記者会見開催 緊急事態宣言下でも活動は順調
- 製薬協、ワクチン接種テーマにフォーラム開催 「不安」予防の重要性提言
経営・施策
- ミツエイ、地震の影響少なく通常の生産体制を維持
- 日本ロレアル、テラサイクルと包括的提携 化粧品空き容器回収開始
- ユニ・チャーム、自己株式の取得実施 取得総数は400万株(上限)
- ヤマサキ、創業50周年迎えて関係者に記念品と新製品を贈呈
- ユニ・チャーム、「moonyバースサポート制度」で不妊治療と仕事を支援
- 花王、「サプライヤー・エンゲージメント評価」最高評価を4年連続獲得
- ユニ・チャーム、サントリーと鉄道コンテナによる共同輸送を開始
- ライオン、「サプライヤー・エンゲージメント評価」2年連続で最高評価
製品・サービス
- 花王、「ハミング消臭実感」新発売 動くたび、汗をかくたび、2段階消臭
- 花王、「メンズビオレONE」からBB&UVクリームとジェル洗顔料を発売
- 日本製紙クレシア「スコッティ」、鬼滅の刃コラボ限定品発売
- ライオン、「ソフランプレミアム消臭 特濃 抗菌プラス」新発売
- ライオン、「ブライトSTRONG漂白&抗菌ジェル」をリニューアル発売
- 大幸薬品、「クレベ&アンド ウイルスプロテクトマスク」発売
- ナリス化粧品、「パラソーラ ホワイトブライトニングUV」新発売
- フマキラー、キッチンアルコール除菌スプレーが女性誌で除菌大賞を受賞
宣伝販促
- オカモト「ピュアマーガレット」、携帯用コンドームケース企画品限定発売
- シック・J、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」コラボカミソリ限定発売
- クラシエHP、「マー&ミー ラッテ」新CMでリンスインシャンプー紹介
- サンスター、受験生を応援するWEB CM「全力で挑もう」篇を公開
- 牛乳石鹸共進社、新企業動画公開中 「洗いたての肌で 愛を伝えよう」篇
人事・組織
- マツキヨHD、松本貴志氏がマツキヨ社長に 子会社人事など発表
- イオン、機構改革・人事異動を発表
- いなげや、人事異動を実施
- 森川産業、役員を選任
- ライオン、3月30日以降の役員体制を発表
- イズミ、組織変更・人事異動を発表
- セブン&アイHD、3月1日付の人事異動を発表
決算
- サンドラッグ、2021年3月期第3四半期決算は増収増益 DS事業が好調
- マツキヨHD、2021年3月期第3四半期業績は減収減益に 都市型店舗が不振
- ユニ・チャーム、2020年度は増収増益 売上高、コア営業利益が過去最高
- ポーラ・オルビスHD、2020年度業績は減収減益 POLAはECチャネル強化
調査・統計
- シック・J、「Schick」ブランド誕生100周年記念で「髭」意識調査
イベント・展示会
- 全国SM協会、「スーパーマーケットトレードショー」をリアル開催
- 伊勢半本店、紅ミュージアムで若手作家コラボ企画を4月17日から開催
施設・店舗
- 楽天と西友、「楽天西友ネットスーパー」専用の物流センターを新設
- ナリス化粧品、企業資料館「成寿殿」を兵庫工場敷地内に建設
時評・コラム
- 泡沫 10年前の辛い記憶を越えて
- 今年の春夏はリニューアルが多い? 大型新製品はアフターコロナに期待
特集 【紙上新製品発表会】
- 新常態で問われる発表会の在り方 メーカーの方針・新製品発表会が変化
- 花王 「ビオレUVバリア・ミー ミネラルジェントルミルク」新発売
- ミヨシ石鹸 「無添加せっけん」から泡のハンドソープ携帯用30ml発売
- クラシエHP 薬用ニキビケアシリーズ「肌美精CHOI」新発売
- ライオン 美白ハミガキ「Lightee(ライティー)」を日中同時に新発売
- 澁谷油脂 「SOC薬用こどもの足用泡ソープ」新発売
- シック・ジャパン シック史上最高峰モデル「シック 極 KIWAMI」新発売
- 小林製薬 消臭元シリーズを「エコ容器」へリニューアル
- アース製薬 オンライン方針発表会開催 新商品はグループ全体で110SKU
- ジェクス 「ZONE Premium」など春の新製品発表
- コーセーコスメポート 「ジュレーム リラックス」を刷新
- エステー 環境変化に合わせ21年の商品戦略を策定 おうち時間などに焦点
- ユニ・チャーム 「ソフィ超熟睡」シリーズでムーミンデザイン限定発売
- フマキラー 「見えないリスクと戦う」施策を推進 「虫よけバリア」展開
- 大日本除虫菊 ゴキブリムエンダーの拡販に注力 販売目標は250万本
- 晴香堂 アロマストに大容量の「リビング」を追加 新シリーズも投入
- 牛乳石鹸共進社 「バウンシアボディソープ」から数量限定の香り発売
- PRページ NSファーファ 「メディックエイド」から泡ハンドソープ販売
- アサヒグループ食品 「ミンティア」からマスク着用時用の新商品を投入
- ユニリーバ 「ダヴ 泡ハンドウォッシュ」新発売
- 特別アンケート調査 新製品発表会の「リアル形式望む」声が過半数占める
経営・施策
製品・サービス
調査・統計
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